PMOに未経験から転職するには?仕事内容と向いている人・向いていない人
[最終更新日]2024/08/16
プロジェクトマネジメントがますます重要となるにつれて、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)という職種も知られるようになってきました。
「PMは無理だけど、PMOならなんとかなりそう」このように考えている方も、いるのでないでしょうか。
せっかくPMOの仕事に就くなら、職場で活躍し評価されたいもの。
そのためには、PMOの仕事と役割をしっかり認識することが重要です。この記事ではPMOについて、この記事ではPMOについて、仕事内容と向いている人、未経験から転職する方法について詳しく解説します。
目次
1)そもそもPMOとはどんな仕事?
PMOはプロジェクトマネジメントを横断的・集中的に行い、プロジェクトを支援する職種です。
プロジェクト運営における日々の業務は、事務作業や状況把握、各種調整、教育や改善業務が多いです。PMOはこれらの業務を一手に担い、必要に応じたアドバイスをすることでPMを支援します。
PMOがプロジェクトに関わる方法には、以下の3つが挙げられます。
- 支援型(助言型):PMからの依頼に基づき、必要な支援や助言をする
- コントロール型(管理型):プロジェクトに関する情報を管理し、問題がある場合は改善を求める
- 指揮型:PMOがプロジェクトを直接指揮する
多くはコントロール型または支援型が採用されるでしょう。指揮型は問題が発生したプロジェクトなど、一部のケースに限られます。
PMOの種類と役割
PMOの種類は、大きく以下の3つに分かれます。
- PMOアドミニストレータ
- PMOエキスパート
- PMOマネジャー
それぞれが担う役割について、詳しく確認していきましょう。
PMOアドミニストレータ
PMOアドミニストレータは、プロジェクトを円滑に推進する役割を担います。事務作業が多くなることから、「PMO事務」とも呼ばれています。主な業務を、以下に挙げてみました。
- 進捗状況など、プロジェクトに関する情報の収集や共有
- 書類の作成や経費処理、勤怠や稼働管理などの事務作業
- 会議に関するセッティングや調整
上記に挙げる作業は地味ですが、組織や従業員にとって極めて重要な事項。また、情報収集はプロジェクトの状況を正しく把握し、方向性を決める上で重要な役割を果たします。
PMOアドミニストレータはプロジェクトにおける、縁の下の力持ちとなるでしょう。
PMOエキスパート
PMOエキスパートは、プロジェクトの標準化と改善に関わる役割。プロジェクトを効率的に進める役割も果たします。担当する業務は、以下の通り多彩です。
- プロジェクトにおけるプロセスの分析を行い、標準化を実施。改善の検討や文書化、教育も行う
- プロジェクトの遂行に必要な情報を洗い出し、収集方法を確立する
- プロジェクトツールの開発や選定をする。社内へ定着させる業務も担当する
- 利害関係者と折衝し、要求事項やニーズを把握する
- プロジェクトマネジメントに関する教育や、プロジェクト関係者のサポートをする
PMOエキスパートの活躍は、プロジェクトの成否に直結。重要な役割を果たしています。
PMOマネジャー
PMOマネジャーは、以下に挙げる2つの役割を持ちます。
- PMの補佐役
- PMOのまとめ役
PMの補佐役としては、プロジェクト運営への助言や予算管理、顧客との連携などが挙げられます。優秀なPMOマネジャーがいるとPMは判断を誤りにくく、スムーズなプロジェクト運営を行えます。
組織にPMOが複数いる場合、PMOマネジャーは他のPMOを管理する役割を担います。
勤怠や稼働管理、予算管理など、組織運営に必要な業務の遂行も主な役割のひとつです。また、プロジェクトのルールを作成し、定着化させる役割も担当します。
PMとの違いとは
PMOとPMは、以下の点に違いがあります。
項目 | PM | PMO |
---|---|---|
人数 | 通常1人 | 複数いることができ、プロジェクトによっては数十人いる場合もある |
権限 | プロジェクトの最終決定権限を持つ | 最終決定権限はない |
役割 | プロジェクトの意思決定を行う | 進捗や品質、リスク管理を行い、プロジェクト運営に関わる各種作業をサポートする |
プロジェクトの掛け持ち | 特定のプロジェクトに専念する | 複数のプロジェクトを掛け持ちする場合がある |
主な役割 | プロジェクトリーダーとして意思決定を行う | PMの方針に沿ってプロジェクトの進行をサポートし、アドバイスを行う参謀役 |
PMはプロジェクトの意思決定をすることが主な役割です。
