基本情報技術者試験は未経験から目指せる?メリット・デメリットと活かせる職種
[最終更新日]2024/08/26
ITエンジニアならば「基本情報技術者」という資格を耳にしたことがある人は多いでしょう。
企業によっては入社時にこの資格を取るよう求められる場合もあります。
一方で、受験する機会のないまま今日まで過ごしてきたエンジニアの人もいるでしょう。
ITエンジニアの経験が豊富ならば、基本情報技術者は難しい試験ではありません。
そうでない方でも、しっかり準備をすれば合格可能です。
目次
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対象エンジニア層 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務未経験~2年 | 実務未経験~2年 | 実務未経験~2年 | 実務未経験~2年 |
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サービス名 | レバテックキャリア |
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type転職エージェント |
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1)基本情報技術者試験とは
基本情報技術者になるためには、試験の合格が必要です。
有資格者になる第一歩は、試験の内容を知ることです。どのような試験かを知ることで効率よく準備でき、合格に近づけます。
本記事では、初めに基本情報技術者試験の概要を解説します。
続いて基本情報技術者の資格を取得するメリット、そしてエントリー向け資格の「ITパスポート」とどう異なるか、についても触れていきます。
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験は、以下の要領で実施される資格試験です。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
主催 | 情報処理推進機構 | |
申込先 | プロメトリック株式会社専用サイト | Web申込のみ可能 |
試験方法 | コンピュータを用いたCBT方式 | |
試験科目・時間 | 午前試験(150分)、午後試験(150分) | 午前試験を午後に、午後試験を午前中に受験することも可能 |
出題形式 | 多肢選択式 午前試験は四肢択一(80問すべて必須) 午後試験は11問から5問を選んで回答 |
午後試験の言語は、C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフトから1つ選択 |
試験日 | 受験者が事前に予約した日時。但し、申込日から60日以内であることを要する | 試験実施期間中ならば、午前試験と午後試験は別の日でも受験できる※ |
支払方法 | クレジットカード、コンビニ、Pay-easy | |
受験料 | 5,700円(消費税込み) | クレジットカード以外は、支払手数料242円が加算される |
合格発表 | 午前・午後両方の受験が完了した翌月下旬に、受験番号を情報処理推進機構ホームページと官報で公開 | 受験後の「スコアレポート」は、合格していそうかどうかの目安として使える |
合格ライン | 午前試験・午後試験とも、60点(100点満点) |
※午前試験と午後試験の試験実施期間が異なることにご注目ください。
参考:
プロメトリック「基本情報技術者試験」
情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 試験要綱Ver.5.0」
試験で問われる内容は、ITエンジニアに求められる基礎的な内容から、技術面だけでなくマネジメントやビジネス、法務なども出題され、非常に広範囲です。
このことから、「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれている資格です。
基本情報技術者の資格を取得するメリット
基本情報技術者の資格を取得することで、以下のようなメリットが得られます。
大手IT企業への転職に有利
基本情報技術者はITエンジニアの基礎的なスキルを認定することから、転職に有利というよりも「エンジニアならば持っておくべき資格」と考えている人は多いでしょう。しかし大手IT企業へ転職する場合は、有利に働く場合があります。それは、以下の理由があるためです。
- 多くの人が採用に携わるため、なるべく明確な基準により選考したいと考える選考者は多い
- 資格取得者の人数を、Webサイトで公表している企業もある
基本情報技術者の合格者は、情報処理推進機構がスキルを認めた方々になります。「一定のスキルを持つ人」として、選考において有利に働くことが見込まれます。
業務に活かせる知識を身につけることができる
基本情報技術者試験では以下のとおり、ITエンジニアとして必要な知識が試されます。
- ITシステムについて(ソフトウェアやハードウェアなど)
- 技術面(データベース、ネットワーク、セキュリティなど)
- システム開発の技術
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム戦略やシステム企画、経営戦略について
- 企業活動や法務
上記のとおり、合格に必要な知識は広範囲にわたります。
もっともこれらは、業務でシステム開発に携わる上でも必要な知識です。試験の合格者を採用すれば、企業としても一から教える手間が省けるでしょう。
業務に活かせる知識を身につけられる点もメリットです。
企業によっては資格手当がもらえる
IT企業のなかには、合格した際に一時金や資格手当を支給するところもあります。
