40代の転職の成功率はどのくらい?転職成功確度を高める5つの対策
[最終更新日]2024/11/01
40代のタイミングで転職を検討する人は多いです。
当サイト「みんなの転職体験談」で40代の社会人の方にWebアンケートをしたところ、65%の人が「転職したいと思っている」と話されていました。
一方で、厚生労働省が発表した「令和3年上半期雇用動向調査結果」によると、40代の方の年間の離職率は5%前後。
「転職したいと思うが、うまく行かない可能性が高い」「成功率が低そうだ」と考えている40代の方も多いでしょう。
目次
1)40代の転職成功率は、77%(※当社調べ)
はじめに、当サイト「みんなの転職体験談」に投稿いただいた40代の転職者の方々の転職成功率・失敗率がどの程度であったかを見てみましょう。
※ 集計期間:2017年3月~2024年11月まで
※ 対象年齢層:40歳~49歳
※ 調査母数:178件
成功・失敗状況 | 割合 |
---|---|
成功 | 38% |
やや成功 | 39% |
やや失敗 | 13% |
失敗 | 10% |
40代の転職者のうち「成功」「やや成功」と答えた人は77%。
おおよそ10人に8人の人は転職成功だったと答えています。
この転職成功率に、「思ったよりも高い数値だ」と思った人は多いのではないでしょうか。
一方で、23%の人が「転職失敗」と答えていることに気になった人もいるはずです。
何をもって、転職成功とするか
ここでいちど、「転職成功」の定義について考えてみましょう。
何をもって転職成功とするかはとうぜん人それぞれですが、多くの人がどこで成功・失敗の判断をしているかを知ることは、これから転職活動をする人にとって一つの目安になるはずです。
転職に失敗した人・成功した人それぞれのコメントを観ながら、その判断ポイントを確認してみましょう。
転職に「失敗した」と答えた40代の方のコメント
汎用系のシステム開発・保守から、オープン系メインの社内SEに転職したものの…(男性 43歳 神奈川県)
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職場の社内SEのリーダーは女性の方で、最初は私に対して歓迎ムードでした。
ですが、なかなか仕事をスムーズに出来ないでいた私に段々とイライラが募りはじめ、他の簡単な作業にまで細かい文句を付けるようになってきました。
そして日が経つにつれ、その指摘は段々厳しいものになっていきました。──ある時、会議の席で、「正直、あなたに任せる仕事はない」と、面と向かって言われました。
事務職からプログラマーへの転職。なんとか仕事にはついていけたが会社の業績が不安定で…(女性 44歳 北海道)
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仕事自体は思っていた以上にハードでした。休日出勤、毎日の深夜残業、そんなのは当たり前です。
そのうえ技術職はプライドの高い人も多く、中には、わざと仕事を教えてくれなかったりといったイジメのような行いを受けたこともあります。
それでも、仕事自体はやりがいがあったので頑張りました。毎日が勉強で、新しいことをたくさん学べるのは楽しかったです。
ところが、2年目に突入したあたりから突如として仕事が激減。経営悪化が原因でした。
そして、3年が経たないうちに社員全員が解雇されることになりました。
家族を引っ越しさせてまで、転職して入った会社だったのに…(男性 44歳 広島県)
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転職後の「課長」というポジションは肩書きだけで、私は何の権限もない一介の平社員でした。
現場が24時間365日稼働している職場だったので、夜間や休日に直接取引先に注文することも頻繁にあって、当然ながら私も処理に追われることになりました。
上司から何度も「もっと値下げしろ」とダメだしを食らいながら、また取引先に嫌な顔をされることもしょっちゅうでした。
周りのフォローですか?…そんなのは一切ありませんでした。
「なんで今回こんなに購買額が高くなったの?」といった原因追及ばかりされる、そんな毎日でした。
「転職に失敗した」と答えた40代の人で多かった理由が、「人間関係」そして「仕事内容」によるものでした。それぞれの理由の割合を、確認してみましょう。
転職に「失敗した」と答えた40代の人の、主な失敗理由(複数回答)
※ 40代の転職で「失敗・やや失敗」と答えた人の失敗要因内訳 2024年11月 弊社調査による
上のグラフである通り、失敗理由で最も多いのが「対人・人間関係の問題」、そして「期待していた業務と異なっていた」の45%です。
「業務内容がハード・能力以上のものを求められた」という理由も多く、34%。
これら失敗ケースと対比して、40代の転職成功者がどうだったかについて、「転職成功した」と答えた人達の入社後の様子について見てみましょう。
転職に「成功した」と答えた40代のコメント
15年来携わってきたWeb業界から教育事業のDTPオペレータに転職(女性 49歳 東京都)
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転職して最初のうちは緊張して仕事していたのですが、前職の経験が活かされてすぐに業務に慣れました。
教育業界ということで、仕事のマネジメントは今まで働いてきたどこよりもしっかりしていて、何よりも、社員同士がお互いを大切ななかまとして敬い合い、ミスも心から励まし、打開策を提案し合い、解決したら喜びあえる、とても安心できる職場でした。
女性の上司にも恵まれ、こんな人になりたいという目標となる人にも出会えました。
