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簿記の資格は何級から転職に有利になる?3級、2級、1級のそれぞれ得られるメリットと勉強法を紹介

[最終更新日]2024/06/01

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簿記の資格は何級から有利?資格取得のメリットと勉強法

ビジネス資格の定番として、よく耳にする「簿記検定」
お金の管理や計算を行うイメージはあるけれど、具体的にどういった資格なのか理解していない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、簿記の資格について、習得できる知識や難易度、資格取得のための勉強法など、さまざまな観点から徹底解説していきます。

目次

1)簿記検定って?どんな知識が得られるの?

●簿記とは:企業の経済活動を帳簿に細かく記録する作業のこと。 ●簿記検定とは:簿記に関する知識や技能を測る試験のこと。一般的に簿記検定というと、日本商工会議所が実施する「日商簿記検定」のことを指す。

簿記とは、簡単にいうと「お金や資産の収支(収入と支出)や移動を記録するための方法」のことをいいます。
身近なもので「家計簿」を思い浮かべてください。家計簿は、家庭における収入と支出を記した帳簿のことですね。簿記も家計簿と似ていますが、活用の場所は家庭ではなく、企業になります。

簿記は、企業の一定期間の経済活動を記録、計算して帳簿につけていき、それによりもたらされる資産や負債の増減を管理し、さらに一定期間の収益と費用を記録する制度です。

企業の目的は利益追求であり、そのためには業績や財務状況などを数値化し、分析、公表する必要があります。

簿記は、日々の企業活動の数字を記録し、一定期間の資産と負債のバランス(貸借対照表)を管理し、損益の記録(損益計算書)をつけ、最終的に決算書(財務諸表)を作成する流れの中で、必要不可欠な記録法です。

この簿記に関する知識や技能を測る試験が「簿記検定」です。
一般的に簿記検定というと、日本商工会議所が実施する「日商簿記検定」のこといい、等級は、難易度順に3級→2級→1級があります。

簿記検定3級~1級で得られる知識と、企業からの見られ方

企業からの見られ方(例) ●簿記3級:「即戦力としては、知識・経験がまだ不足しているかも…」 ●簿記2級:「経理のポジションなどで、即戦力として期待できそう…!」 ●簿記1級:「経営企画など、会社経営の根幹に関わる業務を任せたい!」

日商簿記検定は、3級2級1級と難易度の違いから3等級に分かれます。
それぞれどのような知識が必要で、取得することで企業や周囲からはどのように評価されるのでしょうか。

ここでは、等級ごとに得られる知識や、企業からの評価、見られ方について解説していきます。

簿記3級

日商簿記3級では、小規模な株式会社の経理実務を前提とした、初歩的な商業簿記の知識を学びます。
商業簿記とは、①品物を仕入れて②売る、という工程の会計処理をする方法です。

日商簿記では、複式簿記(単式簿記とは異なる)として、「仕訳」から学習していきます。
仕訳とは、1つの取引を「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」に分けて記録する方法で、取引があった都度、日々記録していきます。

日々の仕訳は帳簿に転記し、四半期ごとの財務諸表(決算書)の作成に活用します。
財務諸表とは、一定期間の企業の経営成績や財政状態を、複式簿記に基づいて作成された書類です。
貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)は、財務諸表に含まれ、各書類の見方や作成についても学習します。

財務諸表は、会社の業績や財務状況を把握するうえで、最も大切な情報です。

簿記3級は、簿記初学者の入門資格であると同時に、ビジネスパーソンの基礎知識として、幅広い分野で役立つ資格であるといえます。

企業からの評価は「基礎的なことは理解している」というプラス面と、「経理担当者として即採用するのはまだ・・」といったところでしょうか。3級の上位資格の2級や1級に比べると、専門職(経理)として即戦力になるとは限りませんが、全く知識がない方に比べると評価は高くなります。

簿記2級

日商簿記2級では、3級で習得した商業簿記をさらに掘り下げて学習し、また商業簿記に加え工業簿記も学習していきます。

工業簿記とは、工場のモノづくりに関する会計処理で、製造業に適用される簿記のことです。
つまり①材料を仕入れて、②加工して、③完成品として販売する、という工程で、材料費や人件費、各種経費などのコストを考慮し、原価計算などを行っていきます。

