転職したけど、思ってたのと違う…新たな職場の違和感を乗り切るには?
[最終更新日]2024/05/26
転職した直後は、毎日が新たな挑戦の連続です。一日でも早く職場に慣れ、仕事を覚えようとするはずです。
ところが、「転職しなければよかった」「新しい職場は思ってたのと違う」といった後悔を抱きやすいのも、転職した直後から数ヶ月間の時期が最も多いと言われています。
目次
1)転職したものの、新たな職場で直面しやすい違和感とは?
とくに転職が初めての場合、以前の職場で当たり前だったことが通用しなかったり、聞いたこともない慣習に触れて驚いたりすることは多いでしょう。
会社にはそれほどにさまざまなタイプがあり、社風や文化も千差万別なのです。
新たな職場で直面する違和感にもさまざまなパターンが考えられますが、ここでは代表的な3つのパターンに絞ってシミュレーションしていきましょう。
パターン①:社風や企業文化に関するもの
おそらく最も多いのがこのパターンでしょう。
会社にはそれぞれ特有の企業文化があります。長く勤めている社員にとってはごく普通のことでも、新たに入ってきた人から見ると異様に映るかもしれません。
とくに「時代遅れ」と感じることに関しては、カルチャーショックを受ける可能性があります。
- 慣習(社訓を読み上げる朝礼など)
- 人材育成に対する考え方(仕事は見て覚えるものとされ、教えないなど)
- 暗黙のルール(始業〇分前には自席についているのが常識、など)
パターン②:仕事の進め方や自身の評価に関するもの
仕事の進め方についても、会社が変われば進め方も変わることがほとんどです。異業種に転職すれば、これまで経験したことのない習慣に戸惑うこともあるかもしれません。
- 営業のスタンスや顧客に対する考え方(売り方が強引に思える、など)
- 仕事の進め方が官僚的・事務的(無駄に思える書類が多い、など)
- 独特な社内用語や業界用語
- 自分の能力が適切に評価されていないと感じる
こうした食い違いは、多かれ少なかれ大半の転職者が経験することとして想定しておいたほうがいいでしょう。
パターン③:人間関係に関するもの
転職して直面する違和感の中でも、特にやっかいなのが人間関係です。
入社して配属されてみないと、どのような人たちと一緒に働くことになるのか分からないケースがほとんどですので、事前に察知するのも難しいからです。
- 社内の空気が重い、暗い
- 社員間の関係性がドライ(隣の席の人にメールで連絡するなど)
- 社内政治や派閥、グループによる足の引っ張り合い
2)そもそも、「転職先の職場の違和感」はなくしていくべきなのか
転職者が持つ違和感には、次の2つの種類があると言えるでしょう。
- 自分の常識や倫理観と異なることからの不快感や嫌悪感
- 自分はこの場所にふさわしいのかという不安や疎外感
これらの「違和感」は、無くしていくべきものなのでしょうか。
違和感は、新たな変化・創造を生み出す際には必要なもの
違和感の正体は、「価値観やものの見方の違い」です。
企業文化や仕事の進め方、人間関係などは、すでにその会社で長きにわたって築かれてきたものであるため、新しくその環境に参入した人が違和感を持つのは、ある意味当然のこととも言えます。
また、元からその環境にいる人は、あなたの持った違和感に気づきにくいでしょう。
一方で、違和感は新たな変化・創造を生み出す際にも役立ちます。
違和感を「より良い方向に変えていこう」という働きかけに変えることによって、仕事を効率的に進めるための新たな取り組みになったり、より良い人間関係が築かれるきっかけになることもあります。
つまり、あなたが現在持っている違和感は、その職場にとってポジティブなものになるかもしれないのです。
しかし、そうした変化は一朝一夕に進むことはなく、相応の時間がかかるはずです。
その違和感についてすぐに何らかの結論を下すのではなく、いちど「なぜ自分はそれを感じるのか」、「この先、どうなっていきたいか」、「自分はどんな働きかけがあるといいか」を、じっくり考えてみるとよいでしょう。
違和感を持った時に「やってはいけない」行動・言動は?
