『みんなの転職「体験談」。』
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転職体験談:DPEショップ店長から、デザイン事務所のDTPオペレーターへ転職。

転職前

BEFORE
職業
DPE店管理・販売
職種
店舗管理職
従業員規模
1,500~2,000名
年収
210万

転職後

AFTER
職業
出版編集・DTP
職種
DTPオペレーター
従業員規模
15~20名
年収
250万

目次

みりんさんの転職ストーリー

1これまでの私

DPE店での仕事。1ヵ月に休みが取れるのは2~3日だけ。

イメージ図:DPE店での仕事は、1ヵ月に休みが取れるのは2~3日だけ。

23歳の頃、DPE店でアルバイトを始めました。

その2年後に正社員登用され、店舗管理者(店長)となりました。前任の店長が持病を理由に退職することになったのですが、私を次の店長に抜擢するよう本社に推薦してくれたのです。

DPEとは、写真の現像や焼き付け、引き延ばしをするサービスのことです。私が勤めていたDPE店は全国チェーンのうちの1店舗でした。私は店長としてアルバイトスタッフ数名と共に、写真のプリントや販売接客に携わっていました。

アルバイト時代は時給870円、月収にして10万円ほどでしたので、実家で両親と共に暮らしていました。店長になってからは月18万円ほどの収入になりましたので、一人暮らしを始めることにしました。

店長職に就いてからはじめの半年間は新人店長だったこともあり、本社からもあまりうるさく口出しされることはありませんでした。
ところが、半年が経った頃から10店舗を超える店舗数を掛け持ちすることになってしまったのです。しかも、店長としての仕事以外に、事業所での事務もこなさなくてはならない状況でした。

休みは取れても月2〜3日ほど
それ以外は休みなく担当店舗を廻り、アルバイトスタッフや店舗内の様子をチェックしたり、人手が足りない店舗があれば自らシフトに入って接客を担当したり、事業所で会議資料の作成や電話・来客応対のほか、事務作業をこなしたりと、やるべき業務量は膨大でした。

担当店舗は大阪だけでなく、奈良や京都、神戸などにもあったため、店舗間の移動に丸一日を費やすこともあって。売上状況の芳しくない店舗があれば店長として打開策を練らなくてはなりません。それぞれの店舗のシフト作成や商品棚卸など、こまごまとした作業も数多くありました。

そんな生活が2年間続いたことで、精神的にも体力的にも疲れ切ってしまっていました。本当に朝から夜中まで、休む間もなく働きづめでした。

参考:DPE店の店長の仕事内容

仕事内容 説明
店舗運営管理 店舗の全体的な運営と管理を担当します。売上目標の設定や達成に向けた施策の実行、店舗運営に関する計画立案を行います。
スタッフ管理・育成 スタッフの採用、トレーニング、シフト管理を行います。スタッフの能力を最大限に引き出し、チームワークを強化します。
接客および顧客対応 お客様への対応やクレーム処理を行います。高いサービス品質を維持し、顧客満足度を向上させるための接客指導を行います。
商品管理・在庫管理 写真現像用のフィルム、用紙、インクなどの消耗品や、メモリーカード、フォトフレーム、アルバムなどの商品の仕入れ、在庫管理、棚卸しを行います。適切な在庫レベルを維持し、品切れや過剰在庫を防ぎます。
売上および経費管理 売上の管理、経費の削減、予算の作成を行います。収益性を高めるための施策を実施し、店舗の経営を安定させます。

2転職のきっかけ

残業手当も休日出勤手当も、ない。

イメージ図:残業手当も休日出勤手当もない待遇で

店長職と聞くと、とてもやりがいのありそうな仕事のように思えます。私もはじめの頃はやる気に満ちあふれていました。
しかし、毎日のように仕事に追われ続けていくうちに、心身ともにつらいと感じるようになっていて。しかも、残業手当や休日出勤手当は支払われていなかったのです。

それでも「いま辞めたらスタッフたちに迷惑をかけてしまう」と無理やり自分を奮い立たせて仕事をしていました。ある日、担当店舗のアルバイトスタッフが、こんなことを言い始めました。

アルバイト
スタッフ

「私たち、アルバイトなのに仕事を任されすぎじゃないでしょうか。あまりにも割に合わないので退職したいです」

退職を申し出てきたのは、彼女を含めて4名のアルバイトスタッフ。皆とてもよく働いてくれる方々で、本来なら店長である私がやらなくはならないはずのシフト作成や棚卸作業などを手伝ってもらっていたのです。