また、自分の仕事や他者へやそのほかのすべての事に対する考え方も、変わっていきました。
自分に何が足りないのか常に考え、本を読み、実践し、自己研鑽していきたい思いが日に日に強くなっていきました。
大切なのは、コンテンツへの想い。老舗アパレルブランドから、EC会社に転職して。(男性 40歳 東京都)
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いやまあ、大変でした。
転職先もアパレル系だったんですよね。で、前職はメンズブランドで、今回はレディスブランドになって。当然、スタッフは女性ばかり。入って初日、歓迎ランチしてくれたんですよね。私一人と、女の子10人で。で、そんな初めてのランチのときに、みんな、私の前任者のことディスりまくりで(苦笑)。
更には、一人の子が、「社長とどんだけうまくやれるかが、この会社でうまくやれる一番のコツだ」と言ってきて。
社長はちょっとパワハラ気質で、更に少し柄悪くて、たびたび怒鳴る感じの人でした。
で、前任者は?と思ったら、うつ病で休職中だと聴いて、「うわーこれは、人間関係大変そうだなー」って思いましたね。
かつ、私は最初チーフとしては一旦ですが、部下がすでに5~6人いました。
彼女らにきちんとしたアウトプットしなきゃいけないし、もちろん指導しなくちゃいけないしで。知らなかったりわからなかったりすると仕事を回せない。だから、勉強はすごいしました。とりあえず、自分で調べられることはちゃんと調べようと。
転職は今回が初めてでしたが、やっぱり転職中よりも、入ってからが大変ですね。それを実感しました。
新しい職場で待ち受けていたのは、40過ぎた新人への「冷たい視線」(男性 48歳 愛知)
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新しい職場で待ち受けていたのは、40過ぎた新人への「冷たい視線」と「冷たい対応」でした。
キャリア採用者は、なかなか受け入れて貰えない風土があり、最初に仕事の概要だけ伝えられ、「あとは出来て当たり前」と言わんばかりに何も教えても貰えず参りました。
一番参ったのは就職して1ヵ月が過ぎた頃、私の部所で飲み会の案内が回っていたのですが、私だけ回ってきませんでした。普通なら歓迎会も兼ねて誘うでしょ…。
このままではダメだと思い飲み会の場所と時間は解っていたので、飲み会当日、笑顔で「俺にも飲ませろ~~」──と乱入しました。
皆さん呆気に取られていましたが私は何食わぬ顔で酒をついで廻ってバカ話に花を咲かせ、ようやく打ち解けて2次会3次会へ。
翌日から、やっと会社の一員になれたと言うか、スタートラインに立てました。
転職のゴールは内定獲得ではなく、新しい職場への定着
「転職成功」と言いながらも、2人目と3人目のコメントでは入社後に少なからずの苦労が見られます。
ですが、その苦労のあとに両人とも満足いく働き方を得られていることが、体験談より確認できます。
転職成功とは、単に希望する企業に入社できたかどうかだけではなく、入社後(多くは自分からの働きかけによって)その環境に馴染めたかどうかも含めて、判断されるものなのでしょう。
つまりは、転職のゴールは内定獲得ではなく、新しい職場への定着なのです。
40代の転職成功者に多く見られる傾向
続いて、転職成功したと答えた40代の人たちが具体的にどのような取り組みを意識していたかについて見ていきましょう。
転職に「成功した」と答えた40代の人の、主な成功理由(複数回答)
※ 40代の転職で「成功・やや成功」と答えた人の成功要因内訳 2024年11月 弊社調査による
いちばん多かった「キャリアプランの再構築」とは、これからの働き方を以前から変えたことを指します。大きく職種を変えた人もいれば、職種や得意分野を変えずに業界を変えた人もいます。
そのほか、「転職エージェントのサポート」「知人・友人の伝手」「ハローワークのサポート」といった他者からの助けによって転職成功できたと感じる人が多いことも確認できます。
また、失敗要因のグラフと比べたときに、「成功要因はやや多岐に渡っている」と気づかれた人もいると思います。
転職成功率を高めていく際は何か一つのセオリーに添うよりも、自分に合った攻略法を見出すことが大切です。
具体的な対策の進め方については、次章で詳しくお伝えします。
2)40代の転職成功率を高めるための対策5つ
ここからは、40代の転職を効率的に進めるための対策について見ていきましょう。
多くの40代転職者の人たちが取り組んだ体験をもとに、より普遍的な内容に落とし込んで説明しています。
「この進め方・やり方は意識していなかった」というものがあれば、それがあなたの転職成功率を高めるきっかけになるかもしれません。
興味のあるところから、チェックしてみてください。
自分に向いている仕事を明確にする
40代の転職を成功された方々の多くが取り組まれているのが、キャリアの棚卸しです。
キャリアの棚卸しは、これまで携わった仕事内容・役割、学べたこと・身に付いたことなどを振り返り、「自分が向いている仕事」をより明確にすることです。
単に業種や職種だけを特定するのではなく、拠りどころとする知識やスキル、働き方のスタイルも含めて、働く自分の望ましい像をクリアにしていくのです。
キャリアの棚卸しをするメリットは、以下の3点です。
- 自身の強み・適性を再確認できることにより、ミスマッチのない求人選びがしやすくなる
- 新しい働き方を見つけるきっかけになる(選択肢の候補を拡げられる)
- 職務経歴書作成や選考面接の際に、自己PRをしやすくなる
キャリアの棚卸しは、以下のように時系列ごとに携わった仕事内容・役割、学べたこと・身に付いたことなどをまとめていきます。
