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ハローワーク職業訓練のおすすめコースは?受講までの流れを紹介

[最終更新日]2024/07/21

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ハローワーク職業訓練のおすすめコースは?受講までの流れを紹介

ハローワークと聞くと求人紹介を受けるための機関というイメージを抱く人は多いはずです。

しかし、ハローワークには求人紹介以外にも仕事に活かせる知識・技能が身につく「職業訓練(ハロートレーニング)」の機能もあることをご存知でしょうか?

転職するにあたって、何らかのスキルを身につけておきたいと考えている人や、新たに異業種の仕事に挑戦してみたいと思っている人にとって、ハローワークの職業訓練を活用することは有力な選択肢の1つになり得ます。

目次

1)ハローワークの職業訓練とは?

ハローワークの職業訓練が対象としているのは、求職活動中で仕事に必要な知識・スキルを身につけたいと考えている人です。運営しているのは主に国または自治体で、年間およそ30万人が受講しています。

職業訓練の大きな特徴として、申込みがハローワークに限定されていることが挙げられます。ハローワーク以外の民間機関等では申込みができませんので注意してください。

では、職業訓練にはどのような種類があるのでしょうか。また、受講するにあたって必要な資格はあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

職業訓練の種類

離職者訓練:失業給付を受け取りながら受講できる職業訓練(無料) 求職者支援訓練:職業訓練の必要性をハローワークが認めている人が対象(無料) 在職者訓練:在職中の方を対象とした職業訓練(有料) 学卒者訓練:中学・高校の卒業者が対象の長期の職業訓練(有料)

離職者訓練

雇用保険の給付を受けている人を対象とした訓練で、失業給付を受け取りながら求職に役立つ知識・スキルを身につけることができます。

一般的に職業訓練と言う場合、離職者訓練を指していることがほとんどです。

通常、自己都合退職の場合は失業給付の開始まで3ヵ月間の給付制限期間が設けられますが、職業訓練を受講するとすぐに支給してもらうことができます。

また、受講が修了するまで失業給付の期間を延長してもらえることもあります。受講料は雇用保険でまかなわれますので無料で受講できますが、教材費などは自己負担になることがあります。

求職者支援訓練

職業訓練は失業保険を受給していない人でも受講できます。

そのうちの1つが求職者支援訓練で、失業給付期間が終了した人も受講可能です。
基本的に無料で受講できる点は、先に挙げた離職者訓練と同様です。

求職者支援訓練の運営は主に民間団体によって行われている点が離職者訓練と異なります。

民間団体が運営しているとはいえ、受講するにはハローワークへの求職申込みをしており、かつ就職する意欲があること、職業訓練の必要性をハローワークが認めていることが必要となります

在職者訓練

主に中小企業に勤務している人の知識習得やスキルアップを目的とした職業訓練です。
在職中の方を対象としているため、平日夜間の時間帯や土日に開催されているケースが多く見られます。

先に挙げた2つの訓練とは異なり受講は有料で、訓練期間は2〜5日のものが大半です。

国が実施しているケースと自治体が実施しているケースがありますが、前者は物づくりに関する専門的な技能習得を目指すものが多く、後者は初心者向けのものが多いのが特徴です。

在職者を対象としていることから、離職や求職を前提とした訓練ではなく、在職中の企業で生産性を高めたりスキルを伸ばしたりすることが目的となっています。

学卒者訓練

中学・高校の卒業者を対象とした職業訓練です。

1〜2年の長期にわたって実施され、入学金と受講料を合わせると数十万円が必要になります。

在学中の履修内容に応じて普通課程・専門課程・応用課程に区分されており、卒業した高校で学んだ内容によって受講するコースが異なります。

支援機構実施の講座と自治体実施の講座がありますが、いずれも離職者を対象としたコースと完全に分かれていないことがあるため、訓練自体は離職者と一緒に受けることもあり得ます。

職業訓練の受講資格はある?

職業訓練の受講資格 ・1年以内に公共職業訓練を受講していないこと。・休職中の場合はハローワークに求職申込みをしていること。・受講を希望するコースの選考に合格すること。

職業訓練は広くさまざまな人を対象にしているものの、誰でもすぐに受講できるとは限りません。

職業訓練には受講資格があり、受講開始日からさかのぼって1年以内に公共職業訓練を受講していないことが条件となります。つまり、異なるコースの職業訓練を連続して受けることはできない仕組みになっています。

また、休職中の場合はハローワークに求職の申込みを行っている必要があります。

職業訓練を受講するにあたっては選考が行われ、面接・書類選考・筆記試験・適性検査などが受講を希望するコースに応じて行われます。コースによっては倍率が高くなりやすく、不合格となることも考えられます。

