「40代で仕事をやめたい」と思ったら。後悔しないための準備とリスクを徹底解説
[最終更新日]2026/01/09

40代で「今の会社を辞めたい・仕事を辞めたい」と悩むことは、決して珍しいことではありません。
当サイト「みんなの転職体験談」で40代の社会人の方にWebアンケートを実施したところ、全体の64%の方が「現在転職したい」と考えていることがわかりました(※2022年1〜6月時の集計)。
しかし、その中で実際に転職に向けて動き出している方は約4分の1にとどまっています。
「毎日が辛い」「環境を変えたい」と強く思いながらも、いざとなると踏み出せない。そんな葛藤を抱えている方が非常に多いのが40代のリアルと言えるでしょう。
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目次
1)40代の「仕事を辞めたい」と感じる背景と、抱えやすいリスク
40代になり、「会社を辞めたい」「もう仕事に疲れてしまった」と感じる瞬間が増えてはいないでしょうか。実は40代は、20代・30代の頃とは異なり、少しずつ体力の衰えを感じ始めたり、ホルモンバランスの変化(更年期など)によって心身のバイオリズムが揺らぎやすい時期でもあります。
こうした自分自身の変化に加えて、責任ある立場や家庭環境の変化が重なることで、悩みはより深刻になりがちです。まずは、同じ40代の皆さんがどのような理由で「辞めたい」と考えているのか、そのリアルな声を見てみましょう。
40代の「仕事を辞めたい」理由で多いものとその割合
- 会社の業績悪化や減給を受けて…26%
- もっとやりがいのある仕事に就きたい…17%
- 労働環境への不満…21%
- 職場の人間関係…25%
※ 当サイト「みんなの転職体験談」に投稿いただいた40代の転職エピソード(164件)をもとに集計
厚生労働省の「雇用動向調査」においても、40代の離職理由として「職場の人間関係」「労働条件」「給与への不満」は常に上位を占めています。今のあなたの悩みは、決して「甘え」などではなく、多くのミドル世代が直面している一般的な課題といえるのです。
大切なのは、その悩みが「今の職場特有のもの」なのか、それとも「キャリアの積み方や環境次第で解決できるもの」なのかを見極めることです。ここからは、それぞれの理由に対する具体的な対策とリスクの回避方法を整理していきます。
会社の業績悪化や減給…「もしも」が現実になる前に知っておきたいこと
「このままこの会社に居続けて大丈夫だろうか…」という不安



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いよいよ景気が悪くなってきて、仕事量は徐々に減り、業績も悪化していって。
今まであんなに忙しかった仕事も暇になってしまい、時間を持て余すようになりました。
これまで、将来に対する不安なんて考えることはありませんでした。忙しかったので考える時間がなかったのです。
ですが、仕事が暇になってくると、人間は余計なことを考えてしまうものです。


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これまでずっと、派遣社員として働いていました。「近々、直接雇用(正社員)になるよ」って言われてて。
ですので、これまで以上に張り切って仕事をしてたんです。ですが、なんと会社の業績悪化により、派遣が打ち切りになってしまったのです。
このときほど、むなしい気持ちになったことはありませんでした。涙も出ないほどにショックで、やりきれない気持ちになりました。
40代は他の年代に比べて賃金水準が高く、会社にとっては人件費負担が大きな世代です。そのため、会社の業績が傾いた際に真っ先に影響を受けやすいという厳しい現実があります。無計画な退職はリスクを伴いますが、会社があなたを守ってくれない可能性がある以上、早めのリスクヘッジは欠かせません。
業績悪化や年収ダウンへの対策は「会社に依存しない準備」を始めること
厳しい経営状況がさらに進んだとき、会社に従業員を救う余裕はありません。だからこそ、今のうちから「いつでも転職できる状態」を整えておくことが、最大の後悔しないための準備となります。
「会社に依存しない働き方」へのシフトを目指しましょう。具体的には、以下の3つのポイントを意識して動いてみるのがおすすめです。
対策|会社の業績悪化や減給を受けて、仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
※各リンクをクリックすると、詳細説明のパートにジャンプします。
もし、まだ何も行動を起こせていないという方は、手遅れになる前に今日から準備を始めましょう。現状を知るだけでも、漠然とした不安を「具体的な課題」に変えることができます。
なお、現在リストラや退職勧告という差し迫った状況にある方は、以下の記事も参考にしてください。
もっとやりがいのある仕事に就きたい…市場価値と今の不満を整理する
だけど、転職して自分の求める働き方ができるか分からない…



