50代の会社辞めたい・仕事辞めたい悩みにどう向き合う?疲れたときの対策まとめ
[最終更新日]2024/08/04
50代の方で「会社・仕事を辞めようか」と考えている人は多いです。
当サイトでの年齢別アンケートでは、現在働いている50代の方のおおよそ50%が「転職について考えている」と回答しています。
一方で、実際に転職活動に踏み切って新しい職場を得た50代の数は2021年でおおよそ100万人(※総務省統計局「労働力調査」より)、国内の50代就業者全体の7%弱です。
「会社・仕事を辞めたい」「仕事に疲れた」と思いながらも、具体的な行動に移せないでいる50代の方も多いということでしょう。
この記事を読んでわかること
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目次
1)50代の仕事辞めたいのに辞められない…その理由と対策は
はじめに、50代の方で「会社・仕事を辞めたい」「仕事に疲れた」と思う理由で多いものを見てみましょう。
50代の「会社を辞めたい」理由の上位4件とその割合
※ 当サイト「みんなの転職体験談」に投稿いただいた50代の方の転職エピソード102件をもとに集計
「自分も、これが当てはまる」というものはありましたでしょうか。
続いては、それぞれの悩みの理由についての詳細と、取るべき対策方針を整理します。
気になるところからチェックしてみてください。
思うようなパフォーマンスを発揮できない・もっと自分に合った働き方をしたい
だけど、新しい職場でそれが見つかるかは不安…。
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高校を卒業してから30年以上、勤めていた会社をずっと辞める機会を模索していました。
中間管理職という立場でしたのでなかなか辞める決心もつかず、仕方なくやっているという方が強かったのかもしれません。とにかく、子供が大きくなってお金がかからなくなるまでは働かなくてはと、思っていました。
そして、気付いたら50歳の年齢になっていました。一人息子は独立し、肩の荷が下りると同時に「張り合い」もなくなりました。
とうに現場業務から離れて、毎日ルーティンの管理業務です。誰でもできる仕事といっては会社に失礼ですが、「もっと社会にとって役に立つことをしたい」という欲求もまた大きくなっていきました。
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高い営業成績を出していたにも関わらず、私は正当に評価をされていませんでした。
同期の仲間とある日給与の話になりお互いの給与明細を見せ合ったとき、成績で私に劣る同僚の方が、基本給が高かったのです。翌日、エリアマネージャという私の直属の上司にそのことについて相談をすると、「あっ、そうなの?なんでだろうね」との返答です。
我慢ならずに社長にアポイントを取り、「どうしてか?」と尋ねたところ「君はエリアマネージャーの相性が悪い。生徒や親の評判はいいみたいだけど、まだ頑張るところがあるってことだよ」との返答で、思わず「やめさせていただきます」と口から出てしまいました。
「思うようなパフォーマンスを発揮できない」、「会社や上司から評価されない」「もっと自分に合う働き方があるのでは」などと悩む50代の方は、非常に多いです。
仕事への情熱や気概がありつつも、そこからの行動がうまく行えない・空回りしてしまう状況もあるでしょう。
こうした際、どのような対策が望ましいのでしょうか。
思うような成果を出せない・自分に合う働き方ができない理由で「仕事辞めたい」と思った時の対策は
これらの理由で仕事を辞めようか悩んでいる時とは、「自身のなにかしらの変化が求められている時」とも言い表せるでしょう。
もちろん環境のほうが良い方向に変わってくれればよいのですが、それをただ待っていても状況が好転する可能性はあまり高くないからです。
「50代になって、更にまた変化するのは厳しい」と思った方もいるかもしれません。
ですが、その変化が必ずしも大変なものかはわかりませんし、どう変化するかはあなた自身が決められるはずです。
転職もひとつの大きな変化と言えますが、ここで大切となるのは環境変化よりも「自分自身の、ものの見方が変わること」です。
どのような変化にしていくかの判断は、以下の対策によって明るみにしていけるでしょう。ぜひ、実践してみてください。
※各項目をクリックすると、説明箇所にジャンプします。
対策|思うような成果を出せない・自分に合う働き方ができないなどの理由で仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
職場の人間関係や職場環境のストレス
会社や上司と価値観が合わない。新しくやってきた若い世代のやり方についていけない。
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勤めていた会社が吸収合併されたため、 私の部署も、そして役職もなくなることが決定しました。
会社合併とは、異文化が合併することでもあります。今まで親しんできた社風と、合併先の社風は当然ながら違いました。
そして、新しい次長とは、性格的にもまったく合わなかったのです。
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全く別の部署から移って来た部長が、私の新たな上司となりました。
その部長は、大変合理的な考え方の持ち主で、かつ、すべてを掌握、管理しようとする人でした。
これまでは言ってしまえば「自由な雰囲気」に満ちていた職場でしたが、その部長が来てからは、ピリピリとした緊張感と、重苦しい雰囲気が漂うようになりました。部長は、すべて自分が仕切らなければ気が済まない人でした。そして、報告が少しでも遅れたり、漏れると、烈火のごとく怒りました。
「手柄はすべて自分のものにし、部下の失敗については知らん顔」──というのが、その部長に対して私たちが抱いた印象でした。
仕事の後の酒の席では、部署のメンバー皆、部長の悪口、批判ばかり。退職者も続出しました。
50代に限らず、人間関係の不満・ストレスから転職を検討する人は非常に多いです。
旧態依然の仕事の仕方のままでいる上層部、そして新しい価値観・働き方を掲げる若者世代の板挟みを感じる50代の方も少なくないでしょう。
一方で、「今の年齢ではそう簡単に転職は難しいだろう」という想いから、具体的な解決に向けての行動に移せずにいる50代の方も多いと思います。
職場の人間関係や職場環境のストレスで「仕事辞めたい」と思った時の対策は
