20代半ばまでパチプロ生活。そんな私が簿記一級の資格を取得して|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 書店
- 職種
- 店長
- 従業員規模
- 10名以下
- 年収
- 200万円
転職後
- 職業
- 会計事務所
- 職種
- 経理・経理事務
- 従業員規模
- 約10名
- 年収
- 500万円
目次
YCさんの転職ストーリー
1これまでの私
高校を中退して、20代半ばまでパチプロ生活。
転職をしたのは、2015年、私が30歳の時のことです。
当時、私は書店の店長をしていました。
それまで、書店以外の仕事をしたことはありませんでした。
17歳の頃に高校を中退して、それから約10年間はパチプロ生活でしたから。
仕事に役立つ資格なんてとうぜん持っておらず、アルバイトすらしたことがありませんでした。
そんな状況でしたので、「そろそろパチプロではなく、ちゃんと働かないとな」と思って就職活動をしたものの、30社連続不採用。
世間知らずだった私は「就活なんて、数打ちゃ当たるだろう」と高を括っていましたが、とうぜん世の中はそんな甘くありません。
きっと私のそんな姿勢を企業の採用担当も見抜いていたのでしょう。とにかく、箸にも棒にもかかりませんでした。
一社でも惜しいところまで選考が進めばまだ良かったのですが、どの企業も全くの手ごたえのないまま不採用でしたので、しっかり自信をなくしてしまいました。
そんな私を見かねた友人が、
- 友人
-
「まずは、バイトからでも社会人経験を積んでみたら?」
とアドバイスしてくれました。
なるほどたしかにその方が良いかもしれないと思い、そこで選んだ職場が書店のアルバイトでした。
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2転職のきっかけ
書店店長になった。それでも、人生は開けなかった。
もともと本は好きでしたので、書店のアルバイトの仕事はすぐに馴染みました。
「世の中にはこんなにたくさんの本が出ているんだ」と知るきっかけにもなりましたし、本を通して新しい情報も入ってきて関心の対象も増え、割と楽しみながら仕事ができました。
書店での仕事は、その後6年間続きました。
数年して店長から「正社員にならないか」と言われて、更にその数年後には私が店長になることに。
順調にキャリアを歩み始めた──かのように思いましたが、店長の立場になって初めて店の経営状態を知りました。
当時、出版は紙媒体から電子書籍へと変わる過渡期にありました。
私がアルバイト入社した時と比べて明らかに客足は減りつつあり、毎月の収支はほとんど赤字でした。
ちょうどこの頃、「全国で書店がどんどん減ってきている」ことがニュースでも数回取り上げられていました。
自分のこれから先を考えたときに、いつまで書店店長でいられるだろうか。──そんな不安がどんどん大きくなり、とうとう私は、転職を決意しました。
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3転職活動中
そうだ、簿記1級の資格を取得しよう。
「転職しよう」と決めたのは良かったものの、私には強みとする経験も学歴もありませんでしたので、このまま転職活動を始めてもうまくいくイメージは全く持てませんでした。
なにより、前回の「30社連続不採用」は二度と繰り返したくありませんでしたので、まずは自分の武器を持とうと、「日商簿記」の資格取得を目指すことにしました。
なぜ日商簿記の資格を選んだのかというと、友人から「転職に有利だから」と聞いたからです。また、経理業務は書店店長でも少しばかりやってましたので、入りやすいだろうとも思っていました。
日商簿記とは
日商簿記は、日本商工会議所が実施する資格試験で、経理や会計に関する基本的な知識やスキルを証明する資格です。
企業経営において、財務管理や経営分析に不可欠なスキルを身につけることができ、経理職や財務部門を目指す人にとって重要な資格です。
日商簿記の概要
項目 | 内容 |
---|---|
日商簿記の資格取得で得られる知識・スキル | 簿記の基礎知識、仕訳や帳簿の作成方法、貸借対照表や損益計算書の理解、財務管理における基本的なスキルが身につきます。さらに、企業の経営状態を分析する力を養います。 |
平均学習期間 | 個人差はありますが、3級は1〜2か月、2級は3〜6か月、1級は6か月以上の学習期間が一般的です。勉強時間や経験によって異なりますが、日々の学習の積み重ねが重要です。 |
参考サイト | 簿記 _ 商工会議所の検定試験 |
日々客足が少なくなっていく書店の勤務と並行しての、猛勉強です。
数ヵ月後、日商簿記3級と2級をダブル受験し一発合格しました。
ですが、正社員で働くとなったときに「日商簿記は2級よりも1級の方が断然有利になる」とネットで見て、それならと1級の取得を目指して、再度勉強を開始しました。
日商簿記の資格は、2級から1級になるにつれて急に難易度が高まります。
半年後に受けた受験では不合格となりました。
書店の仕事も続けていましたが、この頃から給与の支払い遅れが度々発生するようになりました。
──こうした切羽詰まった状況が、「絶対に日商簿記1級を取得しよう」という気持ちを駆り立てたというのもあったと思います。