一時金は1回限りですが、資格手当はずっと支給され続けますから、基本給のアップとほぼ同等の効果が得られます。
もっとも基本情報技術者の場合、資格手当を支給する企業でも毎月3,000円から5,000円というケースが多いです。
ひと月で見るとお小遣い程度のアップですが、年間では数万円の収入増になります。
ITパスポートとの違い
基本情報技術者試験とITパスポート試験には、さまざまな違いがあります。
最大の相違点は、対象とする層です。ITパスポートはITエンジニアのみならずクリエイターや営業も含めたITに関わる社会人としてふさわしいITスキルを試します。
つまり、「一般常識としてのITスキル」を試す試験といえるでしょう。
一方で基本情報技術者はITエンジニアが対象です。業務を担う上で求められる、基本的な知識や技能を身につけているかが試されます。
試験時間や科目も、以下の通り大きく異なります。
試験名 | ITパスポート | 基本情報技術者 |
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解答すべき問題数 | 100問 | 午前試験:80問 午後試験:5問 |
時間 | 100分 | 午前試験、午後試験とも150分 |
合格率 | 受験者の50%前後 | 受験者の21~29%程度 |
ITパスポートと比べて合格率が低いことも、基本情報技術者試験の特徴です。より広く深い知識が求められます。
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2)基本情報技術者の資格を活かせる職種
基本情報技術者の資格は、さまざまな職種で活かせます。
そのなかでも代表的な職種を、以下に挙げてみました。
基本情報技術者の資格を活かせる職種の主なもの
ITエンジニアを代表する職種が、ずらりと並んでいることが特徴です。職種ごとの特徴について、順にチェックしていきましょう。
プログラマー
主な業務内容 | 仕様書や指示書に基づき、プログラムコードを組んだり、バグの修正を行ったりする仕事。 |
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求められる資質・スキル |
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平均年収 | 338万円 参考:求人ボックス |
プログラマーはシステムエンジニアが作成した仕様書に基づき、以下の業務をする職種です。
- プログラム設計をする
- コーディングを行い、プログラムを書く
- バグが出た場合は修正する
加えて単体テストなど、テストを担当するケースも多いです。
これらはシステム開発における、「下流工程」と呼ばれているものの、システムをつくるためには不可欠の工程です。世の中に役立つシステムをつくる上で、プログラマーは重要な役割を果たしています。
業務の遂行には開発に使う言語に関する知識や、論理的思考力が欠かせません。開発業務はチームで進められる場合も多いため、コミュニケーション能力も求められます。
またIT業界は変化が速いため、絶えずスキルを向上させることも必要。向上心も欠かせないスキルです。
システムエンジニア(SE)
主な業務内容 | 開発するシステムの要件定義からシステムの設計・開発をする。 その後はシステムが正常に動作するかのテストと運用・保守も担う。 |
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求められる資質・スキル |
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平均年収 | 504万円 参考:求人ボックス |
システムエンジニアは要件定義から運用・保守まで、システムに対してトータルに関わる職種です。プログラミング以外にも、以下の業務があります。
- 要件定義や設計において、顧客と話し合い仕様を確定する
- プログラマーや協力会社に対し、コーディングに必要な指示をする。プログラムの検収も行う
- トラブル対応
これらの業務を遂行するには技術だけでなく、業務知識や関係する法令、プロジェクトマネジメントやコミュニケーションスキルなど、多種多様なスキルが求められます。
基本情報技術者試験ではITエンジニアとして必要な多くのスキルが試されますので、ぜひ取得しておきたい資格の1つとなります。
インフラエンジニア
主な業務内容 | サーバーやネットワークの設計・構築、セキュリティ対策、保守・運用などをする。 |
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求められる資質・スキル |
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平均年収 | 516万円 参考:求人ボックス |
インフラエンジニアはサーバーやネットワークなど、システム基盤に関する業務を担う職務です。その業務範囲は以下の通り、広範囲にわたります。
- ハードウェア
- OS
- データベースなどのミドルウェア
- ネットワーク
- セキュリティ
それぞれに対して、設計や構築、運用・保守といった業務を担います。インストールやセットアップの業務は、その一部に過ぎません。
もちろんパフォーマンスを上げるためのチューニングも、重要な業務の1つです。
近年大きな関心を集めているセキュリティも、インフラエンジニアの担当業務です。ネットワークとあわせて、必要な知識です。また論理的思考能力や、技術の変化についていく向上心も重要です。
ネットワークエンジニア
主な業務内容 | ネットワークに関する「要件定義設計」「構築テスト」「運用保守」の3つの工程に携わる仕事。 |