一方でPMOはPMの方針に沿って進捗や品質、リスク管理をするとともに、より良いプロジェクトの進行に役立つアドバイスも行います。
PMがリーダーとすれば、PMOはサポートをする参謀役といえるでしょう。
PMOの平均年収・将来性
PMOで働く正社員の平均年収は、600万円~700万円となっています。
但し年収は、勤務する企業やこれまでの経歴などによって変わります。コンサルティングファームや大手のSI企業で働く場合は、1,000万円以上の年収を得られる可能性もあります。
また、PMOは今後の開発プロジェクトで求められる職種です。プロジェクト運営に必要なスキルは多岐にわたり、その範囲も広がっています。
最新技術も含めたスキルのすべてを、PM一人が備えることは簡単ではありません。PMOはPMを補佐し知恵を提供する職種として、重要な役割を持つことが期待されています。
2)PMOに向いている人が持つ知識・スキル
PMOには、多種多様な知識やスキルが求められます。とくに以下のスキルを有する人は、PMOに向いていると言えるでしょう。
いずれもプロジェクトで信頼を得るとともに、PMOの業務を遂行するうえで欠かせない項目です。それぞれの重要性について、順に確認していきましょう。
コミュニケーションスキル
PMOには以下に挙げる、コミュニケーションスキルが求められます。
- 相手の話を正しく聞き取り理解するとともに、必要な情報を聞き出すスキル
- 自らの主張を相手が理解できるよう伝えるスキル
- 立場の異なる者どうしの主張をすり合わせ、合意に導くスキル
特にPMOエキスパートやPMOマネジャーとして活躍したい場合は、3つのスキルとも必要です。プロジェクト運営においては顧客や社内の他部門など、利害関係者同士の衝突がしばしばあります。
状況を正確に把握したうえで合意できる着地点を見つけ、当事者に提案することはPMOが担う重要な役割のひとつです。この点でSEよりも、一段階上のコミュニケーションスキルが求められます。
マネジメントスキル
PMOはプロジェクトを円滑に遂行するため、プロジェクトマネジメントの知識だけでなくマネジメントスキルも求められます。それはPMOが、以下の業務に深く関わるためです。
- プロジェクト計画の立案
- 進捗管理やリスク管理
- 予算管理や人員配置
担当業務が状況把握をするだけの役割であったとしても、報告を受けた際にすぐ対処が必要かどうかわからないのでは困ります。
また、プロジェクト計画書を見た際、問題点を発見できないと将来発生し得るトラブルの芽を摘めません。
プロジェクトを円滑に推進し成功に導くためにも、PMOにはマネジメントスキルが必須です。
システム開発・スケジュール管理に関する知識
PMOには、システム開発やスケジュール管理に関する知識も求められます。これらの知識は、主に以下の場面で役立ちます。
- 新しい技術やツールがプロジェクトで活用できるかチェックする
- プロジェクトで不足している人材像を明らかにして、適切な人材をアサインする
- 各工程の実施に要する日数を計算し、実現可能なスケジュールを立案する
- スケジュール遅延が発生したため、できるだけ短い期間でリカバリーする
そもそも技術を知らなければ、プロジェクト参画者からヒアリングしても理解できず、適切な人材もアサインできません。
また、適当なスケジュールを立てることは、プロジェクト失敗への近道です。SE経験者であればこの点を理解している方も多いため、エンジニア経験のない方よりは有利といえるでしょう。
課題解決能力
開発プロジェクトでは、しばしばトラブルが発生します。PMOは状況を正確に把握したうえで冷静な判断を行い、通常運営に戻すよう努めなければなりません。
また、特にトラブルが発生していないプロジェクトにおいても、以下に挙げる課題はよくありがちです。
- 作業の進め方が非効率
- 残業が多い。または当初よりも開発に時間を要している
- 検出されるバグの数が想定よりも少ない
- 定められたルールが守られておらず、情報伝達もスムーズに行われていない
これらは放置すると、スケジュールの遅延や品質の低下、プロジェクト収支の悪化につながります。悪い兆候を早めに察知し、適切な対応を取ることもPMOの重要な役割です。
3)PMOへの転職で意識すべき4つのポイント
「当事者意識」を持って業務にあたる姿勢が大切
PMOの目的は、プロジェクトの成功。担当する職種がPMOアドミニストレータであったとしても、言われたことを淡々とこなすだけでは職責を果たしたといえません。
「プロジェクトをより良くするためにはどうしたらよいか」という点を考え、当事者意識を持って業務にあたる姿勢が大切です。
このためには常に問題意識を持ち、能動的な行動が求められます。改善すべき点があれば積極的に提案する、わかりやすく端的に説明するドキュメントの作成は、代表的な例です。
