30代の転職で「管理職・マネジメント経験がない…」場合の対策4つ
[最終更新日]2025/09/04

30代に入って転職を検討し始めた人は、求人を見ていくうちに「管理職経験」「マネジメントスキル」といったキーワードを見かけることが増えているのではないでしょうか。
そんなとき、「自分は役職についたことがないから」「マネージャーの経験がないから」といった理由で、応募要件を満たしていないと諦めてしまっていませんか?
目次
1)管理職・マネジメント経験がなくとも、30代の転職成功は可能
30代でも管理職経験がなくても転職は可能です。その理由は、大きく以下2つの理由があるからです。
- AI・データ活用の知見があれば、管理職経験がなくても評価されることが多い
- 業界や職種に精通していれば、転職後に管理職経験を積むことも可能
ポイントは、「プレイヤー」としての経験×「デジタル・AI」の知識

30代のキャリアは「プレイヤー」と「マネージャー」に大別されます。
プレイヤーは特定業務に専念するスペシャリストです。マネージャーはチームや部署の運営を担い、AIやデータを活用した意思決定が主流になっています。
高度な専門スキルがあれば40代・50代でもプレイヤーとして活躍できます。スペシャリスト志向の30代は、プラスαでAIやDXの知識を継続的に学べば、市場価値を高められるでしょう。
ただし、変化の速い業界ではスキルの陳腐化リスクもあります。
AIやDXの急速な進展により従来の手法が短期間で変わるため、若手のデジタル人材に追い抜かれる可能性もあります。
将来を見据えて、自分の専門性に加えてマネジメントスキルやAIリテラシーの習得をしていくことが大切です。
マネジメント経験の有無だけにこだわる企業は減りつつある

日本企業でもジョブ型雇用が広がりつつあり、職務に直結したスキルや経験を重視する傾向が強まっています。
データ分析やAIの活用などデジタルスキルを備えた人材への需要も高く、マネジメント経験の有無だけにこだわる企業は減りつつあります。
つまり、これまで日本に根強くあった「ミドル世代は、(総合職の延長線上にあるとされる)管理職・マネジメント経験が重要」という考え方よりも、「ミドル世代では、これまでの実務経験や培ったデジタルスキル・知識がより重視される」という考え方が主流になりつつあるのです。
参考文献
- ストリートアカデミー株式会社「リスキリングしたいスキルに関する調査」
- パーソルイノベーション株式会社リスキリングで何を学ぶ?20代~30代におすすめの分野・スキル
- CAD研生成AI人材に求められる7つのスキルとは?企業における育成の注意点
管理職・マネジメントの役割と求められるスキル
管理職・マネージャーの役割を理解することは、転職前に欠かせません。近年はリモートワークやAI活用が一般化し、人や業務を動かすだけでなく、データとテクノロジーを使って成果と成長を両立させる力が求められます。
この章では、管理職の定義と、職場で求められる働き方をデジタル時代の視点から整理します。
管理職・マネジメントの定義

管理職・マネジメントの役割を定義づけるとしたら、以下のように表現できます。
- 「組織」と「人」を繋げていくこと
- 人の成長を促していくこと(育成と評価)
- 組織の状態を最適にしていくこと(運用と変革)
「組織」と「人」を繋げていくこと
管理職の役割は、経営のミッションや目標を現場に落とし込み、メンバーの力を組織の成果につなげることです。そのためには、AIやデータで現状と目標のギャップを可視化し、リソース配分や優先順位を共有することが効果的です。
現場の負荷が高い場合はデータと現場の声をもとに経営陣と改善策を検討し、働き方や組織体制の見直しを促すことも必要です。組織は人の集合体であるという前提のもと、対話と環境調整を繰り返しましょう。
人の成長を促していくこと(育成と評価)
成果と成長は車の両輪です。短期の成果に加え、中期的な成長を設計し実現するためには、目標設定→育成→評価のサイクルをデータと対話で回す必要があります。
AIを活用した1on1記録の自動要約や評価観点の整理など、育成・評価を補助するツールも増えています。
ただし、AIはあくまで補助輪であり、倫理や公平性を意識しながら最終判断を下すのは人です。管理職自身も対話スキルを磨き、プロセスの改善を続けることが重要です。
組織の状態を最適にしていくこと(運用と変革)
組織・企業の取り組みは、以下の図のように表わせます。
上部の「ビジョン・目標」は経営の方針、右の「組織的取り組み」は体制・プロセス・ナレッジの仕組み、左の「リアルワーク」は現場の活動です。安定期は右回り(運用)が中心となりますが、環境変化で成果が出にくくなった局面では左回り(変革)が必要になります。
周囲の人たちが、管理職・マネージャーに期待する働き方は?

