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プロジェクトリーダー(PL)に転職するには?キャリアパスとPMとの違い

[最終更新日]2025/11/04

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PL(プロジェクトリーダー)に転職するには?キャリアパスとPMとの違い

システムエンジニア(SE)として経験を積んだ後、次のステップとしてプロジェクトリーダー(PL)を目指す方は多いものです。

PLはSEからステップアップする代表的な職種であると同時に、近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の中核を担う、非常に重要なポジションとなっています。
また、他業種で培ったマネジメント経験を活かせる、キャリアチェンジ先としても注目されています。

目次

1)プロジェクトリーダー(PL)とは?仕事内容と現代における役割

プロジェクトリーダー(PL)の主な仕事内容と責任範囲

●PLとは:開発現場に近い場所で働くリーダー職。プロジェクトを成功させることを任務とする。 ●PLの役割:要件定義・設計・テストなど様々な工程を管理し、メンバーの士気を上げてプロジェクトを成功に導く。
PLの定義 開発現場に近い場所で働くリーダー職で、プロジェクトを成功させることを任務とする。
PLの役割 要件定義・設計・テストなど様々な工程を管理し、メンバーの士気を上げてプロジェクトを成功に導く。
PLの業務の目標 プロジェクトを成功させるため、品質、スケジュール、成果物の管理を行う。
PLと関わる人 PM(プロジェクトマネージャー)、チームメンバー、サブリーダー(大規模プロジェクトの場合)など。

PLは、開発チームのリーダーとして「プロジェクトを成功に導く」ことが大切なお仕事です。プロジェクト全体の責任者であるPM(プロジェクトマネジャー)のもとでチームを任され、メンバーの管理や、完成するシステム(成果物)の品質、スケジュールなどを管理します。

管理する範囲は幅広く、お客様の要望をまとめる「要件定義」から、システムの設計図を作る「設計」、実際の「開発」、そして完成前の「テスト」まで、開発の多くの工程に関わることも少なくありません。

また、PLは開発現場のすぐそばで働くリーダーです。
チームのメンバー一人ひとりの気持ちをくみ取りながら、みんなのやる気(士気)を高めてプロジェクトを成功に導く、頼れる存在でもあります。

プロジェクトの大きさによって、PLの人数は変わります。小さなプロジェクトではPMがPLを兼任することもありますし、大きなプロジェクトでは複数のPLがチームごとに配置されたり、PLを補佐するサブリーダーがいたりと様々です。

PLの主な仕事内容は、大きく以下の4つに分けられます。

  • 開発現場の監督・管理
  • メンバーの適性を踏まえた業務の割り当て、および育成
  • 他チーム との連携
  • PM(プロジェクトマネジャー)の補佐

開発現場の監督・管理

開発現場の監督・管理は、PLの代表的な仕事です。
プロジェクトがスムーズに進むよう力を注ぎます。単に状況をチェックするだけでなく、将来「こんな問題が起きそうだな」と予測し、問題が起きる前に芽を摘むような、先回りした対応が大切です。

加えて、チームのメンバーから相談を受け、サポートすることもPLの重要な役割のひとつです。

もしチーム内で問題が発生した場合は、すぐに対応を考える必要があります。以下の点をふまえて、どう対処するかを決めます。

  • どこまで影響が出るかの調査
  • 解決のために何人必要か、どれくらい作業が増えるか
  • 全体のスケジュールに影響はないか

状況によっては、自分だけでは判断せず、PMに報告・相談して判断を仰ぐことも必要です。

メンバーの適性を踏まえた業務の割り当て、および育成

プロジェクトにどのメンバーを入れるかは、主にPMが決めることが多いです。

一方でチームのメンバーにどの仕事を任せるかは、PLの腕の見せどころです。
各メンバーの「得意なこと」や「強み」を活かせる業務を割り当てられれば、チームの力を最大限に発揮できるでしょう。

良いシステムをスケジュール通りに完成させやすくなり、お客様からの評価も高まります。
事前にメンバーの得意分野や性格などを把握し、強みを活かせるように仕事を割り当てることが、プロジェクト成功の重要なポイントです。