今の人間関係や職場環境のストレスがご自身の心身の健康状態にも影響が出ているようでしたら、速やかに対策に向けて行動したほうがよいです。
ストレスは万病のもとです。鬱や重い病気に罹ってしまったとき、その後の仕事人生は一層大変になる可能性が高くなるからです。
すぐに転職しようとまで行かなくとも、身近な信頼できる人に相談する、または産業医や心療内科に通うなどの対策もあります。
まずは今あるストレスを「これ以上溜めない」こと、そして自身のコンディションを整えていくことを優先してください。
人間関係・職場環境のストレスを感じつつ、「状況改善に向けて、自ら行動しようという意欲はある」という人は、まずは今あなたが大切と感じる人との交流を深めたり新たに増やしたりすることを意識するとよいと思います。
要はすぐに環境を変えようとする前に、今の環境でできることから始めるということです。
転職は、それまでの人間関係をいったん整理する行為にもなります。
転職後には新たな人脈が形成されるでしょうが、それがあなたの望む形になるかどうかはわかりません。
その不確実性を意識したうえで、またその際のリスクを最大限解消していけるように取り組むことが大切です。
「具体的に、どう行動していけばよいか」については、以下の対策を参考にしてください。
対策|職場の人間関係や職場環境のストレスで仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
会社の業績不振・将来性への不安
「このままではまずい」という予感がありつつも、具体的な行動に移せないでいる。
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日増しに激しくなる販売競争。それでも、本店からのノルマを達成するため、毎日残業していました。立場上疲れた顔は見せられませんでしたが、正直ヘトヘトでした。
市場はどんどん狭まり、販売店の淘汰が始まりました。せっかく作った8店舗も次々に閉店。
最後の1店舗も長くないことは解かっていました。だからといって、いまさら本社に私の居場所があるわけでもなく、とりあえず会社には秘密でハローワーク通いを始めました。
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リストラが盛んにおこなわれていた当時、私にはこの会社に居続ける道が残されていました。ですが、その条件としては、年収が1/3になること。そして、定年は60歳。──残りわずか5年の猶予でした。
年収が大きく下がって、「この先ちゃんと生活できるのだろうか」と不安になりましたし、かといって「転職したとしても、雇用してくれるのか──」、とても悩みました。
厚生労働省2019年に調査した国内の年齢別所得金額によると、世代全体で50代での所得がもっとも多くなっています。
引用元:厚生労働省「平成31年 国民生活基礎調査の概況」
一方で、50代になって「年収が下がった」「会社の業績不振でリストラに合った」と話す人は少なくありません。
年々高まりを見せる社会・市場の不確実性は、企業経営にも大きな影響を及ぼします。
私たちが上に見られる所得推移を辿れるとしたら、「大きなトラブルなく、順当に行く場合」か、もしくは相当の努力が必要なのかもしれません。
会社の業績や市場変化の影響で、30代・40代のときに掲げていたライフプランから大きく変更せざるを得なくなった、という方も多いでしょう。
50代のタイミングで会社の業績不振や将来性の不安が大きくなったとき、どのような対策を取るとよいのでしょうか。
会社の業績不振・将来性への不安で「会社を辞めたい」と思った時の対策は
まずは「辞める・辞めない」の判断以前に、その不安を軽減することが大切です。
今ある不安は、ストレートに言えば「給料が減る・ボーナスがカットされる」または「リストラされる」「会社が倒産する」ことへの危機感からでしょう。
それら危機感からの不安から完全に抜け出すためには、「いつか転職することになるかもしれない」ではなく「いつでも転職できる」マインドにしていくことです。
ミドル世代で転職成功する人の多くが取っているやり方に、「転職時期を決めない代わりに、常に転職できる状態にする」というものがあります。
これは、現職で働きつつも常にその業界の求人状況をウォッチし、「良い求人があったときにすぐに動けるようにする」という転職スタイルです。
逆に転職失敗する人に多く見られる傾向とは、「必要に迫られての転職」です。
様々な理由ですぐにでも転職しなくてはならない状況では、焦りや妥協が起きやすくミスマッチが起きやすいのです。
会社の業績不振が、いつあなたの待遇や雇用に影響を及ぼすかはわかりません。
その際に、「大変なことになったけれど、すぐに状況を改善できる」とポジティブな気持ちで切り替えられるための、早めの転職準備をしておくべきでしょう。
具体的には、以下の対策を取っておくことをおすすめします。
対策|会社の業績不振・将来性への不安から仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
現在リストラに合った・早期退職を求められているという方は、上記対策と合わせて以下記事が役立つと思います。あわせてご覧ください。
生活環境をよくしたい・家庭の事情
より良い環境を実現するために、今の仕事を辞めるべきかの適切な判断をしたい
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2年ほど前から早朝シフトに入らされて、家を出るときは朝の6時でした。
私の家は最寄り駅から徒歩30分ほどのところで、冬場のその時間は真っ暗で、まるで深夜のようです。そして、侘しくなるような冷え込み。50代の身体にはかなりこたえました。
勤務時間中はずっと立ち仕事でしたので、年齢とともに辛くなってきたということもあります。睡眠中、とくに朝方になって足がつることも多かったです。
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転職を考えたきっかけは、息子の進学のため他県へ引っ越さなければならなかったからです。
認知症の母を施設に入所させて息子と私の2人で他県で暮らすか、息子だけの一人暮らしにするかの2択の選択に悩みました。
しかし、母は施設入所を嫌がりました。私もそんな母に対して無理強いしたくはなく、──とても悩みました。息子だけの一人暮らしするには金銭的な余裕がありません。息子とも何度も話し合いましたが、答えが出ないまま時だけが過ぎていきました。
自身の健康状態、そのほか親の介護やパートナーの転勤などの様々な生活面の課題から転職を検討する50代の人も少なくありません。