職業訓練の受講資格

  • 1年以内に公共職業訓練を受講していないこと
  • 休職中の場合はハローワークに求職申込みをしていること
  • 受講を希望するコースの選考に合格すること

2)職業訓練 人気のおすすめコース7選

職業訓練で学べる内容は多岐にわたっており、さまざまなコースを選ぶことができます。

全体として手に職をつけられる技術系の内容が多い傾向があります。将来的に資格の取得につながる基礎的な知識を学べるのも特徴の1つといえるでしょう。

職業訓練で学べる内容のうち、とくに人気が高いおすすめのコースとして下記の7つが挙げられます。

それぞれどのような内容を学ぶことができるのでしょうか。各コースの内容について解説していきます。

Web制作

Web制作:HTML5やPhotoshopなど、Webサイト制作に必要な基礎的なスキルを学べるコース

Webサイトを構築するために必要となる基礎的な知識を学べるコースです。

受講して知識を習得すれば、1人である程度までWebサイトを制作できるようになることから、IT系の職業訓練の中でもとくに人気の高いコースとなっています。

近年の受講倍率はおよそ2倍となっており、競争率の高いコースとしても知られています。

Web制作コースで学べるのは、次のスキルです。

  • HTML5
  • CSS3
  • Illustrator
  • Photoshop
  • DreamWeaver
  • JavaScript
  • PHP

これらの知識を習得すると、WebデザイナーやWebエンジニアを目指すことができるようになります。Web制作会社や広告代理店などで働きたい人におすすめのコースです。

宅建不動産・金融FP

宅建不動産・金融FP:資格取得に向けたベースとなる知識を得るコース合格のために職業訓練とあわせて講座講座などで勉強する必要がある

宅建やFPといった金融系資格の取得に役立つ基礎的な知識を学べるコースです。

職業訓練を受講するだけでは資格を取得することはできませんが、資格取得に向けたベースとなる知識を得られますので、初学者が合格を目指して第一歩を踏み出すには最適なコースといえます。

ただし、実際に合格を勝ち取るには職業訓練とあわせて独学や通信講座で勉強する必要があります。

宅建やFPの知識を習得することによって、不動産業界の営業職や事務職、保険・証券会社の営業職、住宅メーカーや建設会社といった就職先が視野に入ってきます。将来的にこうした業界・職種で働きたいと考えている人は、受講を検討しておくといいでしょう。

Javaプログラミング

Javaプログラミング:スマートフォンアプリや業務システムなどの開発に使われるプログラミング言語を学べるコース

プログラミング言語の1つであるJavaの基礎を習得し、スマートフォンのAndroidアプリを開発できるレベルを目指すコースです。

Javaは歴史のあるプログラミング言語で、習得すると他の言語にも応用しやすいといわれています。

また、スマートフォンアプリ以外にも業務システムからゲーム開発まで幅広い分野で使われている言語のため、基礎を学んでおけば就職先の選択肢を広げることができます。

Javaプログラミングを学ぶことで想定される就職先としては、ソフトウェア開発会社やSIerが挙げられます。SEやプログラマーを目指す上でも有利になるスキルですので、IT系の業界や職種に興味がある人は受講するといいでしょう。

国際ビジネス

国際ビジネス:TOEICのスコアアップを目指して英語を学ぶコース

職業訓練の中ではやや異色の、英語を学ぶためのカリキュラムが用意されているコースです。

TOEICのスコアアップを目指して学ぶことができますので、将来的に英語を使った仕事に就きたいと考えている人におすすめのコースといえます

国際ビジネスを学んだ先に想定される職業としては、貿易事務や海外取引業務をはじめ、外資系企業での勤務などが挙げられます。

近年では外国人を採用する企業も増えていますので、どのような業界・職種の企業に就職する場合にも英語力は活かせる場面があるはずです。これからのグローバル社会に適応するにはぴったりのコースといえるでしょう。