また、プロジェクトには経験の浅いメンバーが入ることもあります。
そうしたメンバーがしっかり戦力になれるよう、サポートし育成していくことも大切な仕事です。

他チームとの連携

システム開発では、作業ごとにチームが分かれていることも多いです。例えば、こんなケースがあります。

  • システム開発チームと、サーバーなどを担当するインフラチームが分かれている
  • 作る機能(例:「ログイン機能」と「決済機能」)ごとに開発チームが分かれている
  • 見た目を作るチーム(フロントエンド)と、裏側の仕組みを作るチーム(バックエンド)が分かれている

プロジェクトの途中で、仕様(システムの詳しい内容)やスケジュールが変わることはよくあります。もしチーム同士の連絡がうまくいっていないと、こんな困ったことが起きるかもしれません。

  • 他のチームの作業を待たせてしまい、スケジュールが遅れる
  • 情報の行き違いで、バグ(不具合)の原因を作ってしまう

他のチームに関係する情報は、すぐに連絡・相談(連携)することもPLの大事な役割です。そのためには、自分たちのチームだけでなく、他のチームが今どんな状況なのかも把握しておく必要があります。

PM(プロジェクトマネジャー)の補佐

PMをサポート(補佐)することも、PLの重要な役割です。
どんなに経験豊富なPMでも、すべての技術に詳しかったり、あらゆる経験を持っていたりするわけではありません。

PMが判断に迷うような技術的な問題が起きた時、PLの専門的な助言がとても重要になります。その助言が、プロジェクトを正しい方向へ導く力になります。

また、大きなプロジェクトでは、PM一人ですべてに目を配るのは大変です。PLが現場のチームをしっかり管理することで、PMは予算や人員の管理、お客様との交渉など、「PMにしかできない仕事」に集中できます。

PLとPM(プロジェクトマネージャー)の明確な違い

PLとPM(プロジェクトマネジャー)は、どちらもプロジェクトを管理する立場ですが、役割が異なります。かんたんに言うと、PLは「開発現場の責任者」PMは「プロジェクト全体の総責任者」という役割分担があります。

主な違いを、下の表にまとめました。

項目 PL(プロジェクトリーダー) PM(プロジェクトマネージャー)
目的 PMが作成した計画に基づき、プロジェクトを成功に導く プロジェクト全体の総責任者。予算と納期を守り、プロジェクトを完遂させる
業務範囲 開発現場のリーダー。複数のチームに分かれている場合は、チームリーダーとなる場合も多い プロジェクト全体の管理をする。プロジェクト計画も立てる
顧客との交渉 行う場合がある 必須
予算や人員計画
スケジュール
作業範囲
意見は述べられるが、決定権はない 決定権がある

スケジュールや作業の進み具合(進捗)のチェックはPLもPMも行います。まずは現場のPLが状況を把握し、チーム内で解決できない問題があればPMに報告・相談(エスカレーション)する、というのが一般的な流れです。

SE(システムエンジニア)からPLへのステップアップとは

PLとSE(システムエンジニア)は、どちらも開発の第一線で活躍しますが、役割が違います。

かんたんに言うと、SEは「開発の実務を担う」人PLは「SEを含むチームをまとめる」人、という違いです。

項目 PL(プロジェクトリーダー) SE(システムエンジニア)
目的 プロジェクトを成功に導くこと。 開発業務を効率的に遂行し、質の高いシステムを構築すること。
役割 チームのSEやPGを管理し、PMの補佐役も担う。開発を進める上で一定の権限を持つ。 PLの指示を受けて開発業務を行う。担当業務に従事し、与えられた権限の範囲で作業を進める。
業務内容 要件定義、設計、テストなどの工程管理。メンバーの士気を高め、プロジェクト全体の進行を管理する。 システム設計、コーディング、テストなどの開発業務を遂行する。

PLは、複数のSEやプログラマ(PG)をまとめている場合がほとんどです。

このためPLは技術力だけでなく、人を動かす能力(マネジメントスキル)も必要になります。「PLは開発スキルに加えてマネジメントスキルも必要」と言われるのは、このためなんですね。

【最新トレンド】DX推進とリモートワーク下で変化するPLの役割

これまでのPLの役割に加えて、最近は新しいスキルも求められるようになっています。

一つは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」への対応です。
DXとは、企業がデジタル技術を使って、新しいサービスや働き方を生み出していく大きな取り組みのことです。