※これからキャリアの棚卸しを作成する方は、よろしければ「キャリアの棚卸し作成表」ファイルをダウンロードしてお使いください。
キャリアの棚卸しの記入例
期間 | 2003年4月~2010年9月 | 2010年10月~2015年3月 | 2015年4月~現在 |
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業界・職務 |
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仕事内容・役割 |
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学べたこと・ 身に付いたこと |
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とくに意識して 取り組めたこと |
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情熱を掲げられたこと |
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失敗したこと |
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失敗からの教訓・ 学んだこと |
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※横にスクロールして右側の情報を確認できます。
キャリアの棚卸しをやる際のポイントは、これまでの業務を一つずつ、丁寧に振り返ることです。
たとえ今の仕事が合っていないと感じていたとしても、「この期間があったから、自分はこんなことを学べたのかもしれない」と考えて、これまでの軌跡ひとつひとつに光を照らしていくように、振り返ってみてください。
そして、キャリアの棚卸しを終えたら改めて、「これから先の人生で、どんな働き方を私はしたいのか」を考えてみてください。「あなたが望んでいる働き方」のイメージが、より明確になるはずです。
キャリアビジョンとキャリアプランを立てる
前章で紹介した転職に成功したと答えた人の理由の多くに「キャリアプランの再構築」「資格の取得」があったことを思い出してみてください。
それらのアクションの背景には、「これまでの働き方の延長線上で、これから先のキャリアを歩むことは難しい」という考えがあったはずです。
言い換えると、今回の転職によってキャリアが切り開かれるかどうかをしっかり見定める必要があります。
そして、その見定めをする上で役立つのがキャリアビジョンとキャリアプランです。
キャリアビジョンは、あなたが未来に「こういう働き方をしたい」というイメージのことです。
そして、キャリアプランとは、そのイメージを実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
キャリアビジョンとキャリアプランは、以下のように時系列に落とし込むことによって考えを整理しやすくなります。
キャリアビジョンとキャリアプランは、かっちり決めすぎず、ある程度抽象度を持つ
キャリアビジョンとキャリアプランの作成のポイントは、近い未来についてはやや具体的に、遠い未来については抽象度を高めて作ることです。
10年後どうなっているかについて、正確に予測することは不可能でしょう。立てたビジョン・プランが大きく変わる可能性は十分にあります。
「この業種・職種で働く」よりも、「こういう働き方・活躍がしたい」という書き方の方が、イメージを持ちやすく、かつ転職を考えた際の候補も広げやすくなります。
また、その際は仕事内容に終始するのではなく、「プライベートの過ごし方」や「ライフワークの実現」といった人生・生き方の要素も踏まえて考えると、よりあなたらしいキャリアビジョン・キャリアプランになります。
キャリアビジョンとキャリアプランをもとに、「転職方針」を掲げる
キャリアビジョン・キャリアプランを作成したのちは、今回の転職がその一歩になるための転職方針を掲げます。
転職方針は、転職成功率を高めるうえで非常に役立ちます。
ミスマッチ転職が起きる要因として多いのが、転職者自身の「焦り・妥協」です。
ですが、転職方針を定めておくことによって、そうしたリスクが回避されやすくなり、また活動時の様々な選択・判断(例えば求人選びや志望先の優先順位付けなど)をスムーズに進めやすくなるからです。
「頼りになる転職パートナー」を最低2人以上見つける
40代の転職において、誰もが「専門的な支援、または具体的な働き先を紹介してくれる相談者が欲しい」と考えると思います。
実際その通りで、転職活動を完全に独力で進める人は少数派です。
頼りになる相談者(転職パートナー)は、転職活動を始めて早いうちに得るべきでしょう。
また、相談者は最低でも2人以上持つことをおすすめします。
転職活動を相談できる相手といえば以下が挙げられますが、ほとんどの転職成功者はこれら複数から支援を受けて活動を進めているからです。
- 転職エージェント
- ハローワークの相談員
- 同じ業界・職種にいる知人・友人
- ヘッドハンター
- キャリアコンサルタント
ひとりの人の意見はどうしてもその人の価値観や考え方のバイアスを受けがちです。
また、あなたとの相性の問題もあるでしょう。
たとえば「転職エージェント」メインで転職活動をする場合、転職成功している人は平均4.2社に登録しています(※リクルート社調べ)。
また、転職エージェントとハローワークを併用する人や、転職エージェントのサポートを請けながら知人・友人の伝手を探す人も多いです。