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親会社から役員が入ってきまして、その方は管理部門のスペシャリスト──私が担っている業務に直接関わるポストでした。
これまで私が得意としてきた財務・経理といったファイナンス部門はその役員の方が行うことになって、私の仕事は人事がメインになりました。でも正直、人事の仕事は、それ程興味が持てなかったのです。
そして私は、これからのキャリアを創っていくイメージがどんどん見えなくなっていきました。


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会社が変わり始めたのは、海外の企業に買収されて、社長が変わってから──ですね。
セールスの戦略も結構強引な手法になって。
例えて言うなら、「お客さんを見ない売り方」というか。一気に詰まんなくなりました。また、新しい役員たちには「新規の取り組み」がほぼ通らなかった。珍しく通っても、1〜2ヵ月経って効果が見えなければ即停止、みたいな。前は「まずチャレンジしよう」っていう風土だったのに。──それで、「もうやめよう」と思いました。
40代は社会人経験を積み、自分のスタイルが確立されている時期です。それだけに、環境の変化で「自分の価値が発揮できていない」と感じることは大きなストレスとなります。市場でのニーズを確認せず感情だけで動くのはリスクですが、外の世界に目を向けることは、今の自分の立ち位置を客観視する良い機会になります。
「自分の価値を発揮したい」と思ったら、まずは外の世界を覗いてみる
すぐに辞める決断をする必要はありません。まずは「いちど転職活動をしてみる」ことをおすすめします。活動を通して「自身の市場価値」を知ることが、今の会社に残るにせよ辞めるにせよ、納得感のある選択につながるからです。

「いい求人があったら動く」というじっくり型の待ちのスタイルは、焦りによる失敗を防げるため40代には適しています。まずは以下のステップから始めてみましょう。
対策|「もっとやりがいのある仕事」を求めて、仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
労働環境への不満…40代からの健康と将来を守るための選択
働きにくさや、上層部への不信。このままずっと今の働き方を続けられるイメージがない



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会社の体制は、異常なまでの独特さがありました。
毎週月曜日は1日かけての社内全体会議があり、そこで全社員と社長の承認を得なければ何もできません。そのためのプレゼンの準備に週末は潰れます。
私のような本部所属の社員は、店舗スタッフから昼夜、土日関係なく電話やメールがあり、24時間以内に対応完了しなければならないルールがあったため、心が休まる時がありませんでした。
深夜1時からのZoom会議は当たり前、深夜3時に会議が終了して、翌日9時から始まる会議に間に合わせるため、寝ずに資料を作成していました。


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いつからか、上司から「明日(土曜日)、出勤できる?」と毎週のように個別で訊かれるようになりました。
さすがに毎回断るのも気が引けたので、私は2週間に1回程度は休日出勤するようにしました。すると上司は「明日(日曜日)とかって、どうかな?」とまで尋ねてくるようになりました。
当時の会社がどれだけ厳しい状況だったのか──。一介の作業員であった私には知る由もありませんでした。ですが、休みもほとんどなく、かつ毎日遅くまでの仕事となるとさすがにこっちだって厳しくなります。
ある時、同僚から「こんな働き方のまま、このまま人生が終わるのは嫌だから」と自分は退職するんだと伝えられたとき、私は(ああ、それはまさに私が考えていたことだ)と思いました。
40代は心身の変化を感じやすい時期とお伝えしましたが、この時期に「過度な長時間労働」や「休日返上」が常態化している環境に身を置くのは、将来の健康リスクを考えると非常に危険です。仕事は健康な状態があってこそ。自分の体力の限界を無視して走り続けるのは、40代において最も避けるべきリスクの一つです。
心身に不調をきたす前に、自分に合った「働き方」を定義し直す
「今の働き方を続けるのは辛い」という内なる声を無視してはいけません。内閣府の調査によれば、生活の満足度には「ワークライフバランス」や「健康状態」が大きく影響することが分かっています。今後の人生を豊かにするために、以下のアプローチを検討してみてください。

対策|労働環境への不満から、仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
職場の人間関係…我慢の限界が来る前に対策を立てる
会社や上司と価値観が合わない。新しくやってきた若い世代のやり方についていけない。



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私が働いていたお店はチェーン店4店舗の中でも、特に売り上げが良い店舗でした。
それで、結局他のお店3店舗は潰れてしまい、そこで働いていた幹部が私のお店にやってくることになったのです。私よりも年齢が上でしたが、私の方がそのお店でキャリアがあったこともあり、その人は私の下で働くことになりました。ですが、社長は私以外のお店の3店舗の店長やスタッフと仲が良くて。
──いつの間にか、社長のお気に入りの社員がどんどん優遇されていき、私や私の部下たちはどんどん隅に追いやられていったのです。そんな中で「仲良くやろう」だなんて、とてもじゃないができません。私や私の部下はいわば外様大名。周囲との対立はどんどん深まっていきました。