DXプロジェクトにおいて、PLは単にシステムを作る技術リーダーとしてだけでなく、「どうすればビジネスが成功するか」を一緒に考え、貢献する役割が期待されています。

もう一つは、リモートワーク(在宅勤務)でのチーム運営です。
メンバーが別々の場所で働いていると、対面で働く時以上に、お互いの状況が見えにくくなります。

そのためPLには、オンライン会議(朝会や夕会など)のルールを決めたり、チャットツールをうまく使ったりして、メンバーが孤立せず、スムーズに情報共有できる「場」を作ることが求められます。チームのやる気を維持し、問題を早めに見つけるための、これまで以上に丁寧なコミュニケーションが重要になっています。

参考文献:
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA):デジタルスキル標準(DSS)

2)プロジェクトリーダーに求められる3つのコアスキル

プロジェクトリーダー(PL)としてチームをまとめ、プロジェクトを成功に導くためには、様々なスキルが求められます。

「自分にPLが務まるかな?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、スキルは「IT系の専門スキル」と「業界を問わず役立つ汎用スキル」に分けて考えることができます。

ここでは、PLに求められるスキルを大きく3つの柱に分けて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

基盤となるテクニカルスキルとIT知識

PLはチームを管理する立場ですが、その土台としてITに関する技術的な知識(テクニカルスキル)は不可欠です。

もちろん、PLが一人ですべてのプログラミングを行うわけではありません。しかし、メンバーが直面している技術的な問題の意味を理解したり、お客様の要望(要件)を「技術的に実現可能か」判断したりするためには、しっかりとした知識が必要です。

具体的には、以下のような知識が求められます。

  • 担当プロジェクトの技術理解(使用する言語、フレームワーク、データベースなど)
  • システム開発の全工程(要件定義、設計、開発、テスト)に関する知識
  • お客様の業界や業務に関する知識(例:金融、製造、小売など)

技術的な背景があるからこそ、メンバーはPLを信頼してくれますし、PMやお客様に対しても的確な報告・提案ができるのです。

チームを成功に導くマネジメントスキル(進捗・品質・課題管理)

PLの仕事の中核とも言えるのが、プロジェクトを管理する「マネジメントスキル」です。

これは、SEが主に「モノ(システム)」を作るスキルだったのに対し、PLは「コト(プロジェクト)」と「ヒト(チーム)」を動かすスキルと言えます。

主に、以下のような管理能力が求められます。

進捗管理と推進力

プロジェクトが計画通りに進んでいるか(進捗)を常にチェックし、遅れそうな場合は原因を見つけて対策を打ちます。「いつまでに、誰が、何をやるか」を明確にし、チーム全体を引っ張っていく力(推進力)が重要です。

品質管理

完成するシステムが、お客様の要求する品質(例:バグが少ない、使いやすい)を満たしているか管理します。設計図をレビュー(確認)したり、テスト計画を立てたりするのもPLの役目です。

課題管理

プロジェクトを進めていると、必ず「技術的な壁」や「メンバー間のトラブル」といった問題(課題)が発生します。それらの課題をいち早く見つけ、どう解決するかを判断し、実行に移す能力はPLの腕の見せどころです。

異業種経験も活きる「ポータブルスキル」(問題解決力・折衝力)

ITの専門スキル以外に、業界や職種が変わっても持ち運べる汎用的なスキル(ポータブルスキル)も、PLには非常に重要です。

このスキルは、IT業界以外(例えば営業職や企画職など)からの転職を考えている方にとって、大きな強み(アピールポイント)になります。

  • コミュニケーションスキル
  • 問題解決能力
  • 交渉・折衝力

例えば、お客様が「本当にやりたいこと」を会話の中から引き出す力(コミュニケーションスキル)や、難しい要望に対して「ここまでならできますが、これ以上はスケジュールを延ばす必要があります」と交渉する力(折衝力)は、まさにPLの仕事そのものです。