私は彼女たちを引き留めましたが、結果的に退職を止めることはできませんでした。彼女たちは私が相手では話が進まないと思ったのでしょう。退職の意思を本社に直接伝え、辞めていったのです。

その後、私は本社から叱責を受けました。

本社
スタッフ

「店長なんだから、もっとしっかりやれ」

「しっかりやってください」ではなく、「やれ」でした。
なんだか奴隷になったような、惨めな気持ちでした。
そんな風に言われて、それでも仕事を続けられる人はきっとそんなに多くないのでないでしょうか。

そして私は、店長を続ける自信い、転職について考えるようになっていったのです。

3転職中

2ヵ月の転職活動。落ちた会社は10社以上。

イメージ図:2ヵ月の転職活動で10社以上も落ちて──。

27歳からの転職活動はとても大変でした。

DPE店の店長を経験しているとはいえ、これと言ってスキルが身についていたり、資格を持っているわけでもありません。
当初は「事務職」を目指したいと思っていましたが、ハローワークへ行ったり求人誌を見たりしても、求人はなかなか思うようには見つかりませんでした。

ハローワークの職業訓練所へ通うことや、実家に戻って資格取得の勉強に集中することも考えましたが、自分だけで続けていく気力はもう私には残っていませんでした。

そこで「私に何ができるだろうか?」と考えたとき、昔から趣味でIllustratorやPhotoshop、InDesignといったDTPソフトを使ってデザインするのが好きだったことを思い出しました。DPE店で店長をしていた時も、店舗の展示用に使うPOPやチラシを自分でデザインして作っていたのです。

DTPのスキルを活かせる仕事に就けたら——。そう思って求人を探していたところ、「マイナビ転職」でDTPオペレーターの求人を見つけました。

参考:DTPオペレーターとは

役割 DTPオペレーターは、専用のソフトウェアを使用して、印刷物のレイアウトやデザインを作成する役割を担います。出版物、広告、パンフレット、ポスターなどの印刷物の制作をサポートします。
主な仕事内容
  • デザインデータの作成と修正
  • レイアウトの調整とフォーマット設定
  • 画像のスキャンと編集
  • 印刷物のカラーマネジメント
  • プリフライトチェック(印刷前の最終確認)
  • クライアントやデザイナーとの連絡調整
求められるスキル
  • Adobe InDesign、Illustrator、PhotoshopなどのDTPソフトウェアの操作スキル
  • 印刷工程に関する知識
  • タイポグラフィやレイアウトデザインの理解
  • クライアントやチームとのコミュニケーションスキル

さっそく応募しましたが、書類選考の段階で不採用でした。1社目からうまくいくものでもないだろうと、それから何社か応募したり面接を受けたりしたものの、どこも採用してくれませんでした。
結果的に2ヵ月で10社以上に落ちてしまったのです。

前職で貯めたお金や失業給付で何とか生活はできていたのですが、数か月間におよぶ無職期間はとても心細く感じました。
資格取得に向けて勉強すると言っても、ゼロからスタートするのはなかなか厳しいものがあります。「あと2週間がんばってみて、ダメならアルバイトで食いつなぎながら正社員の仕事を探していこう」と考えていました。

そんな矢先、「これで最後」と思って面接を受けたデザイン事務所に採用してもらえることになり、とても驚きました。実は、そのデザイン事務所に勤めていた友人が口添えしてくれたことで、面接を受けられたのです。

私が今までに作ったデザインを見てくださった面接担当者が、「これなら資格がなくても採用したい」と言ってくれたのでした。

4転職後

待ちに待った、デザインの仕事。

イメージ図:待ちに待ったデザインの仕事。実務レベルのギャップに直面して——。

こうして、私は晴れてDTPオペレーターとして働くことになりました。

新しい職場は新設のデザイン事務所で、従業員は20名ほどの少人数でしたが、これから伸びていく会社だと自然に感じられるような活気にあふれていました。

DTPオペレーターとは、デザイナーの指示に従って印刷物の版下データを作る仕事です。Illustrator、Photoshop、InDesignといったデザインソフトを使って紙面データを作成・編集したり、入稿データや画像のチェックをしたりする作業が中心でした。