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求められる資質・スキル |
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平均年収 | 455万円 参考:マイナビエージェント |
ネットワークエンジニアは、通信に関わる職種です。
インターネットが不可欠な社会において、重要な役割を果たします。
扱う範囲は施設内にとどまらず、遠隔地をつなげる通信を担当する場合もあります。またLANケーブルを使う有線だけでなく、無線のネットワーク構築を任される場合も少なくありません。
加えて担当する業務も要件定義から構築、運用・保守まで広範囲にわたります。
業務を円滑に遂行する上でネットワークに関する知識は必要ですが、それだけではありません。
論理的思考能力も、よいネットワークを組むためには欠かせないスキルです。
これらの基礎的な部分は、基本情報技術者試験でも試されます。また他のエンジニアと連携を取る必要があるため、コミュニケーションスキルも必要です。
サーバーエンジニア
主な業務内容 | サーバーの「構築」、または「運用・管理」をする仕事。 |
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求められる資質・スキル |
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平均年収 | 465万円 参考:マイナビエージェント |
サーバーエンジニアはインフラのなかでも、サーバーを主な担当とするエンジニアです。
とはいえサーバーをまるごと担当するわけですから、守備範囲も広くなります。ハードウェアやOSはもちろん、他の機器と通信する上で必須となる「ネットワーク」やデータベースなどの「ミドルウェア」、情報を守るための「セキュリティ」に関する知識は必須です。
シェルプログラミングのスキルについても、求められるケースは多いでしょう。
業務は大きく分けて、本稼働を始める前の「設計・構築」と、本稼働後の「運用・管理」に分けられます。両方を担当する人もいるでしょう。業務の遂行には正確性に加えて、状況に応じた柔軟な対応も欠かせません。
3)基本情報技術者試験の難易度と勉強時間の目安
ここまで、基本情報技術者の有効性について解説してきました。
ITエンジニアならばぜひとも取得しておきたい資格ですが、難易度はどの程度か、勉強時間をどの程度かける必要があるかという点は気になるところでしょう。
基本情報技術者試験は、しっかり準備すれば合格できる試験です。ここからは難易度や必要な勉強時間について、詳しく解説していきます。
基本情報技術者試験の難易度
「基本情報技術者試験の概要」でも解説したとおり、基本情報技術者試験は「IT技術者が踏む最初の一歩」という位置付けがされています。ITスキル標準のレベルは「2」とされ、以下のスキルが求められます。
上位者の指導の下に、要求された作業を担当します。プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能を有する。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められます。
引用:情報処理推進機構「ITスキル標準とは?」
2010年以降に実施された試験の合格率は、21~29%で推移しています。
マークシート方式ではあるもののおおむね4人に1人しか合格しないわけですから、それなりに難しい試験といえるでしょう。
有資格者になるためには、しっかり準備を行った上で臨む必要があります。一方で多くのITエンジニアにとっては、精一杯学習しても合格できないほど難しい試験ではありません。
基本情報技術者試験の勉強に、おすすめの参考書籍
基本情報技術者試験の勉強時間の目安
合格に必要な勉強時間は、あなたのスキルレベルによって大きく異なります。
IT技術者としてある程度の経験をお持ちの人は、50~100時間が目安です。平日は毎日1時間、土日に3.5時間勉強すると、2ヵ月で100時間に到達します。「このくらいの時間なら、なんとか捻出できる」という人も多いのではないでしょうか。
また経験豊富な人なら、50時間をかけなくても合格できる可能性があります。但し技術面以外の出題もあるため、いずれにしても事前の学習は必須です。
一方でITの経験が浅い人は、より多くの時間をかける必要があります。
目安は150~200時間程度といったところでしょう。経験者と比べて2倍の時間を持っておくと良いでしょう。「参考書を読んでも理解できない」という人は、先にITパスポートを受験し、ステップアップすることも1つの方法です。
Webサイトなどには「1週間で合格できる」という情報も見受けられます。しかしこれらはあくまでも体験談のレベルです。誰でも実現可能な方法とは限りません。
まとめ)スキルの証明とステップアップのためにも、取得をおすすめ
ITエンジニアならば、基本情報技術者はぜひ合格しておきたい試験です。
出題範囲には、エンジニアとして知っておくべきさまざまな知識が含まれます。
4学習した内容が、実務で役立つ場面も多々あることでしょう。受験料が1万円を超えがちなベンダー試験よりずっと少額で済むことも、見逃せないメリットです。
メジャーな資格であるため、参考書も多数発売されています。
ITエンジニアの経験が浅い人でも、しっかり学習すれば合格できる試験です。不安な人は、通信講座などを活用することも1つの方法です。
スキルの証明とステップアップのためにも、ぜひ取得することをおすすめします。
「ITエンジニアの転職」に向けてのお役立ち情報
分野 | お役立ち情報記事(未経験者におすすめ) |
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