違和感を持った時に、やっていけない行動・言動があります。
- 以前の職場と比較する。とくに、前職の良かった面と引き比べる
- 理由や経緯を知らずに進言する(こうしたほうが良い、と意見を述べるなど)
- 周囲に愚痴をこぼす
あなたにとって異質に感じられる価値観や慣習でも、すでにそこで働いている人たちにとっては「慣れ親しんできたもの」であることに変わりはありません。
そのため、上記のような行動・言動は、「転職してきたばかりの人が、この職場のことを批判している」「まだ何も知らない人に否定された」など、周囲のネガティブな印象に繋がってしまう可能性があります。
たとえ違和感を抱いたとしても、すぐにそれを発信するのではなく、「誰がどのような考えで仕事をしているのか」「周囲の人の性格はどうであるか」といった経緯を知ることから始めましょう。
4)新たな職場で直面する違和感を乗り切るための4つのコツ
せっかく転職したにもかかわらず、「何となく違和感がある」という理由ですぐに見切りをつけてしまうのはあまりにももったいないことです。
その上で、どうしたら違和感を乗り切っていけるかを考えるほうが、結果的に良い方向へと進む可能性が高そうです。新たな職場で直面する違和感を乗り切るための4つのコツをご紹介します。
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
新たな職場の「良い面」や「転職したメリット」に目を向けてみる
違和感を抱くということは、多かれ少なかれ新たな環境に疑問や不満を感じているということの表れです。悪い点が気になり始めると、「他にもこんなおかしなところがある」と不満の連鎖が起きやすくなります。
しかし、新しい環境は本当に悪いことばかりなのでしょうか。多少無理にでも、意識的に「良い面」に目を向けるようにし、「でもこんな良いところもある」という視点を持つことでバランスを保つことが大切です。
また、そもそも前職を退職した理由やその職場を選んだ理由を思い出し、「転職したことでどのようなメリットを得られそうか」というポジティブなイメージを持つのも効果的です。気持ちを前向きにするよう努めることで、不思議と良い面が本当に見えてくることもあるのです。
味方になってくれそうな同僚を見つける
違和感がネガティブな感情に繋がりやすい理由の1つに、「相談する相手がいないこと」が挙げられます。
社内に相談相手を持つことで、以下のようなメリットがあります。
- 職場での振る舞いや仕事の進め方についてアドバイスをもらえる
- より広い視野で職場や仕事を見れて、「新たな気づき」の機会になる
- コミュニケーションの機会が増えることで安心感につながる
入社してから数か月は、周囲も「わからないことはあって当然」と好意的に受け入れてくれるはずです。
たとえば社内に中途採用で入社した経験を持つ同僚や、年齢が近い同僚がいれば、比較的話もしやすいはずです。気軽に会話を交わす関係になっていけるように努めてみましょう。
相談相手を通し以前よりも広い視野で新しい職場を見られるようになれば、自分が感じていた違和感は「取るに足らないことだった」と思えるかもしれません。
上司との面談の機会をなるべく多く取ってもらう
新卒社員であれば、定期的に上司との個別面談の機会が設けられていることも多いですが、中途採用者の場合、それらが手薄なケースもあります。
業務の進め方や職場の雰囲気について話せずモヤモヤを抱えたままになってしまうと、新しい環境に馴染むのも相応に時間がかかってしまうでしょう。
そこで、「週に1度、定期面談の時間を設けていただけないでしょうか?」など、自分から上司へ提案してみると良いでしょう。
入社してから感じている違和感について、上司から適切な進言をもらえる可能性があります。また、上司との関係性を深めておくことで、いざという時に自分の意見を伝えやすくなるといったメリットもあります。