より具体的な活用例で言えば、転職サイト「リクルートダイレクトスカウト」では、サービス登録後に約4,500名のヘッドハンターの中から「この人にキャリア相談したい」というヘッドハンターを自分で選んで、かつ複数人に相談できます。
どの相談者がいちばん良いかは、あなた次第です。
転職エージェントのサポートが役立った人もいれば、ハローワークの相談員がいちばん親身になってくれて励みになった人もいます。
あなたにとって一番の転職パートナーを見つけるためにも、「まずは複数の相談者にアプローチする」を意識してください。
40代の転職は、職務経歴書を制す
40代で「転職しよう」と思った際は、さきに職務経歴書を作っておくとよいでしょう。
職務経歴書を作成することによって、ご自身の経歴の整理や強み・アピールポイントを明確にしやすいでしょう。
また、転職エージェントやハローワークの相談員に転職相談をする際も、さきに職務経歴書があると具体的なアドバイスを受けやすくなります。
また、職務経歴書の品質は転職成功率にも直結します。
その理由は、良い条件の求人ほどとうぜん応募者は集まりやすく、書類選考の通過率が低くなるからです。
ポテンシャルが優遇されやすい20代求職者、スキル・経験を積んだ30代求職者たちを相手に、採用担当から「この人に会ってみたい」と思ってもらえる職務経歴書を準備する必要があります。
職務経歴書の作成サポートは前述の転職エージェントでも行われますが、ご自身でも企業に好まれる職務経歴書の作り方を知っておくことが大切です。
では、「企業に好まれる職務経歴書」とは、どのようなものでしょうか。
いくつか例をもって説明します。
「印象に残る職務経歴書」作成のポイント
- Point1)最初の職務要約ですべてを語る
- Point2)緩急をつける
- Point3)企業毎に職務経歴書を書く
- Point4)定量的に書く
- Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに。
- Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
Point1)最初の職務要約ですべてを語る
採用担当はたくさんのレジュメに目を通すため、最初の職務要約しか見ない人もいます。逆にいうと、この部分は全員が見るということです。
そのため、「最初の職務要約ですべてを語る」くらいの気概で作成したほうが良いでしょう。
自分の強みが最初の数行でパッと分かるように表すなど、とにかくこの部分の品質に意識を集中して作成することが大切です。
Point2)緩急をつける
ある程度実務経験を持った人が陥りがちなミスが、「やってきたことを全部書いてしまう」ことです。
全部盛り込むと、強み(アピールポイント)が薄まってしまいます。
アピールすべきところとしなくてもいいところを分けて、しなくても良いところはバッサリ切る──、といったメリハリが大切です。
例えば総務部門を経験した転職者の場合、総務の幅広い業務範囲を全部書くとどうしても冗長になってしまいます。
その際に、例えば応募する企業の求人要件が「総務の資産管理」だった場合、そのポジションと関連する経験をアピールするのです。
「自分はそのほかにも人事、採用などを経験していた」という場合においても、応募企業側で人事、採用のポジションを求めていないようなら、その記載は軽く触れる程度に留めるなどの取捨選択を意識しましょう。
Point3)企業毎に職務経歴書を書く
職務経歴書は、基本応募企業毎に準備します。
テンプレートのようにひとつの職務経歴書を使いまわしていた場合、応募企業側はすぐにそれを見抜きます。
効果的な職務経歴書にしていくためにも、企業が募集しているポジションに合わせて書くことを意識すると良いでしょう。
イメージとしては、「60%は共通部分として、残り40%を企業毎にかき分ける」、「これまでやってきたことが20種類あったら、求人ポジションに合わせて12~3個に絞って、7~8個は削る」といった形で進めると良いと思います。
ポイントは、求人企業に対して「企業が求めているポジションと、自分の経歴がいかにフィットしているか」を伝えることです。
Point4)定量的に書く
よく言われることですが、職務経歴書は「定量的」に書くことが大切です。
例えば、「お客様に大変喜ばれた」といった表現は、第三者はその程度を知りえません。また、「主観的、感覚的にしか物事を捉えられていない」と評価されてしまうリスクもあります。
アピールする事柄は、なるべく「数値」に落とし込むことが大切です。
「売上や会員数、またはPV数などが何パーセント増えた」であったり、「結果として作業時間がこれだけ短縮できた」などの定量的な説明を意識すると良いでしょう。
Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに。
プライベートでの活動(ボランティア)などは、書いても書かなくても、書類通過や採用にそこまで影響は無いと見たほうが良いでしょう。
他の候補者と比較検討になった際に、その人と甲乙つけがたいくらいの同評価だったら効果はあるかもしれませんが、その他ではあまり効果を期待しない方が良いと思います。
たまに、経営層の価値観とマッチしたなどのラッキーパンチもありますが、やや運要素の強いPRと言えます。
また、そうした副次的なPRをたくさん書いてしまうと、「仕事でアピールできないから、そこでアピールするのかな?」と思われてしまうリスクもあるでしょう。
Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
レジュメ(職務経歴書)は、「企業へのラブレター」と思って書くと良いです。
