【20代・30代・40代別】ITエンジニアのキャリアアップ転職戦略と成功の秘訣
[最終更新日]2024/09/25
転職にはリスクが伴います。リスクを冒してでも転職に踏み切るのは、現状より何らかの条件を改善したいとか、もっと希望に近い条件で働きたいといった理由によるものでしょう。
実は、ITエンジニアがキャリアアップ転職するには「年齢」「タイミング」「キャリアプラン」という3つの要素がとても重要になります。
目次
1) エンジニアが希望するキャリアと、企業が求めるキャリアにあるギャップ
キャリアアップを目指して転職にチャレンジしよう!と思い始めているITエンジニアの方に、自問してほしいことがあります。
それは、「自分にとって『キャリアアップ』とは何か?」という問いです。
なぜなら、自分にとって今後進みたい方向性と、多くのIT企業が求めているキャリアの間には、大きなギャップがあることも少なくないからです。
まずは、ITエンジニアにそのような現象が起こりやすい理由について、確認しましょう。
企業は 30代以降のエンジニアにリーダースキルを求める
技術的な話題に対して好奇心旺盛なSEやPGほど、現場の第一線で活躍し続けたいと考えるものです。
経験を重ねることで自分にとっての得意分野が分かってくるなど、仕事の面白さを実感し始めるエンジニアもいるはずです。
ところが、ここで一人のエンジニアとして活躍するためのスキルや経験に固執してしまうと、30代以降の転職が厳しくなってきます。
20代までであれば、「いろいろな現場を経験してきた」「複数の言語を扱える」といった、エンジニアとしてのポテンシャルや将来的な伸び代を期待されて採用に至ることもありますが、30代に入るとそれだけでは十分とは言えません。
ミドル層以降の年代に企業が期待するのは、大勢のエンジニアを束ねてチームを引っぱっていけるリーダースキルなのです。
エンジニアが一人でこなせる仕事の範囲には限りがありますが、リーダースキルのある人材を採用できれば、一人の人材を採用することで何十倍もの効果を得られるかもしれないからです。
エンジニア自身は、30代と40代以降で「希望するキャリア」が変わる
キャリアを重ねてきたエンジニアに企業がリーダースキルを求める傾向があるのに対して、エンジニア側が希望するキャリアはこれと必ずしも一致していません。
40歳以上のエンジニアが目標とするキャリアとして最も多い回答が「特定技術のスペシャリスト」だったという調査結果も見られます。
エンジニアとしては経験を重ねるほど専門分野を極めたいスペシャリスト志向になっていく人が多いことがうかがえます。
リーダーやマネージャーになると、仕事の軸足が「管理」に移ります。つまり、自分がプレーヤーとして実務をこなすことよりも、メンバーの仕事の進捗やモチベーション管理など、自分以外のことを気に掛ける機会が格段に増えるわけです。
これを「実務から離れてしまって寂しい」と感じるか、「仕事の幅が広がって面白い」と感じるかによって、自分がマネジメント向きかどうかある程度分かると言えるかもしれません。
ただ、現実問題として企業の多くがミドル層に求めているのはマネジメント寄りのスキルです。
エンジニアと企業との間で、希望するキャリアにずれが生じている現実は知っておくべきでしょう。
「リーダー職」になるか、「技術スペシャリスト」になるか選択を迫られる
30代、40代と年齢が上がっていくほど、20代のような「ポテンシャル」「伸び代」といった裾野の広い能力ではなく、「何に力を発揮できる人材なのか」といったシビアな目で見られるようになるのは避けられません。
「それなら専門職系でキャリアアップできるように専門スキルを伸ばしていこう」と考える人もいるかもしれませんが、そもそも転職を希望する企業にそういったポジションが存在するのかどうか、よく確認しておくことをお薦めします。
なぜなら、「専門職系に進みたい希望は強くあるものの、そういった前例がない」「結果的にマネジメントの道に進むしかなくなった」といった事態に直面し、悩んでしまうエンジニアは非常に多いからです。
マネジメントの道に進むことにどうしても抵抗があれば別ですが、もしマネジメントの方向も考える余地があるのなら、将来的なキャリアの幅を大きく広げられる可能性があるのです。
「自分はマネジメントに向かない」と決めつけず、今後のキャリアを広げる意味でもさまざまな可能性を摸索しておきましょう。
2)年代ごとのキャリアアップ転職のコツ
企業側がITエンジニアに期待することは年代ごとに異なることが分かりました。
裏を返せば、戦略的に転職を成功させるためには各自の年代で求められているスキルや経験は何かを理解し、その部分をアピールできれば採用される確率が高まることになります。
