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書店販売員から経理職への転職。圧迫面接で落ち込んだ私にハローワークの人がかけてくれた一言|転職体験談

転職前

BEFORE
職業
書店
職種
販売員
従業員規模
約40名
年収
340万円

転職後

AFTER
職業
不動産会社
職種
経理職
従業員規模
約70名
年収
320万円

目次

きりんさんの転職ストーリー

1これまでの私

私の幸せは、周囲の人間関係によってもたらされる

イメージ図:野原に咲く一輪の花・幸せのイメージ

転職したのは今から半年前。2023年の夏の頃でした。

旦那との2人暮らしで、夫婦で共働きでした。
平日に会社へ行き、休日はゆっくりと過ごす、そんな毎日を繰り返しています。

私の性格は明るい方で、他人には礼儀正しくいようと意識しています。
価値観は、「周囲の人と自分自身を大切にすること」。
それが、私自身が幸せになれるコツだと思っています。

私は常に「幸せでいたい」と考えているのですが、幸せのきっかけは周囲の人間関係によってもたらされることが多いと感じています。

私がまず周りに思いやりを持って接すれば、相手もいい気分になるでしょうし、それは私への対応にも返ってきます。
打算的に聞こえるかもしれませんが、それで不幸になる人は誰も居ません。それが一番じゃないかと、思います。

そのように意識していても、やっぱり生きていれば辛いことや理不尽なことも起きます。
一人ではもうどうしようもなくなってしまうくらい、落ち込んでしまうこともある。──今回の転職も、まさにそんな出来事でした。

2転職のきっかけ

30歳になって。私の旧友は「仕事は今が一番楽しい」と言った。

イメージ図:これからの働き方をどうしようか悩む30代女性

だいぶん話が逸れてしまいましたが、私が転職を考えるようになったことについて、お話しします。

私は独身のころからずっと、書店員として働いていました。
昔から本を読むことが好きだったので、本屋で書籍に囲まれて仕事をすることはとても楽しく、やりがいもありました。

書店員とは

書店員は、書籍や雑誌の販売を行うだけでなく、店内での本の管理や仕入れ、陳列、顧客対応など幅広い業務を担当する職業です。
本に関する知識を活かし、お客様におすすめの書籍を紹介することも重要な役割です。

書店員の主な仕事内容

仕事内容 説明
本の仕入れ 人気の本や新刊を仕入れ、在庫を確保します。出版社や取次店との連携を通じて、お客様のニーズに合った書籍を揃えます。
本の陳列・ディスプレイ 店内の書籍を魅力的に陳列し、お客様が探しやすいように配置します。新刊や話題の本を目立つ場所に並べることで、売上向上を図ります。
顧客対応 来店したお客様の要望に応じて、本を探すお手伝いや、おすすめの書籍を紹介します。

たまにお客様からおすすめの書籍を相談されたときなどは、気分はもう「書籍コンシェルジュ」です。
お客様のお話を聴きながら、私の頭の中にあるこれまで読んだ大量の本のデータベースを参照していって、「それでしたら、こんな本がありますよ」とお伝えする。
そして、後日お客様が、「おすすめしてくれた本、面白かった」と言ってくれる。──その人の人生が開けていくのを、お手伝いできた気分になれます。

ですが、仕事は楽しいことばかりではありません。
書店員の仕事は重労働ほどのものではありませんが、重いモノを運ぶことが多く、30歳を過ぎたあたりからこれが大分身体に応えるようになりました。

一日の仕事を終えて、さあ家に帰ろうとなっとき、「家まで帰る元気が…ない」と感じてしまうんですね。
20代の頃はそんな風に感じることはなかったので、この歳で毎日へとへとになってしまうようなら、40代、50代になったときに今と同じような働き方は難しいだろうと思うようになりました。

あるとき、学生時代の友人と久しぶりに会うことになって、「そうだ、彼女は今仕事どうなんだろう?私と同じように、体力的な不安を感じていたりするかもしれない」と思って、仕事の話を色々聞いてみたんです。

そうしたら、彼女は「仕事は、今が一番楽しい」と言ってきました。
好きな仕事ができていて、20代の頃よりもより大きな案件を任せてもらえているから、やりがいがあるという話でした。

彼女のそんな活き活きした様子を見て、私はとても焦りました。

とにかく、自分は変わらなければいけない。──そんな気持ちになりました。だって、友人はどんどん先へ進んでいたのに、私は完全に停滞していたのですから。

家に帰って、一人悶々としました。

書店の仕事ではもう、やれることは全部やっていましたし、「新しく何かを任せてもらえる」ような業務は残っていませんでした。

では、書店の仕事以外で、私にできることは何がある?と考えたときに、思い当たったのが大学のときに取得した「簿記2級」の資格でした。

3転職活動中

圧迫面接で落ち込んだ私に、ハローワークの人がかけてくれた一言

イメージ図:企業面接(圧迫面接)を受ける30代女性

大学時代、私は経営学を専攻していました。
簿記や会計の勉強が、嫌いじゃなかったんです。(会社経営ってこういう風にやるんだな)というイメージを持ちながら数値を確認していくのに楽しさもありました。

結局は書店の販売員に就職したのですが、こうして30歳になった今改めて考えると、「これから先のキャリアは、販売員ではなく、経理のほうがいいのではないだろうか?」と感じたのです。