例えば、気になっている異性に「私はたくさんのスキルと知識がある。だから付き合ってください」とラブレターを書く人はいないでしょう。
それよりも、「あなたはきっと、こういう人を求めていますよね。私はまさにそういう経験をしてきています。つきましては、私と付き合ってくれませんか」といった形でアプローチする方が成功確度を高められるはずです。
ポイントは、「相手を基点」にあなた自身のペルソナを作っていくこと、──つまり、「顧客視点」を持って職務経歴書を書いていくことです。
40代の企業面接では、どのような点に注意すればいい?
職務経歴書による書類選考を通過したのちの、「企業面接」の対策について不安を持つ人も少なくないでしょう。
一般的に、企業は職務経歴書でスキル・実績面(=期待するレベルの業務遂行ができそうか)を主に確認し、面接で性質・人柄(=一緒に仕事をする仲間として適切か)を主に確認します。
そのため、企業面接では40代の方々のほうでも「カルチャーフィットの確認」をしっかり行いつつ、協調性や柔軟性をとくに大切にPRしていくとよいでしょう。
ポイントは、まず職務経歴書の品質を上げておくこと。その品質は面接時にもアドバンテージとして働きます。
そして、企業が求める人物像についてよく知っておくことです。これについては、事前にしっかり企業研究をすることによって対処できるでしょう。
企業研究 見るべきポイント
観点 | 確認ポイント |
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経営方針 |
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成長性 |
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業務内容 |
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育成・福利厚生 |
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社風 |
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これら項目をすべて見る必要はありません。あなた自身が、「この項目は、しっかりチェックしたい」と思えるものを優先して確認するとよいでしょう。
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働いてみたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得られれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
また、企業面接では一定の質問の型(良くされる質問)があります。
質問の受け答えだけを丸暗記するのはあまり意味があるとは思えませんが、転職慣れしていない40代が「面接がどういうものか、イメージを持ちたい」と考えるうえでは役立つこともあるでしょう。
以下、企業面接でよくある質問をまとめた記事を紹介しますので、興味のある人はご参考ください。
参考:面接のフェーズ別「質問例&回答例」紹介記事
①序盤編(自己紹介・自己PR) 企業面接での自己PR・自己紹介をする際のポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介しています。 | |
②中盤編(志望理由・転職理由) 企業面接で必ず訊かれる「志望理由」・「転職理由」に関わる応答でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 | |
③適性・職務要件確認編 企業面接で、面接官が転職者の適性、知識・スキルの確認時に訊かれる「適性・職務要件」の確認でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 | |
④最終面接・役員面接・条件確認編 企業の最終面接、役員面接、条件確認時におけるポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 | |
⑤「女性ならではの質問」編 企業面接において、女性転職者が受けやすい質問・確認について、ポイントと注意点、およびおすすめの受け答え方法を紹介しています。 |
入社後の対応・心構えを知っておく
40代をはじめミドル層の転職で、入社後の現場環境や人間関係に悩んだ人はたくさんいます。
ちなみに、当サイト「みんなの転職体験談」でのアンケートによると、「転職後の人間関係で苦労しましたか?」というアンケートでYESと答えた40代の人は85%でした。
あわせて読みたい
- 転職した後、職場の人間関係で苦労した?──「YES」が82%|みんなの意見
- 「転職後、人間関係で苦労したことがありますか?」というアンケートで「YES(ある)」と答えた人は、全体の82%でした(2024年11月)。…
40代の転職においては、こうした「転職後の実情」をしっかり踏まえたうえで、転職先を決めた後も以下を意識しておくことをおすすめします。
- How to live:その組織のルール、規範に自分がどう馴染むか
- How to learn:その組織に馴染んだうえで、どう学ぶか
- How to work:その組織でどう働き、機能するか
- How to influences:その組織で、どう影響力を発揮するか
参照:「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方 (松本 利明著 p.172).