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社員同士のモラハラ・パワハラがひどい職場でした。
個人的なミスをかばい合う風習は無く、徹底的にいつまでも攻め続ける。
ミスの該当者も詫び続けることでなんとか誠意を見せようとする。何か起こると、しばらく職場内がギスギスした雰囲気でした。
40代は現場と管理職の板挟みになりやすく、上司だけでなく同僚や部下との関係に悩む方も多い世代です。公的な調査でも、人間関係は常に離職理由のトップクラス。「この年齢だから我慢しなくては」と抱え込みすぎると、深刻なメンタルヘルスの悪化を招くリスクがあります。
人間関係を理由に「辞めたい」と思ったら、まずはコンディションを整えることから
ストレスから深刻な病気になる前に、早めの対策が必要です。今の環境でできることから始めつつ、社外のパートナーに相談するなど、視野を広げる準備をしましょう。
対策|職場の人間関係を理由に、仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
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オンラインカウンセリング「kimochi」
「Kimochi」は、匿名・顔出し不要で国家資格カウンセラーに相談できるオンラインカウンセリングサービスです。
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参考文献:
・厚生労働省:雇用動向調査(結果の概況)
・内閣府:満足度・生活の質に関する調査報告書2021
2)「後悔しない決断」のために。40代の悩みを解決する4つの具体的な準備
「今の会社を辞めたい」という強い想いが湧き上がったとき、私たちはいつかその気持ちに決着をつけなければなりません。後悔のない選択をするためには、一体どうすればよいのでしょうか。
大切なポイントは、一人で悩み続けず、現状を客観的に見つめ直すこと、そして「外の世界」の意見をうまく取り入れることです。具体的には、以下の4つの準備を進めることが、あなたの将来を守るための有効な対策になります。
自分に「向いている仕事の仕方」を明確にする

40代で転職を検討する際、特に「今の職場のままで良いのか不安」「自分を活かせる場所が他にあるはず」と感じているなら、一度「自分に合った働き方」を再定義することをおすすめします。
ここでのポイントは、業種や職種といった表面的なことだけでなく、「どんな進め方なら自分の強みが出るか」「どんな環境ならストレスなく貢献できるか」という「向き合い方」まで深掘りすることです。
40代はこれから先も、まだまだ長い期間働くことになります。新しい道を選ぶにせよ、今の環境に残るにせよ、自分の「得意な型」を理解している人ほど、その後の仕事で成果を出しやすくなるからです。
自分に合った仕事の仕方を見つけるための第一歩として、まずは「キャリアの棚卸し(たなおろし)」をしてみましょう。
「キャリアの棚卸し」とは?
お店が在庫を確認するように、自分のこれまでの仕事経験を時系列で整理し、「何ができるのか」「何にやりがいを感じたか」を書き出してみることです。自分の「武器」を再確認する作業といえます。
キャリアの棚卸しは、以下のように時系列ごとに携わった仕事内容・役割、学べたこと・身に付いたことなどをまとめていきます。
キャリアの棚卸しの記入例

※これからキャリアの棚卸しを作成する人は、よろしければ「キャリアの棚卸し作成表」ファイルをダウンロードしてお使いください。
キャリアの棚卸しの記入例(詳細)
| 期間 | 2003年4月〜2010年9月 | 2010年10月〜2015年3月 | 2015年4月〜現在 |
|---|---|---|---|
| 業界・職務 |
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| 仕事内容・役割 |
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| 学べたこと・身に付いたこと |
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| とくに意識して取り組めたこと |
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※横にスクロールして右側の情報を確認できます。
キャリアの棚卸しをやる際のポイントは、これまでの業務を一つずつ、丁寧に振り返ることです。
たとえ今の仕事が合っていないと感じていたとしても、「この期間があったから、自分はこんなことを学べたのかもしれない」と考えて、これまでの軌跡ひとつひとつに光を照らしていくように振り返ってみてください。
そして、振り返りを終えたら改めて、「これから先の人生で、どんな働き方を私はしたいのか」を考えてみてください。あなたが本当に望んでいる働き方のイメージが、より具体的になっていくはずです。
将来の「キャリアビジョン」を描き、そのための「計画(プラン)」を立てる

