市場価値を高めて理想のキャリアを手に入れる!3つのポイントと成功事例
[最終更新日]2024/10/18
転職活動をしていると必ずと言っていいほど目にするのが、市場価値という言葉です。
ですが、「市場価値とは、具体的にどういう意味か?」と聞かれて、自信をもって答えられる人はそれほど多くないのではないでしょうか。
目次
1)「市場価値」とはどういう意味?
人材における市場価値とは、「企業にとっての、その人の将来価値を年収額などで表したもの」です。
多くの企業にとって最も意識すべきは事業の継続と発展であり、そこにどれだけ寄与できるかへの期待値が、その人の市場価値と直結します。
これまでの実績・経験をもとに自分が「できる」と思えることと、企業やその業界・市場が人材に求めていることが一致したとき、その人の市場価値は高く評価されます。
市場価値と、あなたの現年収(社内評価)は違うもの
「現在の年収(現職での社内評価)」と「市場価値」は、同じとは限りません。
社内でのあなたに対する評価は、過去の行動や取組み、実績・功績などをもとに判断されているものです。
一方、市場価値は将来的にどれだけの活躍ができるのかを見据えた上で決まります。
よって、現時点での年収は必ずしもその人の市場価値と連動しているわけではないのです。
本来ならもっと活躍できるはずの人材が過小評価されていることもあれば、その逆もあり得えます。
市場価値は「その人のいる環境」によっても大きく変わる
市場価値は、その人のいる環境によっても大きく変わります。
どういうことか、例をもって説明しましょう。
営業としてキャリアを積んだ後に転職をしようとしたXさんがいて、以下のA・B社が転職先の候補にあったとします。
- A社:医療機器メーカーの営業職
- B社:食品メーカーの営業職
この場合、Xさんが転職後に市場価値が高くなりやすいのはA社の「医療機器 営業職」の方でしょう。
その理由は、医療機器メーカーのほうが食品メーカーよりも事業収益性が高いことが多いからです。
事業収益性の高いところで働けば、当然その人の収益性も高まります。
もちろん、一番大切なことはXさんがそれぞれの業界に対してどれだけ知見とモチベーションを持てているかですが、「市場価値は、働く領域の収益性にも影響を受ける」ことは注意しておくべきでしょう。
また、同じ業界であっても、そこで何の仕事を担うかでその人の市場価値が変わることもあります。
たとえばITシステム制作会社に勤めるエンジニアのYさんが「人事部に異動して、市場価値が大きく上がった」というケースもあります。
これは、その企業ではITエンジニア以上にその人材を適切に採用・育成できる人材への需要が高かったためです。
(ちなみに、2024年現在は多くの企業でIT人材不足の課題があり、IT人材を採用・育成できる人材はさらに希少性があるため、こうしたケースは起きやすいです)
このように人材の市場価値は、その人自身の経歴だけでなく、その人が置かれた環境(業界や職種)によっても変動します。
2)自分自身の市場価値の測り方
自分自身の市場価値を知りたい場合、どのような方法があるのでしょうか。
Web上には「市場価値測定ツール」といったものが散見されます。
しかし、こうしたツールの多くは簡易的なロジックで市場価値を算出しているため、精度の高い結果はあまり期待できないでしょう。
より実態に近い市場価値を知るには、次の方法がおすすめです。
前提として、「どの領域の市場価値を知りたいか」を明確にする
先にお伝えした通り、人材の市場価値は、業界や職種といった領域・環境によって変動します。
自身の市場価値を調べる際は、まずどの領域における市場価値を知りたいのかを明確にしておきましょう。
業種や職種、分野を絞り込んでおくことで、より実態に即した市場価値を測れます。
転職サイトの求人情報をもとに測る
市場価値の確認法のひとつは、実在する求人情報の想定年収から測る方法です。
リクナビNEXT、doda、ビズリーチといった転職サイトで、市場価値を確認したい業種・職種の求人および想定年収をチェックするのです。
ただし、転職サイトで確認できる想定年収は「400〜600万円」など幅を持たせて記載されているケースが多いため、単に求人情報を眺めるだけでは市場価値はわかりません。
そのため、以下の手順で確認します。
