ITエンジニアの転職「自分のペースで進めたい」「スカウトいらない」人のおすすめ進め方
[最終更新日]2024/09/13
ITエンジニアで転職を検討している人の中には、転職サービスの利用を検討中の人や、すでに転職エージェントに登録済みの人もいるでしょう。転職サービスを使い始めてみて、次のように感じたことがありませんか?
「転職エージェントからの電話が多い」「スカウトメールがうざい」
たしかに、自分のペースで転職活動を進めたいと思っているのに頻繁にエージェントからの電話・メールが入ったりすると、ペースを乱されるように感じることがあります。
目次
1)ITエンジニアは「選ばれる」よりも「選ぶ」転職を
ITエンジニアは慢性的な人手不足といわれていますが、それ故に転職サイト・エージェントに登録すると途端に営業やスカウトの連絡が多く届きやすいです。
しかし、一定の実務経験を積んだITエンジニアでは「本来もっと良いところで活躍できるはずが、ミスマッチ転職で適わなくなる」ということも起こり得ます。
ITエンジニアは自身の転職を成功させていくうえで、企業から「選ばれる」という発想を「自分で選ぶ」方向へと転換することも大切です。
ITエンジニアの「選ばれる転職」と「(自分で)選ぶ転職」の違い
項目 | 選ばれる転職 | 選ぶ転職 |
---|---|---|
アプローチ | 企業からのスカウトやオファーを待つ | 自分で求人情報を収集し、応募先を決定する |
情報収集 | 求人情報やスカウトメールに依存する | 企業HP、業界ニュース、口コミサイトなどを活用して自ら調査する |
企業選定 | 受け身で企業を選定する | 自分の希望条件やキャリアパスに基づいて企業を選定する |
転職エージェントの利用 | スカウトや求人紹介を受ける | キャリア相談や非公開求人の紹介をメインに利用する |
転職活動の主体性 | 企業のオファーに従う | 自分のペースで転職活動を進める |
キャリアパス | 短期的な目標に依存する | 長期的なキャリアパスを描き、アップデートする |
2)ITエンジニアが企業を「選ぶ」転職をする際のポイント4点
では、ITエンジニアが自分で「選ぶ」転職をする際、どのようなことを意識したらいいのでしょうか。
転職エージェントを活用していると、担当エージェントが希望条件に合う求人をピックアップして紹介してくれます。
ところが、自分で求人を探すとなると仕事を選ぶ判断基準を自分の中で持っておかなくてはなりません。
ITエンジニアの求人は豊富に見つかるはずですが、目に留まった求人へ闇雲に応募するのは避けたいところです。
そこで、ITエンジニアが求人選びをする際に、とくに大切となるポイントをまとめました。
直接応募をする際は、自分自身で「企業の見極め」ができるようにしておく
転職サイトなどで探した求人に直接応募する場合、応募先がどのような企業かを自分で判断し、見極めることが重要です。いわゆる「企業研究」のプロセスを自分で行う必要があるのです。
求人情報から得られる情報量には限度があります。
また、求人は「できるだけ多くの応募者が集まるように」工夫して書かれていますので、自社にとって不利な情報や積極的に知らせたくない情報は掲載しないことも多いのが実情です。
そこで、企業HPや業界ニュース、口コミサイトなどを駆使して、集められる限りの情報を収集していきます。事業内容や主力商品をはじめ、企業としての独自性や企業理念、社風などを詳しく調べていきます。
ITエンジニアが企業研究の際に、特にみておきたいポイント
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、競合他社のHPなど |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を確認する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | 口コミサイト |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 求人票 |
企業が求めている知識・スキルに見合った能力をアピールできそうか、開発環境やプロジェクトの進め方が自分に合っているか、といった点も確認しておく必要があるでしょう。
こうしたリサーチを通じて、見つけた求人に自分が応募するべきかどうかの判断をしやすくなるはずです。詳細が明らかになればなるほど、自分に合う企業への志望度は高まっていくでしょう。
大体の転職サイトでは「スカウトの配信停止」の設定ができる
転職サイトに希望条件を登録すると、スカウトメッセージが届くようになります。
しかし、スカウトを受けたくないと思っている人にとって、大量のスカウトが毎日のように届くのは煩わしいと感じることもあるはずです。
たいていの転職サイトでは、スカウトを配信停止にできます。スカウトの配信を停止することで、企業からスカウトメッセージが届くことはなくなり、自分で求人を探すことに集中しやすくなるでしょう。
スカウト配信停止の設定方法は各サービスで異なります。