仕事はその人の人生を豊かにするうえでの一つの大切な手段ですが、より重要度の高い課題または目標ができたとき、譲歩するべきは手段(仕事)のほうです。
同様に「家庭・プライベート重視」を理由の転職についても、ある程度の蓄えがあり、かつ転職後の収入も一定を見込めるのならありでしょう。
人の生活環境はどのように変わると満足度が高まりやすいのかというと、とくに「生活の楽しさ・面白さ」、「家計・資産の安定」、そして「ワークライフバランスの改善」からの影響が大きいといいます(※1)。
また、2021年の内閣府による満足度・生活の質に関する調査では、仕事時間や通勤時間が減少した人、新たに運動を開始した人、新しく趣味や生きがいができた人に特に満足度が高まる傾向があるとまとめています(※2)。
※1・2 ともに2021年 内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書2021」の内容を参考
50代になって、より良い人生の過ごし方について一層考えるようになったという50代の方は多いでしょう。
40代までの延長線上として50代以降のキャリア・生活を捉えるのでなく、今後の生き方や働き方を定義し直す時期と考えておくと、新たな可能性が見えてくるはずです。
生活環境の改善や家庭の事情で「仕事辞めたい」と思った時の対策は
すでに転職が止むない状況にある人は、速やかにその準備に入るのがよいでしょう。
この記事では50代の方が転職活動を進めるための効果的な進め方についても紹介しています。
一方で「辞めるべきかどうすべきか」で悩む人は、いちどライフプランを立ててみることをおすすめします。
ライフプランとは、人生の中で想定される大きなイベントを考え、お金が必要になるタイミングやその金額を把握して計画をたてることです。
具体的には、以下のプロセスでプラン立てを行います。
上記図の例では、今後の主な支出として海外旅行、マイカーとマイホームの購入、そして子どもの大学入学と老後資金を挙げており、これら全てを貯蓄でまかなうとしたら毎月24万円の積立が必要となることが分かります。
(※ すでに貯蓄がある場合や積立投資などの資産運用を行っている場合は、この限りではありません。)
今回のケースでライフプランを立てる目的は、「目指す生活の実現に向けて、どのような働き方がよくて、かつどれだけの収入があるといいか」を明確にすることです。
それにより、転職するかの判断・およびその際の希望条件もよりはっきりするでしょう。
そのうえで、目指す転職を実現するために以下の取り組みを行ってください。
対策|生活環境の改善や家庭の事情で仕事を辞めるべきか悩んだ際は──
2)50代の「仕事辞めたい」を解決するための、取り組み3点
ここからは、50代の「仕事辞めたい」を解決して、より良い人生の判断・決断を行えるための取り組みを3点、紹介します。
これら取り組みは、「転職する・しない」に関わらずあなたの今後のよりよい人生を描き、そして行動に移すうえで大いに役立つはずです。
少しずつでも、社内外の人脈を充実させていく
40代・50代となると、人の交友範囲は狭まりがちです。
普段付き合う人が固定されていると、自然と思考も凝り固まりやすく、新しい発想やものの見方が出にくくなることもあるでしょう。
今ある「仕事を辞めたい、でもその判断・決断ができない」という悩みも、もしかしたらそうした閉塞からの影響があるかもしれません。
50代の方が「会社を辞めるべきか」と悩んだ時こそ、いちど社内外の人脈を充実させることを意識することをおすすめします。人脈を充実させることで、以下のメリットが期待できるからです。
人脈を充実させることのメリット
- 新しい情報や考え・価値観に触れ、視野が広がる
- 自分の今の環境・立ち位置などを客観的に見やすくなる(転職の判断などもしやすくなる)
- 新しいビジネスや転職のチャンスに繋がることも
「人脈を充実」というと新しい出会いをイメージしがちですが、「これまで出会ってきた人たちとの関係の再構築」も含まれます。
たとえば以前お世話になってしばらく会っていない上司、前職の同僚や部下と一度じっくり話す機会を持つのはどうでしょうか。
最近連絡を取っていなかったプライベートの友人にコンタクトを取ってみるのも良いと思います。
もちろん、新しい出会いを求めての行動もありでしょう。
facebookやLinkedInなどのSNSツールを使用して気になるコミュニティやグループに入る、オフラインの集まりに参加するなど、取れる行動はいくつもあると思います。
実際、転職先を決める人のおおよそ4人に1人は「知人の伝手(つて)・縁故」によるといいます(※)。ふとしたコミュニケーションから新しいキャリアの選択肢が生まれるケースは珍しくなく、ミドル世代以降の転職ではとくにその傾向が強いです。
とはいえ、「この人と付き合うと得しそうだから・自分の利益に繋がりそうだから」という打算が強いと、たいていその人脈は長続きしないものです。
逆に普段から「相手の人の役に立ちたい」と思って大切な人との繋がりを大切にして入れば、人生はより充実するでしょうし、あなたの視野の広がりやビジネス・転職のチャンスに繋がることも多いでしょう。
※ 『40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人』(黒田 真行著 PHPビジネス新書)の第一章「図3 日本の転職マーケットの概観(正社員のみ)」を参考
これからのキャリアを一緒に考えてくれるパートナーを得る
50代で仕事を辞めようかと考えたとき、多くの人が「自分のこれからのキャリアについて相談できる人が欲しい」と考えるはずです。
キャリアの相談先と言えば、キャリアコンサルタント、ヘッドハンター、転職エージェント、それからハローワークの相談員などが挙げられますが、様々な理由で相談すること自体を躊躇っている人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、こうした相談先にはどんどん相談した方がいいです。
これまでの転職支援経験と実績から、あなたにとって思いもよらないキャリアプランを提示してくれることも少なくないからです。
状況によっては、「転職せずに留まった方がよい」というアドバイスを受けることもあるでしょう。
つまり、転職するかの判断前であっても、キャリア相談は可能なのです。
たとえば転職サイト「リクルートダイレクトスカウト」では、サービス登録後に約4,500名のヘッドハンターの中から「この人にキャリア相談したい」というヘッドハンターに自分で選んで相談できます。
