Web業界ってどうなの?未経験でWebディレクター・プランナーに転職するときの注意点
[最終更新日]2023/10/07

異業種からWeb業界への転職を目指す方にとって、未経験でも積極的に採用を行っているWebディレクター・プランナーという職種はとても人気が高く、魅力的なお仕事です。
ですが、一方でWebディレクター・Webプランナーは、「業界の外の人からは分かりにくい」業種ともいわれています。
実際に「Webディレクター」ってどんな仕事なのか、Webプランナーに求められるのはどんなスキルなのかについては、業界未経験の方からはなかなか掴みづらいものではないでしょうか。
目次
1)未経験の方が知っておきたいWeb業界のディレクター・プランナーの仕事内容
WebディレクターとWebプランナーの違い
Webコンテンツの制作においては、プランニング、デザイン、プログラミングなどをはじめ、様々な工程があります。
その中で、企画寄りのプランニングなどの業務を上流、実装寄りのプログラミングなどの業務を下流と呼び分けており、Webディレクター・Webプランナーは上流寄りの業務を担当することが多いです。

上記図で示す通り、Webディレクターは工程全般に関わることが多く、Webプランナーは主に企画・設計業務に関わります。
「Webディレクターは企画・運営・進捗管理」、「Webプランナーは企画がメイン」と覚えておくとよいでしょう。
働く職場は、事業会社か、それとも制作会社か

Webディレクター・Webプランナーは、事業会社なのか制作会社なのかで、業務が大きく変わります。
事業会社とは、自社でWebコンテンツを運営し、サービスが完結している会社のことです。
一方の制作会社は、クライアントから「このようなWebサイトがつくりたい」という要望を受け、その要望に基づいてサイトを作成する会社です。
事業会社におけるWebディレクター・プランナー
事業会社は、自社のWebサイトが目的に見合った効果を出せているかを確認しながら、改善を中心としたディレクション業務を行う事がメインになります。
Webサイトの目的とは、売上向上であったり、問い合わせ件数の増加であったり、アクセス数の向上であったりします。
実際の数字と目標との乖離を確認しながら、社内で改善案を出します。そして、その改善案に基づいてサイトを制作、修正していくのが事業会社におけるWebディレクター・プランナーの役割です。
その為、制作会社に比べて数字を確認したり、分析をしたりする事がより多くなります。
その分、Webサイトが企業の売上にどのように貢献していくのかを、深く学べます。
制作会社におけるWebディレクター・プランナー
制作会社は、スタッフやクライアントとのコミュニケーションが中心になります。
営業が獲得してきた案件に対して、予算内に、かつ納期内に完成させるのが、Webディレクター・プランナーの仕事になります。
その為、計画を組み立てるところから始まり、計画通りに進んでいるのか、つまずいている箇所は無いか、クライアントの要望通りにあったクオリティは担保できているかなどを、日々確認していく事になります。
この時、常にスタッフと、またはクライアントとコミュニケーションをとりながらプロジェクト全体が円滑に進むように配慮する必要があります。
その為、事業会社以上にコミュニケーション力が必要となるのが、制作会社となります。
案件の数だけWebサイトを作れますので、幅広くWebサイトの知識を身に着きます。
また、制作進行における進め方やクライアントとの交渉事にも携われるため、サイト制作のプロフェッショナルとしてキャリアを積んでいけます。
2)Web業界のディレクター・プランナー業務では、どんな知識やスキルが必要?
ここからは、Webディレクター、Webプランナーには具体的にどんな知識やスキルが必要かを見ていきましょう。
周囲とのコミュニケーション力や社内調整力

Webディレクターは、スタッフやクライアントとのコミュニケーションが非常に重要になります。
クライアントと話をする際には相手が何を求めているのか、そして現状で何を理解していて何を理解していないのか、その為に何を伝えたらよいのかを、話をする中で汲み取っていく必要があります。
またスタッフと話をする際には、取り組むべき内容をしっかりと理解しているか、理解していないのであればどうすれば理解できるように伝えられるか、また、現状で不満に感じている事は何かなどを察知しながらプロジェクトの成功へと舵を切っていく必要があります。
その上で、各スタッフそれぞれのスキルや得意分野を理解し、プロジェクトに対する最適なスタッフのアサインを、考えていく必要があるのです。
クライアントとスタッフの間で挟まれることもありますが、その分、プロジェクトが完遂した時の喜びや達成感は、人一倍感じられるでしょう。
Webに対する好奇心と即座に動く行動力

