第二新卒エンジニアの転職は失敗しやすい?転職成功のポイント4点
[最終更新日]2024/07/22
新卒でITエンジニアとして勤め始めた方でも、数年が経てば職場のマイナス面が垣間見えたり、「こんな仕事をしてみたい」といった新たな目標が生まれてくるかと思います。
新卒入社から数えて3年以内のいわゆる第二新卒エンジニアは、転職市場でも「意欲」や「伸びしろ」といった部分で重宝される年代でもあります。
一方で、第二新卒エンジニアの転職は、転職のノウハウを知らないために失敗するケースも少なくありません。
これから転職活動を始める第二新卒エンジニアの方は、まず転職失敗のよくあるパターンを知り、そのうえで自身のスキルとポテンシャルを正確にPRしていくための転職ノウハウを理解しておくことが大切です。
目次
1)第二新卒エンジニアの転職は需要あり
「第二新卒」とは一般的に大学を卒業後3年以内、四年制大学で言えば25~26歳までの社会人を指します。
この年代は転職市場において、基本的なビジネススキルは身につけており、かつ意欲や今後の伸びしろにも期待できる人材として評価される傾向があります。
エンジニアにおいてもそれは同様で、業務に関する一定の知識やスキルを備えており、かつ年齢的にもまだ成長途上にあるという点で、比較的転職がしやすい年代であると言えるでしょう。
エンジニアとして今後もキャリアを積み上げていきたいと考えているならば、「エンジニアとして、いかに早く成長できる環境を見つけられるか」という視点は重要です。
今勤めている会社では自身の望むようなキャリアを築けそうにないと感じている場合は、そのまま我慢を続けて働くよりも「転職」を視野に入れた方が良い場合があります。
2)第二新卒エンジニアが陥りがちな転職失敗パターン
ここからは、第二新卒のエンジニアが実際に転職に踏み切った際に陥りがちな「失敗パターン」について解説していきます。
特によく見られる失敗パターンとしては、以下の3つがあります。
- ネガティブな転職理由をそのまま伝えてしまう
- 自身の経歴・スキルをうまく説明できない
- 数年後のキャリアについての見通しが立っていない
なぜこれらが第二新卒エンジニアの失敗パターンになってしまうのか、また同じようなパターンに陥ってしまわないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。
ネガティブな転職理由をそのまま伝えてしまう
転職面接の場で必ず訊かれることになるのが、「転職理由」です。
この際、第二新卒をはじめとする若手社会人の受け答えで多いのが「仕事内容が自分に合わなかった」「あまり成長できない環境だった」など、ややネガティブに聞こえる転職理由を伝えてしまうケースです。
転職理由をネガティブな表現で伝えることは、企業側にマイナスの印象を持たれてしまうことが少なくありません。なぜならどんな会社でも「良い面」だけでなく「悪い面」も(程度の差こそあれ)あるからです。
選考する企業側は「悪い面ばかり目が行っているのではないか」、「また同じような問題に直面した時に、すぐに辞めてしまうのではないか」という印象を抱きやすくなります。
対策:転職理由は「退職理由(ネガティブな理由)」ではなく「志望動機(ポジティブな理由)」を意識
たとえ「ネガティブな理由」が転職を決意したきっかけであったとしても、後悔のない転職にしていく為にも「ポジティブな理由」に変換していくことが大切です。
たとえば「仕事内容が自分に合わなかった」という理由も、「仕事に関して明確な目標があり、それが前職では果たせそうになかったため、目標が叶えられそうな御社への転職を希望します」といった風に伝えることによって、企業側へ与える印象が大分変わって良くなるはずです。
言い換えると、転職理由は「退職理由(ネガティブな理由)」ではなく「志望動機(ポジティブな理由)」にすることが大切、ということです。
現役キャリアアドバイザー 武蔵野さんからの「転職理由」アドバイス①
- 武蔵野
さん -
転職面接の場で、転職理由をネガティブな表現で伝えた場合は「まず通らない」と思っておいた方が良いでしょうね。
特に絶対NGワードは「自分のことを評価してもらえなかった」。面接官からは「自分のことを過大評価してるだけじゃないの」と思われてしまうのがオチです。ベストは、「今回の転職は、これからのキャリアを踏むうえで必要になる」と思ってもらえるような転職理由を伝えることです。つまり、過去のことだけを伝えるのではなく、「これから」について触れるということですね。
あとは、ストーリー形式で転職理由伝えていくと効果的です。「これまでは、こうでした」というエピソードから、「今後、こうしていきたい」というストーリーの流れを作るということですね。逆に、箇条書きのような説明の仕方だと、その人の想いは伝わってきません。
そして、ポイントは「この人が入ったら、うちの会社でどのように役に立って、どのように成長していけるんだろう」とイメージを持たせること。