40代の転職後のアクションは、人間関係構築とその企業に馴染むことを優先する
ミドル世代の転職では、入社後に「即戦力」を求められがちです。
ですが、入社から翌日ですぐにパフォーマンスを発揮できる転職者など、そういないでしょう。
たとえ同じ業種・職種環境への転職であったとしても、仕事の進め方やそこに関わる人間に違いがあるからです。
そのため、40代の人が転職して新しい職場に入ったら、まずはインプットと、そして人間関係構築への働きかけを優先度高めで行動することをおすすめします。
先にお伝えしたアンケートで「転職後の人間関係でうまく行った人たち」が採った対策で最も多かったのが、「相手を受け入れる」「いったんプライドを捨てる」というものでした。
転職後にうまく行く人に多く見られる傾向とは、すぐにパフォーマンスを発揮する人よりも、周りとうまくやれる人なのです。
転職前にこうした傾向も知っておくと、新しい職場に向けてより適切な準備ができるようになるのではないでしょうか。
3)40代の転職によくある質問
Q1 40代の転職におすすめの転職サイト・エージェントはありますか
40代の転職におけるおすすめ転職サイト・エージェントについては、利用する人のタイプ・状況・転職スタイル(急いでやるのか、じっくりやるのかなど)によっても変わります。
以下のタイプ一覧をみて、自分が合致すると思えるところからチェックしてみてください。
40代タイプ別のおすすめ転職サイト・エージェント
とにかく、急いで転職したい人
「とにかく、急いで転職したい」「積極的に求人情報を集めたい」40代の人は、求人数が豊富な大手転職エージェント、および企業やエージェントからのスカウトを見込める転職サイトに登録しておくとよいでしょう。
たとえばリクルートエージェントやdoda、ワークポートでは常時豊富に求人を取り揃えており、「サービスに登録したが、求人をほとんど紹介されない」となるリスクを軽減できます。
また、これまでの支援実績からスピーディかつ効率的なサポートを受けられるでしょう。
サービス名 | リクルートエージェント | doda | ワークポート |
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特徴 |
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公開求人数 | 約49万件 | 約26万件 | 約11万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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登録先サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
そのほか、リクナビNEXTやビズリーチ、Greenといった転職サイトにも登録しておくと、企業やエージェントから直接スカウト・オファーが届くこともあります。
サービス名 | リクナビNEXT | Green | ビズリーチ | LIBZ |
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特徴 |
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公開求人数 | 約90万件 | 約4,000件 | 約14万件 | 非公開 |
得意業界/職種 | ◎全業界・職種 | ◎全業界・職種 | ◎全業界・職種 | 営業・企画・管理・販売系職種 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
スカウトの多さ | ◎多い | ◎多い | ◎多い | ◎多い |
おすすめの人 |
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サービス登録先サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
これらのサービスを利用する際は、サービス登録時に入力する職歴情報(Webレジュメ)を丁寧に記入することです。
職歴情報の充実度がそのままサポート品質やスカウトを受ける数に関わることも少なくないからです。
また、年収についてのこだわりがそれほど強くないのなら、ハローワークにも登録しておくことをおすすめします。
ハローワークでは地域企業の求人が豊富で、転職サイト・エージェントからは紹介されない優良企業のものを確認できることもあるからです。
高年収帯の求人は少なめですが、全くないとは言い切れません。たまに好条件の求人が出ていることもあります。
じっくり機をうかがいながら、中長期的に転職活動を進めたい人
じっくり機をうかがいながら、中長期的に転職活動を進めたい40代の人は、先に紹介した「キャリアを一緒に考えてくれるパートナー」を意識してサービスを選ぶのがよいと思います。
たとえば転職サイト「リクルートダイレクトスカウト」は、「この人にキャリア相談したい」というヘッドハンターに自分で選んで相談できます。
また「JACリクルートメント」や「パソナキャリア」、「LHH転職エージェント」といったミドル層への転職支援の実績な転職エージェントの登録も検討するとよいでしょう。
これらの転職エージェントは求職者のペースに合わせてサポートを行われることが多く、「担当から急かされた」などの利用者からのネガティブ評価はほとんど見られません。
サービス名 | マイナビエージェント | ヒューレックス | LHH転職エージェント | パソナキャリア | JACリクルートメント |
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特徴 |
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公開求人数 | 約6.9万件 | 約2.6万件 | 約1.5万件 | 約4.0万件 | 約2.1万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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サービス登録先サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