前職で培ったこれらの経験は、PLの業務で大いに活かすことができます。

【最新トレンド】リモート環境で必須の「ファシリテーション能力」

これまでのスキルに加えて、最近のトレンドとして特に重要視されているのが、リモートワーク環境下での「ファシリテーション能力」です。

ファシリテーションとは、会議などで参加者の意見を引き出し、話をまとめ、議論をスムーズに進める技術のことです。

メンバーが同じオフィスにいれば、ちょっとした雑談から「Aさん、最近悩んでそうだな」と気づくこともできました。しかし、リモートワークでは、意識的にコミュニケーションの「場」を作らなければ、チームはバラバラになりがちです。

PLには、オンライン会議で「Bさんはどう思いますか?」と話を振ったり、チャットが活発に動くような雰囲気を作ったりして、チームの心理的安全性を高め、メンバーの力を最大限に引き出す、高度な舵取り役としての役割が求められています。

3)PLの年収と多様化するキャリアパス

転職を考えるとき、やはりお給料(年収)や、その後のキャリア(キャリアパス)はとても気になりますよね。

PLは、さらなる上位の職種へステップアップするための大切な入り口です。ここからは、PLのリアルな年収事情、未経験からの挑戦、そしてPLの経験を活かした多様なキャリアについて、一緒に確認していきましょう。

PLの平均年収と年収アップの現実

求人ボックスの情報によると、PLの平均年収は595万円とのことです。(2024年12月現在)

画像引用元:カカクコム「プロジェクトリーダーの転職・求人情報

最も多い年収層は450万円~550万円のランクになっています。 一般的にはSE(システムエンジニア)よりも高く、PM(プロジェクトマネージャー)よりは少し低い水準に設定されていることが多いようです。

もちろん、PLの年収は勤めている会社やご自身の年齢、スキルによって大きく変わります。
年収分布を見ると、年収450万円~700万円の層が厚くなっています。

また、マイナビ「IT・エンジニアの職種図鑑 プロジェクトリーダー」によると、30代のPLは20代と比べて年収が100万円前後増えるとも言われています。

経験を積むにつれて年収を大きく上げていける、とてもやりがいのある職種だと言えますね。

IT未経験・異業種からPLを目指すためのステップ

「IT業界は未経験だけど、PLに転職したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。

正直にお伝えすると、ITの知識や経験がまったくない状態で、入社後すぐにPLを任されるケースは多くありません。
まずはPL候補としてSEやサブリーダーを経験し、実力を認められてからPLに昇格する、というステップが一般的です。

PLは、SE(システムエンジニア)たちをまとめるリーダーです。そのため、業務知識とITスキルの両方が、SE以上に求められるんですね。

ただし、異業種でのご経験は決して無駄にはなりません。

例えば、営業職で「お客様と交渉(折衝)してきた経験」や、企画職で「複数の部署と調整しながらプロジェクトを進めた経験」、店長として「スタッフをまとめたリーダー経験」などは、PLの仕事でとても役立つ「ポータブルスキル」(第2章参照)です。

これらの「マネジメント経験」や「折衝経験」を強みとしてアピールしつつ、「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」などの資格を取ってITの基礎知識を補うことで、未経験からでもPLへの道は開けてきます。

【キャリアパス】PMだけじゃない?PL経験を活かせる多様な職種

PLとして経験を積んだ後には、どのようなキャリアが待っているのでしょうか。「PLの次はPM(プロジェクトマネージャー)」と考える方が多いかもしれませんが、実はキャリアパスはもっと多様化しています。

もちろん、PLの経験を活かし、より大きな予算やプロジェクト全体を統括するPMを目指すのは、王道のキャリアアップです。チーム全体をまとめる「ゼネラリスト」志向の方にとっては、ぜひ目指したいポジションでしょう。

しかし、PLの先にあるキャリアはPMだけではありません。ここでは、PL経験が活きる主な職種をご紹介します。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、企業の経営課題をヒアリングし、「ITの力でどう解決するか」を提案する、課題解決の専門家です。PLとして培った「業務知識」や「お客様との折衝力」、「技術的な知見」を活かし、より上流の工程(企画・提案)で活躍することができます。

プロダクトマネージャー

プロジェクト単位ではなく、「特定の製品・サービス(プロダクト)」の責任者となるお仕事です。「どんな機能を作るか」「どうやって売るか」といった戦略から、開発、マーケティングまで、プロダクトの成功に一貫して関わります。PL経験は、開発チームとの橋渡し役として大いに役立ちます。