続いて、周囲が管理職・マネージャーに期待する働き方を見ていきます。データ活用が進む現在でも、根幹は大きく変わりませんが、手段や求められる精度は上がっています。
以下のグラフは、リクルート社が2021年に実施した「組織の人が管理職・マネージャーに期待すること」のアンケートをグラフ化したものです。
人事担当者が、管理職に期待していること(2021年)

参考:リクルートマネジメントソリューションズ「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2021年」より グラフは弊社作成
上のグラフからは、多くの企業が管理職・マネージャーにとくに期待する働きかけとして、以下の3点が確認できます。
- メンバーの育成(AIも活用しつつ、対話と公正さでスキルを底上げ)
- 業務改善(データに基づくボトルネック特定と自動化・標準化)
- 担当部署の目標達成・業務完遂(指標の見える化と迅速な意思決定)
「新価値・イノベーションの創造」の重要性は年々高まっています。短期の数値だけでなく、中期の成長や新しい価値づくりを重視する企業が増えており、AIやデータを活用した仮説検証サイクルを素早く回せるかが差になります。
もちろん、こうした「求められる働き」は企業によって異なります。応募先ごとに、事業のデジタル度合いやAI活用の成熟度、評価制度、働き方(リモート/ハイブリッド)を調べ、面接時の想定課題とアクションプランを準備しておくと効果的です。
大切なのは、「管理職・マネージャーの本来の役割」と「今、職場で期待されている働き」を両方の視点で捉えること。前者だけでは抽象に留まり、後者だけでは表層的になりがちです。原則(人と組織・成長・最適化)を押さえ、大胆に手段(データ・ツール)を更新していきましょう。
参考文献
- ICT未来図(株式会社シーイーシー)AI活用でビジネスを加速!選び方から導入支援まで徹底解説
- ランスタッド(Randstad)「高需要スキル世界調査2025」が示す、日本の人材戦略とグローバル人材の未来
- CAD研(GETT-media)生成AI人材に求められる7つのスキルとは?企業における育成の注意点
3)30代で管理職・マネジメント経験なしで転職成功するためのポイント4点
管理職・マネジメントへの理解を深める

30代の管理職・マネジメント経験のない人がそのポジションに転職する際は、まず管理職・マネジメントへの理解を今以上に深めておくべきでしょう。
とくに、昨今のマネジメントは「人×データ×テクノロジー」で成果を出す役割に進化しています。基本概念(役割・評価・育成・組織最適化)に加えて、AIリテラシーやデータに基づく意思決定も押さえておくと立ち上がりが早くなります。
また、注意すべきは、転職後の部下の存在です。新しい上司に対して、メンバーは一定期間、資質や方針を見極めています。迎合は不要ですが、透明性のある判断と一貫したコミュニケーションが信頼の土台になります。
管理職・マネジメントへの理解を深める際に、おすすめの書籍
育成・評価に関わるコミュニケーションスキルを高める