ただし、担当につくエージェントのタイプや相性の問題もありますので、一社のみに絞っての利用はおすすめできません。
担当エージェントの「合う・合わない」もありますので、複数の転職エージェントに登録して、自分に合う担当を見出してそこに利用を絞っていくやり方がおすすめです。
これも一概には言えませんが、大手転職エージェントよりも中小規模のエージェントの方が丁寧なサポートを提供することが多いです。また、地域密着型のエージェントでは「丁寧さ」をウリにしたサービスが多く見られます。
以下、参考に都道府県別のサポート品質に定評のあるエージェントもまとめましたので、お住まいの地域で活動するエージェントも併せてチェックしてみてください。
都道府県 | 転職エージェント|都道府県内の拠点 |
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北海道 | |
青森県 | |
岩手県 | |
宮城県 | |
秋田県 | |
山形県 | |
福島県 | |
茨城県 | |
栃木県 | |
群馬県 | |
埼玉県 | |
千葉県 | |
東京都 | |
神奈川県 | |
新潟県 | |
富山県 | |
石川県 | |
福井県 | |
山梨県 | |
長野県 | |
岐阜県 | |
静岡県 | |
愛知県 | |
三重県 | |
滋賀県 | |
京都府 | |
大阪府 | |
兵庫県 | |
奈良県 | |
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エージェントのサポート品質を重視する人は、あわせて「担当者との適切な付き合い方」を知っておくべきでしょう。相手をあなたのキャリアを支援するビジネスパートナーとして接し、信頼関係を育んでいくことが活動品質とも直結しやすいからです。
年収600万円以上・ハイクラス向けの条件で転職したい人
今回の転職で年収600万円以上を目指す人や「キャリアアップや年収アップを果たしたい」40代の人は、ハイクラス向けの転職サービスを利用するとよいでしょう。
好待遇の求人はピンポイントのタイミングで募集されることが多く、その殆どが「非公開求人(転職サイトなど一般の求人媒体には紹介されない求人)」か、それぞれの転職エージェントのみが持つ「独占求人」です。
よって、ハイクラス向けの転職エージェントは中長期的に利用するイメージで、かつ複数登録しておくのがおすすめです。
以下に紹介するのは、特にミドル世代向けの転職支援実績の豊富な、ハイクラス向けの転職エージェント(一部ヘッドハンターサービス)です。
サービスの特徴を見て、自分に合いそうと感じたものから登録を検討してみてください。
サービス名 | doda X | WARCエージェント | JACリクルートメント | ビズリーチ | リクルートダイレクトスカウト | パソナキャリアハイクラス |
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特徴 |
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公開求人数 | 約6.0万件 | 非公開 | 約2.1万件 | 約14万件 | 約40万件 | 約1.4万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | 経理・財務、人事・労務、法務、総務、情報システム部門など | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
おすすめの人 |
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サービス登録サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
Q2 40代向けの求人は、20代・30代と比べて少なくなりますか
業種・職種にもよりますが、全体的に40代向けの求人は20代~30代向けと比べてかなり少なくなる傾向にあります。
とある転職エージェントの話では、「35歳以上になると、求人数は半減。その後、5歳上がるごとにまた半減する」といいます。その計算で行くと、若手社会人(35歳以下)向けの求人が100あった場合、40歳以上向けの求人は25程、45歳以上向けの求人は12.5程まで少なくなるということです。
一方、近年ではミドル層の求職者の採用に意向を示す企業も増えてきております。上記の数値をそのまま鵜呑みにすべきではないでしょう。
また求人数の少なさ自体は、転職活動の行動量を増やすことによって解消が見込める問題です。
「40代向けの求人は、若手社会人と比べて少ない」ことは受けとめたうえで、効率的かつ前向きな行動を目指すことが大切です。
Q3 40代で未経験の職種へ転職するのは難しいですか?
40代の転職で「まったくの未経験職種」を目指すことは、相応の難易度が伴うでしょう。
企業側においても転職後にその人が活躍するイメージを持ちにくく、「未経験者を採用するのなら、伸びしろのある若手の方が良い」という考えになりやすいからです。
そのため、40代から未経験職種をチャレンジする場合は、「まったく未経験の分野」ではなく、「未経験だが、これまで培った経験や知識・スキルのいくつかを活かせられる分野」を優先して検討することをおすすめします。
例えば、「職種としては未経験だが、業種は同じなので業界情報や専門知識については把握できている」、「これまで開拓した人脈を活用して、顧客開拓が期待できる」という形で、何かしら応募企業の求める人材への「共通ポイント」や「引っ掛かり」を見出しておくのです。
また、転職後にそれら自身の経験、知識、スキルが本当に役立てられるかについても、きちんと確認しておくべきでしょう。
せっかく転職しても周囲の期待に応えられない時期が続いてしまうことは、あなた自身にとっても辛いはずです。
40代での未経験分野への転職は、「40代転職者は、入社後に周囲から即戦力を求められることが多い」という事実を受けとめ、そしてその準備をしっかり行う前提で、チャレンジしてください。
Q4 40代の転職活動は平均してどのくらいの期間がかかりますか?