Webの世界は常に進歩しており、今日、身に着けた新しい知識は、明日には古い知識へと風化してしまいます。
その為、Webに対する好奇心を持って新しい知識を日々身に着けていくことが必要です。
また、誤った認識のまま進んでしまうと、時間が経つにつれて目標と大きく異なったサイトになってしまいます。
おかしいと思った時や確認が必要だと思った時に、すぐに動く行動力が求められます。
広い視野で物事を捉えながら、常に先を考える癖付け

Web制作は、常に複数の案件が同時に進みます。
とくにWebディレクターはその全ての案件において問題なく進んでいるかを確認しておく必要がありますから、広い視野で、漏れなく物事を考える事ができるようになる必要があります。
そのほか、プロジェクトが開始になる際には、どこが要注意なのかをあらかじめ考える先読み力が必要になります。
経験を積むと、どのようなタイミングで問題が発生しやすいかであったり、より注意深くチェックするポイントが事前に分かるようになります。
3)未経験からWeb業界に転職する際の、準備しておきたい3つのポイント
どのようなビジネスモデルがあるのかを知っておく

Webサイトは制作する際に必ず目的があり、そしてその目的によっていくつかの種類に分類されます。そして、その種類によって考えなければいけない事や、事前に相談しておかなければいけない事が異なるのです。
下記に、代表的な例をご紹介します。
ECサイト系
分類の一つ目はECサイト系です。楽天やyahooショッピングに代表されるように、Webサイトの中でサービスの提供が完了し、売上が発生するWebサイトの事です。この場合は、できるだけそのページで商品を買ってもらい、別ページに遷移しない様な仕掛けが必要になります。
オウンドメディア系
二つ目はオウンドメディア系です。自社のサービスや、独自の情報を掲載して、ユーザーを集めていくサイトです。有名なところではこの場合は広告枠がサイト内に存在し、その枠を販売することで収益を得ています。
※ あくまで集客を目的として、広告枠を作らない場合もあります。
オウンドメディアの場合は、次のページに移りやすくする仕掛けや、デザインとして見やすく使いやすいサイトにすることがより求められます。
マッチングサイト系
三つ目はマッチングサイト系です。これは、アルバイト求人や不動産に代表されるように、Webサイトが仲介役となって個人と企業を結び付けるサイトです。この場合は個人側にとっても企業側にとっても、使いやすいサイト作りが求められます。
その他にも、企業によって様々な目的を持ってサイトを運営しておりますので、予めサイトを研究しておくことが重要です。
いいと思うWebサイトを見て、感性を磨いておく

スケジュール管理の方法や予算内でサイトを完成させることは、入社後に実際の業務に携わることで学べます。
ただし、どのようなデザインが良いのか、またどのようなサイトだと使いやすいのかという事は感性が必要です。
感性は、より多くのデザインやクリエイティブに触れることでも学べるものです。
また、人が見やすい、使いやすいサイトというのはある程度決まった型がありますので、今の内から多くのサイトを見て学んでおきましょう。最近ですと、様々なサイトでおすすめデザインや、秀逸なサイトの紹介がされておりますから、それらを見ておくことも大切です。
その上で、なぜこのサイトは見やすいのか、また、逆になぜこのサイトは分かりづらいかという事を考えてアウトプットできるようにしておくと、入社後、実際に業務に携わる際に早く成長できるようになります。
自分でもWebサイトやブログを作ってみる

「Web業界に転職したい!・・・でも、Webのことよく分からないし、自分で作ったこともない」という方は、1日も早く、自分でWebページでもブログでも作ることをおすすめします。
Web業界は未経験でも入りやすい業界ですが、それでも何の知識もないと入ってから相当の苦労をします。
また、周囲からも「この人はWebのことをほとんど知らない」と思われてしまうと、仕事の依頼もされにくくなってしまう可能性もあります。
──大丈夫です。Webページの制作やブログ制作はそんなに難しくありませんし、誰でも憶えられます。
かつ、それらの作業で得られるスキルや知識もたくさんあります。書店でも初心者用のWebページ制作やブログ制作の書籍はたくさん出ていますので、是非チャレンジしてみてください。
4)Webディレクター・Webプランナーを目指す転職者におすすめの転職エージェント
未経験からWebディレクター・プランナーへの転職活動にあたっては、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
担当となるアドバイザーから未経験者可の求人を紹介してもらったり、書類添削・面接対策のサポートも受けられるからです。

