Scalaエンジニアに未経験から転職するには?仕事内容・ 年収・需要・転職成功のポイント
[最終更新日]2024/11/02
Scalaは将来有望で、かつ年収も高い言語と言われています。さまざまな開発現場で求められていることから、読者のなかにはScalaのスキルを身につけ、Scalaエンジニアに転職したいと考えている人もいるでしょう。
残念ながらScalaエンジニアへの道は、簡単ではありません。
しかし正しい努力を積み重ねれば、未経験でもScalaエンジニアになり、活躍することは可能です。
特にJavaなど他の言語の経験がある人は、比較的マスターしやすい言語といえます。
目次
1)Scalaエンジニアの概要と主な仕事内容
Scalaエンジニアに転職するには言語そのものはもちろん、どのような仕事があるか、また年収について知っておくことが重要です。
ここではScala言語の概要と活用できる分野、年収に加えて、どんな業界やサービスで求められているのかについて解説していきます。
Scala言語の概要
Scalaは、2000年代前半に公開されたプログラミング言語です。以下のとおり、Javaに代表されるオブジェクト指向型言語と同じ特徴があります。
- 修正や仕様変更への対応が容易
- Javaの仮想マシンやクラスライブラリを利用できる
- JavaとScalaで、それぞれのコードを相互に呼び出せる
Javaとの違いは関数型言語の特徴も兼ね備えているため、簡潔なコードが記述できる点にあります。
Javaをはじめとするオブジェクト指向型言語の場合、処理を追加する際にはどうしてもある程度の量のコードを記述する必要があります。
一方でScalaでは関数型言語の特徴を生かし、同じ処理でも簡潔に記載できます。
なかにはJavaで20行必要なコードが、Scalaで書くと1行で済む場合もあるほどです。
このためScalaは、「Javaの後継言語」とも呼ばれています。
Scalaを活用してできること、Scalaが得意とする仕事内容
Scalaは、さまざまな種類のシステム開発に活用できます。業種や目的に特化していないことから、汎用のプログラミング言語と呼べるでしょう。
もっともScalaがあればなんでも開発できるからといって、すべてのシステム開発にまんべんなく使われているわけではありません。
たとえば人工知能ならPython、iPhoneのアプリ開発ならSwiftが優先して使われることでしょう。このためScalaが多く使われる分野は、ある程度絞られます。
- SNSやビジネスチャット、ECサイトなど、Webサービスの開発
- Androidアプリの開発
- 業務システムの開発
- ゲームの開発
Scalaで開発された主なサービスには、TwitterやChatwork、SmartNewsなどがあげられます。
あなたの身近なところにも、Scalaが活用されているといえるでしょう。
2)Scalaエンジニアの年収、需要のある業界・サービス
Scalaエンジニアで働くにあたり、年収が高いのか、世の中から求められる言語なのかという点は気になるところです。この点について、解説していきましょう。
Scalaエンジニアの年収・待遇イメージ
Scalaエンジニアは、年収が高いことが特徴です。
求人検索エンジン「スタンバイ」が行った「プログラミング言語別年収ランキング2018」によると、Scalaの年収中央値は600万円となっています。
これは1位のGoと並ぶ年収額であり、JavaやRubyなどよりも50万円以上高くなっています。
「年収500~800万円」といった金額を提示する企業は珍しくありません。高いスキルに見合った収入を目指したい人には、おすすめの言語といえるでしょう。
また、Scalaエンジニアは、正社員での募集が多くなっていることも特徴の1つです。
Scalaエンジニアの需要・将来性
Scalaエンジニアはシステム会社による募集が多いものの、IT業界以外の企業による募集もあります。
さまざまな募集案件がありますから、チェックしておきましょう。
また、Scalaが使われるサービスは、ECサイトや通信・金融業界、化粧品やゲーム、電子決済サービス など多種多様です。
Scalaエンジニアは、さまざまな業界やサービスで求められているといえるでしょう。
こうした需要の広がりの背景として、Scalaは「JAVAの後継言語」としての期待が高まっている点が挙げれます。
とくにWebサービスについてはフロントエンドの開発にも対応できることもあり、今後のScalaのニーズはさらに高まりが見られるでしょう。
「将来性」という観点でみても、Scalaはポジティブな要素の多い言語といえます。
3)Scalaエンジニアに必要な知識・スキルは?