そういうストーリーがあって、はじめて企業側は「欲しい」という感情を持ちやすくなります。
自身の経歴・スキルをうまく説明できない
続いてよくある失敗パターンが、「自己PRで自分の経歴・スキルをうまく説明できない」ケースです。
社会人になってまだ数年のうちでは、「自分がこれまでどんな働き方をして、どのような知識・スキルを得たか」について、質問されたのちにパッと答えられる人は少ないでしょう。
その際に質問側がどう受け止めるかというと、「緊張してうまく答えられないのかな」ではなく、「話せるような経歴やスキルはまだないのかもしれない」と捉えてしまうことが多いです。
対策:面接での自己PRは、事前に「キャリアの棚卸し」を行っておくとうまく行きやすい
第二新卒となると前職での職務経験は長くても3年ほどとなりますが、たとえ経歴が浅かったとしてもその間に身につけた知識やスキルはあるはずです。
また、企業側もそのことについて知りたいと思っているものです。
企業側に身につけたスキルや経験についてしっかり伝えられるように、面接に臨む前に自身のこれまでの仕事内容やそこでの経験についてしっかり振り返っておきましょう。
また、その際はキャリアの棚卸しをすると、それまで気づかなかった自身の特性や強みを理解しやすくなります。
キャリアの棚卸しは、以下の手順で行います。
ステップ | キャリアの棚卸し例 |
---|---|
① これまで経験した業務 | Webアプリケーション開発、システム設計・実装、テスト・デバッグ、要件定義、クライアントとの打ち合わせ、技術サポート、パフォーマンスチューニング、ドキュメント作成、プログラムのリファクタリング、チームコラボレーション、バージョン管理(Git)、システム保守・運用、セキュリティ対策、コードレビュー |
② ①で得られた知識・スキル | プログラミングスキル(Java, Python, JavaScript等)、システム設計能力、デバッグスキル、問題解決能力、コミュニケーションスキル、プロジェクト管理、チームワーク、ドキュメント作成能力、セキュリティ知識、パフォーマンス最適化 |
③ ①・②を通じ、これからも続けていきたいこと | 最新技術の習得と活用(クラウドコンピューティング、AI技術など)、プロジェクトリーダーとしての経験積み上げ、技術ブログやオープンソースプロジェクトへの貢献 |
④ ①~③が活かせる仕事・働き方 | 最新技術を活用したWebアプリケーション開発プロジェクトのリーダー、AIやクラウド技術を活用したシステム設計と実装を担当、技術ブログやオープンソースプロジェクトを通じた技術コミュニティへの貢献 |
キャリアの棚卸しによって気付けた自身の強みは、書類選考や面接の場での「自己PR」により強い説得力を持たせてくれるでしょう。
キャリアの棚卸しの具体的な進め方は、以下記事で詳しく紹介しています。興味のある人はご確認ください。
数年後のキャリアについての見通しが立っていない
第二新卒エンジニアのよくある転職失敗パターンでは、「これから先のキャリアについての見通しが立っていないまま転職してしまう」というものもあります。
こちらは、書類選考や面接の場で起きる失敗というよりも、晴れて転職した後に「自分の求めていた職場は、ここではなかったかもしれない」と後から気付いて後悔するケースが多いです。
対策:転職前に、いちど「キャリアプラン」を立てておく
転職は「応募した企業から内定をもらったところで終わり」ではありません。むしろ新たなキャリアの一歩を踏み出す入社後こそが本番と考えるべきでしょう。
ひとくちに「エンジニア」と言ってもその業種は幅広く、自身がどのようなキャリアを歩んでいきたいのかによって応募すべき求人は変わります。
キャリアへのイメージがあいまいだと、本来自分が望んでいない仕事内容の求人に興味を持って応募してしまったり、転職後の職場で壁にぶつかったときに「そもそも今回の転職自体が失敗だったのかもしれない」と気持ちを挫けやすくなってしまうものです。
そうならないようにするためにも、「前職で培った知識やスキルをさらに伸ばして、●●の分野でのスペシャリストを目指したい」「1年後にはチームリーダーとして働きたい」など、自身の理想とするキャリアプランを立てておくようことをおすすめします。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランを立てる際、まず「キャリアの棚卸し」を行います。
キャリアの棚卸しで出てきた経験(または知識・スキル)をもとに、あなたが新天地でチャレンジしたい働き方をイメージし、そしてそれを実現するためにどんな行動が必要かを考えていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
3)第二新卒エンジニアの転職を成功するためのポイント4点
続いては、第二新卒エンジニアが実際の転職活動において選考通過の確度を高めるためのテクニックとしてのノウハウをお伝えします。