前章で挙げた管理職・マネージャーの役割や求められる働き方は、そのほとんどが「コミュニケーション」によって成り立ちます。
以下の4つの手法は、今も有効な「話し方そのものの技術」です。デジタル環境では、これらをオンライン/オフラインの両方で使い分けられることが求められます。
コミュニケーション手法 | 役割と目的 |
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ティーチング |
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コーチング |
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メンタリング |
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カウンセリング |
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これらのコミュニケーション手法のうち、管理職・マネージャーが多く扱うのは「コーチング」と「メンタリング」です。30代で未経験でも、定例1on1・目標設定・振り返り・フィードバックの基本サイクルを回すことで短期間で質を上げられます。
体系的に理解するには経験が必要ですが、まずは基礎を押さえ、オンラインでも成果が出る“型”をつくりましょう。
管理職・マネージャーのコミュニケーション力形成に、おすすめの書籍
目指す企業・事業を俯瞰する視点を持つ

管理職・マネージャーとして働く際に求められるものとして、「全体を俯瞰する視点」が挙げられることも多いです。これは、物事を局所的に見るのではなくその全体像を把握するということです。
「俯瞰する視点」は、まずその環境全体を図でイメージすることです。
たとえば、とあるWeb制作会社の業務全体像を考えた場合、以下のようにあらわせるでしょう。
Web制作会社の工程の全体像

Web制作会社のステークホルダー相関図

こうした全体像の視点について、私たちは普段「なんとなく」でイメージしていることが多いと思います。携わっている期間が長ければそのイメージも一定正確なものになっていることもあるでしょうが、転職の際にはそのイメージはゼロから形成していかなくてはいけません。
そのため、応募前の情報収集では、①事業構造(誰に何をどう届けて収益化するか)、②デジタル成熟度(データ基盤・AI活用・セキュリティ)、③組織体制(意思決定・評価・働き方)の3観点で俯瞰図を作っておくと、面接での解像度が上がり、入社後のキャッチアップも格段に速くなります。
焦りの転職はNG。「自分に合った求人」を根気よく探す