違和感が拭えず大きくなるようなら、「いつでも転職できる」状態にしておく
ここまでの対策をもってしても違和感が拭えず更に大きくなるようでしたら、次の策を講じておくべきでしょう。すなわち、「いつでも転職できる状態にしておく」ことです。
また、違和感の原因が上司や同僚からのパワハラ・モラハラによるものであった場合も、早めに次の職場に移るための準備に取り掛かった方がよいです。
我慢しつづけた結果、あなたの心身に不調をきたしてしまう恐れもあるからです。
具体的には、以下の行動を取っておくとよいでしょう。
少しずつ、社外の人脈を充実させていく
転職のきっかけを、「社外の人とのコミュニケーションで得られた」という人は多いです。
実際、転職先を決める人のおおよそ4人に1人は「知人の伝手(つて)・縁故」によるといいます(※)。
転職の相談や情報収集に役立つこともあるでしょう。
「人脈を充実」というと新しい出会いをイメージしがちですが、「これまで出会ってきた人たちとの関係の再構築」も含まれます。
たとえば以前お世話になってしばらく会っていない前職の上司や同僚と一度じっくり話す機会を持つのはどうでしょうか。
最近連絡を取っていなかったプライベートの友人にコンタクトを取ってみるのも良いと思います。
もちろん、新しい出会いを求めての行動もありでしょう。
facebookやLinkedInなどのSNSツールを使用して気になるコミュニティやグループに入る、オフラインの集まりに参加するなど、取れる行動はいくつもあると思います。
とはいえ、「この人と付き合うと得しそうだから・自分の利益に繋がりそうだから」という打算が強いと、たいていその人脈は長続きしないものです。
逆に普段から「相手の人の役に立ちたい」と思って大切な人との繋がりを大切にして入れば、人生はより充実するでしょうし、あなたの視野の広がりやビジネス・転職のチャンスに繋がることも多いでしょう。
※ 『40歳からの「転職格差」まだ間に合う人、もう手遅れな人』(黒田 真行著 PHPビジネス新書)の第一章「図3 日本の転職マーケットの概観(正社員のみ)」を参考
「転職支援のプロ」に相談する機会をふんだんに持っておく
「転職した方がよいかもしれない」と考えた時点で、いちど専門家への相談の機会を持っておくことをおすすめします。
転職の専門家と言えば、キャリアコンサルタント、ヘッドハンター、転職エージェント、それからハローワークの相談員などが挙げられます。
キャリアコンサルタントへの相談は有料になることが多いですが、ハローワークや転職エージェントへの相談は基本無料で行えます。
これまでの転職支援経験と実績から、現時点のあなたにとって最適なキャリアプランや転職のタイミングを提示してくれることもあるでしょう。
たとえば転職サイト「リクルートダイレクトスカウト」では、サービス無料登録後に約4,500名のヘッドハンターの中から「この人にキャリア相談したい」というヘッドハンターに自分で選んで相談できます。
また、具体的に転職時期が決まっていない場合もキャリア相談を受け付けている転職エージェントも多くあります。
例えば以下に紹介する転職エージェントでは、公式サイト上で「転職時期が決まっていな人もサポート可能」と明記されており、在職中からのじっくり転職に向いています。
「転職時期が決まっていな人もサポート可能」と公式サイト上で明記している主な転職エージェント
サービス名 | リクルートエージェント | マイナビエージェント | パソナキャリア | LHH転職エージェント | ヒューレックス |
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メリット |
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デメリット |
