証券会社から投資会社に転職。「自分の能力を活かした働き方」を目指して|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 証券会社
- 職種
- リテール営業
- 従業員規模
- 500名
- 年収
- 900万円
転職後
- 職業
- 投資運用会社
- 職種
- アナリスト・ファンドマネージャー
- 従業員規模
- 60名
- 年収
- 900万円
目次
ヒロシさんの転職ストーリー
1これまでの私
学生の頃から株式投資が好きで、大学卒業後は証券会社に。
私は現在46歳の男性です。
これまで、投資会社に勤務していました。
家族は、妻と小学生の子供がひとりです。
私は大学時代から株式投資が好きでした。
毎週のようにチャートブックを買い、3ヵ月ごとに会社四季報を購入し、丹念に投資すべき銘柄調査をしていました。
日本経済のなかで、これからどのような業種が成長していくのか、さらにはこの業種のなかでどのような企業が成長していくのかを調べるのが好きな学生でした。
そして、アルバイトで貯めた資金でコツコツと株式投資をおこない、バブル崩壊直後の状況にもかかわらず大学4年間で30%程度の利益をあげることができました。
そして、大学卒業後は証券会社に入社しました。
5年前の2012年に転職するまで、私は一貫して証券会社の視点で個人投資家向け営業の仕事をしていました。
私は会社から推奨されていた銘柄よりも、自分で調べた銘柄をお客様に勧めて利益をあげていました。
「自分で常に銘柄を発掘し、お客様に利益をあげていただき喜んでいただく」──それは、私にとっての大きな仕事のやりがいでもありました。
参考:証券会社の営業職の主な仕事内容
仕事内容 | 詳細 |
---|---|
顧客の開拓と管理 | 新規顧客の開拓と既存顧客の管理を行い、信頼関係を築きます。 |
投資商品の提案 | 顧客の投資ニーズに応じて、株式、債券、投資信託などの投資商品を提案します。 |
マーケット情報の提供 | 市場の動向や最新の経済ニュースを顧客に提供し、投資判断の参考にしてもらいます。 |
ポートフォリオ管理 | 顧客の資産ポートフォリオを管理し、適切な投資戦略を提案します。 |
セミナーやイベントの企画・運営 | 投資セミナーや顧客向けイベントを企画・運営し、顧客との接点を増やします。 |
取引のサポート | 顧客からの注文を受け、取引をサポートします。また、取引に関するアドバイスを提供します。 |
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2転職のきっかけ
自分のこれまで大切にしてきた働きかたが、全く通用しなくなって。
私が転職を思い立ったのは2012年の秋頃、ちょうど株式市場が冷え切っていた頃でした。
2009年にアンチビジネスという立場をとる政党の政権が発足してから、株式市場は日々の売買代金が低迷し続けました。
株式市場というものは1年に一度は「買い場」がやってくるものですが、2009年以降は買い場がきたと思っても日経平均株価が2000円程度上昇しただけで、再び下落してしまう有様でした。
そして東京証券取引所での1日の売買代金も、わずか1兆円となる日も珍しくなくなったのです。
このような状況下では、私がいくら銘柄を調べてお客様に推奨しても、なかなかお客様に利益をあげていただくことが難しくなっていきました。
私は証券会社に入社して初めて、「仕事の限界にぶつかった」と感じた時でした。
大きな流れの中では、証券会社において私のこれまで大切にしてきた働き方も全く通用しなかったのです。
──そして、そのことが「転職しよう」と思い立った、直接のきっかけでした。
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3転職中
転職は、証券アナリスト・ファンドマネジャーへの道。
私はすでに41歳となっていました。
転職活動は、証券会社で働きながら密かに開始しました。
40代での転職活動は難航するだろうという思いもあり、また、新たに「証券アナリスト」もしくは「ファンドマネージャー」という職種にチャレンジしようという考えもあって、私は転職エージェントに登録しました。
私がいま振り返って幸運だったと思えることは、証券会社でのお客様との出会いでした。
お客様から
- お客様
-
「キミは熱心に銘柄を調べてくれている。いっそのこと証券アナリストの資格を取ったらどうだい。将来きっと役に立つよ」
とアドバイスいただいたことでした。
そのアドバイスがあって、私は当時証券営業の仕事に限界を感じながらも、「アナリストやファンドマネージャーとして、投資会社を目指すのはどうだろう」と考えることができたのだと思います。
参考:投資会社とは
項目 | 詳細 |
---|---|
