女性の転職面接でよく聞かれる質問&回答例|転職面接対策⑤
[最終更新日]2024/07/21
転職をしたい!と思っていても、最初の一歩を踏み出すのには勇気がいりますよね。
今の職場を離れ新しい環境で新しい仕事に適応できるかどうかの不安とともに、まず立ちはだかるのが書類選考や面接といった大きな壁です。
初めて就職活動をしていた時と、一度社会に出てから中途採用として受ける面接は質問内容も求められる答えや姿勢も異なります。
特に人事担当者と面と向かって話をする面接は普段とは違う緊張感に溢れた場面であるうえ、入社できるかどうかの瀬戸際ですから不安に思うのも当然。
特に女性の場合、男性の転職者とは質問の傾向が異なる場合もあるのでどんな質問をされるのか、どう答えれば良い印象を与えられるかと考えずにはいられません。
目次
1)女性が面接時に良くされる質問と対策、対応例
では具体的に女性の転職希望者がよく受ける質問について見ていきましょう。
質問、質問の意図、そしてそれに対応する理想的な解答例を上げていきますので、ご自分に当てはめてあなたなりの答え方を考えてみてくださいね。
どう答えれば良い印象を与えられるのだろうと迷ってしまう結婚や出産に関しての質問ですが、一度考えておけば同じような質問を受けた時に迷うことなく答えられるようになります。
女性が面接時に良くされる質問と対策、対応例
ケース① 「結婚後も働く意思はあるか」に関わる質問
結婚後も同じ企業で働き続ける女性は増えていますが、家庭に入り子育てに専念したいという方ももちろんいらっしゃいますよね。
どちらも尊重されるべき考え方ですが、企業にしてみると女性の結婚、退職という流れは大事なポジションに穴が空いてしまうわけなのでできるだけ避けたいことのひとつと考えられています。
特に中途採用の場合は新卒の採用と異なり年齢も上がるため、結婚、出産、退職という流れが現実味を帯びているわけです。
そこで転職希望者の持つ結婚後のビジョンを確認しておくために
「結婚はお考えですか?」
「長く勤めて欲しいと考えていますが、大丈夫でしょうか?」
「結婚や出産後も仕事を継続していこうとお考えですか?」
など、未来についての質問がされるのです。
よりフランクな面接である場合、
「彼氏はいるの?結婚は考えている?」
などと聞かれることも。
良い質問とは言えませんが、実際にこのような質問に出会ってしまった時には「結婚、出産後も働きたいと考えている」と伝えることが正解です。
具体的な時期を明言することは避け、「結婚、出産もいつかはできれば良いなと思っているけれど、出産後もこの会社で働き続けたいと考えている」ことをアピールするようにしましょう。
また、結婚、出産後も女性が働きやすいように制度が整えられている会社なら「結婚、出産後も働き続けたいからこそ御社を希望した」と伝えるのも良いアピールになります。
続いて理想的な解答例を見てみましょう。
「結婚の予定はありますか?」と聞かれた場合には…
回答例 結婚の意思がある場合①
-
はい、具体的にいつかなどは決めていませんが、いつかは結婚をして子供を持ちたいとも考えています。
しかしすべての時間を家庭に使うのではなく、家族のサポートを得ながら仕事は続けたいと考えています。
御社には働く女性が多いとも耳にしておりますし、結婚後も働き続けられる環境が整っていることも拝見致しました。
将来のことを見据え、結婚、出産後も働き続けられる環境の整っている御社を志望致しました。
回答例 結婚の意思がある場合②
-
●年後(ケ月後)に結婚することを予定しています。
また、結婚後も仕事を継続し、私自身のキャリア発展を目指していこうと考えています。
御社では、女性のリーダー職・管理職の方も多くいると拝見致しまして、そうした働き方も学ばせていただければと思ったのが、志望した理由の一つです。
回答例 結婚の意思がない場合
-
現在は結婚の意思はありません。
また、「私自身のキャリアの自立」を大事にしており、結婚に関わらず仕事は継続していきたいと考えています。
これらの答えなら、面接官に「長期で働ける人材」という印象を与えられるでしょう。
ケース② 「一定の労働時間の確保、および残業の許容性について」の質問
既婚者でかつ子供を持つ母親である女性によくされる質問が子供に関することです。
子供に関する質問を企業側がするのは、残業に対応できるか、労働時間を確保できるのかどうかを確認するため。
