『みんなの転職「体験談」。』
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34歳。「平穏な気持ちで働きたい」と営業職から事務職へと転職した私|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
証券会社
職種
営業
従業員規模
150名
年収
330万円

転職後

AFTER
職業
土地家屋調査士事務所
職種
事務職
従業員規模
6名
年収
170万円

目次

かるさんの転職ストーリー

1これまでの私

人見知りな私が、証券会社の営業職に就いて。

イメージ図:証券会社で働く女性

私が転職したのは今から4年前の2016年のことです。
当時は、証券会社の営業職として働いていました。

証券会社の営業職とは

証券会社の営業職は、個人や法人の顧客に対して、株式や債券、投資信託などの金融商品を提案し、資産運用のサポートを行う仕事です。市場動向を分析し、最適な投資アドバイスを提供します。

証券会社の営業職の主な仕事内容

仕事内容 説明
顧客のニーズ把握 顧客の資産運用目標やリスク許容度を理解し、それに基づいて投資プランを提案します。
金融商品の提案・販売 株式、債券、投資信託などの金融商品を顧客に提案し、販売します。
市場動向の分析 常に市場の動きを追い、顧客に適切な投資アドバイスを提供します。
顧客との関係構築 定期的に顧客とコミュニケーションを取り、信頼関係を築きます。
アフターフォロー 投資後のフォローアップを行い、必要に応じてポートフォリオの見直しを提案します。

私の主な業務は、新規顧客の獲得。ほとんどの時間を電話営業(テレアポ)で費やします。

私はかなり大人しい性格でしたので、電話もそうでしたが営業の仕事自体が向いていませんでした。

ですが、仕事にやりがいを感じてなかったわけではないです。
新規の顧客を見つけた時に、(どうすればこちらの思った通りに契約をしてもらえるか)と考えることは面白さがありました。

次にどの言葉を伝えるかで、相手の方の反応は全く変わるんです。
交渉がうまく行ったときは、何とも言えない爽快感がありました。
たまに、自分の話術に酔ってみたり──笑。

あと、そういう時は、(自分は今、この人の日常に立ち会っているんだ)という感覚があるんですよね。
人見知りの私でしたが、仕事を通して他人に関われること(もちろん、ポジティブな形で)は、やりがいを感じてました。

2転職のきっかけ

もっと、平穏な気持ちで仕事をしたい。

イメージ図:リラックス・平穏を求める女性

転職をしようと思った一番の理由は、「もっと平穏な気持ちで仕事をしたくなった」からです。

証券会社の営業でしたので、常に結果を求められました。
ですが、その結果は景況にも大きく左右されました。

世の中が「お金を出したくない」という空気になると、一気に営業が厳しくなるのです。

そういうときは、本当に「暖簾に腕押し」のような日が続きます。
どんなに巧みにセールストークを重ねても、電話先の人は交渉の土俵にすら上がってくれない。

どんなに頑張っても成果が出せずにいて、もちろん景気が良くなれば事態は好転するのでしょうが、そこに私一人の価値とはどの程度のものなのだろうと、考え込むようになってしまったのです。

その当時私は34歳。これからのキャリアをどうするかでも悩みました。

考えを重ねた結果、──いえ、きっともう答えははじめから出ていたのでしょうが、「売り上げ成績や景況に気を病むことなく、穏やかな気持ちで仕事をしたい。」

そう思い、私は転職することを決めました。

3転職活動中

自分を雇ってくれるところなら、もうどこでもいい。

イメージ図:転職面接を受ける女性

転職活動は、会社を辞めた後に開始しました。
そのほうが活動に専念できると考えたからです。

ですが、これが失敗でした。
いくつかの転職サイトに登録して、それから知人や親族に転職先を紹介してもらえないかと相談もしました。

ですが、そこで「ここだったら、働いてみたい」と思えた職場で、すべて不採用となってしまったのです。

私がその時希望していた仕事は、総務や事務のポジションでした。
不採用の理由は未経験の職種でしたし、私の年齢もあってのことでしょう。
この厳しい現実を、私は甘く見ていました。

会社退職と同時に私は実家に戻っていたのですが、なんとなく両親の私に対する態度も冷たげでした。
直接なにか言われた訳ではありませんが、「いつまで居るんだ」「次の仕事はまだ決まらないのか」という心の声がたびたび伝わってきました。