- ①その求人情報に記載されている人材要件(必須スキル・歓迎スキル)を、あなた自身がどれくらい満たしているかを確認する
- ②求人情報の想定年収と、現在のあなたの年収との差を確認する
①については、必須スキルをすべて満たせていたら想定年収の下限クリアとし、あわせて歓迎スキルをどれだけ満たせているかの割合で市場価値をイメージしていきます。
たとえば想定年収「400~600万円」の求人で、必須スキルはすべて有していてかつ歓迎スキルの50%を有していると判断できた場合、その求人での年収予測(=市場価値)は500万円になる、といった具合です。
市場価値の算定に②の現在年収が必要となるのは、企業が実際に人材を採用する際にその人の現在年収を加味して調整することが多いためです。
想定年収が800〜1,200万円の求人で、人材要件にある必須スキル・歓迎スキルをすべて有している人が応募する際も、その人の現在年収が600万円であった場合は下限の800万円からの採用になるケースが多いです。
こうした①~②のプロセスを最低10件以上の求人で繰り返して確認してみてください。やっていくうちに平均的な年収イメージが見えてくるはずです。
そして、それがあなたのおおよその市場価値になるというわけです。
企業からのスカウトの多い転職サイトに登録するのもおすすめ
企業からのスカウト件数が多い傾向がある転職サイトに登録しておくことも、客観的な市場価値を知る上で役立ちます。
とくにdoda、ビズリーチは企業から直接スカウトが届くケースが多いため、実際に届くスカウトの条件が自身の市場価値を知る手がかりになるでしょう。
企業は転職サイトの登録者にスカウトを送る際、これまでの経験業務や実績をプロフィールで確認しています。
自社が求めるスキル・経験のある人材にスカウトを送っているため、自身のスキルや業務経験を求める企業が提示する年収条件を知れるのです。
たとえば、年収500万円を希望している人のもとに年収600万円以上のスカウトが複数届くようなら、自身の市場価値を過小評価している可能性があります。
転職エージェント・ヘッドハンターに評価してもらう
上の測り方が上手くできなかった人、または別のやり方を試したい人は、転職エージェントやヘッドハンターに評価してもらう方法がおすすめです。
具体的には、転職エージェントサービスやヘッドハンターからの支援のある転職サイトに登録して、エージェントやヘッドハンターとの面談機会を得た際に以下のことを聞いてみるのです。
- この業界では、私の市場価値はどのくらいでしょうか。
- 現在の私の経歴と保有スキルを、高く評価してくれる業界や領域があるとしたらどのようなところでしょうか。また、その際はどのくらいの年収が望めそうでしょうか。
多くの転職希望者を見てきたプロの目から見て、自身の経歴や実績がどう映るのか、客観的に判断してもらえるでしょう。
ときに、自分で思っていたより低い市場価値(年収額)を言われることもあるかもしれません。
その際は、何が課題で、どういった点を克服すればもっと高い市場価値になるかもあわせて聞いてみるといいでしょう。
ただし、転職エージェントの担当者やヘッドハンターが評価を見誤る可能性もゼロとは言い切れません。
評価者を複数確保することで評価の偏りや誤認を防げます。
できるだけ複数の転職エージェントやヘッドハンティングサービスに登録し、複数人の視点から自身の市場価値を判断してもらえる状況を作っておくことが大切です。
3)市場価値を効果的に高めていくためのポイント3点
人材の市場価値は、一度決まったら固定されてしまうものではありません。
市場価値を確認して想定していたよりも低かったとしても、今後の取り組みしだいで市場価値を高めていくことは充分可能です。
ここからは、自身の市場価値を効果的に高めていくための3つのポイントを紹介します。
市場価値の高まりやすい領域(需要の高い業界・職種)を知っておく
前述の通り、市場価値は属する業界・職種によって大きく変動するものです。
つまり、市場価値を効果的に高めていくには、市場価値の高まりやすい領域(業界・職種)を把握しておくことが大切です。
業界は「成長性と収益性の高さ」で見る
市場価値を高めやすい【業界】を見極めるには、成長性と収益性の高さに注目するとよいでしょう。
業界は「IT業界」のような大カテゴリで見ていくのではなく、できるだけ細分化して見ていくことが大切です。