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保有求人数 | 約40万件 | 約5.8万件 | 約3.6万件 | 約2.9万件 | 約2.4万件 |
得意業界/職種 | 全業界・職種 | IT・通信、メーカー、介護など | 製造、IT・通信、不動産など | IT、メーカー、金融など | 営業職、技術職、ITエンジニアなど |
対応拠点 | ◎全国 | ◎全国 | ◎全国 | 関東・関西・東海 | 宮城・東京・愛知・大阪・福岡・沖縄 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年5月時点のものです。
「転職サイトや転職エージェントは、求人応募を勧められそうで気が引ける」という人は、ハローワークの相談員またはタイムチケットやココナラといったスキルシェアサービスでキャリアコンサルタントを探すという手もあります。
日本ではこれまで終身雇用制の働き方が主流であったこともあり、こうしたキャリア相談はあまり身近に感じられないかもしれません。
ですが、欧米・とくにアメリカでは自分のキャリアについてヘッドハンターなどに相談するのは日常よく見られる行為です。
転職に対しての不安を可能な限り解消しておくためにも、転職の専門家とのキャリア相談の機会はふんだんに持っておくとよいでしょう。
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定期的に「職務経歴書」をアップデートする
「いつでも転職できる状態にしておく」ための行動としてぜひやっておきたいのが、定期的に職務経歴書をアップデートすることです。
要は、数ヵ月おきに自分の職歴を振り返り、そこで新たに得た気づきやキャリアへの考え方を言語化しておくのです。
試してみると分かりますが、求人応募を差し迫っての職務経歴書作成と、「いつでも転職できる状態」にするための職務経歴書作成は書く時の感覚が大分違います。
後者は書類提出の期限がないこともありじっくり取り組みやすく、それによってキャリアの棚卸しやキャリアプランの再構築も兼ねやすいです。
また、職務経歴書を最新のものにしておくと、いざ転職活動を本格的に指導することになったときもスムーズです。
次の転職の成功確度を最大限高めていくためにも、ぜひ取り組んでみてください。
参考:職務経歴書の見本・テンプレート紹介記事
「職務経歴書」の活用目的と作成する際の進め方・ポイント そもそもの、「職務経歴書」の活用目的と、はじめて職務経歴書を作成する際の進め方・ポイントを紹介しています。 | |
職務経歴書の書き方・見本 職務経歴書の目的・効果的な書き方と、タイプ別の見本・テンプレートを紹介しています。 | |
ITエンジニアの方向けの職務経歴書の書き方・見本 職務経歴書の目的・効果的な書き方と、見本・テンプレートを紹介しています。 | |
ハイクラス・エグゼクティブ転職の際の職務経歴書の書き方・見本 職務経歴書の目的・効果的な書き方と、見本・テンプレートを紹介しています。 |
4)「転職後の違和感」を感じた人の体験談
この章では、実際に「転職後の違和感」を感じたことのある人が、どのようにしてその違和感と向き合ったのかを見ていきましょう。
1つめは、ベンチャー企業から老舗企業へと転職したSさんの事例です。比較的新しく歴史の浅い会社から長く続いている会社へ転職した場合、仕事の進め方が非効率的に見えたり、昭和時代を彷彿とさせる仕事のやり方に戸惑ったりすることも考えられます。
まさしくそのパターンだったSさんは、どのようにその状況を乗り切ろうとしたのでしょうか。
事例① 歴史の長い企業へ転職。そこで見た現実は・・・
業界屈指の老舗企業へ転職。入社初日からカルチャーショックの連続!