また「JACリクルートメント」や「パソナキャリア」といったミドル・シニア層への転職支援の実績が豊富な転職エージェントに登録して、「転職するかしないかも含めて、キャリア相談をしたい」と依頼してみるのも良いでしょう。
「転職サイトや転職エージェントは、求人応募を急かされそうで気が引ける」という人は、ハローワークの相談員またはタイムチケットやココナラといったスキルシェアサービスでキャリアコンサルタントを探すという手もあります。
日本ではこれまで終身雇用制の働き方が主流であったこともあり、こうしたキャリア相談はあまり身近に感じられないかもしれません。
ですが、欧米・とくにアメリカでは自分のキャリアについてヘッドハンターなどに相談するのは日常よく見られる行為です。
50代からのキャリアのターニングポイント(分岐点)は、誰もが「失敗したくない」という想いが強くあるはずです。だからこそ、こうしたプロの相談相手を有効活用すべきでしょう。
キャリアの棚卸しを行い、自分の適性・強みを再確認する
「転職しているか留まるべきか悩んでいる」「転職しようとは思っているが、具体的な転職方針が定まらない」という人は、キャリアの棚卸しを行っておくとよいでしょう。
キャリアの棚卸しとは、「これまでの自分のキャリアで何をやってきたのかを全て洗い出すこと」をいいます。
自身のキャリアの適性の再確認と、今後目指すべき方向性を定めるために行います。
「LIFE SHIFT」の著者リンダ・グラットンが「人生100年時代」を提唱したとおり、50代は「ようやく人生の折り返し地点に来た」フェーズといえます。
多くの人にとってこれからまだまだ続くであろう仕事人生をより良くしていくためにも、50代だからこそキャリアの方向性はより明確に持ってくべきです。
キャリアの棚卸しは、以下のように時系列ごとに携わった仕事内容・役割、学べたこと・身に付いたことなどをまとめます。
※これからキャリアの棚卸しを作成する方は、よろしければ「キャリアの棚卸し作成表」ファイルをダウンロードしてお使いください。
キャリアの棚卸しの記入例
期間 | 2003年4月~2010年9月 | 2010年10月~2015年3月 | 2015年4月~現在 |
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業界・職務 |
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仕事内容・役割 |
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学べたこと・ 身に付いたこと |
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とくに意識して 取り組めたこと |
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情熱を掲げられたこと |
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失敗したこと |
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失敗からの教訓・ 学んだこと |
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※横にスクロールして右側の情報を確認できます。
キャリアの棚卸しをやる際のポイントは、これまでの業務を一つずつ、丁寧に振り返ることです。
たとえ今の仕事が合っていないと感じていたとしても、「この期間があったから、自分はこんなことを学べたのかもしれない」という風に考えて、これまでの軌跡ひとつひとつに光を照らしていくように、振り返ってみてください。
そして、キャリアの棚卸しを終えたら改めて、「これから先の人生で、どんな働き方を私はしたいのか」を考えてみてください。「あなたが望んでいる働き方」のイメージが、より明確になるはずです。
3)50代の転職を成功させるためのポイント4点
さて、ここからは「仕事辞めたい」から「転職しよう」と決断した50代の方向けに、50代の転職を成功するためのコツ・ポイントを紹介します。
自分の市場価値を確認する
50代で転職活動を始める際に、まず明確にしておきたいのが自分自身の「市場価値」です。
人材の市場価値とは、お金や株価のような「誰もが共通認識を持てる価値」ではなく、その市場(業界、または個別企業)で「この人はこれだけの活躍をしてくれる」という客観的な評価をもって導き出されるものです。
市場価値の測り方については、リクナビNEXTやdoda、ビズリーチなどの求人サイトの求人情報(必要なスキル、経験などの人材要件と年収などの待遇条件)で確認するのが手っ取り早いでしょう。
自分自身が今持っているスキルや経験が、他社でどれくらいの待遇条件で求められるかわかれば、それがイコール「あなたの市場価値」になります。
または、ヘッドハンターや転職エージェントに、「私の市場価値は、どのくらいでしょうか?」という質問をするのも良いと思います。
なぜ50代の転職において市場価値の確認が大切なのかというと、それによって現状の課題が明確になるからです。
望む年収条件で転職するうえで、スキル・経験面の不足が見つかるかもしれません。
または、希望する業種や職種をシフトした方がよいという判断になることもあるでしょう。
なんにせよ、課題が明白になっていれば対策も取りやすくなります。
「いったんは希望年収を引き下げて、転職後の活躍でベースアップを目指す」であったり、「自分をより高い市場価値で評価してくれる業界・事業領域を探す」といった戦略・行動に繋げられるはずです。
50代の転職で利用される各転職サービスの特性・強みを知っておく
「50代の転職活動で、求人はどこで探すべきか」について、気になっている人は多いでしょう。
「知人の伝手・縁故」を除けば、求人の探し先は大きく以下の4つになります。
- 人材紹介(転職エージェントなど)
- 求人広告(転職サイトなど)
- ハローワーク
- その他(企業HPから直接応募など)
「人材紹介」(転職エージェント)とは、主にエージェントを通して企業とのマッチングサービスをするサービスです。転職者全体のおおよそ10%の人が利用しているといいます(※1)。
転職サイト・求人誌などなどの「求人広告」の利用者はおおよそ30%といわれ(※2)、求人探しにおいてもっともメジャーな方法です。
ハローワークおよび知人の伝手・縁故はともに25%ほど(※3)、その他(企業HPへの直接応募など)は10%ほどです。
※1~3 各割合は『40歳からの「転職格差」まだ間に合う人、もう手遅れな人』(黒田真行/PHPビジネス新書 2018年)を参考にしています。最新の情報ではないこと、また地域などでも割合に違いが生じることにご注意ください。
