静岡にUターン・Iターン転職するには?転職サイトと転職フェアの活用が成功の鍵
[最終更新日]2024/06/08
静岡県は約355万人(2024年1月時点 47都道府県中10番目)の人口と約7,777㎢(47都道府県中13番目)の面積を有する県です。
東西に横長の県のため、県内でも地域によって産業や文化の特色が異なります。静岡県がたびたび「産業のデパート」と言われるように、地域によって多様な産業があるのも静岡ならではの特徴と言えるでしょう。
その中でも、特に盛んな産業は、製造業や卸売業・小売業、宿泊・飲食サービス業などです。
伊豆や熱海など、有名な観光地がある静岡県なので、サービス業が盛んなことは想像がつくかもしれませんね。
目次
1)静岡にUターン・Iターン転職を成功するためのポイント3点
静岡で転職活動を始めるにあたって、転職事情の実態を踏まえた戦略を考えておくことが大切です。
静岡に転職する際に押さえておきたい4つのポイントを見ていきましょう。
- ポイント1:活動全体のスケジュールを立てておく
- ポイント2:静岡県に拠点を持つ、実績豊富な転職サービスを利用する
- ポイント3:静岡県の転職フェア・イベントを活用する
ポイント1:活動全体のスケジュールを立てておく
遠方から静岡県への転職・移住を検討している人は、事前のスケジューリングがとても大切です。
通常、Uターン・Iターン転職には、おおよそ6ヵ月前後の期間がかかるといいます。
どのようなプロセスがあるかについて、詳しく見てみましょう。
- ①情報収集(数日~数週間)
- ②スケジューリング(数日~数週間)
- ③求人の応募と面接(2~3ヵ月)
- ④移転先の住居探し(2~3ヵ月 ※賃貸物件の場合)
- ⑤現職での退職届、業務引き継ぎ(1~2ヵ月)
- ⑥引っ越し
※カッコ内の期間は、各プロセスにかかる期間目安です。状況によって変動しますのでご注意ください。また、①~③および④と⑤は並行して進めることが多いです。
また、静岡県でどんな生活を送りたいのか、仕事はどんな職種を希望するのか、希望の年収などと、自分の今までの経歴やスキルなどを照らし合わせてこれからのキャリアプランを検討する時間も必要でしょう。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
これまでのキャリアを振り返り、そして静岡の地で実現したいキャリアプランを立てることで企業へのアピールポイントがはっきりし、面接でしっかり自己アピールをすることもできるようになります。
静岡への移住という大きなできごとの前に一度、職歴や自分のスキルを振り返ってみましょう。
ポイント2:静岡県に拠点を持つ、実績豊富な転職サイトを利用しよう
続いては、実際に静岡で転職する際におすすめの転職サイトを紹介します。
各サイトはそれぞれメリット・デメリットおよびおすすめの人が異なります。
以下の表をみながら「どのサービスが自身に合っているのか」確認してみてください。
サービス名 | doda |
リクルートエージェント |
リキャリア |
Achieve Career |
パソナキャリア |
コンセイユ |
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メリット |
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デメリット |
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静岡県求人数 | 約9,700件 | 約1.0万件 | 約2,500件 | 約3,000件 | 約800件 | 約100件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | 技術職、営業、管理部門、サービス他 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年6月時点のものです。
上に紹介した転職サイトはUターン・Iターンの支援も積極的に行っています。
サービス登録後、担当エンジニアからコンタクトがあった際は静岡へのUターン・Iターンを希望していることを伝え、どのような支援が受けられるか初めに確認しておくとよいと思います。
また、転職サイトは基本「複数登録」が望ましいです。
以下記事でも静岡県への転職におすすめの転職サイト・エージェントを紹介していますので、宜しければご確認ください。