投資会社の概要 | 投資会社は、投資家から集めた資金を使って株式や債券、不動産などに投資し、利益を上げることを目的とした会社です。投資信託やヘッジファンド、ベンチャーキャピタルなど、さまざまな形態があります。 |
主な仕事内容 |
|
必要な知識・スキル |
|
代表的な会社 |
転職エージェントのキャリアコンサルタントには、私がお客様に推奨した銘柄と実際にどの程度株価が値上がりしたかを記した約15年分の手書きのノートを提出しました。
するとキャリアコンサルタントは感心してくださり
- キャリア
コンサルタント -
「これほどの実績があれば、どの投資会社もあなたを採用してくれますよ」
と言ってくれました。
私を担当してくれたキャリアコンサルタントの方は3社の投資会社を紹介してくださり、キャリアコンサルタントみずから手書きの推薦状も書いて、私を推薦してくれました。
その甲斐もあって、私は「証券会社」から「投資会社」に転身することができたのです。
参考:証券会社と投資会社の違い・特徴比較
項目 | 証券会社 | 投資会社 |
---|---|---|
概要 | 顧客の資産運用をサポートし、株式や債券の売買を仲介する会社 | 投資家から集めた資金を使って株式や債券、不動産などに投資し、利益を上げることを目的とした会社 |
主な業務 |
|
|
必要な知識・スキル |
|
|
収益源 | 取引手数料や金融商品の販売手数料 | 投資からのリターンや管理報酬 |
4転職後
私の方針は、創業者の方針と180度違う!
私が転職した投資会社では、数名のアナリストやファンドマネージャーが在籍しており、一般の個人投資家からお預かりしたお金を上場企業に投資していました。
しかし、この会社で私が活躍する余地はかなり少ないことが、入社して3ヵ月くらいしてわかってきたのです。
この会社では創業者の投資方針が末端の社員にまで徹底されており、銘柄選択のプロセスにおいて新入社員の私の意見が採用されることは、ほとんどありませんでした。
私が選択する銘柄は、東証一部に上場する大企業がほとんどです。
そして、私の投資方針というのは、大企業の株価が大幅に下落し続けたあと、やっと株価が下げ止まったと思えるタイミングで買い推奨するのです。
つまり安値で株価を拾って、株価が上がったら売り抜ける手法です。
ところがこの会社の創業者の方針は、上場ベンチャー企業のなかから有望な企業をピックアップして、集中的に資金を投入するというものでした。
私とは投資に対する考え方が異なりますので驚きましたし、唖然とさせられました。
(私の意見を採用しないのであれば、なぜ私を中途採用したのだろうか…)と疑問に思ってしまいました。
◇ ◇ ◇
このときの転職で感じたことは、採用面接の段階で高い評価を得ても、入社してから自分が重用されるわけではないということです。
とくに創業者が経営する企業では、創業者の考え方が絶対的なものであり、中途入社して日が浅い人間の意見は受け入れられないのでしょう。
創業者が経営する会社で働くことを初めて経験しましたが、文字通りワンマン経営なのだと思い知り、
- 私
-
(これなら入社しないほうが良かった…)
と後悔しました。
入社して6ヵ月ほど経過してから、役員のひとりと食事をしたときに
- 私
-
「なぜ、こんな、社長と考えの違う自分を中途採用したのですか」
と思い切って尋ねたところ、答えは
- 上司
-
「いやー、それは社長に聞かないとわからないね」
というものでした。
この答えを聞いて、とても残念な気持ちになりました。
私を指導してくれている上司ですら、私の働き方を全くイメージしていなかった(もしくは、イメージする必要を感じていなかった)ということなのでしょう。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと、そしてこれから目指していきたい将来の形は──。
投資会社に転職してから数年後、私は再び転職をしました。
今、私が実現したいと考えていることは、とてもシンプルな内容です。
それは、「自分の能力を生かして仕事をしたい」ということ。
自分の経験や知見をありのまま会議やミーティングの場で披瀝し、自分の考えを述べて、できれば自分の考えや自分の方針のもとにビジネスを進めていくことです。
将来的には自分で会社を創業して、自分が経営者となって投資事業をすることが、自分の人生の最終地点なのかもしれません。
その考えの根底には、「サラリーマンという立場は、自分の意見を100%通して仕事をすることはできない」というものがあります。
自分のやりたいことを本当に貫き通すためには、自ら会社をつくって投資ビジネスをすることが求められるのでしょう。
それが、私のこれから実現させたい未来像です。
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