たとえばIT業界の中でも、下記の2領域では成長性に大きな差異が生まれています(※2024年10月現在)。
- ネット広告業界:近年は安定期に入っており、成長がやや鈍化している
- SaaS業界:主力企業の売上高が順調に伸びており、成長性が高い
各領域の成長性と収益性は、一般的に従業員の年収とも相関しているケースが多く見られます。
つまり、成長性・収益性の高い領域を選ぶことでより効果的に市場価値を高められるのです。
成長性と収益性の高さを確認する方法は、転職サイトの求人情報で想定年収や採用時の給与額を確認したり、各社の直近における業績を確認したりするなどがあります。
そのほか、業界ニュースサイトや株式ニュースなどで特定業界の動向を確認するやり方もあります。
たとえば、「業界動向サーチ」では業界別の動向・成長状況を確認できます。
引用元:業界動向サーチ
こうした業界別のトレンドを見ながら、ニーズの高まりが見られる(市場価値が高まりやすい)領域を見出すのも一つの手でしょう。
あるいは、可能であれば実際にその業界で働いている人の話を直接聞く機会を設けると、より業界の実情が分かってくるはずです。
職種は「需要と希少性の高さ」で見る
市場価値を高めやすい【職種】を見分けるには、需要と希少性の高さを判断軸にしましょう。
職種については、これまで携わってきた職種から大きな変更はしにくいものです。
そのため、現在の職種付近から、「より需要と希少性の高い働き方は何か」を考えます。
たとえば営業職であったら、部下を育成・管理する「営業+マネジメント職」であったり、営業の仕組み化を担う「マーケティング・プランナー」や「経営企画」などが挙げられるでしょう。
また、職種そのものだけでなく、以下のような業務経験があると人材の希少性を高めていくこともできます。
- 新しい市場の調査・開拓経験
- 新規プロジェクトや新規事業の立ち上げ経験
- DX推進の経験
そのほか、「必要だけれど、あまり人がやりたがらない業務の経験」も市場価値の向上に役立つこともあります。
たとえば、事業再生プロジェクト(リストラ等の人件費削減の業務に携わるなど)の経験や、コールセンターでのクレーム対応専門チームにいた経験などを重宝する企業も少なくありません。
ポイントは、「需要はあるけれど、やっている人が少ない」分野で、かつあなた自身が興味を持てる仕事を見つけることです。
知識・経験と実績を積む
「この領域で市場価値を高めていこう」という方向性が固まってきたら、そこでの知識・経験・実績を積んでいきましょう。
その際は「近い将来、この仕事を実績として紹介するとしたら、どんな風にPRしたいか」をイメージして、それを目標にするとよいです。
たとえば、次に挙げるような項目のなかで「目指し甲斐があると思えるか(自分にとってモチベーションを感じられる目標かどうか)」を考え、取り組んでみるのです。
- プロジェクトの参画:大規模プロジェクトへの参画経験があればなお可
- 資格・知識の取得:一定以上の難易度で、希望する領域の実務内容と親和性が高い資格または知識
- 売上や契約(実績):自身が挙げた成果を示す金額や数値
上記のような経験・実績をプロフィールに記載できるようになると、転職サイトや転職エージェントに登録した際にスカウトが届きやすくなります。
また、転職時に提示される条件に関しても全体的に底上げされるケースが多いでしょう。
経験と実績の積み上げは、事前に「キャリアプラン」立てを行っておくとより効果的
ひとえに「市場価値を高めよう」としても、やみくもに英会話を始めたり資格を取得したりするのはあまり意味がありません。
どの領域で自分の価値を高めていくかの、キャリアプラン立てが重要です。
キャリアプランを考え、定期的に振り返ることで、その時の自分はどうなりたいのか、それに対して自分は今どの位置にいるのかを確認できます。
そしてなりたい自分になるための材料(スキル)を集めていけば、市場価値は高まっていくはずです。
つまり、「市場価値を高めたい」というモチベーションが高まったときとは、キャリアプランを考える絶好の機会なのです。
キャリアプランの立て方
キャリアプランを立てる際は、あわせてキャリアビジョンも描いていくとよいでしょう。
キャリアビジョンは、あなたが未来に「こういう働き方をしたい」というイメージのことです。