ポイント3:静岡県の転職フェア・イベントを活用する
転職フェア(イベント)とは、就職・転職希望者を対象にして行われる合同説明会のことです。
学生時代の新卒での就職活動で合同説明会を活用したことのある人は、イメージが付きやすいかもしれません。
通常は書類選考を通過してから面接などで話をする機会が設けられますが、転職フェアでは、書類選考をすることなく、企業の担当者と話せます。
複数の企業が参加しており、企業の雰囲気や待遇の違いなどを比較できるので、それぞれの違いが鮮明になることもあるでしょう。
また、会場には転職活動についての相談をしてもらえるキャリアコンサルタントのコーナーも設置されています。
先に説明したキャリアプランがなかなか明確にならない場合は、まず静岡の転職フェアに参加して、キャリアコンサルタントに実際に相談してみたり、「どんな業界・企業があるのか」などを探ってみてから、働き方や静岡での暮らしについて考えてみるのも一つの方法です。
静岡県で、いつどんな転職フェア・イベントがあるかを確認したい人は
静岡県で、いつどんな転職フェア・イベントがあるかを確認したい人は、以下「合説どっとこむ」のサイトがおすすめです。
合説どっとこむ
合説どっとこむでは、各地で開催されている合同説明会をエリア別に掲載しています。
静岡県は転職フェア・イベントの開催される機会が多いので、こまめにチェックしておくとよいでしょう。
2)静岡県で働くメリット
続いては、静岡県で働くメリットについて見ていきます。
主なメリットは次の3点です。
- メリット1 静岡ならではの産業に携わるチャンスがある
- メリット2 住宅費用や生活コストが安い
- メリット3 通勤ラッシュなどのストレスが少ない
メリット1 静岡ならではの産業に携わるチャンスがある
静岡で転職する最大のメリットは、やはり静岡ならではの産業に携われることでしょう。
特に製造業や宿泊・飲食サービス業をはじめ、水産業なども静岡を拠点として活躍を続ける企業が多数あります。
静岡県に本社がある上場企業は52社と、千葉県(52社)や北海道(53社)と並ぶ水準です。他の地域ではなかなか得られないチャンスを手にできる可能性があります。
転職活動を始める前に、静岡に本社がある企業や、静岡を製造拠点としている企業について調べてみることをおすすめします。
例えば、自動車メーカーのスズキ、楽器メーカーのヤマハの本社が浜松市にあることは有名です。また、自動車メーカーのホンダも浜松市で創業したことで知られています。
「この企業も静岡にあったのか」と知っておくことで、応募先として優先的に探したい求人が増えていくはずです。そのような名の知れた企業は、就業条件が良好なケースも多いので、大都市から転職する人であっても条件をあまり下げることなく転職できる可能性があります。
メリット2 住宅費用や生活コストが安い
都市部から転職する予定の人は実感するはずですが、静岡は住宅費用や駐車場にかかるコストがそれほど高くなく、生活コスト全般を都市部よりも抑えられる傾向があります。
賃貸住宅の家賃を見ても、単身世帯はもちろんのこと、家族と共に転居する予定の人であっても、都市部よりもかなり費用を抑えられる可能性があります。
静岡県公式サイト「ゆとりすと静岡」によると、賃貸住宅(3.3㎡あたり)の家賃は、東京都内と比べたときに、静岡市は約4割以上安いようです。
もちろん、住む地域によってこの割合は異なってきますが、それでも首都圏に比べれば生活コストは安価で済むはずです。
地方都市での就業は、たいてい生活コストが抑えられる代わりに賃金も低めになる傾向がありますが、静岡の場合は賃金の条件が良い職場も多数あります。
生活レベルを落とすことなく暮らすことも転職先の選び方しだいで可能です。
メリット3 通勤ラッシュなどのストレスが少ない
静岡では、通勤ラッシュが少なめであるなど、生活していくうえでストレスが少ないことも、メリットとして挙げられます。
静岡は車社会です。静岡市や浜松市などでは電車通勤する人もいますが、県内全体を見ると車通勤の人が圧倒的に多いのが実情です。一部では通勤時間帯に混み合う路線もあるにはありますが、全体を通して見ると通勤ラッシュから解放されるメリットを得られるのは大きいでしょう。
ただし、車通勤する人は渋滞に注意が必要です。たとえば静岡市内は、東西に幹線道路が通っているものの、南北の移動の場合はあまり大きな道路がないため、どうしても混雑しやすくなっています。