プロジェクトに対して積極的に関わる姿勢は評価のアップにつながるだけでなく、PMOの経験を活かしさらなるキャリアアップにもつなげることが可能です。
PMOになった「その先」のキャリアプランについても考えておく
PMOになり満足することは、ひとつの選択肢です。一方でさらにスキルを高めることで、レベルの高い職種を狙うことも可能。このためPMOの先を見据えて、キャリアプランを考えておくことがおすすめです。
PMOからのステップアップとして、PMを思い浮かべる方は多いでしょう。しかし以下のように、PM以外にも目指せる職種や企業は多数あります。
- コンサルティングファームへ転職し、ITコンサルタントとして働く
- SI企業やPMO専門会社への転職
- フリーランスになり、PMOを続ける
それぞれの職種に求められる適性は異なりますので、あなたに合った職種を目指すことが可能。今から努力を積み重ねることで、理想の未来へ近づけます。
資格取得がスキルの裏付けになることも
PMOを目指すうえでは、資格がスキルの裏付けになる場合もあります。今の会社ではプロジェクトマネジメントに関わる機会がないものの、PMOを目指したい方には資格の取得がおすすめです。
PMOに役立つ資格は、大きく「PMOそのもののスキルを認定する資格」と、「プロジェクトマネジメントのスキルを認定する資格」に分かれます。資格の例を、以下に挙げました。
種類 | 資格の例 |
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PMOそのもののスキルを認定 | PJM-A、PMO-S(日本PMO協会が認定) |
プロジェクトマネジメントのスキルを認定 | プロジェクトマネージャ試験、PMP |
あなたに合ったレベルと資格を選んで、チャレンジするとよいでしょう。
IT業界の支援実績が豊富な転職エージェントを活用する
プロジェクトの進め方は、企業により大きく異なります。仕事の進め方や社風にミスマッチがある、あまり経験のない業種である場合、せっかく優秀なスキルを持っていても十分に活かせない結果となりかねません。
このような事態を防ぐためにも、応募先企業の内容をよく調べておくことが重要です。
とはいえこのような情報は、なかなか表に出ない場合も多いもの。また、重要な業務に関するプロジェクトの募集は、非公開で行われるケースも少なくありません。
IT業界の支援に強い転職エージェントに相談すると、企業の詳しい情報が得られます。入社後のミスマッチとなるリスクを減らし、あなたが活躍しやすい職場を選ぶことが可能です。
ご自身に合った職場を選ぶためにも、転職エージェントの活用をおすすめします。
4)PMOへの転職におすすめのエージェント
レバテックキャリア
レバテックキャリアの担当エージェントは全員エンジニア経験者。「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上の高い実績を誇ります。
レバテックキャリアは「エンジニア実務経験者」のサポートに特化した転職エージェントサービスです。
保有求人数もIT・Web業界特化型サービスの中ではトップクラスで、かつエンジニアの専門知識を持つ担当エージェントからサポートを受けることができます。
とくに書類添削サポートおよび企業への交渉力に強みがあり、「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上と、非常に高い高い実績を誇っています(※公式サイトより)。
「年収アップなど待遇面での改善をしたい」、「エンジニアとしてのキャリアプランを掘り下げたい」、「書類や面接で評価してもらえるようアドバイスを欲しい」というエンジニアの方は、レバテックキャリアがおすすめです。
レバテックキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
PMOの公開求人数 | 約300件(2024年6月現在) |
リクルートエージェント
ITエンジニア求人数は国内No.1!豊富な転職ノウハウと支援ツールで、「スピーディな転職」を実現できます。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
ITエンジニアの転職支援にも強く、2024年6月のITエンジニア向け公開求人数は約9.2万件、そのうちPMO関連の求人は約4,000件と、他のエージェントから群を抜いての豊富さです。
これまで培ったノウハウをもとに開発された「サービス体制」と「支援ツール」が非常に高品質であることが、リクルートエージェントの強みです。
たとえば、リクルートエージェントでは志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」を用意してくれます。