つまり、まずキャリアビジョン(目標)を描き、それを実現するためにキャリアプランを立てるということです。
キャリアビジョンとキャリアプランは、以下のように表に落とし込むことによって考えやイメージを整理しやすくなります。
作成のポイントは、近い未来についてはやや具体的に、遠い未来については抽象度を高めて作ることです。
10年後どうなっているかについて、正確に予測することは不可能でしょう。立てたビジョン・プランが大きく変わる可能性は十分にあります。
キャリアビジョンのイメージを持ちにくい人は、さきにキャリアの棚卸しを行っておくことをおすすめします。
以下の記事にキャリアの棚卸しの進め方を紹介しています。興味のある人はあわせてご覧ください。
定期的に、目指す市場領域にいる人達との交流を持つ
人は環境に影響されやすい面があります。
現在在籍している企業で業務知識やスキルを研鑽していくことも大切ですが、ときには外部から情報を取り入れることも重要です。
目指す市場に関する最新動向やトレンド、直近のニーズといった鮮度の高い情報は、社内だけでは得られないことも少なくありません。
そこで、目指したい領域で実際に活躍している方々と、定期的に交流する機会を持つことをおすすめします。
その領域の方々が数多く参加するSNSグループに参加したり、セミナーなどに参加してみたりするのも1つの方法でしょう。
こうした社外での交流の機会を設けることで得られる効果は、新たな情報を得られるだけではありません。
その領域に特有の「空気感」に触れ、自身の意識を目指すべき領域に向けていく効果も期待できるのです。
4)市場価値を高めて理想のキャリアを手に入れた人の成功事例
なかなか決まらない転職先。いちど活動をストップして…。
転職活動を始めて、中断して、そしてまた再開。 |まめぐま さん(男性 28歳 経理職 東京都)
転職前 | 転職後 | |
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業種 | メーカー | ITサービス |
職種 | 経理 | 経理 |
従業員規模 | 約1,000名 | 約5,000名 |
年収 | 350万円 | 450万円 |
-
社会人2年目に入り、私は転職活動を始めました。
ですが、まだ社会人経験が浅かったこともあり、なかなか選考に通らないことに大変苦労しました。
書類選考で落とされることも多く、運よく面接まで進んでも「なぜ今の会社でもう少し続けないの?」「またすぐ辞めるんじゃない?」といったことを言われるも度々ありました。
当時利用していた転職エージェントの担当者からも、「もう少し現職で働いて、経験を積んでみてはどうか」と提案されました。
私の転職の一番の目標は、年収水準の高い会社に入り、年収をアップさせることでした。
そこで、いったん転職活動を中断して、まずは年収に見合うだけの能力を獲得する──つまり、市場価値を高めることに専念することに決めました。それから約2年間、働きながらTOEICと会計系資格の勉強を始めました。
仕事においても上司に相談してより難易度の高い業務を任せてもらい、業務改善プロジェクトには積極的に参加しました。社会人4年目になる頃、私は転職活動を再開しました。
まず感じられたのが、前回の活動と比べて企業からの評価が大きく変わったこと。
経理経験を幅広く積めている点、実務での業務改善の成功体験がある点、そしてTOEICの学習効果もあって英語力のポテンシャルも評価いただき、選考通過率は非常によくなりました。結果としていくつかの会社から内定をいただき、その中から自分の本当に行きたい会社を吟味して入社先を決めることができました。
「企業から求められるスキル・経験」を優先すること
社会人4年目で、年収100万アップを実現したまめぐまさんの体験談事例です。
エピソードからは、スキルアップをしたことで前回よりも非常にスムーズな年収アップ転職を果たせたことが確認できます。
スキルアップを実現したことによる当人の「自信」が、選考の際にも有利に働いた可能性もあります。
市場価値とは他人の客観的評価ではありますが、それは「自分が相手に与える印象」も少なからず影響します。
「ここまでやれば、年収アップできる」というところまで研鑽して自分自身に自信をつけることも、市場価値を高めるうえで有効な手段でしょう。
自分の「働くこと」のモチベーションとは?そして、自分の強みとは?