朝は時間に余裕をもって出発するなど、車通勤ならではの工夫が必要になることは覚悟しておきましょう。
また、静岡は富士山をはじめ、伊豆や熱海などの有名な観光地も近くにあるため、休日は自然を楽しむことができるのも、ストレスが少ない生活を送れるポイントと言えるでしょう。
2)静岡県で働くデメリット・注意点
転職先・移住先として数多くのメリットを得られる静岡ですが、見方によってはデメリットとなりかねない面もあります。次に挙げる3点は、静岡で転職するにあたって認識しておく必要があるでしょう。
- デメリット1 年収が下がる可能性がある
- デメリット2 選べる業種・職種が限られる可能性がある
- デメリット3 地域によって文化が異なる場合がある
デメリット1 年収が下がる可能性がある
とくに都市部から転職する場合、静岡で就業することによって年収が下がる可能性があります。
静岡県の平均賃金は28.5万円であるのに対して、全国の平均賃金は30.7万円です(令和3年賃金構造基本統計調査より)。
地方都市として著しく賃金が低いわけではないものの、東京や大阪といった大都市から転職する場合は月収・年収が下がる確率が高いといえます。
一方、生活コストについては全国平均よりもやや低い地域です。
消費者物価地域差指数は、全国平均100に対して静岡は98.3という結果が出ています(小売物価統計調査(構造編)2020年(令和2年)結果より)。
仮に年収が下がっても生活コストも下がれば、体感としては生活水準が下がったとは感じないでしょう。
ただし、基本給が下がると将来の退職金や公的年金にも影響を及ぼす可能性があります。直近の暮らしだけでなく、将来の人生設計も見据えた上で静岡への転職・移住を検討することが大切です。
デメリット2 選べる業種・職種が限られる可能性がある
前述の通り、静岡には52社もの上場企業が本社を構えるなど、地方都市の中では選べる業種・職種が幅広いほうです。
ただし、希望する業種・職種によっては大都市ほど人材ニーズが高くない可能性があることを理解しておきましょう。
たとえば、企画職やマーケティング職といった職種は首都圏をはじめとする都市部に集中しやすく、静岡では求人が少ない傾向があります。
同様に、クリエイティブ系の職種や金融専門職についても、静岡県内の求人はあまり多くありません。
自身が希望する業種・職種がどの程度あるのか、移住を希望する地域の求人数をあらかじめ把握しておきましょう。
静岡市や浜松市の中心部であれば、上記のような職種の求人も見つかる場合があります。希望条件によっては、勤務地や通勤時間を考慮した上で移住先を決める必要があります。
デメリット3 地域によって文化が異なる場合がある
静岡は東西に長く、東部と西部では文化が異なる点が少なくありません。
沼津市や富士市などが位置する東部は関東地方と地理的に近いこともあり、首都圏の影響を少なからず受けています。
一方、浜松市や袋井市といった西部は愛知県の三河地方や長野県南部との関わりが深く、方言などの文化にもその影響が色濃く表れているのです。
また、静岡中部に位置する静岡市には安倍川や藁科川などの河川が多数あります。
河川を境に文化が異なるケースが見られ、静岡市内だけでも正月の風習が10種類以上存在するともいわれているのです。
県外から移住する人から見れば同じ静岡県でも、県内の地域ごとに独自の文化があります。
移住後は地域の慣習を受け入れる覚悟を持ち、地域に溶け込もうとする努力が必要になるでしょう。
4)静岡県での転職をした人の体験談
これまで静岡で転職をする際のポイントなどをお伝えしてきましたが、実際に転職した人のエピソードも気になるところでしょう。
以下、静岡で転職を下4名の転職体験談をご紹介しますので、参考にしてみてください。
静岡への転職ケースその1:都会でのストレス過多な働き方から脱却して──。
良かった点は、まさに田舎のスローライフの中で、精神的なストレスは一切なく仕事ができていることです。
そして残念なことは、現在の収入のままだと老後のライフプランが不安なことです。
「学んだこと」ですか?──そうですね…これは人それぞれ考えも違うところかもしれませんが、結局は「たかが仕事だ」ということですね。
私はこれまで、仕事の為に一生懸命やってきましたが、その為に体を壊したり、家族に心配をかけたり、毎日がつまらない生活になっては意味がない──そう思っています。
今では仕事のストレスもなく、妻や近所の人たちと楽しく暮らしています。