「会社を辞めたい」という気持ちの先に、働き方や生活スタイルの変化をイメージしているなら、一度キャリアビジョンとキャリアプランを言葉にしておくことが重要です。
- キャリアビジョン:将来、自分が「こうなっていたい」という理想の姿や働き方のイメージのこと。
- キャリアプラン:その理想(ビジョン)を実現するための、具体的な行動計画のこと。
キャリアビジョンとキャリアプランは、以下のように時系列に落とし込むことによって考えを整理しやすくなります。

ビジョンとプランは、かっちり決めすぎず「ゆとり」を持たせる
作成のポイントは、近い将来については具体的に考え、遠い将来については「こうなっていたらいいな」という程度に留めておくことです。
40代から先の10年後、世の中がどうなっているかを正確に予測するのは不可能です。そのため、「この職種でなければならない」とガチガチに決めるよりも、「こういう価値を提供していたい」といった抽象的な表現の方が、変化に対応しやすく、選択肢も広がります。
また、仕事のことだけでなく「家族との時間」や「趣味の充実」といった生活面もあわせて考えると、よりあなたにとって納得感のあるプランになります。
プランをもとに「本当に今、転職すべきか」を問い直す
ビジョンとプランが出来上がったら、改めて「今の職場で働き続けた先に、その理想の姿はあるか」を自分に問いかけてみてください。
もし、どうしても今の環境では難しいと判断したなら、そこがあなたの転職の軸(譲れない条件)になります。この軸が定まっていれば、求人選びや面接での判断を迷わずに進めることができます。

これからのキャリアを一緒に考えてくれる「パートナー」を得る

40代の退職・転職は「やり直し」が効きにくいからこそ、一人で抱え込まずにキャリアの専門家(パートナー)を頼るべきです。
専門家には、ハローワークの相談員から、民間のキャリアコンサルタント、ヘッドハンター、転職エージェントの担当者まで様々な人がいます。彼らは多くの事例を見ているため、あなた自身が気づいていない「市場での価値」や「可能性のある業界」を提示してくれます。
今の時代、転職エージェントなどは「転職が決まった後」だけでなく、「転職すべきか迷っている段階」から無料で相談に乗ってくれるところも増えています。プロの客観的な意見を聞くことで、感情に流されない冷静な判断ができるようになります。
たとえば「JACリクルートメント」や「パソナキャリア」のようなミドル層に強いサービスでは、無理に転職を勧めるのではなく、長期的な視点でのアドバイスをくれる担当者も多いです。
「エージェントは敷居が高い」という方は、ハローワークの窓口や、スキルシェアサイトなどで個人で活動するキャリアコンサルタントを探してみるのも一つの方法です。第三者の視点を入れることが、失敗のリスクを最小限にする最大の準備となります。
少しずつ、社内外の「人との繋がり(人脈)」を広げていく

40代になると、どうしても仕事や家庭の往復になり、付き合う人が固定化されがちです。しかし、実は人との繋がり(人脈)こそが、あなたの悩みへの解決策を運んできてくれることがあります。
「人脈」といっても、何も異業種交流会に飛び込むことだけが正解ではありません。以前お世話になった上司や、昔の同僚、学生時代の友人に連絡を取ってみることも立派な人脈作りです。
外の人と接することで、以下のようなメリットが得られます。
- 今の会社を相対的に(外の基準で)見ることができ、不満の正体がわかる
- 他社での40代の働き方を知ることで、視野が広がる
- ふとした雑談から、求人票にはない「縁故(リファラル)」のチャンスが生まれる
実際、ミドル層の転職の約4人に1人は「知人の紹介」によるものというデータもあります。利害関係のない友人との会話から、「今の会社で改善できること」に気づけたり、逆に「やはり外に出るべきだ」と自信が持てるようになったりすることもあります。
相手に対して「自分を売り込む」必要はありません。「最近どう?」と声をかける、そんなささやかな交流の再開が、あなたのキャリアを救う強力な武器になります。
参考文献:
・厚生労働省:労働経済の分析(労働経済白書)
・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会:キャリアコンサルタントの役割について
3)40代の転職を成功させるためのポイント4点
「今の仕事を辞めたい」という決断を、一過性の感情で終わらせず、人生のプラスに転じるためには、戦略的な動き方が不可欠です。20代・30代の頃と同じやり方では、40代の転職市場では思わぬ苦戦を強いられるリスクがあります。
ここでは、40代が「後悔しない再スタート」を切るために押さえておくべき、実践的な4つのポイントを解説します。
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
自分の市場価値を確認する