PMOへの転職では、その職場の開発環境から必要なスキルや働き方まで、ネットで公開されていないような企業情報が必要となることは多いです。その際に、レポート情報は大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにPMOへの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
PMO関連の公開求人数 | 約4,000件(2024年6月現在) |
doda エンジニアIT
dodaのITエンジニア転職に特化した転職エージェント。幅広いエンジニア職種と地方求人の豊富さに強みがあります。
doda エンジニアITは、大手総合型転職サービスdodaがITエンジニア向けに設けた「エンジニア特化型」の転職エージェントサービスです。
非常に豊富な求人と、担当エージェントからの積極的な支援が同サービスの特徴・活用メリットです。
dodaエンジニアITのPMOへの転職のおすすめポイント
PMOの求人数は約1,200件以上と、国内トップクラスの豊富さです。
複数の職種候補から、自分に合う求人をアドバイザーとじっくり相談しながら進めていけるでしょう。
また、doda エンジニアITは登録すると企業からのスカウト・オファーが届くことも多いです。
企業のスカウトは求職者のレジュメ(Web履歴書)をもとに送付しますので、レジュメを詳細に書きつつPMOへの志向をPRすることによって、希望する求人に出会える可能性を高められるでしょう。
doda エンジニアITの特徴
doda エンジニアITの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
PMO関連の公開求人数 | 約1,200件(2024年6月現在) |
マイナビIT AGENT
マイナビ社が運営する、ITエンジニア転職に特化した転職エージェント。好条件求人の紹介、書類作成・面接準備へのサポートの手厚さに強みがあります。
マイナビIT AGENTは、株式会社マイナビが運営する転職エージェントです。
マイナビの転職サービスの特徴として、「丁寧・じっくり型のサポート」、および「企業とのパイプが太い」点が挙げられます。
マイナビIT AGENTのPMOへの転職のおすすめポイント
エンジニア系の求人を常時豊富に取り揃えており、2024年6月時点での公開求人数は約1.9万件。うち、PMOの案件は約500件あります。
大手から中小企業まで幅広い求人を持っているため、他の転職サイト・エージェントでは紹介されなかった優良求人を見つけられる可能性を高められるでしょう。
エンジニアのジョブチェンジの提案も含めて、キャリアについて手厚なサポートを受けたい人におすすめです。
マイナビIT AGENTの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
PMO関連の公開求人数 | 約500件(2024年6月現在) |
マイナビのプロモーションを含みます
マイビジョン
200社以上のコンサルティングファームとの強力なコネクション!PMO未経験の求職者への転職支援も積極的に行っています。
マイビジョンは、PMO、PMはじめコンサル系職種に特化した転職エージェントです。
コンサル業界未経験の方、経験者の方ともに、「面接対策をしっかりサポートしてほしい」という人、また「年収アップしたい」人におすすめのサービスです。
マイビジョンを利用した人の評判・口コミからは、「業界・企業への理解度が深い」、「丁寧かつ親身なサポートを受けられた」、「面接対策・ケース問題対策の支援が役立った」という感想が多く見られます。
マイビジョンの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
PMOの公開求人数 | 非公開 |
まとめ)PMOは上位IT職種への足掛かり。積極的な姿勢がステップアップの鍵
PMOはプロジェクトマネジメントに関わる重要な職種であるとともに、PMなど上位のIT職種へ進む足掛かりともなります。
そのぶん必要なスキルも、SEより高いことが特徴です。しかしいきなりPMになることと比べれば、ハードルは高くありません。
PMOは仕事へ取り組む姿勢により、将来が大きく変わる職種です。積極的に取り組めば、PMやコンサルタントへの道も開けるもの。一方で言われたことしかしない方はPMOからレベルアップしないばかりか、キャリアとして認められないリスクもあります。
せっかくPMOに転職するなら、職場で活躍したいもの。転職エージェントの活用によりあなたに合った職場を見つけやすくなり、実力を存分に発揮できる可能性が高まります。