プログラマーの仕事一筋だった私が結婚・妊娠を境にマタハラを受けて。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- システム開発会社
- 職種
- プログラマー
- 従業員規模
- 300名
- 年収
- 450万円
転職後
- 職業
- 製造業
- 職種
- プログラマー
- 従業員規模
- 500名
- 年収
- 300万円
目次
MIKANさんの転職ストーリー
1これまでの私
就職してこれまでずっと「仕事ファースト」の日々でした。
新卒で就職したのはいわゆるSIの会社で、私はそこでプログラマーとして、朝早くから夜遅くまで働いていました。
SIとは
SI(システムインテグレーション)は、企業や組織が使用するITシステムを企画、設計、構築、運用まで一貫して提供するサービスのことです。
システムインテグレーター(SIer)は、顧客の業務課題や要件に基づいて最適なシステムソリューションを提案・導入し、業務効率の向上や問題解決を図ります。
SIのプログラマーの主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
システムの設計・開発 | 顧客の要件に基づき、ソフトウェアやアプリケーションを設計・開発します。要件分析を行い、最適なプログラムを構築します。 |
テストと品質管理 | 開発したシステムが期待通りに動作するか、さまざまなテストを実施します。バグや不具合がないように品質管理を行います。 |
システムの運用・保守 | 導入されたシステムが問題なく運用されるように、システムの監視やメンテナンスを行います。 |
技術サポート | 顧客や運用チームに対して、システムに関する技術サポートを提供します。システムの使い方やトラブルシューティングを支援します。 |
顧客対応と要件調整 | 顧客と密にコミュニケーションを取り、要件の調整や変更に対応します。 |
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就職した当時は一人暮らしでした。
彼氏もいましたが、仕事優先で土日や連休中に出勤することも多くて。完全に仕事中心の生活でした。
残業代がたくさん貰えましたが、それを使うような時間も無く、当時はお金がどんどん貯まっていって、それを貯金用の通帳に移すのが楽しみで、とにかくがむしゃらに頑張って働いていました。
数年間働いて、ある日、彼からプロポーズをされました。
それからは先方の両親と会ったりと、結婚の話も進んでいって、
- 私
-
(少し仕事をセーブしたほうが良いかな…)
と思いましたが、周りからは今まで通り働くことを求められて、結果、私は仕事ファーストの毎日を送り続けました。
仕事自体はとても楽しかったです。──というよりも、「仕事が生きがい」といっても過言ではない状況でした。
2転職のきっかけ
妊娠、そして休職。──その後、「マタハラ」を受けて。
彼と結婚してからは、段々と生活サイクルも変わってきました。
2人の時間や、主人のお弁当や夕食を作る時間、家族の時間も大切になってきて。
これまでは「仕事が一番」だったのですが、段々とそうでは無くなりつつありました。
それでも、相変わらず始発で出勤して終電帰りの生活が続いていて、給料はたくさん頂けていましたが、
- 私
-
(お金より大事な物があるのではないのか)
とも、考えるようになりました。
そんな意識の変化が起きた時期と、初めての妊娠が重なって。
会社に報告を迷っているうちに、つわりが酷くなり、会社を休まざるを得ない状況になりました。
1ヵ月近く仕事を休んで、久しぶりに職場に行くと、上司との面談がすぐに設定され
- 上司
-
これ以上続けるのは、無理なんじゃないの?
であったり、
- 上司
-
復帰しても、前のようには働けないでしょ?