「お子さんが小さいようですが、フルタイムでも大丈夫ですか?」
「残業には対応できますか?」
「お子さんを預けられる場所はありますか?」
などの質問を投げかけられることがあるでしょう。
このような質問は、残業が発生し帰宅時間が遅れることも視野に入れて欲しいという企業側からのアピールでもありますし、子供を理由に働けない日が続くのは困るという企業の姿勢でもあります。
この質問に対して「残業はできません」と答えてしまうと、面接突破の可能性を減らしてしまうことになるので注意しましょう。
毎日残業がある、という意味ではありませんので「子供がいても忙しい日には対応可能」というスタンスで答えれば問題ありません。
ご実家が近く、子供を預けられるようならその情報も伝えておくとより安心されるでしょう。
「お子さんがまだ小さいようですが、フルタイムでも大丈夫ですか?」の問いには以下のように答えましょう。
回答例①
-
はい、フルタイムでの仕事を希望しています。
家族は私が働くことに協力的ですし、働いている間は保育園に預ける予定です。
忙しい日には残業も可能です。
回答例②
-
前職では毎月○時間ほど、繁忙期には○時間ほど残業しておりました。業務の時期によって忙しくなること、残業が増えることは理解しておりますので、抵抗はありません。
また、不要な残業をしないで済むよう努めたいと思っております。
なお、残業の有無・頻度に関しては転職者の方でも気になるところだと思います。
この場合、こちらから質問して企業の残業に関するスタンスを見ると良いでしょう。
具体的な質問方法については、次章の「残業に関する質問」を確認してみてください。
2)「企業側の、女性への対応」が気になる場合はこちらからも質問を!おすすめ質問例
最近では女性が働きやすい環境をしっかりと整えている企業も増えています。
企業側にとっては女性への対応が新しい人材に入社してもらうためのアピールポイントにもなっているので、こちらから対応について質問をすることは失礼なことではありません。
入社してから女性が働きにくいと感じることのないように、面接時に予め質問をしておくとよいでしょう。
働く女性が予め知っておきたい企業の対応、面接時に聞いておくとよい質問を見てみましょう。
「企業側の、女性への対応」が気になる場合の質問例
「残業」に関する質問
子供がいる、いないに関わらず残業については知っておきたいもの。
最近は定時での退社を推奨する流れがありますが、企業や仕事内容によってはどうしても残業が必要という場合もあります。
「残業はできません」と面接時にはっきりと言ってしまったり、「残業はありますか?」とストレートに聞いてしまうとネガティブな印象を与えかねません。
では残業についてはどのように質問をすれば良いのでしょうか?
残業についての企業姿勢を聞き出すにはコツがあります。
それは、「質問を質問で返すこと」。
「残業はできますか?」と聞かれた時に、以下のように聞き返しましょう。
好ましい質問のしかた
-
はい、残業は可能です。
通常、月に何時間ほどの残業が必要になるでしょうか?
私は通常の業務時間の中で効率を考えながら仕事をすることが大切だと考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか?
「休暇」(育児休暇や、女性の働きやすさに関わる休暇制度)に関する質問
産休や育児休暇など女性の働きやすさに関わる休暇制度も入社前に知っておきたいことのひとつです。
長く続けていくためには仕事とプライベートの両立がとても大切。
産休や育休が取れない会社で女性が働き続けるのはどうしても難しくなります。
「育休や産休は取れますか?」とストレートに聞いてしまうのも悪いことではありませんが、面接官によっては条件のみを重視していると思われてしまうリスクがあります。
面接の時点では聞きにくい休暇についてのことは、先輩社員の働き方をたずねることでスムーズに情報が得られます。
こちらも「結婚の予定はありますか?」と質問を受けた時の解答に質問を混ぜると良いでしょう。
好ましい質問のしかた
-
今現在は結婚、出産の予定はありません。しかし、御社で長く勤めたいと考えているためいつかは育休や産休を取らせていただければと考えております。
御社において育休、産休を取得された女性社員の方はいらっしゃいますか?