管理職・マネージャーの求人は、その多くが「空き枠採用」です。常に募集しているという企業は少なく、時期によって掲載求人は大きく変化しがちです。
そのため、管理職・マネージャーのポストへの転職をする際は、「自分に合った求人」を見つけるためにもある程度中長期的な活動を意識した方がよいでしょう。急ぎの転職は焦りや妥協に繋がりやすく、結果としてミスマッチ転職になりやすくなります。
一方で、待機期間を活かしてリスキリング(AI活用・データ分析・業務自動化の基礎)や情報収集(業界/企業研究・ネットワーキング)を並行すると、同じ応募でも通過率と年収交渉力が高まりやすくなります。
「どうしても早く転職する必要がある」という人もいると思いますが、それ以外の人は転職期間を「半年~1年」ほどに設定して、自身の市場価値を確認しつつニーズのある企業を継続的にチェックしていくのがおすすめです。
「ミドル世代の転職で、失敗する人・成功する人の傾向」について(現役キャリアアドバイザー 武蔵野さん)
- 武蔵野
さん -
ミドル代で転職して失敗してしまう人に多いケースが、「転職したい」と思ってから転職活動をするパターンです。逆に成功する人に多いのが、先に転職エージェントに登録し、1~2年くらいかけて情報収集するような人たちですね。「良いのがあったら動く」というスタイルです。
前者はいわば、何かしら「今の仕事を辞めたい」というような、マイナスの要素があったときに動くタイプで、マイナスをゼロにしようという意識が強い。だから、妥協してしまったり、「とりあえず内定もらえたら御の字」という転職スタイルになりやすく、失敗やミスマッチ転職を起こしがちでしょう。
後者は「良いところが見つかったら転職しよう」という、プラスの要素で動くタイプですので、自分に合ってるものしか応募しないこともあり、成功&年収アップしやすい傾向にあります。
具体的な転職活動の進め方としては、以下を意識するとよいでしょう。
- ①キャリアの棚卸しと、職務経歴書を作成する(強みを数値化・事例化し、AIに要約させてブラッシュアップ)
- ②複数の転職サイト・エージェントに登録する
- ③転職サイト・エージェントでの求人をチェックしつつ、定期的に職務経歴書を更新する
ひとつめの①「キャリアの棚卸し」と「職務経歴書の作成」をなぜ先に行うのかというと、この作業により自身の市場価値が客観視されやすくなり、目指すべき業界や企業・ポジションをイメージしやすくなるからです。
補足:キャリアの棚卸しについて
キャリアの棚卸しとは、「これまでの仕事で得たスキルや経験を整理し、自分の市場価値を把握すること」です。
キャリアの棚卸しのステップ | 例(メーカー営業の場合) |
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①「これまで経験した業務」をリストアップする | 営業、企画書・提案書の作成、サービス進捗のデータ入力、クライアント対応、新規顧客の開拓、プロジェクト管理、販売戦略の策定、トレーニングセッションの実施、業務プロセスの改善 |
②「①によって得た知識・スキル」を洗い出す | ヒアリング力、数値管理能力、PC操作の知識、プレゼンテーションスキル、マーケティング知識、データ管理スキル、分析能力、Excelの高度な操作、コミュニケーションスキル、問題解決能力、交渉力、営業力、リサーチ能力、プロジェクトマネジメント、トレーニング・教育スキル、業務改善能力 |
③「①、②で今後も続けたいこと」を言語化する | 顧客とのコミュニケーションを強化し、プロジェクトマネジメントに活かす、マーケティング部門での企画・戦略立案業務 |
④「①~③が活かせる働き方」を考える | ビジネスデベロップメント部門、プロジェクトマネージャー、マーケティングプランナー |
特に転職前においては、キャリアの棚卸しはぜひやっておきたいところです。
キャリアの棚卸しの具体的な方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。興味のある人は併せてご覧ください。
ふたつめの②「複数の転職サイト・エージェントに登録する」については、「良い案件が出たときにすぐ知れるよう、網を張っておく」イメージで活用します。
転職活動の際には、多くの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。

ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。

上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の確度を高めていけるはずです。
ただし、転職エージェントは国内多くのサービスがあり、またどの担当者が付くかによってもサポートの提供のされ方が変わります。
あなたに合った転職エージェント(または担当アドバイザー)を見つけるためにも、はじめに2~3つのサービスに登録して、利用のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを比較しておくことをおすすめします。
転職サイト・エージェントを利用してもあまり求人が見つからなかったり、応募しても選考に通過しないことが続いた場合は、目指す業界・企業の求めている人物像と自身の市場価値とにギャップがあることが考えられます。
③の「定期的に職務経歴書を更新する」は、単に内容をよくするだけでなく、いま一度自身の転職方針を見直したり、新たに獲得すべき知識・スキルがないかの確認も並行して進めます。
「印象に残る職務経歴書」作成のポイント
- Point1)最初の職務要約ですべてを語る
- Point2)緩急をつける
- Point3)企業毎に職務経歴書を書く
- Point4)定量的に書く
- Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは、ほどほどに。
- Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
Point1)最初の職務要約ですべてを語る
採用担当はたくさんのレジュメに目を通すため、最初の職務要約しか見ない人もいます。逆にいうと、この部分は全員が見るということです。
そのため、「最初の職務要約ですべてを語る」くらいの気概で作成したほうがよいでしょう。
自分の強みが最初の数行でパッと分かるように表すなど、とにかくこの部分の品質に意識を集中して作成することが大切です。
Point2)緩急をつける
ある程度実務経験を持った人が陥りがちなミスが、「やってきたことを全部書いてしまう」ことです。
全部盛り込むと、強み(アピールポイント)が薄まってしまいます。
アピールすべきところとしなくてもいいところを分けて、しなくても良いところはバッサリ切る──、といったメリハリが大切です。
例えば総務部門を経験した転職者の場合、総務の幅広い業務範囲を全部書くとどうしても冗長になってしまいます。
その際に、例えば応募する企業の求人要件が「総務の資産管理」だった場合、そのポジションと関連する経験をアピールするのです。
「自分はそのほかにも人事、採用などを経験していた」という場合においても、応募企業側で人事、採用のポジションを求めていないようなら、その記載は軽く触れる程度に留めるなどの取捨選択を意識しましょう。
Point3)企業毎に職務経歴書を書く
職務経歴書は、基本応募企業毎に準備します。
テンプレートのようにひとつの職務経歴書を使いまわしていた場合、応募企業側はすぐにそれを見抜きます。
効果的な職務経歴書にしていくためにも、企業が募集しているポジションに合わせて書くことを意識するとよいでしょう。
イメージとしては、「60%は共通部分として、残り40%を企業毎にかき分ける」、「これまでやってきたことが20種類あったら、求人ポジションに合わせて12~3個に絞って、7~8個は削る」といった形で進めると良いと思います。
ポイントは、求人企業に対して「企業が求めているポジションと、自分の経歴がいかにフィットしているか」を伝えることです。
Point4)定量的に書く
よく言われることですが、職務経歴書は「定量的」に書くことが大切です。
例えば、「お客様に大変喜ばれた」といった表現は、第三者はその程度が分かりません。また、「主観的、感覚的にしか物事を捉えられていない」と評価されてしまうリスクもあります。
アピールする事柄は、なるべく「数値」に落とし込むことが大切です。
「売上や会員数、またはPV数などが何パーセント増えた」であったり、「結果として作業時間がこれだけ短縮できた」などの定量的な説明を意識するとよいでしょう。
Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは、ほどほどに。
プライベートでの活動(ボランティア)などは、書いても書かなくても、書類通過や採用にそこまで影響は無いと見たほうがよいでしょう。
他の候補者と比較検討になった際に、その人と甲乙つけがたいくらいの同評価だったら効果はあるかもしれませんが、その他ではあまり効果を期待しない方が良いと思います。
たまに、経営層の価値観とマッチしたなどのラッキーパンチもありますが、やや運要素の強いPRと言えます。
また、そうした副次的なPRをたくさん書いてしまうと、「仕事でアピールできないから、そこでアピールするのかな?」と思われてしまうリスクもあるでしょう。
Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
レジュメ(職務経歴書)は、「企業へのラブレター」と思って書くと良いです。
例えば、気になっている異性に「私はたくさんのスキルと知識がある。だから付き合ってください」とラブレターを書く人はいないでしょう。
それよりも、「あなたはきっと、こういう人を求めていますよね。私はまさにそういう経験をしてきています。つきましては、私と付き合ってくれませんか」といった形でアプローチする方が成功確度を高められるはずです。
ポイントは、「相手を基点」にあなた自身のペルソナを作っていくこと、──つまり、「顧客視点」を持って職務経歴書を書いていくことです。
参考文献
- パーソルイノベーション株式会社(PERSOL MIRAIZ)リスキリングで何を学ぶ?20代~30代におすすめの分野・スキル
- ストリートアカデミー株式会社(ストアカ)年代別リスキリング意識調査:「AI活用スキル」が全世代で最も学びたいスキルに:contentReference[oaicite:1]{index=1}
- ランスタッド(Randstad)「高需要スキル世界調査2025」が示す、日本の人材戦略とグローバル人材の未来:contentReference[oaicite:2]{index=2}
- ICT未来図(株式会社シーイーシー)AI活用でビジネスを加速!選び方から導入支援まで徹底解説:contentReference[oaicite:3]{index=3}
- CAD研(GETT-media)〖2025〗生成AI人材に求められる7つのスキルとは?企業における育成の注意点:contentReference[oaicite:4]{index=4}
4)30代が管理職・マネージャーを目指す際のおすすめ転職サイト・エージェント
ここでは、30代におすすめの転職サイト・エージェントを紹介します。
先に説明したように、転職サイト・エージェントは複数活用していくことによって相乗効果を得られます。
具体的には、大手の「総合型」転職エージェントと専門分野に特化した「特化型」転職エージェントを組み合わせるように登録しておくとよいでしょう。