これらのうちどのルートで求人探しをするとよいかは、その人の状況・環境によります。
以下「各転職サービスのメリット・デメリットとおすすめの人」を確認しつつ、自分に合いそうと思えるものから登録を検討するとよいでしょう。
各転職サービスのメリット・デメリットとおすすめの人
転職サービス | メリット・デメリット | おすすめの人 |
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人材紹介(転職エージェントなど) |
メリット:
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求人広告(転職サイトなど) |
メリット:
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ハローワーク・ふるさとハローワーク |
メリット:
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記事後半に、50代の方におすすめの転職サイト・エージェントについてもまとめています。
あわせてご覧ください。
50代の転職は、職務経歴書を制すること
50代の転職でとくに注力すべきは、職務経歴書でしょう。
その理由は、良い条件の求人ほどとうぜん応募者は集まりやすく、書類選考の通過率が低くなるからです。
ポテンシャルが優遇されやすい20~30代求職者、スキル・経験を積んだ40代求職者たちを相手に、採用担当から「この人に会ってみたい」と思ってもらえる職務経歴書を準備する必要があります。
職務経歴書の作成サポートは前述の転職エージェントでも行われますが、ご自身でも企業に好まれる職務経歴書の作り方を知っておくことが大切です。
では、「企業に好まれる職務経歴書」とは、どのようなものでしょうか。
いくつか例をもって説明します。
「印象に残る職務経歴書」作成のポイント
- Point1)最初の職務要約ですべてを語る
- Point2)緩急をつける
- Point3)企業毎に職務経歴書を書く
- Point4)定量的に書く
- Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに。
- Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
Point1)最初の職務要約ですべてを語る
採用担当はたくさんのレジュメに目を通すため、最初の職務要約しか見ない人もいます。逆にいうと、この部分は全員が見るということです。
そのため、「最初の職務要約ですべてを語る」くらいの気概で作成したほうが良いでしょう。
自分の強みが最初の数行でパッと分かるように表すなど、とにかくこの部分の品質に意識を集中して作成することが大切です。
Point2)緩急をつける
ある程度実務経験を持った人が陥りがちなミスが、「やってきたことを全部書いてしまう」ことです。
全部盛り込むと、強み(アピールポイント)が薄まってしまいます。
アピールすべきところとしなくてもいいところを分けて、しなくても良いところはバッサリ切る──、といったメリハリが大切です。
例えば総務部門を経験した転職者の場合、総務の幅広い業務範囲を全部書くとどうしても冗長になってしまいます。
その際に、例えば応募する企業の求人要件が「総務の資産管理」だった場合、そのポジションと関連する経験をアピールするのです。
「自分はそのほかにも人事、採用などを経験していた」という場合においても、応募企業側で人事、採用のポジションを求めていないようなら、その記載は軽く触れる程度に留めるなどの取捨選択を意識しましょう。
Point3)企業毎に職務経歴書を書く
職務経歴書は、基本応募企業毎に準備します。
テンプレートのようにひとつの職務経歴書を使いまわしていた場合、応募企業側はすぐにそれを見抜きます。
効果的な職務経歴書にしていくためにも、企業が募集しているポジションに合わせて書くことを意識すると良いでしょう。
イメージとしては、「60%は共通部分として、残り40%を企業毎にかき分ける」、「これまでやってきたことが20種類あったら、求人ポジションに合わせて12~3個に絞って、7~8個は削る」といった形で進めると良いと思います。
ポイントは、求人企業に対して「企業が求めているポジションと、自分の経歴がいかにフィットしているか」を伝えることです。
Point4)定量的に書く
よく言われることですが、職務経歴書は「定量的」に書くことが大切です。
例えば、「お客様に大変喜ばれた」といった表現は、第三者はその程度が分かりません。また、「主観的、感覚的にしか物事を捉えられていない」と評価されてしまうリスクもあります。
アピールする事柄は、なるべく「数値」に落とし込むことが大切です。
「売上や会員数、またはPV数などが何パーセント増えた」であったり、「結果として作業時間がこれだけ短縮できた」などの定量的な説明を意識すると良いでしょう。
Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに。
プライベートでの活動(ボランティア)などは、書いても書かなくても、書類通過や採用にそこまで影響は無いと見たほうが良いでしょう。
他の候補者と比較検討になった際に、その人と甲乙つけがたいくらいの同評価だったら効果はあるかもしれませんが、その他ではあまり効果を期待しない方が良いと思います。
たまに、経営層の価値観とマッチしたなどのラッキーパンチもありますが、やや運要素の強いPRと言えます。
また、そうした副次的なPRをたくさん書いてしまうと、「仕事でアピールできないから、そこでアピールするのかな?」と思われてしまうリスクもあるでしょう。
Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
レジュメ(職務経歴書)は、「企業へのラブレター」と思って書くと良いです。
例えば、気になっている異性に「私はたくさんのスキルと知識がある。だから付き合ってください」とラブレターを書く人はいないでしょう。
それよりも、「あなたはきっと、こういう人を求めていますよね。私はまさにそういう経験をしてきています。つきましては、私と付き合ってくれませんか」といった形でアプローチする方が成功確度を高められるはずです。
ポイントは、「相手を基点」にあなた自身のペルソナを作っていくこと、──つまり、「顧客視点」を持って職務経歴書を書いていくことです。
50代の企業面接では、どのような点に注意すればいい?
