40代のシステム管理部門の転職体験談|安定した働き方を求めての転職だったけれど。
転職前
- 職業
- システム開発会社
- 職種
- SE
- 従業員規模
- 420名
- 年収
- 480万円
転職後
- 職業
- ITベンチャー(金融系)
- 職種
- システム管理部責任者
- 従業員規模
- 45名
- 年収
- 430万円
目次
リョーサンさんの転職ストーリー
1これまでの私
プログラマーで10年、SEで10年。
システム開発会社に新卒入社してプログラマーとして働いていました。
プログラマーとして働いて10年が経って人事から「プログラマーの給与レンジとして、上限に達しました」と言われて、それからはSE(システムエンジニア)へ転向。
それから、また10年の歳月が経過しました。
参考:システム開発会社におけるプログラマーとSEの仕事の違い
項目 | プログラマー | システムエンジニア(SE) |
---|---|---|
主な役割 | コードを書くこと | システムの設計・要件定義 |
具体的な業務 |
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必要なスキル |
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関与するプロジェクトフェーズ | 開発・テストフェーズ | 要件定義・設計・管理フェーズ |
キャリアパス |
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その間に結婚して家庭を持つようになって、気づけば子供が小学校へ入学する歳になって。
子供の目まぐるしい成長にあてられて、私自身も「これから定年までのキャリア形成をどうしようか」と悩むようになりました。
私の趣味は、数学とキャンプです。
「数学が趣味」というと、たいていは周りから怪訝な顔をされます。
そういえば、「博士を愛した数式」という映画がありましたよね。私はあの博士ほど優れた知能は持ち合わせていませんが、「数学を好きな気持ち」が非常によく現れています。
いい映画なので、ぜひ観ておくことをおすすめします。
──話がそれましたが、さすがに家庭で「数学を趣味に楽しもう」とはなりませんので、最近は子供と一緒に遊べるよう、トレッキングを新たに趣味にしようと頑張っています。
2転職のきっかけ
私が望んでいた「安定した働き方」。
プログラマー上がりのSEとして、40歳になったころは1チームを任されるシステム管理者としての役割を持つようになりました。
しかし、会社の事業方針の転換期に差し掛かり、業務内容の一部がインドへ外注されることになったのです。
それがキッカケで、私は「海外赴任有りの営業職に近いエンジニア(つまり、セールスエンジニア)」を打診されました。
参考:セールスエンジニアの仕事内容
項目 | セールスエンジニア |
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主な役割 | 技術的な知識を活用して、製品やサービスの販売支援を行う |
具体的な業務 |
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必要なスキル |
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関与するプロセス |
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キャリアパス |
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当時の会社は関東地域にしか支社が存在しておらず、私も家庭がありましたので「異動の可能性が少ないこと」を重視していました。
ですが、営業職への社内異動となるならば話は全く変わります。
単身赴任についても、子供の成長をしっかり見守りたい私にとってその選択肢はありませんでした。
単に異動を断って済ますべきかとも考えましたが、こうした事業転換の背景には会社の業績不振があったのです。
このままSEで居座ったとしても、安定した働き方は難しいだろう。それどころか、リストラの可能性を否定できない──。
そう考え、私は「転職すべきだろう」という判断に至りました。
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3転職活動中
目指したのは、ITベンチャーのシステム管理部門
転職活動を始めるにあたって、妻から受けたリクエストは、
- 妻
-
「通勤時間が今より遅くならないこと。それだったら、年収は今から15%程度くらいなら落ちても問題ない。」
ということでした。
さっそく私は、複数の転職エージェントへ相談に向かうことにしました。
転職サイトの求人もチェックしましたが、あまり良い条件の求人を見つけられなかったのです。
そこで、「非公開求人から探すしかないだろう」と考えました。
非公開求人とは
非公開求人とは、転職サイトやハローワークといった求人媒体には掲載されていない求人のことを指します。
一般的な求人と比べて好待遇・好条件のものが多い傾向にあります。 また、これらの非公開求人は転職エージェントを介して紹介されます。
利用したエージェントは、レバテックキャリアとワークポート。
ただし、レバテックキャリアは現職との取引もあったので、ワークポートを中心に利用することにしました。