たとえばdoda、リクナビNEXT、Green、ビズリーチといったITエンジニアでもお馴染みの転職サイトでは、下記の設定でスカウト配信停止ができます。
ITエンジニアが良く利用する転職サイトと、「スカウトの配信停止」の設定方法
転職サイト | スカウトの配信停止の設定方法 |
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doda |
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リクナビNEXT |
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Green |
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ビズリーチ |
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転職エージェントは、「キャリア相談」と「非公開求人の紹介」をメインに
自分で求人を探すと決めたからといって、転職エージェントを活用するメリットが全くないわけではありません。
転職エージェントでは一般には出回らない「非公開求人」を紹介してもらえますので、希少な求人がみつかるチャンスがあるからです。
また、アドバイザーに無料でキャリア相談ができるため、これまで見落としていた自身の強みやアピールポイントを教えてもらえる可能性もあります。
希望条件にぴったりの求人が見つかったとき以外、求人紹介を受けたくない・案内も必要ないという場合、あらかじめ担当アドバイザーに「基本的には求人を自分で探すつもりです」と伝えておきましょう。
実際、今すぐに転職するつもりがなくても転職エージェントに登録してキャリア相談に乗ってもらう人は大勢います。
「キャリア相談」と「非公開求人の紹介」をメインに活用するつもりで転職エージェントに登録しておくのも1つの方法です。
ITエンジニアが良く利用する転職エージェントと、担当アドバイザーの求人提案の方針について
転職エージェント | 担当アドバイザーの求人提案の方針について |
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マイナビIT AGENT | 今すぐ転職する予定がなくても、情報収集やキャリア相談といった目的でサービスの利用は可能。 また、運営会社の株式会社マイナビは人材紹介サービスにおいて、「転職者のペースに合わせたサポート」を大切にしている。 |
レバテックキャリア | 今すぐ転職する予定がなくても、情報収集やキャリア相談といった目的でサービスの利用は可能。 ※公式サイトにて、以下記載あり。 ご登録後すぐに求人への応募をご希望されない場合でも、情報収集目的でサービスをご利用いただくことが可能です。 |
ワークポート | 今すぐ転職する予定がなくても、情報収集やキャリア相談といった目的でサービスの利用は可能。 ※公式サイトにて、以下記載あり。 Q:転職時期がまだ決っていません。相談できますか? |
doda | dodaのエージェントサービスは基本「求人紹介」と「転職活動の具体的な支援」がメインで、キャリア相談のみのサポートは行っていない。 ※公式サイトにて、以下記載あり。 キャリアカウンセリングのご案内は、求人要件の難易度やご本人の職務経歴などを総合的に判断した上でお声がけさせていただいており、カウンセリングのみの提供はしておりません。 |
リクルートエージェント | 今すぐ転職する予定がなくても、情報収集やキャリア相談といった目的でサービスの利用は可能。 ※公式サイトにて、以下記載あり。 Q:転職エージェントに、相談だけしてもよいのでしょうか? |
転職エージェントは、どうしても「メール・電話がしつこい」になりがち
転職エージェントの担当アドバイザーに「求人は自分で探す」と伝えたにも関わらず、その後もメールや連絡が届き続けることも実はあり得ます。
なぜなら、転職エージェントは求人紹介を促進し、登録者の成約率を高めることが仕事だからです。登録している以上、求人紹介が完全になくなるわけではない点は理解しておく必要があります。
もし求人案内は不要と伝えても頻繁にメールや電話が入るようなら、いったんサービス休会を申し出たり、退会して別のサービスに切り替えたりすることも検討しましょう。
求人案内の頻度は転職エージェント自体の方針ということもあり得ますので、活用するサービスを変えることで「メール・電話がしつこい」と感じる問題を解消できる場合もあります。
キャリアパスは常にアップデートして描いていくと、求人選びに迷いがなくなる
希望条件に合った求人を探す上でキャリアパスを明確にしておくことは重要ですが、「これまで何をしてきたか」「今何ができるか」といった視点だけに固執しないように注意しましょう。
開発現場は変化が激しく、エンジニアに求められる知識やスキルも短いスパンで変わり続けています。いちど描いたキャリアパスがずっと通用し続けるとは限らないのです。
キャリアパスをアップデートするには、常に最新の情報をインプットしていく必要があります。