アジャイルコーチ

アジャイル開発(第1章参照)という開発手法を、チームや組織に導入・定着させる専門家です。PLとしてのチームビルディング経験を活かし、「チームが自律的に動ける」よう支援する、先生やサポーターのような役割を担います。

この他にも、技術を極める「ITスペシャリスト」や、独立して働く「フリーランス」など、PLからのキャリアパスはあなたの希望に応じて選ぶことができます。

【最新トレンド】アジャイル開発の経験は市場価値にどう影響するか

現職のPL/PMの方の中には、「今の職場は昔ながらの開発手法(ウォーターフォール)が中心で、アジャイル開発の経験が積めない…」と焦りを感じている方もいるかもしれません。

IPA(情報処理推進機構)の調査(DX白書2023)によると、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業の多くが、アジャイル開発や、それに近い「仮説検証型」の開発手法を導入していることがわかっています。

アジャイル開発とは、計画を厳密に固めるよりも、短いサイクルで「開発とフィードバック」を繰り返し、変化に柔軟に対応していく手法です。

このアジャイル開発の現場では、PLやPMは「指示する人」ではなく、チームの自律性を促し、ビジネス価値を最大化するために素早く判断する「支援者」や「ファシリテーター」(第2章参照)としての役割が求められます。

こうした経験は、DXを推進したい多くの企業から求められており、転職市場においてご自身の市場価値を大きく高める要因になることは間違いないでしょう。

参考文献:
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA):DX白書2023(第3部 DXを支える人材)

4)PLへの転職を成功させるための具体的な3つのポイント

これからPLへの転職を成功させたい方が、ぜひ意識しておきたいポイントが3つあります。

どれも、ご自身が納得できる転職を実現するためには欠かせない準備です。それぞれのポイントについて、詳しく確認していきましょう。

ポイント1:マネジメント経験とプロジェクト実績の棚卸し

PLへの転職では、ご自身のスキルをしっかりアピールすることが大切です。採用担当者に「この人なら任せられる」と納得してもらうために、まずはご自身の経験やスキルを整理(棚卸し)してみましょう。

特に重視されるのが、リーダーやマネジメントの経験です。 「PLの経験はまだ無いし…」という方でも、例えば以下のような経験はありませんか?

  • サブリーダーとして、PLを補佐した経験
  • 新人教育の担当者やOJTリーダーとして、後輩を指導した経験
  • メンターとして、若手社員の相談に乗った経験
  • (異業種の方なら)チームリーダーや店長として、メンバーをまとめた経験

これらはすべて、PLに求められる「人を動かす能力」につながる立派な経験です。
経歴をまとめる際は、「何をしたか」だけでなく、「その結果どうなったか(例:後輩が一人で業務を回せるようになった、チームの売上が10%上がった)」を具体的に書くと、説得力がぐっと増しますよ。

ポイント2:有利な資格と「PMBOK第7版」など最新知識の習得

PLへの転職では、もちろん実務経験が一番重要です。ですが、それに加えてご自身のスキルを証明できる資格があると、大きな強みになります。

資格の勉強は、体系的な知識(プロジェクト運営の「型」)を学べるため、転職後にPLとして活躍するためにも役立ちます。

PLを目指すなら、まずは応用情報技術者試験の取得がおすすめです。技術力だけでなく、管理や経営の知識も問われるため、PLの土台作りにぴったりです。

さらに高いレベルを目指す方、アピールを強めたい方には、以下の資格もおすすめです。

資格 概要 PLの仕事で活かせるポイント
応用情報技術者 情報処理技術者試験の一つで、ITに関する基礎知識や応用技術、プロジェクト運営に必要なスキルを認定する資格。 技術的な知識とプロジェクト運営の基本を習得することで、PLとしての基盤を築くことができる。
プロジェクトマネージャ プロジェクトの計画、実行、監視、コントロール、終了の各プロセスを管理するための知識とスキルを認定する資格。 プロジェクト全体のマネジメントスキルを向上させ、PLとしてプロジェクトを円滑に進めるための能力を強化する。
PMP Project Management Professional(PMP)は、プロジェクトマネジメントの国際的な資格で、PMI(Project Management Institute)が認定する。 国際標準のプロジェクト管理手法を学び、グローバルなプロジェクトで通用する知識とスキルを身につける。
PMOスペシャリスト認定資格 プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)に特化した専門知識とスキルを認定する資格。 プロジェクト支援とガバナンスのスキルを習得し、プロジェクト全体の効率化と品質向上を実現する。