職務経歴書による書類選考を通過したのちの、「企業面接」の対策について不安を持つ人も少なくないでしょう。
一般的に、企業は職務経歴書でスキル・実績面(=期待するレベルの業務遂行ができそうか)を主に確認し、面接で性質・人柄(=一緒に仕事をする仲間として適切か)を主に確認します。
そのため、企業面接では50代の方々のほうでも「カルチャーフィットの確認」をしっかり行いつつ、協調性や柔軟性をとくに大切にPRしていくとよいでしょう。
ポイントは、まず職務経歴書の品質を上げておくこと。その品質は面接時にもアドバンテージとして働きます。
そして、企業が求める人物像についてよく知っておくことです。これについては、事前にしっかり企業研究をすることによって対処できるでしょう。
企業研究 見るべきポイント
企業研究をする際に、優先して見るべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
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事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、四季報、業界地図、競合他社のHPなど |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を確認する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | インタビュー記事、口コミサイトなど |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 企業HP、求人票など |
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働いてみたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得られれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
また、企業面接では一定の「質問の型」(良くされる質問)というものがあります。
質問の受け答えだけを丸暗記するのはあまり意味があるとは思えませんが、転職慣れしていない50代の方が「面接がどういうものか、イメージを持ちたい」と考えるうえでは役立つこともあるでしょう。
以下、企業面接でよくある質問をまとめた記事を紹介しますので、興味のある方はご参考ください。
参考:面接のフェーズ別「質問例&回答例」紹介記事
①序盤編(自己紹介・自己PR) 企業面接での自己PR・自己紹介をする際のポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介しています。 |
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②中盤編(志望理由・転職理由) 企業面接で必ず訊かれる「志望理由」・「転職理由」に関わる応答でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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③適性・職務要件確認編 企業面接で、面接官が転職者の適性、知識・スキルの確認時に訊かれる「適性・職務要件」の確認でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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④最終面接・役員面接・条件確認編 企業の最終面接、役員面接、条件確認時におけるポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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⑤「女性ならではの質問」編 企業面接において、女性転職者が受けやすい質問・確認について、ポイントと注意点、およびおすすめの受け答え方法を紹介しています。 |
50代は、転職してからの苦労も多い。入社後の対応・心構えを知っておく
中途入社後の現場環境や人間関係に悩む転職者はたくさんいます。
特に50代を含むミドル層ではそうしたケースは多くなり、例えば経営層・管理職として転職した方々に対して行われたアンケートによると、46.8%の人が「転職に失敗した」と感じたことがあると回答しています(参考:NIKKEI STYLE キャリア「経営層・管理職の47%が「転職失敗」 その理由と対策」2018年12月)。
ミドル層の転職で、「職場に馴染めない」と悩む理由は?
参考:エン・ジャパン「ミドルの転職ニュース|Q:転職先の企業に馴染むことが難しい要因として多いものを教えてください」
50代の転職においては、こうした「転職後の実情」をしっかり踏まえたうえで、転職先を決めて後も以下を意識しておくことをおすすめします。
- 最初の3ヵ月間はアウトプットよりインプット・人間関係構築を意識する
- 求められがちなのは「柔軟性・協調性」。前職でのやり方や社風は忘れ、リセットする
- 「ありがとう」で人は寄ってくる。あわせて「相談しやすい相手」を見つける
50代の転職後のアクションは、人間関係構築とその企業に馴染むことを優先する
ミドル世代の転職では、入社後に「即戦力」を求められがちです。
ですが、入社から翌日ですぐにパフォーマンスを発揮できる転職者など、そういないものです。
たとえ同じ業種・職種環境への転職であったとしても、仕事の進め方やそこに関わる人間に違いがあるからです。
加えて、既存社員のほうでは「内集団バイアス」(外部の人間や新参者から距離を取ろうとする無意識的な働きかけ)が見られることもあるでしょう。
本来でしたらスムーズに行える仕事のはずが、人間関係の軋轢やぎこちなさが障害となる可能性もあります。
そのため、50代の方が転職して新しい職場に入ったら、まずはインプットと、そして人間関係構築への働きかけを優先度高めで行動することが大切です。
たとえば、「この事業部では誰がキーマンなのか」であったり、「事業の全体像はどのようになっているのか」であったりを確認し、そのためになるべく多くの関係者と自分からコミュニケーションを取っていきます。
まずはその企業に馴染むことを優先し、そのあと少しずつ自分なりの働き方を出していったほうが成果も出やすいでしょう。
採用企業においてもミドル世代の中途入社者に、新しい環境を自ら知ろうとし、かつそれに合わせて変化していこうという適応力・柔軟性を求められることが多いです。
転職を始める際に、自身のそうした資質をいま一度確認し、必要に応じて強化していくことをおすすめします。
4)50代の転職で、よくある質問
Q1 50代の転職の、おすすめ転職サイト・エージェントを教えてください
