何でも言うことを聞いてくれていた夫が、私に厳しい表情を見せた日|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 会社員
- 職種
- 経理
- 従業員規模
- 500名
- 年収
- 500万円
転職後
- 職業
- 会社員
- 職種
- 経理
- 従業員規模
- 50名
- 年収
- 400万円
目次
たぬきさんの転職ストーリー
1これまでの私
「仕事だから、しょうがない。」
転職をしたのは、2020年の1月頃。──ちょうど、コロナ禍が深刻になる数ヵ月前です。
当時も今も、夫と2人の共働きでした。
仕事が忙しかったのは、私の方でした。
残業があまりにも多い職場でしたので、家事のほとんどを夫にしてもらっている状態でした。
私はもともと仕事に熱中してしまうタイプでしたので、その分人よりも苦労を背負いこんでしまうところがあったと思います。
ただ、家事もできないくらいの忙しい働き方をするようになったのは、5年前に課長職についてからでした。
いつのまにか、常にある膨大な業務に身動きが取れなくなってしまっていた。そして、「仕事だから、しょうがない」と自分で思い込むようにしていた。
──それが、当時の私でした。
2転職のきっかけ
夫が仕事と家事で疲弊していく姿を見て。
転職の話の前に、夫のことを話しておこうと思います。
夫と出会ったのは、私が28歳の頃。夫は私より2歳下でした。
仕事の関係で知り合って、何度目かのミーティングで夫が「このあとお昼ご一緒しませんか」と誘ってきて。
それから、なんとなくメールや電話でのやり取りが多くなって、次第に付き合うようになって。
私が30歳になったとき、結婚をしました。
夫は、よく言えばとても気立てのいい人間でした。
どんなときも、相手を立てようとしてくれます。
一方で、イニシアティブを取って相手──例えば私を、ぐいぐい引っ張っていくのは苦手でした。
仕事もそんな感じだったようで、お互いの仕事の話になると夫はよく私に「よくそんなに積極的に動けるね。俺には無理だな」ということを言っていました。
だから、夫より私の方が仕事が忙しくなるのは、自然の成り行きだったのかもしれません。
でも、たとえそれが自然であったとしても、周囲の人間からはそう見えなかったのでしょう。
義姉からはよく「あなたがもっと家事をやるべきだ」ということを遠回しに言われました(夫は告げ口するタイプではなかったのですが、私たち夫婦の状況を察していたのだと思います)。
私の両親もよく、「30歳を過ぎたら働き方を変えないと」と言いました。
(何も知らない他人が、なぜそうやって口を挟むのか)と思ったものです。
でも、自分でも分かっていました。
自分の仕事で家族に迷惑をかけてしまうのは、正しいことではないのだろう──と。
また、夫も夫で、段々と仕事が忙しくなってきて。
「仕事はノートPCで家に持ち帰れるから」ということで、早めに帰宅して変わらず家事をしてくれていたのですが、明らかに家事が負担になってきているようで、何日も夕飯がスーパーのお弁当の日が続いたり、洗濯機を回したまま寝てしまっていたり。
あるとき、私は夫に「もっと私に家事をやってほしいとか、リクエストはないの?」と尋ねました。
すると夫はこう応えました。
- 夫
-
「家事はそんなに嫌いじゃない。たしかに、疲れたなと思うことはあるけど。──それよりも、2人の生活がもっと充実するといいと思ってるよ」
優しい言葉とは裏腹に、そのときの夫はすこし厳しい表情をしていました。
──それが、私が「今の働き方を変えないといけない」と決断したきっかけでした。
夫は直接私を責めることはしませんでしたが、「家事云々よりも、君が今蔑ろにしている、もっと大事なことがあるだろう」と諫めたのです。
夫がそのようなことを言うのは、とても珍しいことでした。
3転職活動中
今より年収が下がっても、構わない。
2019年の暮れ、私は当時の会社を退職しました。
12月いっぱいは引継ぎに追われる日々でした。
有給は殆ど消化できない状況でしたが、会社の厚意で退職金代わりにとお金に変えていただきました。
そして、年が明けたらすぐに転職活動です。
私が転職の条件としたのが、「定時で帰れる職場」ということ。
求人は、ハローワークで探しました。
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ハローワークで良い求人が見つからなければば転職エージェントも利用しようとも考えたのですが、意外にもハローワークの担当さんはすぐにいくつかの求人を紹介してくれました。
おそらく、「今よりも年収が下がっても構わない」の一言が効いたのだと思います。
そして、幸運なことに最初に応募したITベンチャー企業の経理の求人企業から、面接後に採用の連絡をいただきました。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
転職前は従業員500名ほどの規模の会社でしたが、新しい職場は従業員50名の、ワンフロアの会社です。
役員の方々も同じフロアにいることに最初は戸惑いました。
また、物理的な距離感のほかに、いわゆるプライベートスペースと言うんでしょうか、同僚の方がプライベートのことを根掘り葉掘り聞いてくるのにもかなりカルチャーショックを受けました。
夫はどんな人か、今はどんな生活をしているのかなど、色々と細かいことを聞いてくる人がいます(もちろん、全員ではありませんが)。
特にビックリしたのは、「旦那さんの年収はいくらなの?」と直接聞かれたことです。
よくいえばフレンドリーな職場なのでしょうが、正直かなり面喰らいました。
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業務自体は前職と比べてそこまで難易度の高いものはなく、3週間ほどで大体のことはキャッチアップできたので良かったです。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
転職して、半年が経ちました。
新しい職場では残業がほぼありませんので、今は私も平日の家事を行っています。
それでようやく気付けたことは、仕事と家事の両立の、大変さでした。
今まで文句いわず夫がやってくれていたことには、感謝しかありません。
夫が私に伝えたことは「家事を分担しよう」ではなく、「夫婦の生活をもっと充実していこう」でしたが、まずは行動で示していければと思っています。
転職して改めて思ったのは、私は仕事に責任感や達成感を求めていたということです。
今現在の業務はルーティーンのものが多く、それは楽ではあるのですがもう少しやりがいがほしいと思うこともあります。
仕事でやりがいを得るということは、責任を持つことにもなりますので、いずれは役職も目指していきたいです。
役職に就いても、自分の時間までを切り売りしてしまうような働き方ではなく、効率化を意識した働き方ができればと思っています。
まだ転職して1年も経っていませんので、まだまだ覚えられることもたくさんありますし、人間関係でも上手く立ち回らなければならないことも度々あります。
焦らず、少しずつ認めてもらえるように、頑張っていきたいと思っています。
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