それから、とにかくたくさんの応募を続けました。
もはや、前職のような営業成績を常に求められる仕事でなければ、どこでもいい──。本当にそう思っていました。

そうしてようやく、一社。
私のことを採用してくれる会社が現れました。

土地家屋調査士事務所の、事務職の仕事でした。

土地家屋調査士事務所とは

土地家屋調査士事務所は、土地や建物の境界や面積を測量し、その結果を元に登記手続きを行う専門機関です。
主に、不動産の境界確定、地積測量、建物の表示登記などを担当します。

土地家屋調査士事務所の事務職の主な仕事内容

仕事内容 説明
測量データの整理 土地や建物の測量結果を整理し、登記書類に反映させるためのデータ入力を行います。
登記書類の作成 測量データを基に、不動産登記に必要な書類を作成します。
クライアント対応 顧客からの問い合わせに対応し、必要な書類や手続きについて説明します。
関係機関との連絡 法務局や地方自治体との連絡を行い、必要な書類の提出や手続きを進めます。
ファイリングとデータ管理 重要な書類やデータの管理・保管を行い、迅速にアクセスできる状態を維持します。

4転職後

正しかったのは、私ではなく彼らの言い分だった。

イメージ図:土地家屋調査士事務所のデスク

新しい職場は、従業員6名のこぢんまりした事務所でした。

前職のような営業成績を追い立てられるような雰囲気はなく、(ここだったら、落ち着いて穏やかに仕事ができそう)と思いました。

ですが、現実はかなりしんどかった。

私が、そこで任された事務職の仕事を全くこなせなかったのです。

まず、業界自体も「土地家屋調査士」というまったく未経験でしたので、知らない用語やルールばかりでした。

仕事を振られても思うように進められず、時間ばかりかかってしまう私に対して、他の職員の方々は冷たかったです。

私からすれば、「こんなの初めてだし、知っている訳がない」でしたが、彼らからすれば「土地家屋調査士事務所で働くと決めたのなら、それくらいは勉強してこい」でした。
そして、彼らの言い分の方が正しかった。

私はとにかく営業の仕事をしたくなくて、その回避策として事務職を選んだわけですが、事務職は事務職ならではの必要な知識があって、とくにこうした士業の仕事では専門知識が求められることが多かったのです。

ですが、だからといって「また転職する」という選択肢はありませんでした。
あの苦労をまた繰り返す気にはとてもなれませんでしたから。

だから、なんとしてでもここで頑張ろうと、その一心でした。

ある職員は、私の質問に対して必ず「前にも説明したんだけど、」という枕詞をつけてきました。
ほかの職員からは、私が書類を提出したときによくため息をつかれました。

本当に辛い毎日でしたが、それでも仕事に慣れるまでの我慢と思って、なんとか続けていきました。

5その後、どうなったか。

自分ひとりの力で、仕事ができるようになること

イメージ図:カフェで資格の勉強をする女性

今回の転職で思った一番のことは、努力をしてこなかった自分に対する後悔です。

営業のストレスフルな仕事から逃れたくて、ただただ平穏な仕事を望んでいました。

ですが、なんにせよ新しいことに取り組むのだとしたら、そのための努力が必要だったはずです。
転職活動でなかなか次の職場が決まらなかった一番の理由とは、そうした努力をせずに「とにかく、採用してもらえるところがあれば、どこでもいい」という私のスタンスが見られたからでしょう。

運よく今の事務所に入職できましたが、その後の苦労はお話した通りです。

とくにミドル以降の転職では、「そこに入ってからゆっくり仕事を覚えていけば良い」という悠長なことは言ってはいられないでしょう。

転職してすでに4年が経って、さすがに任された業務のほとんどはつつがなくこなせるようになりました。

ですが、他の職員の方々からの私への評価はいまだに低いものです。 いちど低くなった評価を挽回するには、さらに多くの努力が必要になるのでしょう。


なんだかんだいって、営業職から事務職としてジョブチェンジして4年間続けてこれたわけです。そこは、頑張ったなと。
──誰も褒めてはくれませんが、せめて自分自身を褒めてあげたいです。

今思っていることは、「もっといろんな仕事ができるようになりたい」ということ。

知識や資格があれば、それだけ対応できることが増えます。

そうしていくことで、いずれはフリーランスなど、会社に雇われずとも仕事の依頼を受けられるようになるのでは、と思うのです。

大切にしていることは、前と変わらず平穏な気持ちで、仕事ができること。

結局、そのために必要なのは「自分ひとりの力で仕事ができるようになること」なんですよね。
そのための努力を、これからは先回りして、励んでいこうと思います。

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