【最新トレンド】「PMBOK第7版」へのアップデート

特に注目したいのが、プロジェクト管理の国際標準である「PMBOK(ピンボック)」が第7版に改訂されたことです。

これまでは「決められた手順(プロセス)」を重視していましたが、第7版では「どうすればビジネスの価値を高められるか(原則・価値提供)」を重視する内容に大きく変わりました。

これは、第3章で触れたアジャイル開発のように、変化に柔軟に対応する考え方ともつながっています。PMPなどの資格を取る・取らないに関わらず、この新しい考え方を学んでおくと、面接でのアピールにもつながるでしょう。

ポイント3:PLへの支援実績が豊富な転職エージェントを活用する

PLの求人は、世の中にたくさんあります。ですが、通いやすさや仕事内容だけで応募先を決めてしまうのは、少しもったいないかもしれません。

なぜなら、せっかくスキルが合っていても、会社の雰囲気(社風)や任される仕事の範囲がご自身の希望とずれていると、入社後にミスマッチを感じてしまうかもしれないからです。

とはいえ、働きながら自分で1社ずつ詳しく調べるのはとても大変ですよね。
そんな忙しい方こそ、PLへの転職支援実績が豊富な「転職エージェント」を活用することをおすすめします。

転職エージェントは、あなたのキャリアプラン(第3章参照)の相談に乗ってくれたり、一般には公開されていない「非公開求人」を紹介してくれたりします。プロの視点であなたに合った職場を一緒に探してもらうことで、納得のいく転職につながりやすくなります。

参考文献:
・Project Management Institute (PMI)日本支部:PMBOK®ガイド第7版

5)PL(プロジェクトリーダー)への転職におすすめの転職エージェント

ここからは、PLとして活躍できる職場への転職を検討している人向けに、おすすめの転職エージェントを紹介します。

紹介するサービスはどれもPLへの転職支援実績のあるエージェントです。

エージェントによってサポートの傾向や担当となるアドバイザーのタイプも変わりますので、まずは自分に合うエージェントを見つけていくうえで2~3登録し、「ここがフィットする」というエージェントに利用を絞っていくとよいでしょう。

レバテックキャリア

レバテックキャリア。IT/Web業界のエンジニア・クリエイター専門
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レバテックキャリアの担当エージェントは全員エンジニア経験者。「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上の高い実績を誇ります。

レバテックキャリアは「エンジニア実務経験者」のサポートに特化した転職エージェントサービスです。

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レバテックキャリアの活用メリットとおすすめポイント

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マイナビIT AGENT

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  • 企業からのスカウト・オファーが届きやすい
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サービス対応地域 全国
拠点 北海道、宮城、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、広島、福岡
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POINT!

キャリアチェンジの支援に強い転職エージェント。PG→SE、SE→PLといったエンジニアのキャリアチェンジの際にも積極的な支援が期待できます。

ワークポート(WORKPORT)は全国都道府県に拠点を展開し、キャリア相談はじめ対面での面談に力を入れています。なかでもIT・Web業界の支援に強い転職エージェントです。
全都道府県の地域を対象としており、オンライン面談も受け付けています。

また、ワークポートに登録した際に担当となってくれる転職コンシェルジュ(アドバイザー)は、積極的な求人提案をしてくれることでも知られています

転職先を検討するにあたって、できるだけ多くの求人を比較した上で応募先を決定したい人や、担当アドバイザーからの提案を多く受けたい人は、ワークポートのサポートがマッチしやすいでしょう。

ワークポートの活用メリットとおすすめポイント

図参照:ワークポート 転職コンシェルジュとの面接シーン

引用元:転職エージェントのWORKPORT(ワークポート)で 転職相談サービスを体験してみた!