ポイントは以下の4点です。
「このポイントは、自分でも知っている」という個所も、いちどおさらいも兼ねてご確認ください。
今後のエンジニア人生を見据えた「転職の軸」を立てよう
第二新卒エンジニアの転職を成功させるためにまず持っておきたいのが、あなた自身の転職の軸です。
転職の軸とは、「転職活動において『必ず実現したい』と思える優先度の高い希望条件」のことです。
ITエンジニアの転職の軸は、以下の項目別に整理すると考えをまとめやすいでしょう。
整理する項目 | 例 |
---|---|
技術領域 | Webサービス、スマホアプリ、ゲーム、インフラ、セキュリティ、ビッグデータ など |
職種 | プログラマ、SE、PL、PM、ITコンサル など |
働き方 | システム会社で経験を積みたい、事業会社で自社サービスに携わりたい、研究開発に関わりたい、DX推進の課題解決に取り組みたい など |
待遇・条件 | 通勤可能エリア、希望条件(年収など)、リモートワークの有無、副業可の企業 など |
希望する「技術領域、職種、働き方、待遇・条件」を出してみて、その中から「特にこれは必ず実現したい」というものを転職の軸にします。
もし、「転職の軸のイメージがまったく湧いてこない」という場合は、もしかしたらまだ転職する時期ではないのかもしれません。
まずは、ITエンジニアとしてのあなたの望む未来像を育むところから、はじめてみてください。
「エンジニアにとって良い職場」を見極める企業研究を
第二新卒エンジニアの転職を成功するために、「エンジニアにとって良い職場」の見極め方を知っておくことも欠かせません。
たとえば、以下の点が見極めの重要なポイントになるでしょう。
そのほか、「エンジニアとして学べる環境は整っているか」、「既存社員のエンジニアで、活躍している人はいるか」なども併せてチェックしておくと、より迷いのない判断をしやすくなります。
これらを確認する作業を、企業研究といいます。
企業研究は、求人情報・企業HPはもちろんのこと、口コミサイトを参考にしたり、製品・サービスを実際に使ってみたりするのも有効です。
企業研究 見るべきポイント
企業研究をする際に、優先して見るべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、四季報、業界地図、競合他社のHPなど |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を確認する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | インタビュー記事、口コミサイトなど |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 企業HP、求人票など |
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働いてみたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得られれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
情報を収集したら、自分がやりたいことや今後のキャリアプランと応募先企業の事業内容との整合性が取れているか確認しましょう。大きくずれているようであれば、応募そのものを検討する必要があるかもしれません。
企業が目指す方向性と、自身が今後やりたいことが、同じ方向を向いていることが大切です。
職務経歴書が上手な第二新卒エンジニアは選考で大きく有利になる
第二新卒エンジニアがとくに選考で注力すべきは、職務経歴書でしょう。
その理由は、人気求人ほどとうぜん応募者は集まりやすく、書類選考で落とされるケースが多くなるからです。
加えて、第二新卒エンジニアは今回がはじめての転職になる人がほとんどでしょう。すでに転職経験のある20代後半~30代のエンジニアと比べて、作成する職務経歴書の品質面で差が出てしまう可能性もあります。
その一方、第二新卒の転職者が書類選考で好印象を勝ち取った場合、採用担当が受ける好印象の度合は大くなります。
また、職務経歴書をしっかり考えて作成することは面接での自己PRの事前演習としても役立ちます。
では、「職務経歴書をしっかり考えて作成する」とは、どのような行為になるのでしょうか。
いくつか例をもって説明します。
「印象に残る職務経歴書」作成のポイント
- Point1)最初の職務要約ですべてを語る
- Point2)緩急をつける
- Point3)企業毎に職務経歴書を書く
- Point4)定量的に書く
- Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに。
- Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
Point1)最初の職務要約ですべてを語る