やるやるくんさんの体験談のポイントは、転職前はいつも「もっと働かないと」と思っていたのが、転職して静岡に移住した後は「仕事よりも、毎日を楽しく過ごすことが一番」と、価値観が180度変化しているところでしょうか。
人それぞれ仕事における価値観は違いますが、「現在の仕事にとてもストレスを感じている」「人生で何を大切にしていきたいのかわからない」といった人には特に響くストーリーなのではないでしょうか。
実際に転職活動をする際には、やるやるくんさんのように地元のハローワークを活用してみるのも有効な手段かもしれませんね。
静岡への転職ケースその2:自信喪失状態だった私に、妻が提案してきたことは──。
40代で二度目の転職でした。
上司から突き放されるように前職を辞めることになり、転職活動も思うように進みません。
もう、何をやってもうまくいかないじゃないか──。
いつから自分は、こんな風になってしまったんだろう──。
そんなことをぐるぐると考える、あてのない日が続きました。
そんなある日、妻が「ねえ、思い切って住む場所を変えてみるのはどう?」と言ってきたのです。
コロコロンさんの体験談では、「仕事の職種を変えたいけど、40歳からの年齢ではなかなか良い条件の仕事が見つからない」というジレンマが印象深く映ります。
「新しい仕事を始めたいが、都市部の求人は若い応募者ですぐに埋まってしまう」と感じている人は、地方で未経験者歓迎の求人にチャレンジするのは一つの選択肢かもしれません。
ただ都市部と比べると、地方や職種によって収入が著しく下がってしまことも少なくありません。事前に収入や生活がどんなものになるのかをしっかり調べておくと良いでしょう。
静岡への転職ケースその3: 飲食店ホールスタッフから、地方旅館の仲居に。
「あのさ、思い切って田舎での生活に切り替えてみないか」──あるとき、夫がそう私に言ってきました。
最初は、(この人はいったい、何を言っているんだ?)と思いました。
ですが、段々と私も、今の職場の暗い雰囲気が耐えられなくなってきていたこともあって、(たしかに、今のストレスばかりの都会の生活よりも、夫と一緒に田舎でゆっくり暮らすのも良いかもしれない…)と思うようになってきて。
そして私は、今の職場を退職することを決めました。
ミーさん夫婦は都会での生活に疲れて、生活の拠点を静岡県に移しました。
ミーさんが「知らない土地での転職活動は、難しい」と経験したように、全く初めての土地での仕事探しはスムーズに行かないことを想定して動くべきなのでしょう。
ですが、新しい生活と仕事に慣れてからは、深いやりがいを感じながら毎日を過ごせているようです。
静岡への転職ケースその4:結婚を機に、臨床工学技士の資格を活かして静岡のクリニックへ。
臨床工学技士として総合病院で働きはじめて2年が過ぎた頃に、私は転職を意識するようになりました。
きっかけは、2年程お付き合いしていた男性との間で「そろそろ結婚」について考えるようになったことです。
結婚の話を進める中で問題になったのが、当時は私が関東で、彼が静岡県在住だったために、どちらかが移住しなければなりませんでした。
えりんぎさんの体験談のポイントは、「結婚を機に、静岡に移住・転職した」ところでしょう。
転職活動の際、えりんぎさんは「臨床工学技士」という資格を活かして静岡のクリニックに転職しています。Iターン・Uターンの転職に限らず、資格は転職において有利に働くことが少なくありません。
ただ、えりんぎさんは現在その職場を退職しているようで、「実際に足を運んで職場を見るべきだった」と後悔しているようです。
転職は「とにかく早く決めたい」と思いがちです。えりんぎさんの転職体験談では、「事前準備を疎かにするべきではない」という教訓としても受けとめることができそうです。
まとめ)静岡での転職は情報収集を十分に行い、転職サイトと転職フェアを活用しよう
県外からの移住で生活を大きく変える判断をするときは、キャリアプランまたはライフプランをしっかりと考えて、「どんな仕事で、どれくらいの収入を得られるのか」を明確にしたうえで移住するのが良いでしょう。
できれば、移住前に転職先が決まっているのがベターです。
その際、「静岡に移住・転職はしたいけど、まだ具体的なプランは持っていない」という人は、転職フェアに参加してみたり、静岡での転職に強い転職サイトを活用してみたりと、まずは静岡での仕事について情報を増やしていくことから始めてみましょう。