Scalaエンジニアには、以下にあげる4つの知識やスキルが求められます。
それぞれのポイントについて、順に確認していきましょう。
Scalaをはじめ、関連する言語の知識やスキルは必須
Scalaエンジニアとして働くならば、Scalaで開発できるだけのスキルが必要です。
いくら需要が高い言語でも、「転職後に勉強します」という人はなかなか採用されません。このため最低でも、独学でプログラムを作った経験が求められます。
加えてScalaは、他の言語と組み合わせた開発もよく行われます。
そのため「Javaでは難しい部分をScalaで開発」といったことも行われがちです。
このようなプロジェクトの場合、「Javaでも組めるレベルのスキルしかないScalaエンジニアはいらない」という判断にもなりかねません。
したがってScalaエンジニアは、Javaなど関連する言語の知識を身につけた上で、適切に使い分けるスキルも求められます。
参考:Scalaと合わせて学習がおすすめのプログラミング言語
言語名 | 特徴 | 学習のメリット |
---|---|---|
Java | JVM上で動作し、Scalaと相互運用可能 | Scalaのコードベースと共存可能、エンタープライズ開発で有用 |
Python | シンプルで学びやすく、幅広いライブラリを持つ | データ分析、機械学習、スクリプト作成で活用可能 |
Kotlin | JVM上で動作し、モダンで安全性が高い | モダンなJVM言語の知識、Android開発に有用 |
JavaScript | Web開発におけるフロントエンドの主要言語 | フルスタック開発スキルの向上、リアクティブプログラミング |
Rust | システムプログラミングに適したモダンな言語 | 高性能かつ安全なコードの作成、並列処理の強化 |
ハードウェアやWebなど、コンピュータに関する知識も必要
ScalaはJavaよりも後発の言語であるため、新しい技術を生かした実装が可能となっている点も特徴の1つです。一例として、以下のものがあげられます。
- CPUの並列実行に対応
- XML型への対応
- テスト自動化のライブラリに対応
たとえばCPUには、コンピュータの処理を司る「プロセッサコア」が1つ以上あります。
CPUのなかに2つ以上のプロセッサコアがあるものを「マルチコア」と呼び、同じ時間帯に複数の処理、つまり並列実行をすることが可能です。また、最近のWebサイトは、表記にXMLを活用するケースも多くなっています。
これらの強みは、開発者がハードウェアやWebの仕組みを知っていてこそ生かせるものです。
このためScalaエンジニアは言語だけでなく、ハードウェアやWebなど、コンピュータに関する幅広い知識が求められます。
未知の内容や事態に対しても、積極的にトライする姿勢が求められる
Scalaは新しい言語であるため、すみずみまで詳しく書かれた教材がない場合や、知りたい情報がないといったこともあります。開発においては、未知の事態に遭遇するケースもあるでしょう。
このような場合、「習っていないからわからない」というのではいけません。
これまで培った経験やさまざまなノウハウをもとに、積極的にトライする姿勢が求められます。
そもそも誰も遭遇したことのない事態は、その解決法を多くのエンジニアが知りたいと思っているもの。積極的に立ち向かい解決に導くことで、優秀なScalaエンジニアとして認められるかもしれません。
このため「ピンチはチャンス」ととらえ、前向きに対応することが重要です。
コミュニケーションスキルも欠かせない
Scalaエンジニアは他の言語と組み合わせて用いられるケースも多いことから、チームでの開発もよくあります。入社後は、どこかのプロジェクトに配属されるケースが多いことでしょう。
迅速かつ良質なシステムを組み上げるためには、チームメンバーの発言内容を正しく理解し、自らも言うべきことを正しく伝えるスキルが必要です。
また、顧客と会話する際には、要件を正しく聞き取り、システムに反映しなければなりません。このため相手の話を正しく聞き取り、自分の思いをしっかり伝えるコミュニケーションスキルも欠かせません。
4)未経験からScalaエンジニアを目指す際に意識したい3つのポイント
あなたがScalaを経験していない場合、Scalaエンジニアを目指すためには以下のポイントを意識する必要があります。
それぞれのポイントについて、順を追って見ていきましょう。
Javaおよびオブジェクト指向への知識・実践経験を深めておく
さきに解説したとおり、Scalaには以下の特徴があります。
- Javaと互換性がある。Javaとともに使われるケースも多い
- オブジェクト指向型言語と関数型言語、両方の特徴を持っている
従ってScalaエンジニアになるためには、まずオブジェクト指向の考え方を学んだ上で、Javaをマスターすることが大変有効です。
Javaでプログラミングできるようになれば、Scalaを学ぶ苦労もかなり軽減されることでしょう。また、先にJavaを学んでおくことでScalaの強みを生かせる場面を知ることができ、開発現場でも役立ちます。
実際の求人においても、初心者からいきなりScalaを目指すことは不可能ではないものの、他の言語と比べて難しい現実があります。
しかしJavaなどオブジェクト指向の言語を経験していれば、採用されやすいといえるでしょう。
Scalaを学習し、自分でシステムを作ってみる
Scalaは文法が難しいことや、さまざまな表現方法があることから、初心者には難しい言語といわれています。
このような言語の場合、早くマスターする目的で一度にあれもこれもと欲張ることは失敗への近道です。そうではなく、1つ1つの機能を確実にマスターすることが重要です。
Scalaを学ぶ方法には、Webサイトやオンライン講座、書籍など、さまざまな方法があります。