と、明らかにマタハラと判断できる言動をしてきたのです。
マタハラとは
マタハラ(マタニティ・ハラスメント)とは、妊娠・出産や育児を理由に、職場で不当な扱いや嫌がらせを受けることを指します。
具体的には、妊娠した従業員に対して仕事を続けにくい環境を作ったり、育児休業の取得を理由に解雇や降格を行うなどが該当します。
マタハラの主な事例
事例 | 説明 |
---|---|
妊娠中の無理な働き方の強要 | 妊娠中であるにもかかわらず、無理な残業や負担の大きい仕事を強要される |
妊娠・出産による降格 | 妊娠や出産を理由に、役職を降格させられる、または仕事を減らされる |
育児休業取得の妨害 | 育児休業を取得しようとする際に、上司や同僚から休業を取りにくくする発言や圧力をかけられる |
復職後の不当な配置転換 | 育休から復職後、以前の業務内容やポジションから外され、明らかに軽視された業務に配置される |
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それでも、なんとか働き続けようとしました。
ですが、明らかに自分にだけ仕事が回ってこないようになっていき、そしてとうとう、なかば強制的な状態で仕事を辞めることとなりました。
「仕事を辞める」と私から言うまでは、何度も定期的に上司から「続けられるのか」「辞めた方が良いのではないか」と言われ続けました。
辛かったですし、これまで仕事と会社をとても大切にしてきたつもりでしたので、
- 私
-
(この会社は、「始発から深夜まで働けるような人材」しか必要ではなかったんだ)
そう思うと、とても悲しくていられませんでした。
3転職中
妊娠中。そして、転職活動中。
退職後は、妊娠していることもあり、すぐには転職できないだろうと思っていました。
ですが、出産後に仕事をしたい気持ちも強くありました。
ですので、リクナビNEXTの転職サービスに登録したり、親戚のつてを頼ったりと新しい職場探しに奔走しました。
まだ妊娠初期で、つわりが収まってからは産休に入るまで何ヵ月もあったため、「できれば出産前にお仕事をはじめさせて頂ける会社を」と一生懸命探しました。
何件か面接に行き、運良く、ちょうど私が出産して復帰した頃から社内で大規模なシステムを構築しようとしている会社に出会えました。
その会社は製造業で、社内のシステム化に力を入れており私のようなエンジニアの人材を求めていたのです。
更には、女性の働き方についても非常に理解を示していただいて、
- 人事の方
-
「妊娠~産休までは、社内の事務の方の手伝いだけでも良いですよ」
と言ってくださいました。
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4転職後
転職後、しばらくして産休・育休に。その後また職場に復帰して。
産休前は、転職した直後にもかかわらず、お腹の子にも気を遣って頂け、とても親身にして頂きました。
業務は前職とは違い定時に終わるような仕事のため、給料はかなり少なくなりましたが、毎日の生活にゆとりが生まれました。
それは育休明けも同じで、前職では時短制度がありませんでしたが、今の職場は短時間勤務制度があって。6時間勤務で家族の元に帰れています。
短時間勤務制度とは
短時間勤務制度とは、育児や介護などの理由でフルタイム勤務が難しい従業員が、一定の期間、通常の勤務時間より短い時間で働けるようにする制度です。
特に子育て中の社員が仕事と家庭を両立しやすくするための支援策として導入されています。
育児・介護休業法では、3歳未満の子どもを持つ従業員に対して短時間勤務の提供が義務付けられていますが、企業によっては、より幅広い従業員に適用している場合もあります。
短時間勤務の概要
項目 | 説明 |
---|---|
短時間勤務の対象となる人 |
|
短時間勤務の例 |
|
参考サイト | 厚生労働省 – 育児・介護休業法のあらまし |
それでも、最初のうちはやはり、慣れるまで大変でした。
同期や仲の良い方がいなかったため、昼ごはん休憩のときなどに一緒にご飯を食べれる相手がおらず、いつも一人でした。
部署内も異性の方や年齢の離れた女性の方が多かったため、しばらくの間は肩身が狭い思いもしました。
あと、妊娠中だったこともあり、こちらも勝手に「どう思われているんだろう」と思ってしまっていた面もありました。
職場の輪に馴染めてきたのは、出産後に復帰してからです。
子供を産んだことで、「母としての強さ」が職場でも表れるようになったのでしょうか笑。
同僚の方と子供の話をしたりも出来るようになり、自然と輪に溶け込めるようになりました。
5その後、どうなったか。
働き方に対する意識の変化と、転職の機会に気付けたこと。
結婚して、転職して、出産して──私の働き方に対する意識は大分変わっていきました。
新卒で就職した時は、とにかく好きな仕事ができるなら1日中でも働いていたいと思っていました。
ところが家族ができて、暮らし方が変わると、「給料が少なくても良いから、早く帰れる仕事に就きたい」と思うようになっていったのです。
結果的に、前職からほとんど首を切られるような形での転職でしたが、転職を行ったおかげでゆるやかな生活を手に入れられたため、今では辞めるきっかけをくれた前職にも感謝しています。
妊娠しながらの転職活動はとても大変でしたが、家族や親戚の支えがあり、家族間の絆も深まったように感じます。
また、転職エージェント(リクナビ経由でご連絡いただいた転職サービス)の方に、ホームページにも載っていないお仕事を何件か紹介して頂き、結果的にはご縁はありませんでしたが、面接の練習などを行っていただけたことはとても役に立ちました。
きっと、私の働き方やライフスタイルは、これからもまた変わっていくのでしょう。
それでも、仕事自体は続けていきたいですね。
転職の際に沢山のご配慮とご支援を頂けた今のこの会社で、引き続き頑張っていきたいと思っています。
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