採用担当はたくさんのレジュメに目を通すため、最初の職務要約しか見ない人もいます。逆にいうと、この部分は全員が見るということです。
そのため、「最初の職務要約ですべてを語る」くらいの気概で作成したほうが良いでしょう。
自分の強みが最初の数行でパッと分かるように表すなど、とにかくこの部分の品質に意識を集中して作成することが大切です。
Point2)緩急をつける
ある程度実務経験を持った人が陥りがちなミスが、「やってきたことを全部書いてしまう」ことです。
全部盛り込むと、強み(アピールポイント)が薄まってしまいます。
アピールすべきところとしなくてもいいところを分けて、しなくても良いところはバッサリ切る──、といったメリハリが大切です。
例えば総務部門を経験した転職者の場合、総務の幅広い業務範囲を全部書くとどうしても冗長になってしまいます。
例えば応募する企業の求人要件が「SE」で、あなたの職務経験がプログラマー3年、SE1年だった場合はどうアピールすのがよいでしょうか。
答えは、たとえ実務経験の期間が短かったとしてもSEの経験を優先的にアピールするべきです。
もちろん「自分はそのほかにもプログラマーとして活躍した」というアピールもありでしょうが、企業が知りたいのは、SEとして働くあなたの未来イメージです。
仕事内容を確認してその会社ではプログラミング業務はほとんどなさそうだと確認できる場合は、プログラミング経験は記載は軽く触れる程度に留めるなどの取捨選択を意識したほうがよいでしょう。
Point3)企業毎に職務経歴書を書く
職務経歴書は、基本応募企業毎に準備します。
テンプレートのようにひとつの職務経歴書を使いまわしていた場合、応募企業側はすぐにそれを見抜きます。
効果的な職務経歴書にしていくためにも、企業が募集しているポジションに合わせて書くことを意識すると良いでしょう。
イメージとしては、「60%は共通部分として、残り40%を企業毎にかき分ける」、「これまでやってきたことが20種類あったら、求人ポジションに合わせて12~3個に絞って、7~8個は削る」といった形で進めると良いと思います。
ポイントは、求人企業に対して「企業が求めているポジションと、自分の経歴がいかにフィットしているか」を伝えることです。
Point4)定量的に書く
よく言われることですが、職務経歴書は「定量的」に書くことが大切です。
例えば、「お客様に大変喜ばれた」といった表現は、第三者はその程度がわかりません。また、「主観的、感覚的にしか物事を捉えられていない」と評価されてしまうリスクもあります。
アピールする事柄は、なるべく「数値」に落とし込むことが大切です。
「売上や会員数、またはPV数などが何パーセント増えた」であったり、「結果として作業時間がこれだけ短縮できた」などの定量的な説明を意識すると良いでしょう。
Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに
プライベートでの活動(ボランティア)などは、書いても書かなくても、書類通過や採用にそこまで影響は無いと見たほうが良いでしょう。
他の候補者と比較検討になった際に、その人と甲乙つけがたいくらいの同評価だったら効果はあるかもしれませんが、その他ではあまり効果を期待しない方が良いと思います。
たまに、経営層の価値観とマッチしたなどのラッキーパンチもありますが、やや運要素の強いPRと言えます。
また、そうした副次的なPRをたくさん書いてしまうと、「仕事でアピールできないから、そこでアピールするのかな?」と思われてしまうリスクもあるでしょう。
Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く
レジュメ(職務経歴書)は、「企業へのラブレター」と思って書くと良いです。
例えば、気になっている異性に「私はたくさんのスキルと知識がある。だから付き合ってください」とラブレターを書く人はいないでしょう。
それよりも、「あなたはきっと、こういう人を求めていますよね。私はまさにそういう経験をしてきています。つきましては、私と付き合ってくれませんか」といった形でアプローチする方が成功確度を高められるはずです。
ポイントは、「相手を基点」にあなた自身のペルソナを作っていくこと、──つまり、「顧客視点」を持って職務経歴書を書いていくことです。
なお、第二新卒エンジニアの人は、プラスαで以下の観点も意識しておくとよいでしょう。
「こんなことを任せられそう」というイメージを持ってもらえる内容を意識する
たとえばプログラマーの場合、「どの言語をどれだけ知っているか」だけでなく「どれだけ手を動かせるか」を言語化(または可視化)することが大切です。
その企業が最も関心を持つ領域に対して、ポートフォリオで紹介する、GitHubにソースを載せて提示するなどの方法があります。
ポイントは、採用担当者または先輩エンジニアに「これができるんだったら、こんなことを任せられそうだ」というイメージを持ってもらうことです。