エンジニアとして今後求められる可能性の高い知識・スキルが把握できるようになれば、自分のスキルを活用できそうな分野を見極めやすくなるはずです。
その上で、5年、10年後にエンジニアとしてどう成長していきたいのか、今後のキャリアの方向性を明らかにしていきます。
将来的な希望が明確になることで、目標から逆算して今何をやっておくべきかを考えられるようになります。こうすることで、求人を選ぶ際にも「今」と「これから」の両方の視点から検討しやすくなり、迷いがなくなるでしょう。
3)自分のペースで進めたいITエンジニアの転職活動おすすめ進め方
「スカウトメールはもう必要ない」
「けれども自分で転職活動は進めたい」
このように考えているエンジニアは、どのように転職活動を進めたらいいのでしょうか。
ポイントは転職サービスの活用方法にあります。これまで登録していた転職サービスにひと工夫を加えることで、スカウトメールに煩わされず自分のペースで転職活動を進めていくことは可能です。
具体的には、次の3点のポイントを押さえておくことをおすすめします。
①転職サイトは「スカウト停止」、転職エージェントは「連絡ペースの希望を伝える」
まずは転職サービスの設定を見直しましょう。転職サイトは「スカウト停止」に設定し、スカウトメールがこれ以上届きにくい状況を作ります。
転職エージェントへは担当アドバイザー宛てに連絡を入れ、今後は連絡頻度を抑えてほしい旨を伝えましょう。
その上で、同様の設定・連絡をしつつ複数のサービスに登録しておくことをおすすめします。
転職サービスは媒体によって扱う求人が異なるため、複数のサービスを利用したほうが希望条件に合う求人がタイミングよく見つかる確率が高まるからです。
複数のサービスを比較できるようにしておくことで、自分にとって使い勝手の良いサービスを判断しやすくなるというメリットもあります。
前述の設定・連絡を徹底すれば「転職サービスの登録数を増やす=スカウトメールや連絡も増えてしまう」ことにはつながりませんので、転職サービスの併用を積極的に検討しましょう。
②気になった求人は、応募に関わらずメモしておく
転職サービスを活用しているとありがちなこととして、「少し気になる求人がある」と思っても、その場限りで忘れてしまうケースがあります。
後になって該当する求人を探そうと思っても、すでに募集が終了していたり求人内容を思い出せなかったりする可能性が考えられます。
そこで、少しでも気になった求人があれば、応募する・しないに関わらず記録に残しておくことをおすすめします。
求人情報を表示した画面ごとスクリーンショットを撮っておく方法や、企業名と気になった点をメモなどに残しておく方法があります。
このように求人をストックしていくことにより、新たに別の求人を見たときの比較対象となるだけでなく、自身が潜在的にどのような指向・動機で求人を探しているかを知るためのヒントにもなるはずです。
③「思うように進まない」と感じたら、サービスを変えてみる
思うように求人が見つからない・希望に合った求人の紹介がない、といった状況であれば、改善に向けて何らかのアクションを起こすことが大切です。
たとえば、転職サイトを利用していて条件に合う求人が見つからないようであれば、転職エージェントに登録することで非公開求人を紹介してもらえる可能性があります。
あるいは、転職エージェントで求人の紹介がほぼ全くないような状況であれば、活用するサービスを変更したり担当アドバイザーの変更を申し出たりしましょう。
何らかの不満点やうまくいかないことへの悩みがあれば、転職サービスの活用方法について改善できる点があるはずです。
上記のようにPDCAを回していくことで、転職活動が好転していくきっかけをつかみやすくなるでしょう。
4)ITエンジニアの転職におすすめの転職エージェント
マイナビIT AGENT
マイナビ社が運営する、ITエンジニア転職に特化した転職エージェント。好条件求人の紹介、書類作成・面接準備へのサポートの手厚さに強みがあります。
マイナビIT AGENTは人材紹介会社の大手マイナビが運営する「IT/Webエンジニア専用」の転職支援をするエージェントです。
サポート対応地域は全国。オンラインでの面談も受け付けています。
マイナビIT AGENTの大きな特徴は、エンジニア向け求人数の豊富さ、そしてシステム会社から事業会社まで幅広い業界の求人に対応している点が挙げられます。
また、マイナビの転職サービスは「サポートの丁寧さ」にも定評があり、職歴書の作成や面接対策に不安を感じている人におすすめです。
ネット上の利用者の評判を見ていても、「スカウトメールが多い」という口コミは殆どありません。自分のペースでの転職活動を進めやすいでしょう。
マイナビIT AGENTを利用した人の転職後定着率は97.5%(※公式サイトより)。
転職者一人ひとりにマッチする求人紹介とサポートが期待できます。
マイナビIT AGENTの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約1.9万件(2024年7月現在) |