40代の転職活動で最初に行うべきは、自分自身の「市場価値」の確認です。これは単に「いくらで売れるか」という話ではなく、「外の世界で、自分の経験がどう役立つと期待されているか」を知る作業です。
40代は社内での評価(主観的価値)が高まっている一方で、それが他社でも通用する「客観的価値」と乖離しているケースが少なくありません。このズレを認識しないまま辞めてしまうことが、最も大きなリスクとなります。
市場価値を測る具体的な方法は以下の2つです。
1. 求人サイトでの「人材要件」との照らし合わせ
ビズリーチやdodaなどの求人票にある「必須要件」を確認します。自分のスキルが、市場で求められる「武器」として通用するかを冷静にチェックしましょう。
2. プロによる「客観的な評価」のヒアリング
転職エージェントやヘッドハンターに「私の今の経歴を、第三者の視点で評価してほしい」と率直に尋ねてみることです。彼らは多くの40代の事例を見ています。自分では当たり前だと思っていた経験が、実は希少価値の高いスキルだと気づかされることもあります。
市場価値を知ることは、転職の「ゴール」を決めることと同じです。自分の現在地を正しく把握することで、無理のない、かつ確実なキャリアの選択が可能になります。
40代の転職で利用される各転職サービスの特性・強みを知っておく

40代の求人は、若手層に比べて絶対数が限られます。そのため、一つの方法に固執せず、複数の窓口を使い分ける「併用」が成功の近道です。
各転職ルートの活用ガイド
| サービス種別 | 特性とメリット | 注意点(リスク) |
|---|---|---|
| 転職エージェント | 非公開求人の紹介や、企業への推薦を受けられる。自身の強みの「翻訳」を助けてくれる。 | スキルが特定の領域に偏っていると、紹介案件がゼロになる場合もある。 |
| 求人サイト・スカウト | 自分のペースで広く探せる。スカウトを待つことで、意外な需要に気づける。 | 40代向けの求人倍率は非常に高いため、書類選考の通過が難航しやすい。 |
| 知人の伝手・縁故 | ミドル世代の転職で最も成功率が高い。社風とのミスマッチを事前に防げる。 | 「断りにくい」「期待値が高すぎて入社後にプレッシャーがかかる」場合がある。 |
| ハローワーク | 地元企業や、地域に根差した安定企業の求人が見つかりやすい。 | 大手企業や高年収の求人は少なく、比較検討の幅が狭まりがち。 |
40代で転職に成功している人の多くは、エージェントで相談しながらスカウトを待ちつつ、かつての人脈にも声をかけるという「多面待ち」を行っています。可能性を狭めないことが、後悔しないための最大の防衛策です。
40代の転職は、職務経歴書を制すること

40代の転職において、職務経歴書は単なる「履歴」の紹介ではありません。「企業が抱えている課題を、自分がどう解決できるか」という提案書である必要があります。
多くのライバルがいる中で、採用担当者に「この人に会ってみたい」と思わせるには、以下のポイントを意識しましょう。
印象に残る「40代の職務経歴書」作成のポイント
- 「職務要約」に魂を込める: 冒頭の3〜5行で、あなたが提供できる価値が全て伝わるように書く。
- 数字(定量)で実績を示す: 「頑張りました」ではなく「利益率を〇%改善した」と、誰が見ても分かる尺度で語る。
- ポータブルスキルを言語化する: 業界が変わっても通用する「課題解決力」や「調整能力」を強調する。
- 相手視点で「ラブレター」を書く: 「私がやりたいこと」ではなく「貴社の力になれること」を主軸にする。
また、面接では「柔軟性(アンラーニング)」が厳しく見られます。「前職ではこうでした」というプライドを一旦横に置き、新しい組織の文化を尊重する姿勢を、具体的なエピソードとともに準備しておきましょう。
企業研究のチェックポイント
入社後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐために、以下の観点でのリサーチは必須です。
| チェック項目 | 確認すべき「40代の視点」 |
|---|---|
| 経営層の理念 | 自分の価値観と致命的なズレがないか。共感を持って貢献できるか。 |
| 強み・独自性 | その会社が市場で生き残る力があるか。自身の経験でその強みを加速できるか。 |
| 組織構成・社風 | 年下の上司がいる環境か、意思決定のスピードは自分に合うか。 |
40代は、転職してからの苦労も多い。入社後の対応・心構えを知っておく