50代の転職におけるおすすめ転職サイト・エージェントについては、利用する人のタイプ・状況・転職スタイル(急いでやるのか、じっくりやるのかなど)によっても変わります。
以下のタイプ一覧をみて、自分が合致すると思えるところからチェックしてみてください。
タイプ別のおすすめ転職エージェント
とにかく、急いで転職したい人
「とにかく、急いで転職したい」という50代の方は、求人数が豊富な大手転職エージェント、および企業やエージェントからのスカウトを見込める転職サイトに登録しておくとよいでしょう。
たとえばリクルートエージェントやdoda、ワークポートでは常時豊富に求人を取り揃えており、「サービスに登録したが、求人をほとんど紹介されない」となるリスクを軽減できます。
また、これまでの支援実績からスピーディかつ効率的なサポートを受けられるでしょう。
そのほか、リクナビNEXTやビズリーチといった転職サイトにも登録しておくと、企業やエージェントから直接スカウト・オファーが届くこともあります。
これらのサービスを利用する際は、サービス登録時に入力する職歴情報(Webレジュメ)を丁寧に記入することです。
職歴情報の充実度がそのままサポート品質やスカウトを受ける数に関わることも少なくないからです。
また、年収についてのこだわりがそれほど強くないのなら、ハローワークにも登録しておくことをおすすめします。
ハローワークでは地域企業の求人が豊富で、転職サイト・エージェントからは紹介されない優良企業のものを確認できることもあるからです。
高年収帯の求人は少なめですが、全くないとは言い切れません。たまに好条件の求人が出ていることもあります。
「とにかく、急いで転職したい」50代の人におすすめの転職サイト・エージェント
サービス名 | リクルートエージェント |
doda |
ワークポート |
リクナビNEXT |
ビズリーチ |
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メリット |
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デメリット |
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公開求人数 | 約43万件 | 約25万件 | 約10万件 | 約12万件 | 約13万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年8月時点のものです。
じっくり機をうかがいながら、中長期的に転職活動を進めたい人
じっくり機をうかがいながら、中長期的に転職活動を進めたい50代の人は、先に紹介した「キャリアを一緒に考えてくれるパートナー」を意識してサービスを選ぶのがよいでしょう。
たとえば転職サイト「リクルートダイレクトスカウト」は、「この人にキャリア相談したい」というヘッドハンターに自分で選んで相談できます。
また「JACリクルートメント」や「パソナキャリア」、「ヒューレックス」といったミドル・シニア層への転職支援の実績な転職エージェントの登録も検討するとよいでしょう。
これらの転職エージェントは求職者のペースに合わせてサポートを行われることが多く、「担当から急かされた」などのネガティブ評価はあまり見られません。
こうしたスタイルで転職活動を進める人は、あわせて「担当者との適切な付き合い方」を知っておくべきでしょう。相手をあなたのキャリアを支援するビジネスパートナーとして接し、信頼関係を育んでいくことが活動品質とも直結しやすいからです。
「じっくり、中長期的に転職活動を進めたい」50代の人におすすめの転職サイト・エージェント
サービス名 | リクルートダイレクトスカウト |
JACリクルートメント |
パソナキャリア |
ヒューレックス |
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メリット |
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デメリット |
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求人数 | 約32万件 | 約1.3万件 | 約3.7万件 | 約2.5万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年8月時点のものです。
担当から丁寧なサポートを受けたい人(書類添削や面接対策の支援を受けたい人)
担当から丁寧なサポートを受けたい(書類添削や面接対策の支援を受けたい)50代の人は、先に紹介した「JACリクルートメント」や「パソナキャリア」、「ヒューレックス」を優先して登録を検討するのがよいと思います。
ただし、担当につくエージェントのタイプや相性の問題もありますので、「このサービスに登録すれば、必ず丁寧なサポートを受けてもらえる」と考えるのは危険でしょう。
担当エージェントによって「当たり・はずれ」もあります。
そのため、複数の転職エージェントに登録して、自分に合う担当を見出してそこに利用を絞っていくやり方がおすすめです。
これも一概には言えませんが、大手転職エージェントよりも中小規模のエージェントの方が丁寧なサポートを提供することが多いです。また、地域密着型のエージェントでは「丁寧さ」をウリにしたサービスが多く見られます。
以下、参考に都道府県別のサポート品質に定評のあるエージェントもまとめましたので、お住まいの地域で活動するエージェントも併せてチェックしてみてください。
都道府県 | 転職エージェント|都道府県内の拠点 |
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北海道 | |
青森県 | |
岩手県 | |
宮城県 | |
秋田県 | |
山形県 | |
福島県 | |
茨城県 | |
栃木県 | |
群馬県 | |
埼玉県 | |
千葉県 | |
東京都 | |
神奈川県 | |
新潟県 | |
富山県 | |
石川県 | |
福井県 | |
山梨県 | |
長野県 | |
岐阜県 | |
静岡県 | |
愛知県 | |
三重県 | |
滋賀県 | |
京都府 | |
大阪府 | |
兵庫県 | |
奈良県 | |
和歌山県 | |
鳥取県 | |
島根県 | |
岡山県 | |
広島県 | |
山口県 | |
徳島県 | |
香川県 | |
愛媛県 | |
高知県 | |
福岡県 | |
佐賀県 | |
長崎県 | |
熊本県 | |
大分県 | |
宮崎県 | |
鹿児島県 | |
沖縄県 |
「担当から丁寧なサポートを受けたい」50代の人におすすめの転職サイト・エージェント
サービス名 | JACリクルートメント |
パソナキャリア |
ヒューレックス |
LHH転職エージェント |