メリット | デメリット | |
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総合型転職エージェント |
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特化型転職エージェント |
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総合型の転職エージェントの特徴は「あらゆる業界・業種の求人を揃えている」ことです。
国内の代表的な総合型転職エージェントには「リクルートエージェント」や「doda」「マイナビAGENT」などの大手が挙げられます。これらのサービスは国内トップレベルの求人数を誇っており、自身の希望に即した求人を見つけられる可能性も高まるでしょう。
また、総合型転職エージェントを利用する転職者は非常に多く、その分実績も豊富です。
過去の成功データをもとに求人紹介や選考にあたってのアドバイスをもらえることも、総合型転職エージェントを活用するメリットの一つと言えるでしょう。
一方の特化型転職エージェントは「特定の業界・業種への求人紹介・サポートに優れている」のが特徴です。
総合型の転職エージェントに比べると、求人の数には及ばないものの、ある特定の業界・業種への知識が豊富なキャリアアドバイザーが多数在籍しているため、目指したい業界・業種が明確な人にとって、希望にマッチするレア求人や専門的なアドバイスやキャリア相談を得られる良い機会になります。
おすすめの組み合わせは、「総合型2つ+特化型1つ」です。
総合型サービスで紹介してもらえる求人を担保しつつ、特化型サービスでその分野に明るい担当からアドバイスを受けることを期待できます。

