業務事故で右腕に障がいが。そんな私を救ったのは周囲の人の「優しさ」だった。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 自動車製造
- 職種
- 技術職
- 従業員規模
- 150名
- 年収
- 450万円
転職後
- 職業
- 社会福祉指導員
- 職種
- 福祉
- 従業員規模
- 20名
- 年収
- 250万円
目次
AOBAさんの転職ストーリー
1これまでの私
自動車部品の製造会社の作業員として働いて。
転職前は、自動車部品の製造会社で働いていました。
妻と2人の子供がおり、妻もパートに出てくれていたので、家計は安定しており平穏な日常を送っていました。
製造業は休日出勤や残業が多く、私の職場も例外ではありませんでした。
そのため、家族との時間はほとんど取れていませんでした。
私にとっての家族での唯一の楽しみは、年に一回の家族旅行でした。
冬のボーナスをあてにして旅行の計画を立て、国内を観光しました。
仕事は忙しく、体力的にも辛かったです。
それでも家族の姿を想像して励んでいましたし、激務の中でも何とかやりがいを見出しつつ働いていました。
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2転職のきっかけ
機械の修理中に、右腕を巻き込まれてしまって。
製造会社での勤務歴は15年近くが経過しており、社内でも一定の立場と経験を持っていました。
しかしある日、そんな慣れから油断が生じて、機械の修理中に右腕を巻き込まれてしまいました。
すぐに病院に運ばれ、手術は成功したものの、右腕の動作不良と握力低下の障がいが残ってしまいました。
技術職はやはり腕が命なので、現場での作業が困難になり事務職にまわったのですが、私自身、気持ちの整理がつけられず悩んでいました。
周囲は気を遣って私に優しくしてくれましたが、「本当は私のことを厄介な荷物だと思っているんじゃないか」という、マイナスな思考が常につきまとっていました。
そんな心を一人で抱え込んでいると、やがて「転職」という言葉が頭をよぎってきました。
生活面のこともあり、家族に悩みを相談しづらかったのですが、タイミングをみて思い切って打ち明けてみました。
すると家族の反応は意外なもので、「転職に賛成するよ」というものでした。
良くしてもらった会社には申し訳ない気持ちがありましたが、気分を新たに前へ踏み出す決心をしたのです。
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3転職活動中
今の状態で、問題なくこなせる仕事は何か。
転職後の家計の問題はもちろんのこと、どのような職種を選ぼうか悩んでいました。
手が不自由でも、問題なく行える仕事とは、いったい何だろうか?と。
妻には「家計のことは心配しなくていいよ」と声をかけてもらい、後ろめたさはありつつも、その言葉にいくらか気持ちが軽くなりました。
友人にも相談に乗ってもらいアドバイスを受けました。
周囲の人は皆親身に相談に乗ってくださり、そんな中である友人が「福祉の仕事はどうか」と助言をしてくれたのです。
介護の作業自体は肉体労働のため困難は伴うが、「指導員」というかたちでなら、手が不自由でも可能かもしれない。
その助言を得て、翌日から早速ハローワークを中心として転職活動を始めました。
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まったくの未経験かつ年齢・身体的なハンデも重なり、転職活動は予想以上に困難なものでした。
しかし同時に、「きっと私のような身の上で悩んでいる方は、たくさんいるはず。だからこそ、そんな人たちのために私も働きたい」という意思が、私の中に芽生えていました。
面接でも、ひたすらそのメッセージを真摯に訴え続けました。
その結果、一つの障がい者福祉施設が私の思いに共感し、内定をくださったのです。
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4転職後
新しい職場は、障がい者福祉施設。
職場は福祉の業界に携わっていることもあり、皆人当たりがよく親身になってくれる人が多いです。
仕事の進め方や分からないことも丁寧に教えてくれるので、精神的に追い込まれることなく仕事に励むことができました。
仕事内容は、何らかの障がいを抱えた方の社会復帰を促進するために、職業訓練をすることでした。
基本的には塾講師のように、教壇に立って物を教える仕事なので、身体のハンデはあまり問題にはなりませんでした。
障がいの種類も身体・精神・知的の3種類があり、それぞれに対応方法が異なります。
指導員という立場から利用者とのコミュニケーションは非常に重要ですが、心に苦しみを背負っている方たちとどのように接したら良いのか、最初は戸惑いました。
先輩職員からアドバイスは受けましたが、最も大切なのは利用者の方と信頼関係を築くことです。
その点に関しては、悩みましたし苦労もしましたが、私自身、彼らに共感できる部分は多いと感じ、自分の身体のことも隠さず伝え、コミュニケーションを図るよう心がけを行っています。
5その後、どうなったか。
障がいを負った方たちのサポートをしていく仕事。
給料や福利厚生などの待遇面では、以前の会社と比べて下がりましたが、障がい者福祉施設での仕事は「人と人とが助け合うやりがいのある仕事」だと感じています。
自分に適した仕事に就けたのは本当に良かったです。
仕事は生活の基盤になるものなので、過度のストレスや無理があってはいけません。
給料にこだわりすぎて、無理な重労働を選んでも、私の身体では長続きしません。
仕事のどこに重点を置くかによって、その後の社会人生活の内容も変わってきます。
運のいいことに、周囲の家族や友人から助言をもらえたことで、今の職場に出会うことができました。
一人で考え込むのではなく、周囲の助けをもらうことも、転職活動では大切だと学びました。
◇ ◇ ◇
今後は、福祉関係の資格を取得してスキルを向上させていきたいです。
今後も福祉の分野に携わっていくことで、障がいを負った方たちのサポートをしていきたいと考えます。
仕事中の事故から障がいを負ってしまい、思い悩んでいた自分を助けてくれたのも多くの人の「優しさ」でした。
その感謝の気持ちを大切にして、今度は私自身が困っている人の心の支えになれればと考えています。
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