---|---|---|---|---|
メリット |
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デメリット |
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求人数 | 約1.2万件 | 約3.5万件 | 約2.3万件 | 約1.7万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年8月時点のものです。
Q2 転職活動は在職中から行うべきか、退職してからの方がよいでしょうか
転職活動は、まず「在職中から始める」ことを意識した方がよいでしょう。
在職中から活動を始めれば、無職中の収入が途絶えるリスクを軽減できるからです。
活動にかかる期間をあらかじめ知ることはできません。半年~数年かかってようやく次の転職先が決まったという人もいますので、安易に「1~2ヵ月で決まるだろう」と判断しないことをおすすめします。
一方で、「平日は仕事で忙しく、転職活動にかける時間を持てない」という人もいると思います。
その場合はまず、「1日5~10分の求人チェック」からはじめ、あわせて土日のサポートも行っている転職エージェントにも登録しておくとよいでしょう。そのほか、一部地域のハローワークでは土日対応しているところもあります。
転職活動に集中したいため、退職してからアクションを起こしたいという人も、なるべく在職中にできることを見つけて活動自体は始めておきましょう。
「転職しよう」と決めた時点で、優先すべきは今いる職場よりも新しい職場のはずです。
現職を最後までしっかり勤め上げる姿勢も大切ですが、「これから先の仕事・人生」がおざなりになることのないよう、ご注意ください。
Q3 50代の転職活動は、平均してどのくらいの期間がかかりますか
転職活動にかかる期間はおおよそ3ヵ月と言われており、年代による差異はそこまで大きくありません。
ただし、希望条件やその人の経験・実績、そのほかタイミングなどからの影響も少なくありません。
半年以上かかる人もいれば、「2年ほどかかって、ようやく転職先が決まった」という人もいます。
転職はとうぜん「早ければよい」というものではありませんが、もし「急いで転職を決めたい」と思うのなら、まずは「行動量(求人応募の数・ペース)」を上げていくことです。
書類審査の通過率は10~30%、採用面接の通過率は10~20%ほどといわれています(人気の職種・業種においては、通過率は更に低くなります)。
参考:マイナビ転職「平均応募社数や選考通過・内定の確率はどれくらい?」の内容を元に、弊社にて図作成
応募から内定まで進むのは、おおよその確率として4.5%。
もちろん必ずしも上の確率の通りになるということではありませんが、計算上では1社の内定を得るのに約22社の応募が必要になります。
上記で挙げた応募数に対して「どれくらいの期間・ペースで対応できるか」を考えると、より具体的な活動期間のイメージが持てると思います。
ただし、第一に考えるべきは「今後のキャリアプラン、ライフプランを見据えた、最適な職場選びを実現できること」です。
上記の期間についてはあくまで目安として持っておき、なるべくゆとりを持ったスケジュールで転職活動に臨むことをおすすめします。
Q4 50代向けの求人は、他の年代と比べて少なくなりますか
業種・職種にもよりますが、全体的に50代向けの求人は20代~40代向けと比べてかなり少なくなる傾向にあります。
とある転職エージェントの話では、「35歳以上になると、求人数は半減。その後、5歳上がるごとにまた半減する」といいます。その計算で行くと、若手社会人(35歳以下)向けの求人が100あった場合、50歳以上向けの求人は6.2程まで少なくなるということです。
一方、近年ではミドル・シニア層の求職者の採用に意向を示す企業も増えてきております。上記の数値をそのまま鵜呑みにすべきではないでしょう。
また求人数の少なさ自体は、転職活動の行動量を増やすことによって解消が見込める問題です。
「50歳向けの求人は、若手社会人と比べて少ない」ことは受けとめたうえで、効率的かつ前向きな行動を目指すことが大切です。
Q5 転職エージェントからサポートを断られることはありますか
転職エージェントにサポートを申し込んだものの、サポートを断られてしまった場合には、以下のような原因が考えられます。
年齢と職歴が見合っていなかった
ほとんどの転職エージェントサービスでは、利用する人の年齢層の制限は設けていません。
ですが、転職エージェントの保有求人状況によって、または「30代で正社員経験なし」、「40代でこれまでの職歴はオペレーション業務のみ」といったように年齢でみたときに職歴が不足していると見られた場合、「見合った求人がありません」と断られてしまうことがあります。
短期間での転職を繰り返している
転職エージェントサービスでは「短期間での転職を繰り返している」人へのサポートを敬遠しがちです。「再度短期の転職をされると、紹介企業からの信頼を失ってしまう」というリスクがあるからです。
エージェント側の都合(繁忙期など)により、優先度を下げられてしまった
繁忙期などで「転職者が多くて、さばききれない」ときに、すぐに転職する予定ではない転職者や、内定獲得まで若干の時間を要することが見込まれる転職者に対して、担当側で優先度を下げてくる可能性もあります。
これらの理由でサポートを断られてしまった場合は、以下の対策を取ることをおすすめします。
- 転職サイトを使って「自分から求人応募する」スタイルの転職活動に切り替える
- 他の転職エージェントサービスに登録する
まとめ)50代の「仕事辞めたい」を、より良いキャリアプランを描くきっかけに
ここまでの内容を、まとめてみましょう。
50代の人が「仕事辞めたい・会社辞めたい」と思うときの、主な理由
- 思うようなパフォーマンスを発揮できない・もっと自分に合った働き方をしたい
→対策:自身の「望ましい変化」に向けてキャリアの棚卸しを行い、かつキャリアの相談者を持つ。 - 職場の人間関係や職場環境のストレス
→対策:社内外の人間関係をいまより充実させること、またキャリアの相談者を持つこと。 - 会社の業績不振・将来性への不安
→対策:「いつでも転職できる」準備を。キャリアの棚卸し、相談者を持つ。 - 生活環境をよくしたい・家庭の事情
→対策:いちど、これから先のライフプランを立てる。そのうえで転職すべきかの判断を。
50代が転職を成功させるためのポイント4点
「会社を辞めたい・仕事を辞めたい」と思っていたままで、状況が変わることはありません。
転職する・しないの判断は別としても、まずは「今よりも良い状態に向けて、一歩を踏み出していくこと」を意識すべきでしょう。
その一歩は、新たな気づき・価値観の深まりによってもたらされることが多いです。 この記事で紹介した対策・アクションが、きっとそのきっかけになるはずです。