必要なスキルを自分のコアスキルにすることで、多くの企業が欲しがる強みを持った人材になることも可能なのです。
ここからは、キャリアアップのコツを年代ごとに整理します。
20代は「キャリアプラン」を明確にすること・実績を積むことがポイント
20代と言っても、20代後半になると即戦力としての活躍を期待されるようになります。
それまでに何らかの強みを持っておくことが大切です。
ただし、この年代で高スキルの人材を採用するのは企業にとって競争率が高いため、20代前半までの伸び代がある年代の人材をポテンシャル採用するケースも見られます。
新卒で就職してから数年間で多いケースとして、「残業が多くて体力的にきつい」「希望している仕事を任せてもらえない」といった、職場に対する不満を理由とした転職です。
もちろん転職理由は必ずしもポジティブなものばかりではありませんが、目の前の状況を変えることを第一の目的として転職すると、転職先でも同じようなことで悩んでしまい、結果的に転職を繰り返すことになりかねません。
20代の転職でキーポイントとなるのが「今後のキャリアプラン」です。
5年、10年というスパンで考えたとき、どのような方向へ進んでいきたいのか決めておくことで、目の前のことに振り回されることなく転職すべきかどうかを判断しやすくなるのです。
キャリアプランが明確化することで、身につけておくべき知識やスキルも浮き彫りになります。
進みたいキャリアの方向性へ向かって経験を積み、実績を増やしていくことで人材価値を高めることへとつながります。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランを立てる際、まず「キャリアの棚卸し」を行います。
キャリアの棚卸しで出てきた経験(または知識・スキル)をもとに、あなたが新天地でチャレンジしたい働き方をイメージし、そしてそれを実現するためにどんな行動が必要かを考えていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
30代は「リーダー職」と「技術スペシャリスト」の分かれ道
30代に入ると、企業が求めるスキルも大きく変化します。
30代前半のエンジニアに対しては、多くの企業が「即戦力」を求めています。
20代で経験を積み、多くの場数を踏んできた経験を存分に発揮してほしい、ということです。
また、その延長上には近い将来リーダー職、さらにはマネージャーとして活躍してもらいたい期待も込められています。
よって、ひとりのプレーヤーとして優秀で経験豊富であると同時に、マネジメントの資質も持ち合わせているような人材が高く評価されやすい傾向があります。
「マネージャーとして人を管理するよりも、エンジニアとして開発の現場に携わり続けたい」「技術的な興味は尽きないけれども、マネジメントに対してはどうも興味が湧かない」という人は、技術スペシャリストとしてのキャリアを望むようになるかもしれません。
将来的にマネジメントの方向へ進むことを見越してリーダー職にキャリアアップするか、技術スペシャリストの方向へ舵を切るかの分かれ道は、多くの場合30代なのです。
ここで自分の適性や将来進みたい方向性を見誤らないことが非常に重要になりますので、よく考えて後悔のない選択をするようにしましょう。
40代はマネジメント経験が問われるが…
一般的に、40代以降のエンジニアが転職するのであれば、前職までのマネジメント経験に注目が集まると考えるのが自然です。
中堅以上の企業だけでなく、たとえばベンチャー企業でも若手社員が中心の職場では中堅以上のベテラン勢を採用したいニーズは存在します。
では、マネジメント経験があまりない場合や、そもそもマネジメントの方向へ進みたいと思っていないエンジニアは、40代から転職するチャンスはないのか?というと、決してそうではありません。
とくにSEの場合、プロジェクトを管理しつつ自らもプログラムを書くことは決してめずらしくありません。
つまり、プレーヤーとしての一面とマネージャーとしての一面を両方とも併せ持つ人材のほうが現場で重宝されることもあるのです。
反対に、エンジニアとしての技術的な土台が不十分なままマネジメントの方向へ進むと、現場のエンジニアとの意思疎通がしっかり図れないなど、さまざまな不都合が生じることも考えられます。
エンジニアのキャリアは「エンジニアとして全うするか、マネジメントに専念するか」の二択ではありません。「どちらもこなせる」マルチなポジションを狙ってみるのもひとつの手です。
「しっくりくるキャリアプランが描けない…」場合は転職を視野に入れてみても
