コロナ禍で社労士事務所の仕事が激減…。介護施設の総務に転職して、今思うことは。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 社会保険労務士事務所
- 職種
- 社会保険労務士
- 従業員規模
- 5名
- 年収
- 240万円
転職後
- 職業
- 介護職
- 職種
- 総務
- 従業員規模
- 150名
- 年収
- 260万円
目次
みいさんの転職ストーリー
1これまでの私
社労士。仕事へのモチベーションは、あまりない。
転職したのは、2020年のことです。
それまでは、社会保険労務士事務所で社労士として働いていました。
社労士とは
社労士(社会保険労務士)は、労働や社会保険に関する法律の専門家で、企業や個人に対して労務管理や社会保険手続きのサポートを行います。
給与計算や雇用保険・健康保険、労災保険などの手続き代行、就業規則の作成、労働問題の相談対応などを担当します。
社労士の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
労働保険・社会保険手続き | 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険など、企業や従業員に必要な労働・社会保険手続きを代行します。正確で迅速な対応が求められます。 |
給与計算と年末調整 | 企業の従業員の給与計算や年末調整を行い、正確な支払い処理をサポートします。税法や労働法に基づいた適切な対応が必要です。 |
就業規則の作成・改定 | 企業の就業規則を作成・改定し、労働基準法に準じた適切なルールを整備します。労働条件の明確化や、トラブル防止のために重要です。 |
労務コンサルティング | 労務に関する企業の課題解決を支援します。雇用契約や人事評価、職場環境の改善に関するアドバイスを提供します。 |
労働問題の相談対応 | 従業員とのトラブルや、労働環境に関する相談を受け、解決策を提案します。法的知識を活用して、適切なアドバイスを行います。 |
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日々、顧問先の企業の対応に追われていたので、仕事に自分の「想い」みたいなものを入れる余地はありませんでした。
正直、やりがいもあまり感じられていませんでした。
そもそも私が社労士になったのは、「労働者が困っている事をなんとかしたい」という想いがあったからです。
ですが、現実はその想いとは程遠い働き方でした。
顧問先からの絶え間ない依頼をこなす日々で、いつしか「雑務」を代行しているだけという感覚に陥っていて。
本来は「労働者が働きやすくなるために、自分は何ができるのか」を考えていかなくてはいけないのですが、私はそれが出来ていませんでした。
ただ、そんな中でも仕事を続けてこられたのは家族の存在があったからです。
夫と子供が1人いて、子供に満足な教育を受けさせるために私も稼いでいかなければという責任感と、この家庭を大事に守りたいという熱意がありました。
仕事へのモチベーション高いから働いているというより、「家族のため」に仕事を続けているという感覚でしたが、それもやむなしだろうと思っていました。
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2転職のきっかけ
コロナ禍で、取引先の会社が減ってきて。
私が転職をしようと思うに至ったのは、前職で将来への希望やビジョンを感じられなくなってしまったからです。
2020年現在の新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、徐々に顧問先の会社との取引が打ち切られている状況でした。
それでも最初のうちは、(さすがにすべての仕事が一気になくなってしまうことはないだろう)と思っていたのですが、顧問先の会社さんの業績もかなり落ち込んできていて。
次第に、「毎月の顧問料を払うのがかなりしんどい状況だ」と言って解約を申し出る会社さんがどんどん出てくるようになったのです。
- 私
-
「このペースで取引先がいなくなっていったら、うちの事務所はやっていけるんだろうか…」
――と、私だけではなく、他の従業員も感じていたことだと思います。
社会保険労務士という仕事は、社会情勢が悪くなると一気にコストカットの対象になるのです。わかっていたことですが、今回の件で私はそのことを改めて痛感しました。
そして私は、「この仕事をこの先続けていくにはリスクが高い」と思うようになり、とうとう転職することを決意しました。
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3転職活動中
社会保険労務士の資格を活かして転職。
転職活動では、やはりコロナ禍で多くの企業が採用を減らしていて、かなり難しい状況だと感じました。
この時期に転職しようとするのは無謀だったかもと思いましたが、同時に「いずれこの先転職するのなら、今のうちにやってしまうしかない」とも考えました。