「評価」「キャリアアップ」に関する質問
面接の時点で最もききにくいことに「昇給について」があげられます。
特に女性の転職の場合、男性と平等に評価してもらえるのかどうかも気になるところですよね。
こちらも「昇給はありますか」や「女性社員も男性社員と同じ様に評価してもらえますか」などとストレートには聞けません。
こちらも先輩社員の働き方をたずねるのが最も良い方法です。
自分もしっかり会社に貢献して行きたいという気持ちを表現してから、女性管理職の有無やその働き方をたずねることで角が立たずスムーズに聞きたいことを引き出せます。
好ましい質問のしかた①
-
御社で長く勤め、しっかりと貢献していきたいという希望を持っております。
御社の中で活躍されている女性管理職の方はどのようなお仕事をされていますか?
好ましい質問のしかた②
-
ゆくゆくはプロジェクトリーダーまたは管理職として、後輩やチームを育成しまとめていく働き方ができればと思っております。
御社で大切にされているリーダー・管理職像や、そのための育成や評価の仕組みなどを教えていただいてもよろしいでしょうか?
「職場の人間関係」に関する質問
社内の人間関係も仕事をする上でとても重要です。
面接官の中には「当社は人間関係も良く働きやすいですよ」と言ってくれる方もいますが、そうでない場合はこちらからそれとなく質問をするのもよいでしょう。
「社内の人間関係はどうですか?」と聞いてしまうのも悪くありませんが、場合によっては「人間関係が理由で転職先を探しているのかな?」と深読みされてしまうことも。
「前職での人間関係はとても良かった」ということをアピールしつつ、社内の雰囲気をたずねるように質問をすれば悪い印象を残しません。
また、ホームページや求人情報で社風の良さをアピールしている企業の場合はそのことに触れながら質問をすれば「当社についてよく調べているな」と思ってもらえます。
好ましい質問のしかた①
-
前職では、先輩方に社会人としてのマナーを初めたくさんのことを教えていただきました。
今回の転職でも先輩方からたくさんのことを学びながら御社の一員になっていきたいと考えております。
御社のホームページから風通しの良い社風という印象を受けましたが、その点についてはいかがでしょうか?
好ましい質問のしかた②
-
御社のホームページから、「コミュニケーションと意見発信が活発な環境」という印象を受けました。
社員の方々は、どういったコミュニケーションを取るタイプの方が多いのでしょうか。
「テレワーク・在宅勤務」に関する質問
近年、テレワーク・在宅勤務を推奨する企業が増えてきています。
一方で、企業側でスムーズなテレワーク・在宅勤務を行える環境が整っているかというと、整っている企業とそうでない企業とで開きがあるのが現状のようです。
テレワーク・在宅勤務メインの企業に応募した際は、面接時に以下の点を確認しておくと、その企業でのテレワーク・在宅勤務時のイメージを持ちやすくなります。
- 会議や普段のコミュニケーションで使用するツール
- 定例会議の頻度やスケジュール
- 社員の実際のコミュニケーション・チャットツールの活用状況
- 育成や業務説明時のおおまかな流れ
特に4つ目の「育成や業務説明」については、テレワーク・在宅勤務はオフィス勤務と比べて難易度が相応に高まるといいます。
環境を整えている企業はその点への理解と配慮をしっかりしていることが多く、入社後の苦労も軽減されやすいでしょう。
好ましい質問のしかた
-
テレワーク・在宅勤務において、社員の皆様はどの程度の頻度で他の方々とコミュニケーションを取っていますか。また、交流を活性する仕組みや取り組みなどがありましたら教えてください。
-
テレワーク・在宅勤務での育成やOJTについて、オフィス勤務と比べて注意している点などはありますでしょうか。また、そのための仕組みや取り組みなどがありましたら教えてください。
「転勤」に関する質問
企業によっては転勤をしなければいけない場合もあるでしょう。
最初は家の近くの支店で働けても、後々転勤の可能性があるのならそのことは先に知っておきたいもの。
もしくは転勤を希望しない場合でも面接時に伝えておくと安心です。
転勤に関しては面接官から予め「可能かどうか」と質問を受けることも多くありますが、こちらから質問をしたい場合は自宅から通える範囲を希望している旨を伝えておくと良いでしょう。
好ましい質問のしかた
-
御社は支店がたくさんありますが、長く勤めていく中で転勤や異動となる場合はあるのでしょうか?