意外と見落とされがちなのが、転職「後」の準備です。実は、40代の転職者の約85%が、入社後の人間関係で苦労しているというデータもあります。即戦力を期待されるあまり、周囲との摩擦が生じやすいのです。
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- 転職した後、職場の人間関係で苦労した?──「YES」が82%|みんなの意見
- ミドル世代の転職後、人間関係で苦労したことがある方は全体の8割以上。その背景と対策とは…
入社直後の数ヶ月を乗り切るための「3つの心得」を覚えておきましょう。
- まずは「生徒」になる: どんなに経験があっても、その会社では新人です。まずは徹底的に「今の会社のやり方」を学びましょう。
- プライドを一旦リセットする: 「前職ならこうしていた」という言葉は禁句です。周囲が相談しやすい雰囲気を作ることが先決です。
- 「ありがとう」を口癖にする: 小さなサポートに対しても感謝を示すことで、新しい職場での味方を増やしましょう。
40代の転職成功とは、内定をもらうことではなく、「新しい環境で、再び信頼を築き上げること」にあります。この視点を持って準備を進めることが、あなたのキャリアを後悔のないものにするはずです。
参考文献:
・厚生労働省:令和5年雇用動向調査結果の概況
・厚生労働省:職業能力評価基準(ミドル・シニア層のスキル可視化)
4)40代の転職で、よくある質問

Q1 40代の転職の、おすすめ転職サイト・エージェントを教えてください
40代の転職におけるおすすめ転職サイト・エージェントについては、利用する人のタイプ・状況・転職スタイル(急いでやるのか、じっくりやるのかなど)によっても変わります。

以下のタイプ一覧をみて、自分が合致すると思えるところからチェックしてみてください。
タイプ別の40代向けおすすめ転職エージェント
とにかく、急いで転職したい人
「とにかく、急いで転職したい」40代の人は、求人数が豊富な大手転職エージェント、および企業やエージェントからのスカウトを見込める転職サイトに登録しておくとよいでしょう。
たとえばリクルートエージェントやdoda、ワークポートでは常時多くの求人を取り揃えているため、「サービスに登録したけれど、求人をほとんど紹介されない」となる事態は起きにくいでしょう。
また、これまでの支援実績からスピーディかつ効率的なサポートが期待できます。
そのほか、リクナビNEXTやビズリーチといった転職サイトにも登録しておくと、企業やエージェントから直接スカウト・オファーが届くこともあります。
これらのサービスを利用する際は、サービス登録時に入力する職歴情報(Webレジュメ)を丁寧に記入することです。
職歴情報の充実度がそのままサポート品質やスカウトを受ける数に関わることも少なくないからです。
また、年収についてのこだわりがそれほど強くないのなら、ハローワークにも登録しておくことをおすすめします。
ハローワークでは地域企業の求人が豊富で、転職サイト・エージェントからは紹介されない優良企業のものを確認できることもあるからです。
高年収帯の求人は少なめですが、全くないとは言い切れません。たまに好条件の求人が出ていることもあります。
「とにかく、急いで転職したい」40代の人におすすめの転職サイト・エージェント
| サービス名 | リクルートエージェント![]() | doda![]() | ワークポート![]() | リクナビNEXT![]() | ビズリーチ![]() |
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| メリット |
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| 得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
| 対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | |
| おすすめの人 |
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| 公式サイト |
じっくり機をうかがいながら、中長期的に転職活動を進めたい人
じっくり機をうかがいながら、中長期的に転職活動を進めたい40代の人は、先に紹介した「キャリアを一緒に考えてくれるパートナー」を意識してサービスを選ぶのがよいと思います。
たとえば転職サイト「リクルートダイレクトスカウト」は、「この人にキャリア相談したい」というヘッドハンターに自分で選んで相談できます。
また「JACリクルートメント」や「パソナキャリア」、「ヒューレックス」といったミドル層への転職支援の実績な転職エージェントの登録も検討するとよいでしょう。
これらの転職エージェントは求職者のペースに合わせてサポートを行われることが多く、「担当から急かされた」などの利用者からのネガティブ評価はほとんど見られません。
エージェントのサポート品質を重視する人は、あわせて「担当者との適切な付き合い方」を知っておくべきでしょう。相手をあなたのキャリアを支援するビジネスパートナーとして接し、信頼関係を育んでいくことが活動品質とも直結しやすいからです。
「じっくり、中長期的に転職活動を進めたい」40代の人におすすめの転職サイト・エージェント
| サービス名 | リクルートダイレクトスカウト![]() | JACリクルートメント![]() | パソナキャリア![]() | ヒューレックス![]() |
|---|---|---|---|---|
| メリット |
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| デメリット |
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| 得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
| 対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
| おすすめの人 |
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| 公式サイト |
担当から丁寧なサポートを受けたい人(書類添削や面接対策の支援を受けたい人)
担当から丁寧なサポートを受けたい(書類添削や面接対策の支援を受けたい)40代の人は、先に紹介した「JACリクルートメント」や「パソナキャリア」、「ヒューレックス」を優先して登録を検討するのがよいと思います。
ただし、担当につくエージェントのタイプや相性の問題もありますので、「このサービスに登録すれば、必ず丁寧なサポートを受けてもらえる」とは限りません。
担当エージェントの「合う・合わない」もありますので、複数の転職エージェントに登録して、自分に合う担当を見出してそこに利用を絞っていくやり方がおすすめです。
これも一概には言えませんが、大手転職エージェントよりも中小規模のエージェントの方が丁寧なサポートを提供することが多いです。また、地域密着型のエージェントでは「丁寧さ」をウリにしたサービスが多く見られます。
以下、参考に都道府県別のサポート品質に定評のあるエージェントもまとめましたので、お住まいの地域で活動するエージェントも併せてチェックしてみてください。

