人の健康を支える仕事。鍼灸師からスポーツトレーナーに。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 鍼灸師
- 職種
- 医療
- 従業員規模
- 10人
- 年収
- 360万円
転職後
- 職業
- 鍼灸師
- 職種
- 医療
- 従業員規模
- 5名
- 年収
- 480万円
目次
mtさんの転職ストーリー
1これまでの私
人の健康を支える仕事。
私は今、鍼灸師兼スポーツトレーナーとして働いています。
そして転職前は、同じく鍼灸師でした。
鍼灸師とは
鍼灸師は、東洋医学に基づいて「鍼(はり)」や「灸(きゅう)」を用い、体の自然治癒力を引き出す治療を行う専門職です。
患者の症状や体質に応じて経絡やツボに刺激を与え、痛みの緩和や体調の改善を図ります。整骨院や鍼灸院、病院のほか、スポーツや美容分野でも活躍しています。
鍼灸師の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
問診と診察 | 患者の症状や体調を問診し、体質や生活習慣も含めて総合的に診察します。東洋医学の観点から、治療の方針を立て、適切なツボや治療方法を選択します。 |
鍼治療 | 細い鍼を使って、経絡やツボに刺し、体内の気の流れを整えます。痛みの緩和や血行促進を目的に行われ、患者の症状に合わせて刺激の強さや場所を調整します。 |
灸治療 | 灸(もぐさ)を使ってツボを温め、血行や新陳代謝を促進します。慢性的な痛みや冷え性の改善、体質改善に効果があるとされています。 |
リハビリや運動指導 | 患者の回復をサポートするため、リハビリや適切な運動の指導を行います。痛みの予防や再発防止を目的に、日常生活でできるセルフケアのアドバイスを提供します。 |
健康相談・生活指導 | 患者の健康維持や改善のため、食事や生活習慣に関するアドバイスを行います。東洋医学の知識を活かし、心身のバランスを整えるためのサポートを提供します。 |
学生時代、私はサッカーに明け暮れる少年でした。
ですので昔から、身体のケアであったり、痛みの治療というものには近い距離で接していました。
馴染みの鍼灸師さんがいたのですが、その方の治療がとてもよく効いて。
自分も大人になったら、こうしたケアで人を支える仕事がしてみたいなと、漠然と考えていました。
鍼灸師としての仕事内容は、やはりケガをした人のリハビリであったり、身体の疲れの緩和がほとんどです。
もちろん患者様によって症状は様々ですので、時には幼児向けに「かんむし」の治療なども行っています。
患者様が治療を通して元気になる姿を見るのは大きな喜びですし、「〇〇さんの治療には本当に助けられています」という言葉を貰えるのは大きな糧となっています。
家族構成は妻と子供一人です。
私は冗談を言うのが好きですので、家族を笑わせたり、患者様とも友だちのように接しています。
2転職のきっかけ
忘れられない、一人の患者。
そんな私が転職を決意したのは、何も「人間関係に疲れて」などといったネガティブな理由ではありません。
単純に、自分のスキルが全然追いついていないな、と感じたからです。
これは私の勤めていた職場のせいではなく、ただ私が、仕事に慣れすぎたというのが大きな要因だったと思います。
ある日、近所の高校の生徒がケガをして来院しました。
学生の身体を一目見た瞬間から「これ治せるかな?」と不安になりました。
具体的な症例は避けますが、それくらい複雑なケガだったのです。
上司に治療方針をアドバイスしてもらったり、自分でも書籍などで調べたりなど、色々と手を尽くしました。
しかし、治療は長引き、彼が出場するはずだった試合に、間に合わせてあげられなかったのです。
強豪校のスポーツチームだったようで、後に彼の所属するチームの試合をTV中継で観ました。
その時、ふいに映されたベンチシートに、ケガをした彼の寂しそうな姿がいたような気がしました。
- 私
-
「このままでは、私の技術不足で、彼と同じような患者が増えてしまう」
そう思った私は、一からスキルを磨くため、新たな場所でやり直す決意をしたのです。
3転職活動中
自分のスキルを伸ばせる場所はどこか、見極める。
転職活動中は、とにかく様々な治療院に赴き、現場を見て回りました。
私の課題点を克服できそうな治療院を探すのはなかなか一筋縄ではいかず、転職を果たしたのは2ヵ月も後のことでした。
現場で直接雇用の相談を持ち掛けたり、求人誌に載っている先へ電話をかけたりと、とにかくがむしゃらに行動していました。
治療院自体は多いのですが、「スポーツ治療」や「トレーナー業務」を専門的に行っている場所はあまりありませんでした。
私の年齢もあったと思います。