とくに多いエンジニア職種 | アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア、社内SE、SE・PG、PM・PL |
レバテックキャリア
レバテックキャリアの担当エージェントは全員エンジニア経験者。「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上の高い実績を誇ります。
レバテックキャリアは「エンジニア実務経験者」のサポートに特化した転職エージェントサービスです。
保有求人数もIT・Web業界特化型サービスの中ではトップクラスで、かつエンジニアの専門知識を持つ担当エージェントからサポートを受けられます。
とくに書類添削サポートおよび企業への交渉力に強みがあり、「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上と、非常に高い実績を誇っています(※公式サイトより)。
「年収アップなど待遇面での改善をしたい」、「エンジニアとしてのキャリアプランを掘り下げたい」、「書類や面接で評価してもらえるようアドバイスを欲しい」というエンジニアの方は、レバテックキャリアがおすすめです。
レバテックキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約2.5万件(2024年7月現在) |
とくに多いエンジニア職種 | プログラマー・SE全般、PL・PM、ITコンサルタント |
ユニゾンキャリア
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IT業界、Web業界について詳しく教えてもらいながら転職活動をしたい人におすすめの、「寄り添い型」転職エージェントです。
ユニゾンキャリアは、主にIT・Webエンジニアを目指す人向けの転職エージェントです。
未経験者向けの支援も積極的におこなっており、転職活動に不安を感じている人や経歴に自信がない人にもおすすめです。
同サービスの特徴でとくに押さえておきたいのが、「書類作成・面接対策をじっくり支援」してくれること。一人あたり最低5回以上の面談機会を設けつつ、転職者の活動を力強く支援します。
ユニゾンキャリアを利用した人たちの評判・口コミからは、「未経験に対して優しく、かつ的確なアドバイス」、「キャリア相談が手厚かった」「自信を持って面接に臨めた」といった意見・感想が多く見られます。
ユニゾンキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)・関西(大阪府) |
プログラマー・Webエンジニアの公開求人数 | 約1.0万件(2024年9月現在) |
ギークリー(Geekly)
ギークリーはIT・Web・ゲーム業界への転職支援に強い転職エージェント。各職種別に専門コンサルタントが在籍しており、目指す領域の最新トレンドをキャッチしながらの転職活動が実現できます。
ギークリー(Geekly)は、IT・Web・ゲーム業界への転職支援に強い転職エージェントです。
Web3やX-Techといったトレンド技術の求人も多く取り揃えており、これらの分野で転職先を検討している人におすすめです。
ギークリーのキャリアコンサルタントは、最低でもIT業界で3年以上のコンサルティング経験を持っています。
また、サポートの際は細分化された職種別に担当が付きますので、目指す領域の転職事例を知りつつの活動ができるでしょう。
そうしたサポート体制もあって、ギークリーを利用した転職者の年収アップ率は81%といいます(※2024年7月 公式サイトより)。
かつては「35歳転職限界説」もありましたが、ギークリーの転職成功者のうち、およそ4割近くは36歳以降のミドル世代であり(※公式サイトより)、幅広い年代で偏りなく実績を積んでいる点もギークリーの大きなメリットです。
ギークリー(Geekly)の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京 |
公開求人数 | 約2.2万件(2024年7月現在) |
とくに多いエンジニア職種 | プログラマー、SE、PL・PM、その他トレンド性の高い分野(エンタメ、ディープテック、SaaSなど) |
まとめ)転職サービスへの不満は「自分から行動」することで解決を!
転職サービスに登録する際、多くの人は「自分に合った求人を見つけたい」といった期待を込めて利用を開始します。そのため、思うように転職活動が進まないと不満を感じやすく、転職サービスに怒りの矛先を向けがちです。
しかし、転職サービスをどのように利用するかは登録した人自身が判断し決めていくことです。
今回紹介してきたような転職サービス活用の工夫を加えることで、企業から「選ばれる」転職から主体的に「選ぶ」転職へとシフトできます。転職サービスへの不満を解消するカギは、実は「自分から行動する」ことにあるのです。
スカウト数や求人紹介の頻度をコントロールする方法を体得して、ぜひ理想の転職先を見つけやすい環境を手に入れてください。