ポートフォリオやサンプルソースの準備は手間かもしれませんが、こうしたアクションをすることで確実にライバルから数歩差をつけられます。
第二新卒エンジニアの転職支援に強いエージェントを活用しよう
第二新卒エンジニアの転職は、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職活動の際には、多くの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。
ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。
上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の確度を高めていけるはずです。
ただし、転職エージェントは国内多くのサービスがあり、またどの担当者が付くかによってもサポートの提供のされ方が変わります。
あなたに合った転職エージェント(または担当アドバイザー)を見つけるためにも、はじめに2~3つのサービスに登録して、利用のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを比較しておくことをおすすめします。
ここまで紹介した、第二新卒エンジニアが転職成功に向けて取り組むべきアクション「キャリアプラン立て・企業研究・職務経歴書の作成」について、転職エージェントはすべてサポートしてくれます。
また、あなたの志向にあった求人を紹介してくれるので、ミスマッチ転職のリスクを少なくできるでしょう。
転職エージェントは、サービスによって紹介される求人は異なります。 また、担当者の相性によってやりやすさ・やりにくさが出ることもあるので、はじめに2~3のエージェントに登録して、使用感を見ながら自分に合うサービスに利用を絞っていくとよいでしょう。
具体的な転職エージェントサービスは、次章で詳しく紹介します。
4)第二新卒エンジニアの転職におすすめの転職エージェント
マイナビIT AGENT
マイナビ社が運営する、ITエンジニア転職に特化した転職エージェント。好条件求人の紹介、書類作成・面接準備へのサポートの手厚さに強みがあります。
マイナビIT AGENTは人材紹介会社の大手マイナビが運営する「IT/Webエンジニア専用」の転職支援をするエージェントです。
サポート対応地域は全国。オンラインでの面談も受け付けています。
マイナビIT AGENTの大きな特徴は、エンジニア向け求人数の豊富さ、そしてシステム会社から事業会社まで幅広い業界の求人に対応している点が挙げられます。
また、マイナビの転職サービスは「サポートの丁寧さ」にも定評があり、職歴書の作成や面接対策に不安を感じている人におすすめです。
マイナビIT AGENTのみで扱う「非公開求人」も多数。
エンジニアとしてさらなるステップアップを目指したい20代・第二新卒者におすすめです。
マイナビIT AGENTの評判と第二新卒エンジニアのおすすめ使い方
利用者からは「希望に合う条件の求人をじっくり探してくれた」「書類添削、面接対策のサポートが手厚かった」という評判が多く見られます。
また、同サービスは事業会社・自社開発系のアプリケーションエンジニア、インフラエンジニア、社内SEの求人が多い傾向があります。
これまでSIerやSESで働いてきた第二新卒エンジニアで、「今後は自社開発のエンジニアリングをしたい」という人にマイナビIT AGENTはフィットしやすいでしょう。
サービス登録時の「希望条件」に「ITエンジニアとしてどのような働き方をしたいか」をしっかり記載することで、担当エージェントがあなたの希望条件に合った求人を面談前に準備してくれるはずです。
マイナビIT AGENTの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京(2か所)、神奈川、北海道、宮城、愛知、大阪、京都、兵庫、福岡 |
ITエンジニアの公開求人数 | 約1.9万件(2024年7月現在) |
リクルートエージェント
ITエンジニア求人数は国内No.1!豊富な転職ノウハウと支援ツールで、「スピーディな転職」を実現できます。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
リクルートエージェントの強みは全業種・職種に対して豊富な求人数を持つこと、そして長年の実績で培われたノウハウ・転職支援ツールの充実さにあります。
全国の地域で対応が可能で、各都道府県の求人も豊富です。
エンジニア求人も約9.2万件(2024年7月現在)と全国トップレベルの数ですので、第二新卒エンジニア向けの求人を多く紹介してくれるはずです。
リクルートエージェントの評判と第二新卒エンジニアのおすすめ使い方
リクルートエージェントを利用した人たちからの評判・口コミでは、「スピーディな転職支援」「転職支援ツールが役立った」という声が目立ちます。