転職活動にかかる期間はおおよそ3ヵ月と言われており、年代による差異はそこまで大きくありません。
ただし、希望条件やその人の経験・実績、そのほかタイミングなどからの影響も少なくありません。
半年以上かかる人もいれば、「2年ほどかかって、ようやく転職先が決まった」という人もいます。
転職はとうぜん「早ければよい」というものではありませんが、もし「急いで転職を決めたい」と思うのなら、まずは「行動量(求人応募の数・ペース)」を上げていくことです。
書類審査の通過率は10~30%、採用面接の通過率は10~20%ほどといわれています(人気の職種・業種においては、通過率は更に低くなります)。
参考:マイナビ転職「平均応募社数や選考通過・内定の確率はどれくらい?」の内容を元に、弊社にて図作成
応募から内定まで進むのは、おおよその確率として4.5%。
もちろん必ずしも上の確率の通りになるということではありませんが、計算上では1社の内定を得るのに約22社の応募が必要になります。
上記で挙げた応募数に対して「どれくらいの期間・ペースで対応できるか」を考えると、より具体的な活動期間のイメージが持てると思います。
ただし、第一に考えるべきは「今後のキャリアプラン、ライフプランを見据えた、最適な職場選びを実現できること」です。
上記の期間についてはあくまで目安として持っておき、なるべくゆとりを持ったスケジュールで転職活動に臨むことをおすすめします。
Q5 転職エージェントからサポートを断られることはありますか
転職エージェントにサポートを申し込んだものの、サポートを断られてしまった場合には、以下のような原因が考えられます。
希望条件と職歴が見合っていなかった
ほとんどの転職エージェントサービスでは、利用する人の年齢層の制限は設けていません。
ですが、転職エージェントの保有求人状況によって、または希望条件に見合う職歴でないと判断された場合、「見合った求人がありません」と断られてしまうことがあります。
短期間での転職を繰り返している
転職エージェントサービスでは「短期間での転職を繰り返している」人へのサポートを敬遠しがちです。「再度短期の転職をされると、紹介企業からの信頼を失ってしまう」というリスクがあるからです。
エージェント側の都合(繁忙期など)により、優先度を下げられてしまった
繁忙期などで「転職者が多くて、さばききれない」ときに、すぐに転職する予定ではない転職者や、内定獲得まで若干の時間を要することが見込まれる転職者に対して、担当側で優先度を下げてくる可能性もあります。
これらの理由でサポートを断られてしまった場合は、以下の対策を取ることをおすすめします。
- 転職サイトを使って「自分から求人応募する」スタイルの転職活動に切り替える
- 他の転職エージェントサービスに登録する
対策の詳細は、以下記事に詳しく紹介しています。興味のある人はあわせてご覧ください。
まとめ)40代の転職成功率を高めるには、適切なゴール設定とあなたに合う攻略法を見出すこと
ここまでの内容を、まとめてみましょう。
40代の転職成功率における重要なポイント
- 40代の転職成功率は76%(当社調べ)
- 転職失敗する人の理由の多くは、入社後の人間関係、仕事内容に関する悩み
- 転職成功のゴールは内定獲得ではなく、入社後の定着
- 転職成功する人が話す成功要因は様々。自分に合った攻略法を見つけることが大切
40代の転職成功率を高めるための対策5つ
- 自分に向いている仕事を明確にする
→キャリアの棚卸しを行い、働く自分の望ましい像をクリアにする - キャリアビジョンとキャリアプランを立てる
→その後、「転職方針(転職の軸)」を掲げる - 「頼りになる転職パートナー」を最低2人以上見つける
→ポイントは「自分に合うパートナー」を見つけること - 40代の転職は、職務経歴書を制す
→「この人に会ってみたい」という職務経歴書に - 入社後の対応・心構えを知っておく
→まずは職場と人間関係に「馴染むこと」を優先
40代の人が「転職しよう」と決めるときとは、これまで積み上げた様々な思いや事柄への決別も含めた、大きな覚悟を持ってのことも多いと思います。
その決断・覚悟をよりよい未来に繋げていくために、この記事で紹介した内容はきっと役立つはずです。
まずは今日から一歩、新しい行動を始めてみてください。