これが、私の転職のきっかけでした。

さっそく仕事の合間を縫っての転職活動です。
目指した仕事は経理職です。業界は特にこだわらず、幅広く求人をチェックしてどんどん応募しました。

1ヵ月が経ったとき、「これは想像以上に厳しい…」ということに気付きました。

なにせ、30代での未経験の職種への転職です。
まず、書類選考が通らないんです。面接に呼んでもらえる機会は10社に応募して1~2回の割合でした。

転職活動を始めた当初は「簿記2級を取得しているから」と強気だったのですが、すぐにそれは「資格だけで転職が決まるわけではないんだ」という気付きに変わりました。

それから辛かったのは、面接官から圧迫面接を受けたこと。
このご時世で、まさか圧迫面接をする会社があるなんて思いもしませんでした。

あるときは、こんなことを言われました。

面接官

あなたは、世間のことをあまり分かっていませんね。

面接官

自分自身のキャリアや、家族のライフプランについて、これまで真剣に考えてこなかったのですか?

ただでさえ転職活動がうまく行っておらず気が滅入っているのに、なぜ赤の他人から説教を受けて一層落ち込まなければならないのだろう?──腹も立ちましたし、それ以上に悲しい気持ちになりました。

それであんまり悲しかったんで、ハローワークに行って相談員に相談したんですね。
──もう、転職活動自体も辞めてしまおうかと思っていましたから。

そうしたら、相談員の方はこうお話ししてくれました。

相談員

辛かったですね。言われたことは、気にしちゃいけません。あなたの人生のことを、他人がとやかく言う権利なんてありませんから。それよりも、転職自体を諦めたら駄目ですよ。あなたよりご年配の40代の方でも、未経験の職種に転職できた人はたくさんいるんですから。

この一言ほど、「救われた」という気持ちになれたことはありませんでした。

アドバイスしてくれた相談員の方に感謝しつつ、「もう少し頑張ってみよう」と気を奮い立たせて、そしてその3週間後、不動産会社から経理職のポジションで採用通知をいただきました。

不動産会社の経理職とは

不動産会社の経理職は、不動産取引や賃貸業務に関わるさまざまな経理業務を担当します。
不動産業界特有の収益構造に基づき、売上や支出の管理、税務対応、決算業務などを行います。

不動産会社の経理職の主な仕事内容

仕事内容 説明
売上・収支管理 物件の売買や賃貸に関する売上や支出の管理を行います。契約に基づく入金や経費の処理を行い、収支を正確に記録します。
決算業務 月次や年次決算を行い、企業の財務状況を正確に把握します。財務諸表の作成や税務申告書の作成なども担当します。
税務対応 不動産取引に関わる税務処理や税務申告を行います。不動産取得税や固定資産税など、不動産業界特有の税金に対応します。

4転職後

新しい仕事は、不動産会社の経理職。

不動産会社の経理として働く30代女性

転職して、不動産会社の経理職としての私の新しいキャリアが始まりました。

私の仕事内容は、主にこんな感じです。

日次業務
  • 弥生会計で日々の取引の仕訳を入力
  • 現金管理、資金管理
月次業務
  • 月次決算
  • 資金繰り
  • 給与計算
年次業務
  • 社会保険手続き
  • 年末調整

日次業務、月次業務は書店販売員のときも少し携わったこともあったので業務イメージは付きやすかったです。

環境自体に馴染めたのは1ヵ月ほど、そして業務を一通り覚えるのには4ヵ月ほどかかりました。

良かったことは、職場に優しい人が多かったこと。

以前の職場よりも人間関係が穏やかで、働きやすかったです。
「穏やか」というのは経理部の先輩方がご年配だからというのもあるかもしれませんが、皆さん優しく丁寧に仕事を教えてくださるので、助かっております。

大変だった点は、「忙しい時期は、残業が発生すること」ですかね。
職業柄、月末月初はどうしてもバタバタします。

ですが、月次業務をやり遂げたときは大きな達成感もあり、「これからも頑張ろう」と思える自分がいます。

5その後、どうなったか。

経理職として、もっと価値貢献をしていけるために。

イメージ図:簿記の勉強をする30代女性

転職して、もうすぐ1年が経とうとしています。

今考えていることは、簿記スキル、そしてITスキル向上のための勉強です。

経理の仕事では、会計ソフトやExcelを使った業務がとても多いです。
Excelでは、複雑な計算式やマクロを組んで作業を自動化する業務もあります。
難しいところはいつも先輩の方々にお任せしてしまっているのですが、自分でもできるようになりたいです。
先月から、簿記一級の資格取得に向けて勉強を開始しました。

それから、経理としてもっともっと、「会社に役立つ人材」になること。
そのためには、まず会計のスキルアップがかかせません。だから、簿記1級を取得したいと考えています。

あとは、社内の人とのコミュニケーションですね。
経理の仕事では、ちょっとしたコミュニケーションのミスで業務の出戻りがあったりと、関係者に迷惑が掛かってしまいます。
どう伝えたら相手に分かりやすいか、またどう質問すれば私自身が状況を深く理解できるか、常に考えて行動しています。──考えずに自然とそれができれば一番ですが、そうなるにはもっともっと経験を積む必要があります。

こうして私が経理としてもっと価値貢献できるようになれば、周りの人たちはもっと仕事をしやすくなるはずです。
そしてそれはきっと、私の仕事のやりがいであったり、充実感にも繋がる。──そう、信じています。

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