転職活動は主に、求人サイトを見たりして、社労士の資格を持っている人材を募集しているところがないかを探していました。
また、その際は社労士事務所の求人ではなく、企業で社労士を募集している求人をメインに探しました。
今回、社労士事務所での仕事は不景気などの外的要因で仕事が減ってしまうリスクを身をもって経験したからです。
そして幸運にも、条件欄に「社会保険労務士の資格を持っている方」と記載している介護施設(有料老人ホームの総務職)の求人を見つけることができました。
その後の選考は、内定までトントン拍子に進みました。
やはり資格を持っていると有利なのでしょう。このときばかりは「頑張って社労士の資格を取っておいて、本当によかった」と思いました。
有料老人ホームの総務職とは
有料老人ホームの総務職は、施設の運営を支えるバックオフィス業務を担当する職種です。
人事・労務管理、施設の備品管理、契約書類の作成・管理、各種行政への手続きなど、業務は多岐にわたります。
有料老人ホームの総務職の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
人事・労務管理 | 職員の採用や退職手続き、勤務シフトの管理、給与計算など、人事・労務に関する業務を担当します。 |
契約書や施設書類の管理 | 入居者や業者との契約書、施設運営に必要な書類の作成・管理を行います。正確な管理と法令に準じた手続きを徹底します。 |
施設の備品・設備管理 | 施設内の備品や設備の管理を行い、必要に応じて発注やメンテナンスを手配します。入居者や職員が快適に過ごせる環境を維持します。 |
行政への手続き | 行政への報告書や手続きを行います。施設運営に必要な許可や認可の申請も担当し、法令遵守を徹底します。 |
入居者・職員のサポート | 入居者や職員からの問い合わせや相談に対応し、問題解決やサポートを行います。施設内の調整役として、スムーズな運営を支えます。 |
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
新しい職場で、私はすぐに周囲から「即戦力」としての仕事を求められました。
もちろん、前職の社労士事務所とはまったく違う仕事内容です。
前職で活かせる部分はあるものの、業務の内容はもちろん、やり方なども含めて慣れるまでには時間がかかってしまって。
「転職後は慣れるまでは大変だ」ということは頭ではわかっていましたが、その予想以上に難しさを感じました。
同僚の職員からは、「資格がある割には、大して役に立っていない」といったニュアンスのことを言われたこともありました。
自分では「もっと上手くできる」と思っていただけにかなりショックでしたし、毎日が精神的にかなり辛かったです。
社労士が企業で働く際に期待されること
社労士が企業で働く際には、労働保険・社会保険手続きの実施だけでなく、人事制度の整備、労働環境の改善、法令遵守の指導などを求められます。
特に、複雑な労働法規に基づいて、適切な制度設計とコンプライアンスの維持を期待されることが多いです。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
今回の転職で私が気づいたのは、いくら前職でやっていた経験を活かせる職場に転職したとしても、それだけで転職先で無難に仕事をこなせるわけではないということです。
今思えば、「資格もあるからなんとかやっていけるだろう」という甘い考えを持っていたのかもしれません。
しかし、今回の転職でそれでは通用しないことがよくわかりました。
転職先がこれまでの仕事の経験が活かせる仕事であっても、成果を出していくにはそれなりの努力が必要になるということを学べました。
◇ ◇ ◇
転職直後は大変ですが、最近では今の仕事にも少しずつ慣れてきています。
そして、私がこれからチャレンジしたいと思っているのは、介護施設の総務に転職したので介護福祉士の資格を取ることです。
なぜなら、実際に社会保険労務士と介護福祉士の資格を持っている人は多く、その方が仕事の幅も広がるからです。
介護福祉士とは
介護福祉士とは、「社会福祉士および介護福祉士法」という法律に基づいた国家資格です。
介護福祉士は介護を必要としている方がスムーズな生活を送れるよう、あらゆる側面から支援していく「介護のエキスパート」です。
通常の介護士と違うのは、ただ介助業務をするだけでなく、現場のスタッフを指導する立場にもあるということです。
専門的な知識と経験を有する介護福祉士は、リーダーシップを求められることが大きな特徴です。
今後、さらに需要が増えていく事が確実な介護業界で自分が活躍していくためにも、介護福祉士の資格は取っておくべきだと思っています。
どのような社会情勢になっても、安定的に仕事を確保できるような状況を作っていきたい──。今回の転職で、そう強く思うようになりました。
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