以下に総合型サービスと特化型サービスそれぞれのおすすめ転職エージェントを紹介します。「ここが自分に合いそう」と思えたものから登録を検討してみてください。
総合型の代表的な転職エージェント
サービス名 | マイナビAGENT![]() | doda![]() | リクルートエージェント![]() | ワークポート![]() | type転職エージェント![]() |
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メリット |
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デメリット |
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得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | 営業、IT、システムエンジニア、プログラマ、コンサルタント |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | 20代後半~30代前半(エンジニアのみ39歳までOK) |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 東京・神奈川・埼玉・千葉 |
おすすめの人 |
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詳細を見る |
特化型の代表的な転職エージェント
タイプ | 営業 | 20代に特化 | 20代・若手 | 20代に特化 | 20代に特化 | ITエンジニア | ITエンジニア | IT・Web業界 | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門 | 外資・グローバル | 外資・グローバル | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 | 障がい者 | 障がい者 |
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サービス名 | hapeエージェント![]() | マイナビジョブ'20s![]() | キャリアスタート![]() | ハタラクティブ![]() | キャリアパーク![]() | マイナビIT AGENT![]() | レバテックキャリア![]() | ワークポート![]() | doda X![]() | JACリクルートメント![]() | リクルートダイレクトスカウト![]() | ビズリーチ![]() | ジャスネットキャリア![]() | マスメディアン![]() | クリーデンス![]() | MS Japan![]() | エンワールド![]() | ロバート・ウォルターズ![]() | メイテックネクスト![]() | レバウェル介護![]() | かいご畑![]() | LITALICO仕事ナビ![]() | デイゴー求人ナビ![]() |
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得意業界/職種 | 営業職 | ◎全業種・職種 | 営業職、管理部門、Webエンジニア、インフラエンジニア、販売・サービス | ◎全業種・職種 | 営業、販売、接客、施工管理、ITエンジニア | IT・Web | IT・Web | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門・士業 | 外資系 | 外資系 | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 | デスクワーク | 事務・軽作業 |
対象地域 | 関東、関西、東海、九州 | 関東・関西・中部 | ◎全都道府県 | 北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、九州 | 東京・大阪近郊 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 関東・関西・中部(東海) | 東京・大阪 | 関東・関西・東海 | ◎全都道府県 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・名古屋・大阪・福岡 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
以下、30代の方に特におすすめの転職サイト・エージェントについて、その詳細・おすすめの理由について紹介しています。あわせてご参考ください。
doda X(デューダ エックス)
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年収800万円以上の企業からのスカウトが多く届く転職サイト。ヘッドハンターからのサポートも受けられます!
「忙しくて、転職活動に時間をかけられない…」という30代の人におすすめのサービスが、doda X(デューダエックス)です。
doda Xの特徴は、企業からのスカウトが多いこと、そしてヘッドハンターがあなたの経歴と希望に合わせてキャリア提案をしてくれることです。
求人チェックや書類作成をする暇を見つけにくい人も、「スカウトを待つ」「ヘッドハンターのサポートを受ける」スタイルで効率的な活動をおこなえます。
紹介される求人の多くは、年収800万円以上の企業経営戦略や事業戦略に直結する重要なポジションのものがほとんど。
今よりさらに活躍できるフィールドで働きたいという人にマッチしやすいサービスでしょう。
doda Xの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京・埼玉・神奈川・愛知・静岡・大阪・京都・兵庫・広島 |
公開求人数 | 約6.2万件(2025年2月現在) |
とくに多い職種 | 事業企画・経営企画|営業|IT・Webエンジニア|経理・財務・人事・法務|マーケティング・販促・商品開発|技術職(機械・電気)|コンサルタント|金融系専門職|医療専門職|技術職(化学・食品系)|技術・専門職(建設・不動産系)|クリエイター・クリエイティブ職|サービス系(店舗管理・運営管理)|技術職(組み込みソフトウェア)|SCM・物流・購買系など |
doda Xでは登録後に職種別の経歴書のサンプルも入手できます。キャリアアドバイザーのサポートを合わせて利用すれば、書類作成の準備は万全でしょう!
リクルートエージェント