入社初日、Sさんは直属の上司であるT部長に連れられ、挨拶のため役員室へと向かいました。
- T部長
-
「ああ、よろしく。それで、君はゴルフはやるのかい?」
挨拶もそこそこに、F常務はゴルフ談義を始めました。そして、Sさんがゴルフをやらないと知ると、みるみる不服そうな表情へと変わったのです。
- T部長
-
「あのさ、やりません、の一点張りで通さなくてもいいんじゃない? 打ちっぱなし練習場に行くなり、練習方法はあるでしょうが・・・」
──新しい職場で、Sさんが上司から最初に注意を受けたことは、「ゴルフをやりたいと言わなかったこと」でした。
Sさんは、もともと社内SEとして老舗の出版社に採用されました。
これからは出版物以外の媒体もリリースしたいという社の方針と、Sさんの経歴やスキルが評価された結果、採用されたものとSさんは捉えていました。
すぐに企画やプレゼンに邁進する日々が始まると思っていたSさんにとって、「ゴルフをするかどうかで何かを判断される」のは衝撃的な出来事でした。
社内SEとして採用されたのはSさんが初めてだったため、まずは「SEとはどんな仕事か」を社員の方々に理解してもらわなくてはなりません。
ところが、「パソコンの調子が悪いんだけど、見てくれる?君の専門分野でしょ?」と、サポートデスクのように扱われることは日常茶飯事。
集中してコードを書いている時に、お構いなしに世間話をしてくる人もいます。タイムカードの記録を手書きで書類に書き写し、総務課がそれをエクセルで集計する、といった無駄が多すぎる勤怠管理。
Sさんにとってカルチャーショックの連続で、「ひどいところに来てしまったのかもしれない」という思いがよぎったことは一度や二度ではありませんでした。
それでもSさんが辞めなかった理由。それは周囲の方々の「人柄」を感じたから
カルチャーショックに押しつぶされそうになりながらも、Sさんは辞めずに続ける覚悟を固めていました。その思いが揺るがなかったのは、周囲の方々が本質的には「悪い人たちではない」ことに気づいたからでした。
社内SEを採用すること自体が初めてなので、具体的な仕事の内容はよく知らなくても、皆が期待してくれていることは伝わってきました。
コーディング中に話しかけてくる社員も、その人なりのやり方でSさんの仕事に興味を持ってくれているのです。
F常務はゴルフの話になると止まりませんが、若い頃はかなりやり手の営業マンで、Sさんが以前にいた会社の役員とも顔見知りだったりするなど、幅広い人脈を持っていることが分かってきました。
「思いが食い違うことはあるけれども、この人たちのことは嫌いでない」──そう思えたことで、Sさんは続ける覚悟を貫き通したのです。
違和感をいったん置いて職場・人と向き合うことで、新しい視点を得られることも
新しい職場に違和感を持ちつつも、Sさんが職場の人たちの「良い部分」に目を向けられたのは、どうしてでしょうか。
「周囲の人たちがSさんの仕事へ興味を持ってくれていたから」と取ることもできますが、Sさんもまた「違和感をいったん置いて、周囲の人と接していったから」、という見方もできるでしょう。
どんな職場環境も、視点を変えればまた別の姿が見えてくるものです。
違和感へのストレスを軽減する対策として、Sさんのように「(違和感をいったん置いて、)職場の人たちに関心を持って接していく」というやり方も、効果的かもしれません。
事例② 仕事の大変さを覚悟して転職。ところが実際には・・・
仕事の進め方に関する違和感は、根が深くあなどれないところがあります。2つめの事例は、「忙しい」という感覚そのものに食い違いがあったケースです。
HさんはMRとして働いてきましたが、激務が祟って体を壊しかけ、転職することにしました。
選んだ転職先は個別指導の学習塾。「激務のうえに結果も厳しく求められるが、覚悟はできていますか?」と何度も念を押された上で入社したMさんでしたが、就業開始後にイメージしていた働き方とはかなり違っていることに気がつきます。
厳しい仕事と念を押され、覚悟して入社。しかし働き始めてみると「忙しい」とは思えない
- 面接官A
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「教室の生徒数が増えないと肩身が狭い思いをする。大幅に生徒を減らせばスクールマナージャー降格もあり得る」
- 面接官B