| 都道府県 | 転職エージェント|都道府県内の拠点 |
|---|---|
| 北海道 | |
| 青森県 | |
| 岩手県 | |
| 宮城県 | |
| 秋田県 | |
| 山形県 | |
| 福島県 | |
| 茨城県 | |
| 栃木県 | |
| 群馬県 | |
| 埼玉県 | |
| 千葉県 | |
| 東京都 | |
| 神奈川県 | |
| 新潟県 | |
| 富山県 | |
| 石川県 | |
| 福井県 | |
| 山梨県 | |
| 長野県 | |
| 岐阜県 | |
| 静岡県 | |
| 愛知県 | |
| 三重県 | |
| 滋賀県 | |
| 京都府 | |
| 大阪府 | |
| 兵庫県 | |
| 奈良県 | |
| 和歌山県 | |
| 鳥取県 | |
| 島根県 | |
| 岡山県 | |
| 広島県 | |
| 山口県 | |
| 徳島県 | |
| 香川県 | |
| 愛媛県 | |
| 高知県 | |
| 福岡県 | |
| 佐賀県 | |
| 長崎県 | |
| 熊本県 | |
| 大分県 | |
| 宮崎県 | |
| 鹿児島県 | |
| 沖縄県 |
「担当から丁寧なサポートを受けたい」40代の人におすすめの転職サイト・エージェント
| サービス名 | JACリクルートメント![]() | パソナキャリア![]() | ヒューレックス![]() | LHH転職エージェント![]() |
|---|---|---|---|---|
| メリット |
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| デメリット |
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| 得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
| 対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
| おすすめの人 |
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| 公式サイト |
Q2 転職活動は在職中から行うべきか、退職してからの方がよいでしょうか
転職活動は、まず「在職中から始める」ことを意識した方がよいでしょう。
在職中から活動を始めれば、無職中の収入が途絶えるリスクを軽減できるからです。
活動にかかる期間をあらかじめ知ることはできません。半年~数年かかってようやく次の転職先が決まった人もいますので、安易に「1~2ヵ月で決まるだろう」と判断しないことをおすすめします。
一方で、「平日は仕事で忙しく、転職活動にかける時間を持てない」という人もいると思います。
その場合はまず、「1日5~10分の求人チェック」からはじめ、あわせて土日のサポートも行っている転職エージェントにも登録しておくとよいでしょう。そのほか、一部地域のハローワークでは土日対応しているところもあります。
転職活動に集中したいため、退職してからアクションを起こしたい人も、なるべく在職中にできることを見つけて活動自体は始めておきましょう。
「転職しよう」と決めた時点で、優先すべきは今いる職場よりも新しい職場のはずです。
現職を最後までしっかり勤め上げる姿勢も大切ですが、「これから先の仕事・人生」がおざなりになることのないよう、ご注意ください。
Q3 40代の転職活動は、平均してどのくらいの期間がかかりますか
転職活動にかかる期間はおおよそ3ヵ月と言われており、年代による差異はそこまで大きくありません。

ただし、希望条件やその人の経験・実績、そのほかタイミングなどからの影響も少なくありません。
半年以上かかる人もいれば、「2年ほどかかって、ようやく転職先が決まった」人もいます。
転職はとうぜん早ければよいものではありませんが、もし「急いで転職を決めたい」と思うのなら、まずは「行動量(求人応募の数・ペース)」を上げていくことです。
書類審査の通過率は10~30%、採用面接の通過率は10~20%ほどといわれています(人気の職種・業種においては、通過率は更に低くなります)。