自宅が○○区にあるため、そこから通える範囲内での就労を希望しております。
3)結婚・出産などの女性向け質問は、本来NG?
女性の転職希望者が面接をいくつか受けてみると、必ずどこかで出会うのが「結婚の予定はありますか?」や「出産のご予定はありますか?」などのプライベートに関わるような質問です。
この質問、本来ならNG。
女性の結婚、出産の希望が面接の合否に関わってはいけないからです。
企業側もそのことをよく理解しており、面接の終わり頃、こちらの緊張も解けフランクな会話がかわせる雰囲気になった時に聞かれることが多いです。
「面接は以上です。合否は数日内にご連絡致します。○○さんから何かご質問はありますか?」
「今日は遠いところをありがとうございました。内定となった場合は電車で通われる予定ですか?」
など一見合否とは関係のない会話の中で「ところでご結婚の予定はありますか?」と自然な話題のひとつとして聞かれることがよくあります。
本当は面接時には聞いてはいけない質問なのですが、企業側としては知っておきたいことのひとつ。
特に20代後半にさしかかった女性であれば、かなりの確率で結婚、出産に関する質問は受けると思っておきましょう。
企業は「長く働いてくれるか」の観点で、女性向けの質問をする
結婚、出産に関しては本来なら転職希望者に聞いてはいけないプライベートな質問ですが、企業にとっては知っておきたい重要なことと認識されています。
企業としては「結婚後、出産後も長く会社に勤めてくれるだろうか?」「入社をしてすぐ、結婚して退社ということにならないだろうか?」と転職者のこれからのことを知りたいと思っているのです。
企業としては入社後すぐに転職、退職、または産休となる可能性は少しでも減らしたいのが本音。
印象がよく、内定を出したい、長く働いて欲しいと思っているからこその質問と考えて良いでしょう。
女性の転職希望者には、この女性だけにされる質問に関して印象よく答えられる準備をしておくことをおすすめします。
4)面接対策は、転職エージェントのサポートがあると安心
ここまでお伝えした内容は、転職エージェントのサービスでもアドバイスしてもらえることが多いです。
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面接対策フォローが厚い、女性転職者におすすめの転職サービス
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まとめ)面接本番前に、「女性向け質問」への準備・対策を立てておこう
今回は女性の転職希望者がよく出会う、女性ならではの質問に焦点を当てて来ました。
こうして見てみると、女性向けの質問は「働き続けられるか」どうかに関しての内容が多いですね。
企業側は早期の離職を防ぎ、会社の業務に滞りが起きないように人材を選びたいと望んでいることが分かります。
長く勤めるつもりであれば、そのことをしっかりアピールすることで面接官にポジティブな印象を与えられます。
あなた自身の家庭環境や希望を考慮し、質問に対する答えを準備しておきましょう。
参考:面接のフェーズ別「質問例&回答例」紹介記事
①序盤編(自己紹介・自己PR) 企業面接での自己PR・自己紹介をする際のポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介しています。 |
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②中盤編(志望理由・転職理由) 企業面接で必ず訊かれる「志望理由」・「転職理由」に関わる応答でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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③適性・職務要件確認編 企業面接で、面接官が転職者の適性、知識・スキルの確認時に訊かれる「適性・職務要件」の確認でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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④最終面接・役員面接・条件確認編 企業の最終面接、役員面接、条件確認時におけるポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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⑤「女性ならではの質問」編 企業面接において、女性転職者が受けやすい質問・確認について、ポイントと注意点、およびおすすめの受け答え方法を紹介しています。※本記事の内容です。 |