とくにWeb受講が可能の「面接力向上セミナー」を評価する人は多いです。
そのほかリクルートエージェントでは、志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」を用意してくれます。
さきにお伝えした第二新卒エンジニアの企業研究について難しさを感じた人は、レポート情報が大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとに第二新卒エンジニアの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
職務経歴書エディタ |
テンプレートや入力例に沿って、職務経歴書を半自動で作成できるサービス。作成後にWordファイルにダウンロードして利用することも可能。 |
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面接力向上セミナー |
企業が「採用したい」と思える面接の必勝法が学べるセミナー。参加者の99%が「満足」以上の回答。 現在(2024年7月)はLIVE配信(オンライン)で行われている。 |
リクルートエージェントの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
ITエンジニアの公開求人数 | 約9.2万件(2024年7月現在) |
レバテックキャリア
レバテックキャリアの担当エージェントは全員エンジニア経験者。「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上の高い実績を誇ります。
レバテックキャリアは「エンジニア実務経験者」のサポートに特化した転職エージェントサービスです。
保有求人数もIT・Web業界特化型サービスの中ではトップクラスで、かつエンジニアの専門知識を持つキャリアアドバイザーからサポートを受けられます。
「年収アップなど待遇面での改善をしたい」、「エンジニアとしてのキャリアプランを掘り下げたい」、「書類や面接で評価してもらえるようアドバイスを欲しい」という第二新卒エンジニアの人は、レバテックキャリアがおすすめです。
レバテックキャリアの評判と第二新卒エンジニアのおすすめ使い方
「担当エージェントの業界理解が深い」「希望にマッチする求人を紹介してくれた」という評価の多いエージェントです。レバテックキャリアは「AI」、「機械学習」、「クラウドエンジニア」、「ビッグデータ」、「FinTech」などのトレンド技術を扱う求人を多く抱えており、エンジニアとしてキャリア開拓を目指す人にフィットしやすいです。
レバテックキャリアの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京、神奈川、大阪、福岡 |
ITエンジニアの公開求人数 | 約2.5万件(2024年7月現在) |
doda
都市部・地方ともに豊富な求人と、担当からの積極的な提案が特徴。企業からのスカウトも多く、たくさんの求人に接していきたい人におすすめの転職エージェントです。
dodaは国内トップレベルの求人数と、担当アドバイザーから積極的な提案が評判の転職エージェントです。
エンジニアの公開求人は5万件以上(2024年7月現在)、都市部だけでなく地方での転職支援にも強いです。
また、dodaは求人を自分で探して応募する「転職サイト」と、求人紹介から企業への応募、日程調整までアドバイスしてもらえる「転職エージェント」両方のサービスを利用できます。
「まずは自分でじっくりエンジニア求人をチェックしたい」という人は転職サイトのサービスを利用するとよいでしょう。
その後「応募や企業への交渉についてサポートしてほしい」となったときにエージェントサービスを利用する、という使い方もできます。
dodaの評判と第二新卒エンジニアのおすすめ使い方
dodaを利用したITエンジニアからは、「企業からのスカウトが多い」という口コミが多く見られます。実際、dodaでは「ダイレクト・リクルーティングサービス」という仕組みを取っており、そのため企業から熱意あるスカウトメールが届きやすいです。
dodaに登録すれば、「自分が今どんな企業から関心を持たれているか」について、スカウトメールの傾向から確認できるでしょう。
近年、若手エンジニアを求める企業は増してきています。
doda登録の際に併せて入力するWeb職歴フォームに自身の希望条件もしっかり記載しておけば、希望にマッチする企業からのスカウトが届きやすくなるでしょう。
dodaの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、広島、福岡 |
ITエンジニアの公開求人数 | 約5.5万件(2024年7月現在) |
マイナビジョブ20’s
第二新卒・フリーターへの転職支援に特化したサービス。求人の7割が「未経験OK」なので、プログラマーへのジョブチェンジにもおすすめです!