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国内No.1の求人数の豊富さ!担当エージェントの的確かつスピーディな支援も受けられるので、「なるべく早く転職したい」30代にもおすすめのエージェントです。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
リクルートエージェントの強みは全業種・職種に対して豊富な求人数を持つこと、そして長年の実績で培われたノウハウ・転職支援ツールの充実さにあります。
とくに活用したいのが、志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」です。
ここまでお伝えした通り、30代以降の転職は企業研究が非常に重要です。その際に、レポート情報はあなたの活動に大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとに目指す分野に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約62万件(2025年9月現在) |
とくに多い職種 | 営業・販売・カスタマーサービス|企画・マーケティング・経営|管理・事務|物流・購買・貿易・店舗開発|コンサルタント|金融専門職|不動産専門職|クリエイティブ|SE・ITエンジニア|エンジニア(設計・生産技術・品質管理)|建築・土木|医療・医薬・化粧品など |
リクルートエージェントを利用した人たちからは、オンラインで受講できる「面接力向上セミナー」について「実際の面接で役立った」という感想が多く見られます。登録後は無料で参加できますので、面接対策に不安を感じている人はぜひ利用しましょう。
JACリクルートメント
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ミドルクラス・ハイクラスの転職 満足度で6年連続No.1!(オリコン満足度調査2019-24年)利用者からは「相談の手厚さ」と「適切なマッチング」への評価が高いです。
JACリクルートメントは「年収600万円以上」のハイクラス向け転職エージェントです。一定以上の経験や実績のある人材を求める企業の紹介に優れており、ミドル層以上の転職活動におすすめです。
JACリクルートメントでは求人紹介だけでなく、キャリア面談やキャリアの棚卸し、キャリアプラン相談といった総合的なキャリアコンサルティングを行ってくれます。
在籍コンサルタントは人材業界の中でもベテラン勢が多く、これまでの豊富な転職支援実績をもとにキャリアコンサルティングを実施してもらえます。
JACリクルートメントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約2.1万件(2025年2月現在) |
とくに多い職種 | サービス|商社|流通|消費財|マスコミ|建設・不動産|金融|IT・通信|WEB|EMC|コンサルティング・シンクタンク・事務所|メディカル・バイオ|医療・介護・福祉など |
サポートの充実がウリのJACリクルートメントですが、求人数は少なめです。登録の際は希望条件をやや広めに&他の転職サービスにも登録しておくのがおすすめです。
パソナキャリア
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ひとりの転職者に平均20時間のサポート。「じっくり丁寧なサポート」を求める人におすすめです。
パソナキャリアは、人材派遣業の代表的な企業として知られるパソナグループが運営する転職エージェントです。過去の転職支援実績は累計25万人に達しており、豊富な転職ノウハウを有しています。
転職コンサルタントによる丁寧なサポートを特徴としており、利用者の年収アップ率61.7%という実績からもサポート品質の高さがうかがえます。
パソナキャリアを利用した人の評判で多いのが、「じっくりと相談に応じてもらえた」という意見です。
ときに厳しいフィードバックを受けたという声も散見されますが、それだけ真摯に転職者に向き合っているエージェントが多いということでしょう。
「今現在の自分の市場価値はどれくらいか」、「満足いく転職を実現するために、今やるべきことは何か」を明るみにしていきたい人は、パソナキャリアのサポートがおすすめです。
パソナキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約4.5万件(2025年2月現在) |
とくに多い職種 | 営業職|管理・事務|IT・Webエンジニア|技術職(電気・電子・機械・化学)|クリエイティブ|マーケティング・企画|コンサルタント・士業|販売員・サービススタッフ|研究・開発(メディカル)|専門職(Web・IT・ゲーム|金融|不動産・建設)など |
丁寧なサポートゆえに、転職者のやる気、熱意も求められます。転職するにあたって「これだけは譲れない」という希望条件を持っておくと、担当エージェントも求人紹介がしやすくなります。
【まとめ】30代・管理職未経験でも転職を成功させる要点
「管理職経験がないから難しいかも…」と感じている方も、自分の強みを言葉にする力×デジタルのちょっとした工夫×少し先を見すえた準備があれば、しっかりチャンスは掴めます。以下のポイントをおさえて、転職活動を前向きに進めていきましょう。
- 自分の役割を捉える:チームや周囲にどう貢献してきたかを整理し、人×データ×テクノロジーをうまく活かしてきた姿勢を伝える
- デジタルとの付き合い方:AIでの要約・資料作り・定例業務の自動化など、日々の中で工夫してきたことを数字で可視化しておく
- 伝える力・聴く力:1on1やフィードバックなどで心がけている関わり方の型や、リモート時の伝え方の工夫(テキスト/音声/映像)などもアピールに
- 企業との相性を見つける:①どんなビジネスか ②デジタル化の進み具合 ③チーム体制を調べてみて、「ここなら自分が活きる」と思える部分を探す
- 転職の進め方を描く:半年〜1年という少し長めの目線で準備し、総合型2+特化型1のエージェントを使って選択肢と専門性をバランスよく確保
- 書類の伝え方を磨く:はじめの職務要約で「なぜこの会社なのか」を明確に伝え、案件ごとに40%はカスタマイズ。成果は数字で、言葉は求人票に寄せて
「管理職経験がない自分にはまだ早いかも…」と思わず、企業が本当に求めているのは、“役職”ではなく“チームや業務をより良くできる力”であることを忘れずに。30代・未経験でも、管理職を目指した転職はちゃんと目指せます。まずは、今日からできること――AIツールを少し使ってみる、成果をメモしてみる――そんな小さな一歩を積み重ねて、次の転職のチャンスをつかみにいきましょう。