勉強にかけた時間は1,000時間を超えました。
そしてまた半年後の1級受験で、ようやく私は合格できました。
日商簿記1級の資格取得と同時に、私は書店の仕事を辞めました。
その頃書店の経営状況はさらに悪化の一途を辿っていて、半年分の給料が未払いの状態でした。
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4転職後
会計事務所に転職して、私の年収は倍になった。
日商簿記1級の資格取得後に、ハローワークで仕事探しをして、すぐに就職先が決まりました。
新しい職場は、地元の会計事務所です。
従業員10名ほどの、中小企業の経理・会計サポートをする事務所でした。
主な仕事内容は、顧客企業から領収書や請求書などの資料を受け取り、取引の内容、勘定科目、金額などを会計ソフトに入力し、会計帳簿を作成する、いわゆる記帳代行です。
そのほか、月次決算、年次決算の際はこれまでの記帳をもとに貸借対照表や損益計算書などを作成します。
はじめて決算期を体験した時はあまりの忙しさに目がくらみそうでしたが、1年が経って仕事内容を覚えてきて、またクライアントとのやり取りにも慣れてくると、大分余裕が出てきました。
良かった点は、待遇が格段に上がったことです。
まず、給料は前職の倍近くまで上がりました。
更には年に3回の賞与もあって、平日に外せない予定があったときは有給を使用することができました。
書店時代、私にとって賞与や有給、社員旅行といった類のものは「都市伝説」と思っていたくらいでした。
「今年の社員旅行も海外になるので、パスポートを用意しておいてくださいね」と上司から言われた時、耳を疑いました。
人生初の海外旅行にも行くことができ、転職して良かったと心から思いました。
会計事務所とは
会計事務所は、主に企業や個人事業主に対して、税務や会計、経理業務をサポートする専門機関です。
税務申告の代行や帳簿の管理、決算業務の補助など、財務に関わる様々な業務を提供し、クライアントの財務健全性を維持する役割を担っています。
会計事務所の経理・経理事務の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
仕訳・帳簿管理 | 日々の取引を仕訳し、帳簿に記録します。現金や預金の動き、売上、経費などを正確に管理し、クライアントの会計データを整備します。 |
決算業務の補助 | 決算期には、決算書の作成や帳簿の確認、税務申告書の作成などを補助します。クライアントの決算をスムーズに進めるためのサポートが求められます。 |
税務申告のサポート | 法人税や消費税などの税務申告に必要な書類の作成や手続きのサポートを行います。クライアントが適切に税務処理を行えるように助言し、税務リスクを最小限に抑えます。 |
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5その後、どうなったか。
行動を起こせば、状況は変わる。そして、資格は強い。
今回の転職でとくに思ったのは、「資格は強い」ということです。
日商簿記1級の資格取得で得た知識は、転職の際だけでなく、実務でもかなり役立ちました。
経理・会計関連の職種でキャリアを歩む際に、とてもおすすめの資格です。
それから、「とにかく行動を起こす」こと。
転職を成功させるにはこれが一番大事だと思います。
あれこれ愚痴を言っていても何も変わりませんから。
友人の勧めで簿記と出会い、私は人生が変わりました。 学歴も職歴もない私でも、資格を取ったことで世間から評価されるようになれました。
ネガティヴ思考を払拭して「なんでも挑戦してみよう」というマインドでいれたことが、今回の転職成功の最も大きな要因だったと思います。
◇ ◇ ◇
転職して、8年の月日が過ぎました。
現在は、日商簿記1級から更に難関となる税理士試験に挑戦しているところです。
試験をパスするには会計2科目+税法3科目の計5科目の合格が必要となりますが、現時点で会計科目「簿記論」「財務諸表論」の2科目と「消費税法」の1科目は合格しました。
税理士になれば、キャリアの可能性を更に広げることができます。
20代後半まで学歴なし経験なしスキルなしで、人生に対して何の希望も持てていませんでした。
ところが今では、こうして更なるキャリアアップを目指せている私がいます。
20代の頃に「資格を取れ」とアドバイスしてくれた友人への感謝の気持ちと、「ここまで、我ながらよく頑張った」と自分を褒めてあげたい気持ちです笑。
最後に、私のこんな経歴に興味を持った方や、日商簿記や税理士の資格取得を目指している方向けに、これまでの私のキャリアをブログで発信しています。
よかったら、ぜひ見に来てください
YCさんのブログ「ワイ氏と税理士試験とあれこれ」
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とくに20代から30代前半で経理・税務分野のキャリアを歩まれている方は、ここ数年の働き方が今後のキャリアを形成する重要な時期になることが多いでしょう。
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