ここまで、年代ごとの転職のコツを見てきましたが、共通しているのは先々のキャリアプランを描き、明確にしておくことが非常に重要になる点です。
しかし、5年、10年というスパンでキャリアプランを設計するのは決して簡単なことではありません。
自分がこれまで経験してきた仕事内容・分野や、客観的に見た場合の自分の適性、さらには転職市場における自分自身の人材価値、現状のスキルレベルといったことを勘案した上で、適切なキャリアプランを作成するのは骨が折れる作業です。
「今の会社では希望通りのキャリアに進めない」と感じているのであれば、おそらく転職を検討する時期に来ているのでしょう。
ただし、同時に「かと言ってこれからどんな方向へ進んだらいいか決めかねている」状況であれば、一人で悩まず第三者に相談することをお薦めします。
転職する・しないを決めかねている状態の人も、まずはキャリアプランについて相談に乗ってもらうこともできますので、転職エージェントに登録してアドバイスしてもらうことからスタートしてはいかがでしょうか。
3)ITエンジニアの年収アップ転職におすすめ転職エージェント
ユニゾンキャリア
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じっくりキャリア相談や面接対策を受けながら転職活動をしたい人におすすめの、「寄り添い型」転職エージェントです。
ユニゾンキャリアは、主にIT・Webエンジニアを目指す人向けの転職エージェントです。
特に20代~30代の若手エンジニアの支援に力を入れており、「キャリア相談をじっくり受けながら一緒に応募先を考えて欲しい」という人におすすめです。
同サービスの特徴でとくに押さえておきたいのが、書類作成・面接対策を支援が充実していることです。一人あたり最低5回以上の面談機会を設けつつ、転職者が自信をもって選考を受けられるよう、力強く支援します。
ユニゾンキャリアを利用した人たちの評判・口コミからは、「質の高い求人を紹介してもらえた」、「キャリア相談が手厚かった」「自信を持って面接に臨めた」といった意見・感想が多く見られます。
ユニゾンキャリアの特徴
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サービス対応地域 | 関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)・関西(大阪府) |
プログラマー・Webエンジニアの公開求人数 | 約1.0万件(2024年9月現在) |
レバテックキャリア
レバテックキャリアの担当エージェントは全員エンジニア経験者。「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上の高い実績を誇ります。
レバテックキャリアはIT・Web系企業に特化した転職エージェントです。
IT業界に精通し高度な専門知識を持つカウンセラーとマンツーマンで行われる面談は、質が高く参考になると定評があります。
独自の「強み発見テクニカルヒアリング」で強みを引き出し、エンジニア自身も気づいていなかったアピールポイントを掘り起こしてくれます。
さらに、引き出した強みを元に企業への推薦状を作成してもらえるため、自信を持って応募できるのです。
自分が希望するキャリアと自身の強みが符号していないと、せっかくのスキルや経験を十分に評価してもらえない可能性もあります。
客観的に強みを分析してもらうことによって、採用担当者にしっかりと伝わるアプローチ方法が見つかるはずです。
レバテックキャリアの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約2.5万件(2024年9月現在) |
とくに多いエンジニア職種 | プログラマー・SE全般、PL・PM、ITコンサルタント |
マイナビIT AGENT
マイナビ社が運営する、ITエンジニア転職に特化した転職エージェント。好条件求人の紹介、書類作成・面接準備へのサポートの手厚さに強みがあります。
マイナビIT AGENTは人材紹介会社の大手マイナビが運営する「IT/Webエンジニア専用」の転職支援をするエージェントです。
マイナビIT AGENTの大きな特徴は、エンジニア向け求人数の豊富さ、そしてシステム会社から事業会社まで幅広い業界の求人に対応している点が挙げられます。
また、マイナビの転職サービスは「サポートの丁寧さ」にも定評があり、職歴書の作成や面接対策に不安を感じている人におすすめです。
年収アップ転職の成否は、入社後の定着率にも大きく関わります。マイナビIT AGENTを利用した人の転職後定着率は97.5%(※公式サイトより)。