商業簿記では、3級の内容からさらにレベルアップして、本支店会計や連結会計も学習範囲に加わります。
本支店会計とは、本店と支店、支店同士の取引を、本店勘定、支店勘定を用いて会計処理をする方法です。
連結会社とは、グループ会社など、親会社・子会社がある場合、それぞれ財務諸表を作成し、その後グループ間で連結財務諸表と作成することを目的とした会計処理です。

2級では、3級よりさらにレベルアップして、中小企業の経理実務を前提とした知識が習得できます。
「財務諸表が読める、作成できる」というレベルから、「どうしたら、より利益を伸ばせるか?業績を上げられるのか?」などを数字から読み取り、分析できるレベルに達することが目標です。

2級資格は、経理職や会計事務所などは、応募資格として定められていることも多く、大きな企業でも経理職として適正が認められる場合があります。
また会社によっては、手当が出たり、昇進条件として求められる場合もあり、2級取得は明確な評価基準となるでしょう。

簿記1級

簿記検定の最高峰と言われる1級は、2級とは主題範囲が大幅に異なり、難易度もいっきに上がります。
科目は4科目で、極めて高度な商業簿記、工業簿記に加えて、複雑な会計学、原価計算を習得します。

会社法や会計基準、財務諸表の規則など、企業会計に関する法律を踏まえて、経営管理や経営分析を行えるレベルに達することができるでしょう。

1級取得者には税理士の受験資格が付与されるため、後々税理士や会計士といった超難問資格に挑戦する方の登竜門ともいえます。この難易度の高さは、社労士や司法書士などの難関国家資格に値するほどだといわれています。

そもそも1級保有者自体がごくわずかであるため、そこに的を絞った求人はかなり少ないでしょう。
経理や財務などの専門部署でも、1級まで取得している方はなかなかいないため、その才能や努力は一目置かれ、昇給や昇進も期待できます。

また専門知識を活かせる経営や企画といった、会社の根幹を担う分野で活躍も期待ができ、会社や周囲からの評価は非常に高いといえます。

2)結論:簿記2級からは、転職・就職に有利になりやすい

ここまで簿記1級から3級まで、各等級の概要や得られる知識についてお伝えしてきましたが、実際に転職や就職に有利に働くのは簿記2級からといわれています。

3級は、簿記の基礎知識が身についているというプラス評価にはなりますが、即採用に結びつくものではありません。

2級は、多くの会社で経理や財務といった専門部署や会計事務所や税理士事務所などで、応募条件として求められています。特に経理や財務、会計に関わる専門知識や能力を持つ人材は不足しているため、未経験であっても採用に至る場合もあります。

また、実務経験が浅い、年齢が高いなど転職に不利な状況であっても、2級資格が採用の判断基準となることもあります。

簿記2級は、企業で事務職を希望される方は、特に取得したおきたい資格の一つといえるでしょう。
事務職には、一般事務や営業事務、人事、総務、経理などさまざまな仕事がありますが、簿記はどの仕事にも役立つ知識です。同じ事務職でも、経理や財務などより専門的な知識やスキルを要する職種については、他の事務職と比べ募集も多く、給与面でも優遇され、長期的に安定して働き続けることができます。

資格と併せて「実務経験」を求める会社も多い

簿記2級の資格を活かして転職を希望するのであれば、実務経験が伴えばより確実です。
2級は、資格自体が武器や強みになりますが、資格より実務経験を求める企業も少なくありません。

特に中途採用の場合は、即戦力として期待されるため、「2級+未経験」「3級+実務経験あり」では、後者の実務経験が重要視される場合もあります。

実務では、会計ソフトや会計システムを使用して、日常経理から月次決算の補助業務、月次決算、年次決算と段階を踏んで業務を進めていきます。その経験は、資格取得のための勉強だけで賄うことは到底できません。

もちろん、経験内容や年数にもよるため、一概に資格か実務経験、どちらかを問うことはできませんが、2級保有+3年以上の実務経験があれば、転職・就職にさほど苦労することはないでしょう。

3)簿記の知識を得られることで、得られるメリットは?