当時34歳。倍率が高い中だと、どうしてもスキルのある中堅者が優先されてしまうのです。
状況の打開に至ったのは、同じく治療院に勤めている友人からの紹介で、ある治療院に出会えたこと。
私の希望である「スポーツ選手のトレーナー業務」を専門としており、
タイミング的にも、家族をこれ以上不安にさせるわけにはいかないと思い、そこで働かせてもらうことにしたのです。
スポーツトレーナーとは
スポーツトレーナーは、アスリートや一般の運動愛好者に対して、身体のコンディショニングやパフォーマンス向上のサポートを行う専門職です。
トレーニング指導、ケガの予防やリハビリ、栄養指導などを通じて、クライアントの健康維持や目標達成を支援します。
スポーツトレーナーの主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
トレーニング指導 | 個々の体力や目標に合わせたトレーニングメニューを作成し、指導を行います。適切なフォームや負荷の設定を通じて、安全かつ効果的にトレーニングを行えるようサポートします。 |
コンディショニング | アスリートやクライアントの体調や筋肉の状態をチェックし、最適なコンディションを維持するためのケアを行います。ストレッチやマッサージなどを通じて、疲労回復を促します。 |
ケガの予防と応急処置 | ケガを防ぐためのアドバイスや、現場での応急処置を行います。筋肉や関節にかかる負担を軽減するためのストレッチやウォーミングアップ指導も行います。 |
リハビリ指導 | ケガからの回復をサポートするため、リハビリテーションプログラムを作成し、無理のない回復プロセスを提供します。段階的なトレーニングで、運動復帰を支援します。 |
栄養指導 | パフォーマンス向上や体力維持のため、栄養面でのアドバイスを行います。バランスの取れた食事やサプリメントの摂取方法について指導し、健康的な生活習慣をサポートします。 |
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4転職後
はじめての、「スポーツトレーナー」の仕事
鍼灸師としての経験は10年以上の私でも、スポーツ治療やトレーナー業務はまったくの未経験です。
始めはいっぱいいっぱいの状態でした。
治療にあたった患者様からも不安そうな目を向けられたりと、悔しい思いをしたことも一度や二度ではありません。
これまでの10年のキャリアは一体何だったんだと、恥ずかしくもなりました。
ある日、一人の患者様に
- 患者
-
「大事な試合を控えていて。それまでに治してほしいんです」
そう告げられました。
以前の試合に出られなかった少年の顔が脳裏に浮かびました。
今度こそは、何が何でも治してあげなければいけない。
患者様の要望に応えると同時に、過去の自分との戦いでもありました。
毎日、寝る間も惜しんで勉強をしました。
その結果、無事に試合に間に合わせられたのです。
とても思い出深い出来事でした。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
前職場はとてもアットホームな雰囲気で、私の性格にも合っていたので、その環境から離れることにはやはり寂しさを覚えました。
ただ、前職場の同僚たちとは転職後の今も付き合いはあります。今後も続けていく予定です。
一方で、環境に恵まれすぎてしまうと、成長の機会を知らず知らず逃してしまうことにも、転職した今、改めて思います。
どんな状況であったも、患者様のために自分の努力を怠らないこと。
そんな当たり前のことに、私は気づけずにいたのです。
人の身体は、造り自体は同じでも、抱えている悩みは皆違います。
一人ひとりに対して違ったアプローチをしていく必要があります。
ですので当然、自分のスキルを磨き続けていくことは必須な職業なのです。
それを自分の心に刻めたのは、転職して良かったことの一つだと思っています。
今後の目標は、やはり更にスキルを磨いていくことです。
転職に際し、家族や友人の力もたくさん借りましたし、心配・迷惑もかけたと思います。
その支えに恩返しするためにも、一人でも多くの患者様と向き合い、治療を行っていきたいです。
思えば私は、学生の頃の漠然とした夢を、現在叶えており、さらに新たな目標に向けて動き続けていることになります。
治療家の道は決して生易しいものではなく、狭き門ですが、
かつての私がそうであったように、私の治療を通して、同じように治療家の道を志してくれる人がいると良いなとも思います。
いつかは自分の店を持って、後進の育成に努めるのも、いい未来かもしれません。
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