年収の額面だけでなく、「働きやすさ」「職場との相性」を踏まえての転職者一人ひとりにマッチする求人紹介とサポートが期待できます。
マイナビIT AGENTの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約1.9万件(2024年9月現在) |
とくに多いエンジニア職種 | アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア、社内SE、SE・PG、PM・PL |
リクルートエージェント
ITエンジニア求人数は国内No.1!豊富な転職ノウハウと支援ツールで、「スピーディな転職」を実現できます。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
ITエンジニアの転職支援にも強く、2024年9月のITエンジニア向け公開求人数は約10万件と、他のエージェントを凌駕するの豊富さです。
これまで培ったノウハウをもとに開発された「サービス体制」と「支援ツール」が非常に高品質であることが、リクルートエージェントの強みです。
たとえば、リクルートエージェントでは志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」を用意してくれます。
エンジニアの年収アップ転職では、とうぜん即戦力が求められるため入念な企業研究が欠かせません。その際に、レポート情報は大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにITエンジニアの年収アップ転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェントの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
ITエンジニアの公開求人数 | 約10万件(2024年9月現在) |
とくに多いエンジニア職種 | プログラマー・Webエンジニア、社内SE、製品開発・ASP、組込み・制御エンジニア、ITコンサル |
ギークリー(Geekly)
ギークリーはIT・Web・ゲーム業界への転職支援に強い転職エージェント。各職種別に専門コンサルタントが在籍しており、目指す領域の最新トレンドをキャッチしながらの転職活動が実現できます。
ギークリーは、IT・Web・ゲーム業界に特化して転職支援をおこなう転職エージェントです。
同サービスの主な特徴は、担当エージェントから積極的な求人提案が期待できること(提案可能な求人数は平均一人当たり56件※)、そして書類選考サポートが充実している(※選考通過率が2.8倍までアップ※ )ことです。
※ 公式サイトより抜粋(2024年9月時点)
取り扱う求人はIT・Web・ゲーム業界がメインです。Web3.0やxR、X-Techなどのトレンド技術の案件が多く見られ、営業からクリエイター、エンジニアまで幅広い職種での転職活動を力強く支援してくれるでしょう。
担当となるコンサルタントは、最低でもIT業界で3年以上のコンサルティング経験を持っています。
また、サポートの際は細分化された職種別に担当が付きますので、目指す領域のトレンドや転職事例を知りつつの活動ができるでしょう。
ギークリーの評判・口コミでは、「書類添削と面接対策が役立った」「スピーディに転職成功できた」という意見・感想が多く見られます。
「職務経歴書を代わりに作ってくれた」という声もあり、とくに書類添削のサポートに力を入れていることがうかがわれます。
ギークリー(Geekly)の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京 |
公開求人数 | 約2.2万件(2024年9月現在) |
とくに多いエンジニア職種 | プログラマー、SE、PL・PM、その他トレンド性の高い分野(エンタメ、ディープテック、SaaSなど) |
まとめ)エンジニアの年収アップは、積極的なキャリアプランと並行して進めよう
企業によってエンジニアに求める能力は少しずつ異なります。
しかし、全体的な傾向として年代ごとにエンジニアに期待する能力が変化していくのは事実です。
自分がやりたいことと企業側が求めることが食い違っているとき、先々のキャリアプランをどう考えるのか悩む人もいることでしょう。
キャリアプランを考える際には、「妥協点を探す」という消極的な考え方をすると、かえって苦しむこともあります。
「求められる力に歩み寄る」発想に変えることで道が開ける場合もありますので、ぜひ積極的なキャリアプランを目指して転職活動に取り組んでみてください。