WebサイトにはScala公式のものや、Kojoといった統合学習環境などがあります。また、おすすめの書籍には、以下のものがあります。
- Scalaをはじめよう! ─マルチパラダイム言語への招待─
- ゼロから学ぶScala
- 実践Scala入門
他の言語で開発経験がある人は「実践Scala入門」から、不安がある人は上の2冊から学習を始めるとよいでしょう。
学んだ内容は自分でプログラミングを行い、動かしてみることが重要です。
Oracleの公式サイトなどからJDKをダウンロードし、Scala公式サイトからScalaとIDEをダウンロードしましょう。セットアップ方法や起動方法は、Scala公式サイトや書籍で確認できます。
ある程度Scalaのプログラムを組めるようになったら、ポートフォリオを作ってみましょう。あなたの実力を示す客観的な情報となるため、転職に有利な材料となります。
ITエンジニアの転職支援に強い転職エージェントを活用する
Scalaエンジニアは、ある程度高いスキルが要求されるケースが多いもの。特にScala未経験の人の場合は、アピールポイントで経験者に負けてしまいがちです。
これに対応する方法として、ITエンジニアの転職に強い転職エージェントを活用することはおすすめです。
よい転職エージェントはScalaを使った案件や各企業の特徴をよく理解していますから、転職成功への適切なアドバイスを受けられる点がメリットです。
もちろん書類や面接対策も行ってもらえますから、安心して転職活動を進められます。
次の章では、具体的なおすすめの転職エージェントと、その活用方法について説明します。
4)未経験からScalaエンジニアを目指す際におすすめの転職エージェント5選
Scalaエンジニア向けの求人を取り扱う転職エージェントは多くあります。
選ぶ際は、「Scalaエンジニアの求人が豊富か」「希望する転職地域に対応しているか」「担当者はこちらの希望をしっかり聴いて理解してくれるか」の3点を意識すると良いでしょう。
1点目の求人数と2点目の対応エリアについては、本記事が紹介するおすすめサービスにてあわせて説明します。
3点目の「担当者の品質」については、まずは「ここが良さそう」と感じたサービスを2~3つ登録して、そのうえで自分に合った担当者を見出して利用を絞っていくのがおすすめです。
ITエンジニアが転職エージェントを利用する際の選び方・活用法を紹介します。「自分に合った転職エージェントを見つけたい」という人は、以下ご参考ください。
Scalaエンジニアでの転職で、転職エージェントを活用するポイントは以下の3点です。
- Point1 各ITエンジニア向け転職エージェントの、それぞれの特徴を知っておく
- Point2 はじめに2~3つ「複数」の転職エージェントに登録しておく
- Point3 何度かのやりとりで「相性」と「やりやすさ」を確認する
特にポイント3つ目の「相性とやりやすさ」は重要です。転職エージェントの担当者とは、転職期間中はずっと付き合いを続けていきますので、「自分に合った担当アドバイザー」を早めに見出していくことが、転職成功のひとつの要となるでしょう。
- キャリア相談に、親身に乗ってくれるか
- 求人を紹介する際に、「なぜおすすめなのか」についてきちんと納得できる説明をしてくれるか
- 求人紹介の量・その後の連絡ペースが、適切と感じられるか
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同サービスの特徴としては、アドバイザーの殆どが「エンジニア実務経験者」であること。IT業界についてエンジニアリングの技術的な事柄についても通じた担当が付いてくれる可能性が高いです。
レバテックキャリアのScalaエンジニアへの転職おすすめポイント
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そのため、転職希望者のスキルや希望にマッチした求人紹介を得意とし、ヒアリング後の初回マッチング率(内定率)は90%にものぼるといいます(同社担当より)。
引用元:レバテックキャリア公式サイト
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参照元:ワークポート 「転職コンシェルジュの転職相談サービス」
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リクルートエージェントのScalaエンジニアへの転職おすすめポイント
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引用元:リクルートエージェント公式サイト
また、「企業が求める人材はどういったものなのか」という悩みに対しても、実績豊富なキャリアアドバイザーがポイントを記した「エージェントレポート」を提供してくれます。
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まとめ)Scalaエンジニアへ未経験から転職する際はあせらず、確実にスキルを積み重ねること
未経験からScalaエンジニアを目指す際、最も避けなければならないことは「スキル不足のままろくに教育を受けずに現場に入り、仕事についていけず離職してしまう」ことです。
これを防ぐためには、以下にあげる2つのポイントを押さえることが欠かせません。
- Scalaのスキルをしっかり身につけて転職する
- 教育制度がしっかり整った企業に入社する
このため「すぐに高収入を狙いたい」とばかりに、あせって転職することは失敗につながります。難しいといわれる言語だからこそあせらず、確実にスキルを積み重ねた上で転職活動を進めることが重要です。
加えてITエンジニアの転職に強い転職エージェントを活用することは、Scalaエンジニアの転職成功への近道となるはずです。