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「保護者の中にはモンスターペアレントそのもののような人もいる。ひどいクレーマーもいるからメンタルが強くないと務まらない」
- 面接官C
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「年がら年中忙しい。とにかく忙しいから、そのことだけは覚悟しておくように」
これらは、Hさんが面接選考時に言われたことです。
Hさんは、こうした厳しさを覚悟の上で入社し、スクールマネージャーとして教室を任されました。
ところが着任して間もなく、Hさんは「仕事がラク」だと感じます。
前職のMR時代は医師のふとしたひと言がきっかけで夜遅くまで調べ物をしなくてはならなかったり、想像していた品質と違うものが納品されたと言って怒鳴られたりすることもめずらしくありませんでした。
一方、現職場での、塾生の保護者はいろいろと要望をぶつけてくるものの、徹底的に聞き役に徹することで気持ちを収めてくれます。「聞いてくださってありがとうございました」と言ってくれる保護者もいました。
また、激務と言っても主な仕事はアルバイト講師の管理と新入塾生の入会対応ですので、MRとして駆けずり回っていた頃と比べれば「忙しい」うちには入りません。
Hさんは持ち前の明るさでアルバイト講師の面々とも打ち解け、講師からの紹介でアルバイトに応募してくる学生が増えていきました。
教室の雰囲気が明るくなり、「活発なタイプの生徒が増えた」「塾に来るのが楽しいと言ってもらえるようになった」と講師陣の評判は上々です。
余裕を持って働ける環境を活かし、じっくりと仕事と向き合うことに
Hさんは、キャパシティの面でスクールマネージャーが十分に務まる能力を備えていただけでなく、もともと人を動かす資質に恵まれていたのかもしれません。塾生数も順調に増えていき、入社3年目で生徒増加数全国1位を獲得しました。
がむしゃらに働いていたMR時代を懐かしく思い出すことがないわけではありません。向いている仕事で余裕を持って働けるのは幸せなことと思いながらも、どこか物足りないような気がしてしまうこともあります。
そこで、Hさんは発想を変えることにしました。
余裕を持って働けているからこそ、+αのことをこなせると考えたのです。
MR時代には医師の要望に応えるのに精一杯だった反省を踏まえ、入試傾向を詳細に分析したり、高校情報を独自に取材したりと、より深く掘り下げて仕事に打ち込むことにしました。
MR時代は休日返上で駆け回っていたHさんでしたが、現在は休日をきちんと取れているため、その時間を利用して新たに会計の勉強も始めています。
Hさんの夢は、いつか自分が経営する塾を持つこと。
経営者として必要な見識を広げるべく、Hさんの新たな挑戦が始まっているのです。
「どこにやりがいを見出すのか」気持ちの置き所も重要
Hさんの対処で注目すべきは、「仕事のやりがいの見つけ方」です。
「思ったよりも仕事が簡単だった」というギャップは、人によっては「やりがいが感じられない」というネガティブな感情へ接続されてしまうこともあるでしょう。
Hさんの場合、前職よりも時間にゆとりが生まれたことで、ゆくゆくは経営者を目指すべく勉強を始めるという、「会社の外」にもやりがいを見出せました。
そしてそのことが結果として「今の業務をより良くしていこう」という気持ちにも繋がっていったことがうかがえます。
まとめ)その「違和感」が職場やあなた自身をより良くしていくかもしれない
ここまでの内容を振り返ってみましょう。
新たな職場で直面する違和感を乗り切るための4つのコツ
- 新たな職場の「良い面」や「転職したメリット」に目を向けてみる
- 味方になってくれそうな同僚を見つける
- 上司との面談の機会をなるべく多く取ってもらう
- 違和感が拭えず大きくなるようなら、「いつでも転職できる」状態にしておく
先にお伝えした通り、違和感は新たな変化・創造を生み出す際には必要となるものです。
あなたの持った違和感を「良い・悪い」で片づけてしまうことなく、「それを、どう扱っていくか」に目を向けていくべきでしょう。
職場だけでなくあなた自身にとっての良い変化に繋がることも、きっとあるはずです。
一方で、その違和感へのストレスに苦しむことがあるようでしたら、この記事で紹介した「乗り切るコツ」を実践してみてください。
新天地の新たな面が見えてくるなど、解決の糸口が見つかるかもしれません。