ここでは、Web業界への求人紹介・サポートに強いエージェントを4社ご紹介します。
各社ごとに異なる強みや求人がありますので、より効率的に転職活動を進めたい方は、1社に絞らず2~3社併用することで、各社のいいとこ取りをしつつ転職活動を進めることが可能です。
doda(デューダ)
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豊富な求人と、担当からの積極的な提案が特徴。「本気でWebディレクターの求人を探したい!」ならぜひ登録しておきたい転職サイトです。
dodaは国内トップレベルの求人数と、担当アドバイザーから積極的な提案が評判の転職エージェントです。
保有求人は20万件以上(※2023年7月時点、非公開求人を含む)、都市部だけでなく地方での転職支援にも強いです。
また、dodaは求人を自分で探して応募する「転職サイト」と、求人紹介から企業への応募、日程調整までアドバイスしてもらえる「転職エージェント」両方のサービスを利用できます。
「まずは自分でWebディレクター・プランナー関連の求人をじっくりチェックしたい」という人は、転職サイトのサービスを利用するとよいでしょう。
その後「応募や企業への交渉についてサポートしてほしい」となったときに、エージェントサービスに切り替えることもできます。
未経験者向けの求人も多く、担当アドバイザーからはWebディレクター・プランナーへの転職成功に向けて力強い支援が期待できるでしょう。
dodaの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、広島、福岡 |
Webディレクター・Webプランナー関連の求人数 | 約1,800件(2023年7月現在) |
リクルートエージェント
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Webディレクター・プランナーの求人数は国内No1の豊富さ!転職支援ツールも豊富で、「正しい転職活動を知りたい」人にもおすすめのエージェントです。
リクルートエージェントは国内No1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
リクルートエージェントの強みは全業種・職種に対して豊富な求人数を持つこと、そして長年の実績で培われたノウハウ・転職支援ツールの充実さにあります。
転職支援ツールでとくに有効活用したいのは、志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」でしょう。
目指す企業の詳細の業務内容や職場環境を詳細にまとめたレポート情報はあなたの活動に大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにWebディレクター・プランナーへの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
これまでの支援実績をもとに効率的かつスピーディな対応を得意としています。「とにかく、急いで転職したい」という人にもリクルートエージェントはおすすめです。
リクルートエージェントの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
Webディレクター・Webプランナー関連の求人数 | 約2,000件(2023年7月現在) |
ワークポート
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Web系職種で豊富な求人。未経験可の求人も多く、「新しい領域にチャレンジしたい!」という人におすすめです。
ワークポート(WORKPORT)は「業界・職種未経験者」のサポートに優れており、なかでもIT・Web業界の支援に強い転職エージェントです。
全都道府県の地域を対象としており、オンライン面談も受け付けています。
また、ワークポートに登録した際に担当となってくれる転職コンシェルジュ(アドバイザー)は、積極的な求人提案をしてくれることでも知られています。
そのため、未経験でのWebディレクター・プランナー転職に不安を感じている人は、ワークポートのサービスがフィットしやすいでしょう。
「検討の余地があれば求人を紹介する」というスタンスのエージェントのため、「他の転職エージェントに登録したものの、想像していたほど求人を紹介してもらえなかった」人や、担当者のレスポンスが鈍く転職活動が進まないと感じていた人に、おすすめのサービスです。
ワークポートの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
Webディレクター・Webプランナー関連の求人数 | 約900件(2023年7月現在) |
マイナビエージェント
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書類作成、面接準備のサポートの手厚さが特徴。とくに「はじめての転職で、不安…」という人におすすめです。
マイナビエージェントは専門知識を持つキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職者に対して丁寧に向きあい、きめ細かなサポートをしてくれることで知られる転職エージェントです。
とくに職務経歴の作成支援・面接対策の支援に力を入れており、今回がはじめの転職の方や面接通過が不安な方におすすめの転職エージェントです。
サポート対応地域は全国で、地域ごとに専門のアドバイザーが対応しています。
また、大企業だけでなく中小企業の求人も豊富に保有しています。
Web制作を担う企業は中小規模に多く、マイナビエージェントの独占求人から希望に合う企業を紹介されることもあるでしょう。
マイナビエージェントの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京(2か所)、神奈川、北海道、宮城、愛知、大阪、京都、兵庫、福岡 |
Webディレクター・Webプランナー関連の求人数 | 約600件(2023年7月現在) |
5)年代別 Web業界への転職で注意するポイント
ここからは、各年代ごとにWeb業界、Webディレクターに転職する際に注意したいポイントをまとめていきます。
20代の転職者がWebディレクター・Webプランナーを目指す場合は