ワークポートの担当コンシェルジュ(アドバイザー)は、積極的に求人を提案してくれることで知られています。
そのため、今の職種から新たにジョブチェンジを検討している人は、ワークポートのサービスが適しているでしょう。

ワークポートのここが強み! ■あなたの可能性を最大限に引き出すプロの力 ■個別の面接対策、書類作成のアドバイス

引用元:ワークポート 「転職コンシェルジュの転職相談サービス

検討の余地があれば求人を紹介する」スタンスのエージェントのため、転職先の選択肢を広げる際にもおすすめです。

他の転職エージェントに登録したものの、想像していたほど求人を紹介してもらえなかった人や、担当者のレスポンスが鈍く転職活動が進まないと感じていた人にこそ、ワークポートを利用するメリットを実感できるはずです。

ワークポートの特徴
  • 全国トップレベルの求人数。特にIT・Web業界への転職支援に強い
  • 全国47都道府県すべてに拠点を展開。キャリア相談はじめ対面での面談を強化
  • 人材紹介20年以上のノウハウと圧倒的求人数(11万件以上)を誇る
サービス対応地域 全国
拠点 全都道府県
PL・PMの求人数 約7,000件(2024年12月現在)
転職エージェント総合ランキング 3年連続顧客満足高評企業

ギークリー

IT業界に特化した転職支援ならGEEKLY(ギークリー)。
POINT!

ギークリーはIT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェント。各職種別に専門コンサルタントが在籍しており、目指す領域の最新トレンドをキャッチしながらの転職活動が実現できます。

Geekly(ギークリー)は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントサービスです。
他の転職サービスには掲載されていない「非公開求人」の数も豊富で、独自のノウハウにより転職者の希望の条件にマッチする企業の紹介を行っています。

ギークリーのキャリアコンサルタントは、最低でもIT業界で3年以上のコンサルティング経験を持っています。

かつては「35歳転職限界説」もありましたが、ギークリーの転職成功者のうち、およそ4割近くは36歳以降のミドル世代であり(※公式サイトより)、幅広い年代で偏りなく実績を積んでいる点もギークリーの大きなメリットです。

ギークリーの活用メリットとおすすめポイント

特化型エージェントだけにゲーム業界に強く、企業のコアな情報を転職希望者に提供していることに定評があります。キャリアコンサルタントの専門性も高く、エンジニアの経験やスキルレベルをしっかりと把握してくれるので、マッチングの精度が高いのも大きな特徴です。

また、エンジニア、クリエイター、ゲーム、営業など、分野ごとに専門チームを設けて、それぞれの分野の知見の深いカウンセラーがキャリア相談やおすすめの求人を紹介してくれます。

そうしたサポート体制もあって、ギークリーを利用した転職者の年収アップ率は81%といいます(※2024年12月 公式サイトより)。

ギークリーの特徴
  • Web業界・ゲーム業界の転職支援に強い
  • 利用者からは「スピーディに転職できた」「求人の提案数が多い」という評判が多い
  • 平均年収アップ額78万円※。年収アップ転職に強い
  • ※2024年12月時点 公式サイトより
サービス対応地域 全国
拠点 東京
PL・PMの求人数 約4,000件(2024年12月現在)
書類選考の通過率3.4倍

【まとめ】PLはDX・リモート時代の要。3つのスキルを磨き、多様なキャリアパスを実現しよう

プロジェクトリーダー(PL)への転職について、仕事内容から最新トレンド、必要なスキル、キャリアパスまで幅広く解説しました。

PLは、単なる開発現場のリーダーではありません。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、リモートワークでのチーム運営など、現代のビジネスにおいて「要」となる、非常に重要でやりがいのあるポジションです。

優秀なPLになるためには、以下の3つのスキルをバランス良く高めていくことが大切です(第2章参照)。

  • ① 基盤となるIT技術力(テクニカルスキル)
  • ② チームを動かす管理能力(マネジメントスキル)
  • ③ 異業種経験も活きる人間力(ポータブルスキル)

PLとして積んだ経験は、PM(プロジェクトマネージャー)だけでなく、ITコンサルタントやプロダクトマネージャーといった、市場価値の高い多様なキャリア(第3章参照)へのステップアップにもつながります。

どれだけ技術力が高くても、メンバーや関係者から信頼されなければ、プロジェクトを成功に導くことはできません。まずはご自身の経験の棚卸し(第4章)から始め、最新の知識も吸収しつつ、チームから信頼されるPLを目指していきましょう。

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