「ワークポートはITベンチャーに強い」という評判は知っていましたし、私自身もITベンチャーのシステム管理部門のポジションなら即戦力となれる自信がありました。
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4転職後
任されたポジションは、SE兼システム管理部門の責任者
新しい職場の私のポジションは、新設されるシステム管理部門の責任者。
ITベンチャーへの転職でしたので、エンジニアリングとのパフォーマンスと組織体制構築の両輪への働きかけが求められたわけです。
参考:システム管理部門の責任者の主な仕事内容
項目 | システム管理部門の責任者 |
---|---|
主な役割 | 企業のITインフラを管理し、システムの運用・保守を統括する |
具体的な業務 |
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必要なスキル |
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関与するプロセス |
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キャリアパス |
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初出社時には、役員以下が迎えてくれました。
そこに、大学時代の先輩と後輩がいたのには驚きました。
2人は営業担当と経理担当でしたので、事業展開や新設部署の人員選びについて彼らから相談できたのは幸運でした。
ですが、実際の仕事はかなりハードでした。
「過去5年間ずっと赤字、今年ようやく黒字化」といったITベンチャーならではの忙しなさを乗り切るためには、機動力を活かす必要がありました。
苦労したことは、営業担当が受注したシステム開発案件を、要件定義したあとに共有することでした。
営業に関わる人たちはシステムへの知識がまだ浅く、「どこまでわかっていて、どこからわからないのか」を探るのに一苦労でした。
数千万円分のシステム構築が必要とされる案件に対して営業部が800万円で受注してきた時は、経理部と一緒に営業部へ乗り込んだこともありました。
5その後、どうなったか。
「システム開発」と「システム運用保守」の働き方の違い
システムを新たに構築するのは「システム開発」。そしてそのシステムの平常稼働をサポートするのが「システム保守運用」です。
これまで、これらはシステム開発会社の社内人員が一貫して請け負うのが通常でした。
その傾向は今も変わらずですが、近年はグローバル化と通信回線が高速化されたことにより、保守管理の大半を海外の人件費が安い国へ委託するケースが増えています。
つまり、前職で私が目のあたりにしていた「外部に委託できるところは委託する」という動きは、どの会社でも起きていることだったのです。
それを、私は新しい会社で業務をしていくなかで知りました。
参考:「システム開発」と「システム運用保守」の違い
項目 | システム開発 | システム運用保守 |
---|---|---|
概要 | 新しいシステムを設計・構築するプロセス | 既存システムの平常稼働をサポートし、問題が発生した際に対応するプロセス |
主な作業内容 |
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通常の担当者 | システムエンジニア(SE)、プログラマー | 運用保守エンジニア、サポートスタッフ |
業務形態の変化 | 社内人員が担当することが多い | 近年は外部受託するケースが増えている |
どの会社にいようと、「一生安泰」ということはないのでしょう。
安定した働き方を守っていくためには、常に改善と創意工夫、そして少しばかりの独自性を持って、案件に関わっていく必要があります。
もう少し見方を変えれば、「完全オーダーメイド」の顧客と対話型で構築していくシステムも有効でしょう。
マニュアル化が簡単な業務は競合他社との価格競争に晒されやすく、一方で「その顧客の課題解決に沿った、唯一のシステム」ならば安定した取引を継続できます。
私自身がそうした提案と具体的なソリューションを提供できる限りは、これから先50代以降になっても即戦力かつ安定したポジションでの転職は可能でしょう。──そのための努力は大変ではありますが。
営業担当者とシステム開発部門の連携は取れていても、システム管理部門との連携が取れていない会社が多いことを知りました。
安定した利益を挙げるためには営業担当者にも一定のシステムについて理解を進めてもらう必要性を実感しています。
そこで最近考えていることは、システム管理部門に強い営業担当者を自ら育ててみようということです。
ITベンチャー企業の強みの一つに、「少人数だからこそ1人で複数の担当を持つことができる」ことがあります。
部署の垣根を越えてパフォーマンスを発揮できるスタッフがひとりでも多くなれば、会社の成長も一段と速まるでしょう。
今はその提案書の作成をしているところです。
発端は、「自分自身が安定して働ける職場環境」でした。
どうやってそれを手に入れるかを考えていくうちに、組織の発展に繋がっていく。
今は、とてもよい流れで仕事ができていると思います。
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