Web業界は、未経験でも積極的に採用を行っている傾向にあります。その為、20代後半になっても比較的Web業界への転職はしやすい傾向にあります。
ただし、スキルがない間はどうしても年収が抑えられる傾向にありますから、その点は考えておくとよいでしょう。その場合は、自分がその後どのようなキャリアを積んでいきたいかを考えておく事が重要です。
ディレクション業務をできるようになって独立する道や、より大手のWeb会社に入って収入を上げていく道、またはマーケティングを学んで事業企画まで携わる道など、多くのキャリアプランが考えられます。事前に検討しておくことで、より適切な転職活動を行う事ができるでしょう。
また、会社によっては長時間残業当たり前、休日出勤も当たり前という風土を持つ会社も少なくありません。
そのため、応募企業の候補が出たら入念な「企業研究」を行っておくことが大切です。
企業HPだけでなく口コミサイトや業界ニュースサイトなどを確認し、会社の評判や企業風土も含めて確認しておくとよいでしょう。
30代の転職者がWebディレクター・Webプランナーを目指す場合は

Web業界は全体的に若い人が多く、30代になると即戦力を求められる傾向にあります。
ただし、だからと言って未経験では転職できないという訳ではありません。なぜなら、20代よりも社会人経験が長い分、コミュニケーション力やマネジメント経験、または顧客折衝経験などがディレクター職にマッチするからです。
また、ディレクターには問題解決能力も求められますから、それらの経験があると、未経験でも転職の可能性を高めていけます。
その為、一度今まで自分が経験してきたことの棚卸(キャリアの棚卸し)を行い、その中でWebディレクターの業務との親和性が高い項目を見つけておくことが重要です。
例えば、Webディレクターには高い対人スキルと理解力や、案件の推進力及び調整能力、またクリエイティブの確認をする際には誤字のチェックなどの細やかさも求められます。それらに対してアピールできることを探してみましょう。
ただし、Web知識が全くないと困難になるのは間違いありません。その為、職業訓練校でスキルを学んでおいたり、自分でサイトを作成したりすることで、事前に知識と経験を積んでおく必要はあります。
また、30代中盤から後半になるにつれて求人は減っていきますので、できるだけ早めに行動を起こすことを心がけるとよいでしょう。
40代の転職者がWebディレクター・Webプランナーを目指す場合は

40代の場合は、よっぽどの企画力があり、そして成果を出してきた実績がないかぎりは、未経験からWebディレクター・プランナーへの転職は難しいでしょう。
現実的にはすでにデザイナーやプログラマーとして業務を遂行している人が、キャリアアップの道としてWebディレクターを目指す場合が多いです。
また、40代の転職では即戦力として期待されると同時に、Web及びマネジメントに対する深い知識も求められます。現在の会社で得た経験の中で、アピールできることは何か、また応募する企業がそのスキルを本当に求めているかどうかを事前に確認しておきましょう。
40代の転職は、リスクも大きいものです。特に年収は下がることも想定しておく必要があります。
なぜなら、新しく入る会社は信頼をゼロから構築していく必要がある為、初めから高い年収を提示される為にはすでに成果を出しておく必要性があるからです。
それを想定した上で、事前の準備をおこない、転職活動に臨むようにしましょう。
まとめ)Webディレクター・Webプランナー未経験の転職は、情熱70%、しっかりとした準備30%で!
Webディレクターは、やる気さえあれば、現時点で特別なスキルを持っていなくても入りやすい職種と言えます。
また、企業側も積極的に採用している傾向にありますから、事前の準備をしっかりと行い、そしてこれまでの経験から活かせるポイントをしっかりとアピールできれば、転職の可能性は大きく高まります。
また、入社前後は学ぶことが多い為、自宅や通勤時間を活用しながら自主的に学ぶ必要性があるでしょう。
その分、計画通りに業務を完了させ、クライアントに喜ばれた時や売上が向上した時には、大きな達成感とやりがいがある職種です。
企業側も、コミュニケーション力があり、かつ計画的に物事を進められる人材は常に求め続けていますから、しっかりと準備をした上で面接に臨み、そして内定を勝ち取っていきましょう。