簿記を学習することで、得られるメリット ●仕事の幅を広げられる ●企業の業績や財務状況を把握できる ●運用や家計管理などプライベートでも役立つ

簿記は、転職や就職に役立ち、周囲からの評価も高い資格です。
級ごとに難易度や合格率は異なりますが、資格取得のための勉強には努力が必要です。

ここでは簿記を学習して得られた知識が、どのようなメリットを生むのかお伝えしていきます。
努力や苦労をして得た知識が無駄になることはありません。
簿記の学習のきっかけにもなると思いますので、一つずつ参考に見ていきましょう。

メリット1:仕事の幅が広がる

簿記の知識は、転職や再就職はもちろん、今の自分の仕事に活かすこともできます。

企業に勤めていれば、自身が係る業務範囲はごく一部かもしれません。ただし、簿記の知識があれば、会社全体のお金の流れを理解しているため、自分がどのように会社に貢献しているのか、成長性や将来性を考えることができます。それは、仕事に対するモチベーションや責任感、主観性を高めることになるでしょう。

そして会社内でポジションチェンジや部署異動といった希望を叶えることができるかもしれません。
企業にとって、人材は人財であり、それぞれのスキルや知識、能力を最も活かせる場所を提供することが重要です。

簿記の知識を深め、資格を保有することで、これまで諦めていた仕事や、考えもしなかった新しい仕事にチャレンジするなど、仕事の幅や可能性が広がるかもしれません。

メリット2:企業の業績や財務状況を把握できる

簿記の学習をすると、貸借対照表(B/L)損益計算書(P/L)などの決算書類を読めるようになります。
情報公開を行っているすべての会社について分析することができるようになります。

決算とは、会社の健康状態や成績を知る最も重要な書類の一つです。
自身の会社はもちろん、取引先の相手企業についても、数字から状況を読み取れます。

これまで自身の会社や取引先の業績など、大まかにしか理解しておらず、目標数字も漠然としている方は、簿記の知識を得ることで、より緻密で正確な数値を把握したうえで考え、提案や交渉をすることができるしょう。
周囲の見方や評価も変わり、キャリアアップにもつながります。

また会社だけでなく、経済活動や税制など社会全体のお金の流れについて理解するためにも必要な知識です。

メリット3:株式投資や家計管理などプライベートでも役立つ

簿記の知識は、株式投資に必要な「ファンダメンタル分析」をするうえで、必要になります。
ファンダメンタル分析とは、企業の業績や財務状況をもとに、企業の本質的な価値を分析し、実際の株価と照合する方法で、株式投資の基本的な分析法の一つです。

株式投資において、長期的に安定した運用を希望している方にも、ファンダメンタル分析を行って企業選定する必要があります。

また、普段耳にしないような勘定科目や税金の計算法なども学習するため、確定申告を難なく行うことができます。
確定申告することで、還付金(払い過ぎた税金が戻ってくるお金)があれば受け取ることができます。逆に確定申告しなければ、還付金を受け取ることができません。

簿記の知識は、家計の収支や貯金残高の管理から、株式投資などの資産運用まで、プライベート面でのお金の管理に役立ちます。

4)簿記検定の申し込みの流れ

簿記検定の申し込みの流れ ①受験の申込登録をする ②申込書(払込取扱票)が届く ③受験料、事務手数料を支払う ④受験票が届く

日商簿記検定の申込みは、実施機関である各地の商工会議所に、郵送や電話、インターネットなどで行います。
申込先や申込方法については、各自異なるため、詳細は受験する商工会議所にて確認しておきましょう。

ここでは、例として東京商工会議所(東京都23区、横浜市にて受験する方対象)にて申込みをする場合について、申込みから受験票が届くまでの流れをお伝えします。

①受験の申込登録をする

登録方法は、インターネットか電話にて行います。
3級と2級のダブル受験を希望する場合は、「併願」で登録を行いましょう。

②申込書(払込取扱票)が届く

登録日から5営業日以内に、申込書(払込取扱票)が普通郵便で発送されます。

申込書の記載内容に誤りや変更がないか確認します。もし変更があれば、電話で連絡を入れましょう。
同封の「受験要項」には、受験の際の持ち物や注意点などが記載されているため、こちらもしっかり確認しておきます。

③受験料、事務手数料を支払う

所定の期日まで、郵便局またはコンビニエンスストアで支払いを済ませてください。
申込書に同封の払込連絡票を使用して、支払うようにしてください。直接口座へ振込む方法は無効です。