SEからITコンサルタントに転職。本当にやりたかったことを目指して|のぶた さん(SE 男性 33歳 東京都)
転職前 | 転職後 | |
---|---|---|
業種 | SIer | SE |
職種 | ITソリューション | ITコンサルタント |
従業員規模 | 約10,000名 | 約1,000名 |
年収 | 500万円 | 700万円 |
-
転職活動中は、本当に転職すべきか、キャリアプランの再構築にとても苦労しました。
(そもそも、なぜ俺はSEになったんだっけ?)
まずそこから考えました。
転職エージェントの「リクルートエージェント」に申し込んで、キャリアコンサルタントの方にも相談しました。でも、なかなか良いアドバイスを頂けなくて。
それは、転職エージェントの方の問題というよりかは、その頃は「働く」ということに対して自分の中でちゃんとした判断軸がなかったからだと思います。
ただ時間はかかりましたが、最終的にはその問いの答えにたどり着きました。
「シンプルに考え、自分の強みとするコトで誰かに貢献したい、困っていることを解決したい、助けたい」
──これが、自分の「働くこと」のモチベーションで、自分の強みとすることは、「IT知識・スキル」でした。
そして、その二つを掛け合わせ、更に経験を積んでキャリアの幅を広げられそうな、ITコンサルタントを目指そうと考えたのです。
キャリアの軸を明確にする
当初、のぶたさんはSEからPL(プロジェクトリーダー)への転職を検討していました。
ですが、PLでのキャリアがどうしてもイメージがつかない。それで「自分のやりたいことと強み」を深ぼっていったときに辿りついたのが「自分の強みで、誰かに貢献したい、困っていることを解決したい」というキャリアの軸でした。
その後、ITコンサルタントとして年収200万円アップに成功しています。
一般的に、ITコンサルへのキャリアチェンジ転職は相応の難易度を伴います。のぶたさんが転職成功した背景には、「この領域で働くことを、必ず実現する」という強い想いがあったからでしょう。
このように、キャリアの軸を持つことで強い行動力を発揮して高い壁を乗り越えることは、過去の転職体験談でもよく見られます。
5)「今の環境では市場価値は上がらなそう」という場合は転職の検討を
「今の環境では市場価値は上がらなそう」と感じている人、または「自分の市場価値は、もっと上げられる」と思う人は、いちど転職の検討を始めてみるとよいでしょう。
その際は、市場価値を高められる領域を一緒に探してくれる転職エージェント・ヘッドハンターの利用がおすすめです。
ただし、転職エージェントには各社特徴や強みとする分野がありますので、自分の状況や求めているアドバイスに合ったエージェントを選んで登録することが大切です。
そのためには、まずはそれぞれの転職エージェントの大まかな特徴・強みを把握したうえで、「ここが良さそう」と思ったところを2~3社登録し、使いながら「自分に合うサービスか」を見極めていくと良いでしょう。
以下、あなたに合ったサービスを見つけやすくするためにおすすめの転職エージェントをケース別にピックアップしました。
ケース別のおすすめ転職エージェント
ケース1)なるべく多くの求人を比較検討したい・早く転職したい
「なるべく早く転職したい」、「積極的に求人提案を受けたい」という人はdoda、リクルートエージェント、そしてワークポートのサービス利用がおすすめです。
doda、リクルートエージェントは共に国内最大手の人材紹介会社として、豊富な求人と充実したサービス体制があり、「的確かつスピーディな対応」への評判が高いです。
また、これまでの支援実績をもとにあなたの市場価値のシミュレーションや活躍しやすい業界・職種の提案をしてくれるでしょう。
ワークポートはIT・Web業界への転職支援に強い転職エージェントで、かつキャリアアドバイザーからの積極的な求人提案をしてもらえると評判です。
ITエンジニアやWebディレクター・プロデューサーといった職種への転職を希望される人にマッチしやすいでしょう。
ただし、これら大手転職エージェントは若手のキャリアアドバイザーも多く、当然その品質は一定ではありません。
相性の良くないアドバイザーや経験の浅いアドバイザーが担当になったときにうまくリスクヘッジできるように、複数の転職エージェントに登録しておきサポート品質を比較確認できるようにしておいた方が良いでしょう。
サービス名 | リクルートエージェント | doda | ワークポート |
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特徴 |
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公開求人数 | 約49万件 | 約26万件 | 約11万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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登録先サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
ケース2)担当者とじっくりキャリア相談をしながら進めたい