参考:マイナビ転職「平均応募社数や選考通過・内定の確率はどれくらい?」の内容を元に、弊社にて図作成
応募から内定まで進むのは、おおよその確率として4.5%。
もちろん必ずしも上の確率の通りになるとは限りませんが、計算上では1社の内定を得るのに約22社の応募が必要になります。
上記で挙げた応募数に対して「どれくらいの期間・ペースで対応できるか」を考えると、より具体的な活動期間のイメージが持てると思います。
ただし、第一に考えるべきは「今後のキャリアプラン、ライフプランを見据えた、最適な職場選びを実現できること」です。
上記の期間についてはあくまで目安として持っておき、なるべくゆとりを持ったスケジュールで転職活動に臨むことをおすすめします。
Q4 40代向けの求人は、20~30代と比べて少なくなりますか
業種・職種にもよりますが、全体的に40代向けの求人は20代~30代向けと比べてかなり少なくなる傾向にあります。

とある転職エージェントの話では、「35歳以上になると、求人数は半減。その後、5歳上がるごとにまた半減する」といいます。その計算で行くと、若手社会人(35歳以下)向けの求人が100あった場合、40歳以上向けの求人は25程、45歳以上向けの求人は12.5程まで少なくなるということです。
一方、近年ではミドル層の求職者の採用に意向を示す企業も増えてきております。上記の数値をそのまま鵜呑みにすべきではないでしょう。
また求人数の少なさ自体は、転職活動の行動量を増やすことによって解消が見込める問題です。
「40代向けの求人は、若手社会人と比べて少ない」ことは受けとめたうえで、効率的かつ前向きな行動を目指すことが大切です。
Q5 転職エージェントからサポートを断られることはありますか
転職エージェントにサポートを申し込んだものの、サポートを断られてしまった場合には、以下のような原因が考えられます。
希望条件と職歴が見合っていなかった
ほとんどの転職エージェントサービスでは、利用する人の年齢層の制限は設けていません。
ですが、転職エージェントの保有求人状況によって、または希望条件に見合う職歴でないと判断された場合、「見合った求人がありません」と断られてしまうことがあります。
短期間での転職を繰り返している
転職エージェントサービスでは「短期間での転職を繰り返している」人へのサポートを敬遠しがちです。再度短期の転職をされると、紹介企業からの信頼を失ってしまうリスクがあるからです。
エージェント側の都合(繁忙期など)により、優先度を下げられてしまった
繁忙期などで「転職者が多くて、さばききれない」ときに、すぐに転職する予定ではない転職者や、内定獲得まで若干の時間を要することが見込まれる転職者に対して、担当側で優先度を下げてくる可能性もあります。
これらの理由でサポートを断られてしまった場合は、以下の対策を取ることをおすすめします。
- 転職サイトを使って「自分から求人応募する」スタイルの転職活動に切り替える
- 他の転職エージェントサービスに登録する
対策の詳細は、以下記事に詳しく紹介しています。興味のある人はあわせてご覧ください。
【まとめ】40代の「仕事を辞めたい」を、後悔しない決断とより良い未来への転機に
ここまでの内容を、改めてまとめておきましょう。
40代が「仕事を辞めたい」と感じる主な理由と対策
- 会社の業績悪化や年収ダウンへの不安
→対策:会社に依存せず、自身のスキルで「いつでも動ける状態」を整える。 - やりがいの喪失・キャリアの停滞
→対策:外の世界に目を向け、自分の市場価値を客観的に知る機会を持つ。 - 過酷な労働環境・健康への懸念
→対策:10年後、20年後を見据えたキャリアプランを立て、心身を守る選択をする。 - 職場の人間関係・孤立へのストレス
→対策:社内外の「人との繋がり」を再構築し、プロの相談相手(パートナー)を得る。
後悔しない転職を成功させるための4つのポイント
40代にとって「今の仕事を辞める」という決断は、人生の後半戦を左右する非常に重みのあるものです。感情に任せて動けば、キャリアの断絶や生涯賃金の減少といった大きな「リスク」を招きかねません。
しかし、直面するリスクを正しく理解し、客観的なデータに基づいた「準備」を積み重ねていけば、退職は決して恐れるべきものではなくなります。
「今の会社を辞めたい」という悩みは、あなたが自分自身の人生をより良くしようと真剣に考えている証拠です。この記事で紹介したアクションを通じて、後悔のない、納得感のある未来を切り拓いていってください。その一歩が、より豊かな人生を描く大きなきっかけになるはずです。