マイナビジョブ20’sは若手社会人に特化した転職サービスです。
今回が初めての転職という人や、社会人としての経験が浅い第二新卒・既卒の人におすすめのサービスです。
社会人経験の浅い人や未経験者向けの求人が充実しており、今回が初めての転職という人も、「経験が浅い」「社会人経験が短い」ことを理由に転職支援を断られることはありません。
マイナビジョブ20’sの評判と第二新卒エンジニアのおすすめ使い方
サポートの丁寧さについて、高評価が非常に多く見られる転職エージェントです。
担当エージェントのサポート品質を重視する第二新卒エンジニアに、おすすめのサービスといえます。
また、マイナビジョブ20’sはTechCareerというITエンジニア専門のサポートチームがあり、ここでは「エンジニアとしてできることがない」「スキルがない」と不安を感じている人でも、入社後のポテンシャルを見込んで 採用する求人を紹介してもらえます。
マイナビジョブ20’sの特徴 |
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サービス対応地域 | 東京・神奈川・札幌・大阪・愛知 |
ITエンジニアの公開求人数 | 約750件(2024年7月現在) |
とくに多い職種 | Webアプリケーションエンジニア|フロントエンジニア|社内SE|サーバーサイドエンジニア|データベースエンジニア|機械設定技術者|プログラマー・SEなど |
えーかおキャリア
東京・大阪で実務未経験でエンジニア志望の人に。マンツーマンの丁寧な支援で、スピーディに活動を進められます。
えーかおキャリアは「20代の可能性を広げる」をコンセプトに、就職・転職支援をするエージェントサービスです。
20代で就労経験が浅い人に対して、求人紹介や選考対策などのサポートを行っています。
サービスへ登録後は一人ひとりに担当カウンセラーがつき、マンツーマンでキャリア相談や面接対策などをしてくれます。
エンジニア向け求人も取り揃えているため、「エンジニアリングの知識はあるけど、実務経験がないから不安」という人には特におすすめのサービスといえます。
えーかおキャリアの評判と第二新卒エンジニアのおすすめ使い方
えーかおキャリアは、とくに実務経験の浅い若手社会人から高評価を得ることが多いです。
IT開発の実務経験がまだ浅い第二新卒エンジニアは、サポートがフィットしやすいでしょう。
えーかおキャリアの活用メリットは、マンツーマン指導による入念な支援にあるでしょう。
利用者の内定獲得率81%、入社1年後の定着率97%という高い水準からも、サポート品質の丁寧さがうかがわれます。
また、サポート開始から内定までがスピーディに進むのも特徴で、早い人では2週間で内定を獲得できるといいます。
初めての就職・転職活動をしっかりサポートしてもらいたい人、なるべく早く内定を獲得したい人に、えーかおキャリアはおすすめです。
えーかおキャリアの特徴 |
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サービス対応地域 | 東京・大阪 近郊 |
拠点 | 東京、大阪 |
ITエンジニアの公開求人数 | 非公開 |
まとめ)第二新卒エンジニアの「前向きな転職」は積極的に行おう
近年では「第二新卒」へのイメージも変わってきており、キャリアやスキルアップを目標に転職をすることについて企業側も前向きに対応してくれるケースも増えています。
そして一番大切なのは、エンジニアとして数年後自分がどのような働き方をしていたいかという目標を持っておくことです。
変化の著しいIT業界において「さらに上」を目指すエンジニアの皆さんへ、今回の記事がお役に立てたなら幸いです。