具体的には、飲食店に設置するメニューブックの制作や、スーパーマーケットのPOPやチラシをレイアウトする、といった仕事内容です。

勤めはじめた当初、自分は何をやったらいいのか、何の作業がこなせるのか分かりませんでした。デザインソフトを使ったことはありましたが、あくまでも趣味のレベルです。
実務としては未経験者ですので、何をするにも上司や同僚に「ここはどうしたらいいのか」などといちいち聞かなくてはなりませんでした。

どうやらその会社に私を紹介してくれた友人が、面接を担当した上司に私のスキルを実際よりも高く伝えていたようなのです。
「DTPオペレーターとしての実務経験はないが、仕事内容はきちんと理解している」などと、過大評価するような伝え方をしていたようでした。
上司からは

職場の
上司

「正直、ここまでの未経験者とは思わなかったよ。デザインセンスはあるようだけれど、これだけDTPオペレーターとしての経験値が低いと実務向きとは言えないね。」

と言われてしまいました。・・・本当に悔しかったです。

でも、友人に紹介してもらった恩もありますし、すでに採用されているのですから、「皆についていけないので辞めます」などとは言えません。
むしろ、せっかく採用されたのにここで辞めたらもったいない、と思いました。

(このままで終わっちゃダメだ。——今は未経験者でも、どんどん知識を増やしてできるようにならないと)

——そう思い、必死に働きました。DTPオペレーターとして取得しておいたほうが良いと言われるDTPエキスパートの資格を取りましたし、自主的にDTP講座も受講しました。

そうして1年が経つ頃には、上司にも同僚にも認めてもらえるだけの力をつけることができました。

5その後、どうなったか。

今後は、Webデザイナーを目指したい。

イメージ図:

転職して良かったのは、「たとえ未経験でも努力しだいで何とでもなる」と気づけたことです。世の中にはいろいろな講座や資格があり、勉強するための参考書もありますから、その気になれば独学でスキルや知識を身につけていくことができるのです。

一方で、「運よく未経験で採用されたとしても、現場で働く人たちの見方は甘くない」ということを学びました。私のように異業種から転職した場合、「異業種にチャレンジできるということは、何か特別なスキルや資格があるのかもしれない」と期待が大きくなることもあり得るのです。

後悔しているのは「どうして無職期間中にDTPオペレーターの講座を受講したり、資格取得に向けた勉強をしたりしておかなかったのか」ということです。
事前にもっとしっかり準備していたら、より良い条件の職場へ転職できたかもしれない、とも思います。

事前準備が不足していて、そのうえ未経験者だったわけですから、あれだけ何社受けても不採用が続いたのだな、と今になって分かりました。

◇ ◇ ◇

私は現在DTPオペレーターとして1日9時間、週5日勤務で働いており、年収は約250万円です。

未経験の状態から勤め始めて2年で月収20万円ほどなら、けっこう良いほうでしょう。

しかし、DTPオペレーターとして働いている中で、もっとデザイン関係の仕事内容について学びたいという気持ちが湧いてきました。

今後ステップアップしたいと思っているのは、Webデザイナーという職種です。企業や個人から依頼を受け、Webサイトを制作する仕事です。

参考:Webデザイナーとは

役割 Webデザイナーは、ウェブサイトのデザインやレイアウトを作成し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる役割を担います。企業のブランドイメージを視覚的に表現し、訪問者にとって使いやすいウェブサイトを設計します。
主な仕事内容
  • ウェブサイトのデザインコンセプト作成
  • レイアウト設計とナビゲーションの構築
  • 画像、グラフィック、アイコンの作成と編集
  • HTML、CSS、JavaScriptのコーディング
  • ユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化
  • クライアントや開発チームとの連絡調整
求められるスキル
  • Adobe Photoshop、Illustrator、XDなどのデザインツールの操作スキル
  • HTML、CSS、JavaScriptなどのウェブ技術の知識
  • レスポンシブデザインの理解
  • UI/UXデザインの知識
  • クリエイティブなビジュアルデザイン能力
  • クライアントやチームとのコミュニケーションスキル

趣味で続けてきたデザインを誰かに見てほしいと思い、さっそくホームページを立ち上げてみたのですが、その作業が楽しくて「こういう仕事をしてみたい」と思うようになりました。ページデザインの工程でDTPオペレーターとしての経験も活かせるので、いずれは在宅ワーカーとしてWebデザイナーの仕事ができたらと思っています。

今はまだ構想の段階ですが、時間を見つけてWebデザイナーの講座を受講するなどして勉強しつつ、いずれWebデザイナーに転職しようと考えています。

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