転職エージェントでキャリア相談をしたい方、また今回の転職活動に不安を感じている方は、じっくり相談を聴いてもらえる転職エージェントがおすすめになるでしょう。
相談をどれだけ聞いてもらえるかは担当となるキャリアアドバイザーによっても変わってきますが、以下の転職エージェントは「話をよく聞いてもらえた」という評判が多いです。
マイナビエージェントは20代~30代前半の若手社会人向けの転職支援に強く、JACリクルートメントは年収600万円以上のリーダー・管理職層の転職支援に強いです。パソナキャリアは全年齢に満遍なく対応している転職エージェントです。
市場価値は不変のものではありませんので、転職活動中に上げていくこともできます。
これらサービスに登録後、頼りになるエージェントを得られたら「これから自分の市場価値を上げていくにはどうすればよいか」について相談してみることをおすすめします。
そして、すぐに出来そうな取り組みが見つかった場合は転職活動と並行して取り組むとよいでしょう。
サービス名 | マイナビエージェント | ヒューレックス | LHH転職エージェント | パソナキャリア | JACリクルートメント |
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特徴 |
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公開求人数 | 約6.9万件 | 約2.6万件 | 約1.5万件 | 約4.0万件 | 約2.1万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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サービス登録先サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
ケース3)年収アップ・キャリアアップを実現したい
今回の転職で、「キャリアアップや年収アップを果たしたい」という人は、ハイクラス向けの転職サービスを利用すべきでしょう。
好待遇の求人はピンポイントのタイミングで募集されることが多く、その殆どが「非公開求人(転職サイトなど一般の求人媒体には紹介されない求人)」か、それぞれの転職エージェントのみが持つ「独占求人」です。
よって、ハイクラス向けの転職エージェントは「中長期的に利用する」イメージで、かつ複数登録しておくのがおすすめです。
また、登録時はレジュメ(職務経歴)を丁寧に記載しておきましょう。
担当となるエージェントやヘッドハンターが、あなたの市場価値をより正確に把握して、適切な支援がされやすくなります。
以下に紹介するのは、特にミドル世代向けの転職支援実績の豊富な、ハイクラス向けの転職エージェント(一部ヘッドハンターサービス)です。
サービスの特徴を見て、自分に合いそうと感じたものから登録を検討してみてください。
サービス名 | doda X | WARCエージェント | JACリクルートメント | ビズリーチ | リクルートダイレクトスカウト | パソナキャリアハイクラス |
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特徴 |
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公開求人数 | 約6.0万件 | 非公開 | 約2.1万件 | 約14万件 | 約40万件 | 約1.4万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | 経理・財務、人事・労務、法務、総務、情報システム部門など | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
おすすめの人 |
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サービス登録サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
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まとめ)自ら市場価値を高めていく行動を選択していくことが大切
ここまでの内容をまとめてみましょう。
- 市場価値とは、「企業(または顧客)にとっての、その人の将来価値」
- 市場価値と、あなたの現年収(社内評価)は違う
- 市場価値は「その人のいる環境(業界や職種、仕事内容)」によっても大きく変わる
- 市場価値の主な測り方は、「転職サイトの求人調査」「転職エージェントに直接聞く」の2つがある
- 市場価値を効果的に高める際は、まずは目指す領域を定めること。そのうえで、知識・経験・実績を積む
人材の市場価値と聞くと、「評価される」「値札を付けられる」といったイメージを持たれがちです。
しかし、市場価値は常に変動しており、何らかのきっかけで上がることもあれば下がることもあります。市場価値を受動的に捉えるのではなく、自ら高めていくための行動を取っていくことが非常に重要です。
今回解説してきた市場価値の高め方を参考に、ぜひ自身の市場価値を高めていくための行動を選び取っていってください。
市場価値を向上させる行動の積み重ねが、人材としての需要や希少性の高さとなって実を結ぶはずです。