④受験票が届く

試験会場や試験時間、持ち物、注意事項などが記載された受験票(はがきサイズ)が普通郵便にて届きます。

受験票が届かない場合は、受験者本人が期限内に電話で問い合わせをしてください。
受験票は、試験後に成績照会時まで大切に保管するようにしましょう。

合格の難易度・資格取得の準備期間(学習期間)目安は

下記表は、日商簿記検定の等級ごとの難易度や合格率、学習時間の目安などです。

難易度 合格率 学習時間 試験科目 合格基準
3級 易しい 40~50% 70~130時間
2~3ヵ月
商業簿記 100点満点中70点以上
2級 普通・高校レベル 20~30% 200~300時間
3~6ヵ月
商業簿記
工業簿記
100点満点中70点以上
商業簿記:60点満点
工業簿記:40点満点
1級 難しい・大学レベル 10%前後 500時間以上
6~12ヵ月
商業簿記・会計学
工業簿記・原価計算
100点満点中70点以上
1科目ごと40点以上

日商簿記検定は、どの等級においても受験資格がないため、誰でも受験できます。
とはいえ、いきなり1級を受験し合格する方はほぼいないため、初学者は3級から着実に積み上げ学習してきましょう。

3級は小規模な会社や事務所、2級は中小企業など中規模な会社、1級は大手企業など大規模な会社といったレベルの会計処理が求められます。

級が上がるほど、学習時間や求められるレベルも上がり、合格率も低くなります。

簿記検定2級 合格に向けてのおすすめ勉強法

勉強イメージ

簿記2級取得のための勉強法として、「独学」「資格学校で学ぶ」の2つの方法をお伝えします。

まず独学での勉強法で一番のメリットは、「費用がかからないこと」が大きいですね。
資格学校で学習した場合のおよそ10分の1の金額で済みます。
簿記試験は資格試験の中でも、需要が高く人気のある資格であるため、市販のテキストも大変充実しています。

わざわざ資格学校に行かなくても、それと同等のテキストを購入することが可能です。
また、インターネットでWEBサイトやネット動画など、優良な情報や学習講座などを無料で入手・閲覧することもできるでしょう。

独学のデメリットは、スケジュール管理やモチベーションの持続が難しいこと、疑問点を解消できず、途中で投げ出してしまう可能性があることなどがあげられます。

簿記3級までは、難易度的にも独学のみで問題ありませんが、2級は、より複雑な商業簿記や新たに工業簿記が加わり、途中でつまずいてしまう方も少なくありません。疑問点や不明点が解決できなければ、次の学習に進ことができないからです。

以上のことを踏まえると、必ずしもコスパの高い独学を選択することが最善とは限りません。

私は2ヵ月(約200時間)の学習時間で、日商簿記3級と2級をダブル受験し、合格に至りました。
簿記初学者の私が短期間で合格できたのは、職業訓練を利用して、資格学校に通って勉強することができたからです。

資格学校のメリットは、以下の通りです。

  • スケジュール管理が不要(資格コースごとに合格への最適なカリキュラムが組まれている)
  • モチベーションが維持できる(講師や周り学生の熱意を感じることができる)
  • 直前期の模試で本番を想定できる
  • 疑問点は都度質問・解消することができる
  • 勉強効率が上がる、無駄がない

これまでさまざまな資格試験を受験した経験(独学、通信・通学講座)がありますが、先生が目の前で授業をする通学コースは、理解度が各段に上がります。独学に比べ集中力は上がり、時間効率の高い学習を進めることができます。

資格学校のデメリットは、費用が高額であることですが、職業訓練や教育訓練給付金などの公的制度を利用し、コストを抑える方法があります。

職業訓練は、転職や就職で役に立つ様々な能力や資格を取得するための公的な講座(無料)で、教育訓練給付金は資格取得などのために受講した民間講座の費用を一部支給してくれる制度です。

どちらもハローワークを通じて申込みを行いますが、利用条件など制限があるため、あらかじめ確認してみるとよいでしょう。

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より確実なサポートを受けたい人は、初回面談前までに「キャリアの棚卸し」を行い、担当アドバイザーにご自身の強みや適性をしっかり伝えられるように準備しておきましょう。

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まとめ)簿記資格は取得メリットが高い!

会社のお金の流れを記録、管理、分析するのに必要な知識・スキルは、どの企業においても必要です。
そのため簿記の資格は、民間企業や官公庁など、業種、業界問わず、さまざまな人たちが取得を目指しています。

転職や就職に有利なことはもちろん、日々の仕事に活かし、キャリアアップを目指すことも期待できるでしょう。

また、仕事だけでなく、生きていくうえで必要なお金や税金の知識も学べるため、プライベートでも役に立つことも多いはずです。

日商簿記検定は、通常は年に3回(2月、6月、11月)実施され、受験資格がないため、誰でも受けることができます。簿記資格を取得することも、そのための学習も、損になることはないため、興味のある方はこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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