パソコン・オフィス

パソコン・オフィス:ExcelなどOffice系のソフトや、PC全般の基礎的な知識を学ぶコース

WordやExcelといったOffice系のソフトを扱う技能をはじめ、PC全般の基礎的な知識を学ぶコースです。

ビジネスパソコン基礎科、パソコン事務科など数多くのコースがあり、職業訓練の中でもコースの数では最多の分野となっています。

主にPC初心者を対象とした講座のため、これまでPCに苦手意識を持っていた人やPCを日常的に扱う仕事をしていなかった人におすすめのコースです。

パソコン・オフィス系のコースを受講することで想定される就職先としては、一般事務や営業事務をはじめ、PCを扱う仕事全般が挙げられます。

現代社会におけるオフィスワーカーには必須のスキルなので、幅広い業界・職種で活かせる技能を習得できるでしょう。

介護士

介護士:介護職員初任者研修として利用することができるコース

介護の仕事に就くにあたって「介護職員初任者研修」の受講を検討する人は多くいます。

ハローワークの職業訓練の介護関連コースは、介護職員初任者研修として利用できます。

資格スクール等で受講すると10万円前後の費用がかかる講習ですが、ハローワークの求職者支援制度を活用すれば教材費等の1〜3万円程度を自己負担するだけで済みます

介護の仕事自体は未経験や資格未取得でも就くことができますが、就職するにあたって初任者研修を修了していたほうが選考に有利になるのは間違いありません。

今後ますます需要が見込まれる介護分野の仕事に就きたいと考えている人は、ハローワークの職業訓練で介護コースの受講を検討しておくといいでしょう。

医療事務

医療事務:医療機関で求められる基礎的な知識・技能を身につけることができるコース

職業訓練では医療事務に関するコースも用意されています。

保険点数やレセプト点検業務といった医療機関で求められる基礎的な知識・技能を身につけることができるため、完全な未経験者として求人に応募するよりも就職できる確率が高まります。

医療事務の資格を認定している団体はすべて民間で、国家資格はありません。
ハローワークの職業訓練はあくまで就職支援の一環として行われるものですので、修了しても資格が付与されるわけではない点に注意が必要です。

ただし、職業訓練で得た知識をもとに資格取得に向けて勉強すれば、独学よりも合格を目指しやすくなるのは間違いないでしょう。

3)職業訓練のメリットとデメリット

職業訓練を活用することで求職活動に役立つメリットが得られるのと同時に、公共職業訓練に特有のデメリットも生じるのが実情です。重要なのは、メリットとデメリットをそれぞれ事前に把握した上で職業訓練を活用するかどうかを決める点にあるといえるでしょう。

職業訓練の主なメリット・デメリットとして、次のものが挙げられます。

職業訓練のメリット

・転職の際に有利な資格やスキルを無料で習得できる(訓練校までの交通費も支給される) ・給付金を受給しながら勉強ができる(経済的な不安を感じることなく勉強に専念できる) ・失業保険の手続きが楽になる(訓練校で一括して手続きをしてもらえる)

転職の際に有利となる資格やスキルを無料で習得できる

職業訓練は、離職者訓練や求職者支援訓練であれば無料で受講できます。

テキスト代などは自己負担となりますが、自費でスクールや通信講座に申し込むよりもはるかに安価で利用できます。

また、職業訓練の受講者には訓練校までの交通費が支給されます。月の上限は42,500円ですので、自宅から通える範囲の訓練校であれば支給額の範囲内で収まるケースがほとんどでしょう。

このように、転職時に求められる資格やスキルを習得するための期間に金銭的な負担が発生しないのは、職業訓練を活用することで得られる大きなメリットです。

給付金を受給しながら勉強ができる

職業訓練を受講することが決まると失業給付金の3ヵ月間の待機期間が解除され、訓練開始月の翌月から給付金を受け取ることができるようになります。

また、訓練が修了するまでの期間と修了後の1ヵ月間は失業給付期間が延長されますので、経済的な不安を感じることなく知識・スキルの習得に専念できます。

仮に職業訓練を利用せず自費でスクールや通信講座を受講するとなると、受講料を自分で負担しなくてはならないだけでなく、訓練期間中の生活費を貯蓄でまかなうことになります。

給付金が受給できるのは、職業訓練を活用することで得られるメリットの1つといえるでしょう。

失業保険の手続きが楽になる

本来、失業保険を受給するには毎月の認定日にハローワークに赴き、職員との面談を通じて求職活動状況を伝えなくてはなりません。

月に1回のこととはいえ、手続きに時間と労力がかかるのは間違いありません。求職活動の状況によっては失業認定が取り消される可能性もなくはないため、先行きが見通せない状況に不安を感じる場合もあるでしょう。

職業訓練を受講した場合、訓練校で一括して手続きをしてもらえるため、求職者自身がハローワークを訪問する回数を減らすことができます。

このように、失業保険の手続きが簡素化され、求職者は訓練に集中できるというメリットがあります。

職業訓練のデメリット

・転職までに時間がかかる(職業訓練が大体1ヵ月〜半年かかる) ・訓練校や指導員のレベル次第でスキルに差が生じる(職業訓練を受講しても転職に直結しないことも)

転職までに時間がかかる

職業訓練は申し込めばすぐに受講を開始できるとは限りません。申込み後は選考が実施され、合格が通知されてから受講開始まで数ヵ月を要することもあります。

また、受講するコースが申込期間外だったり、倍率の高いコースだったりすると、申込み自体ができないケースも考えられます。

さらに、職業訓練そのものが1ヵ月〜半年にわたって行われ、長いものになると1年・2年といった期間に及ぶ場合があります。

必要な知識やスキルを習得するための期間ですので致し方ないとはいえ、転職先が決定するまでに時間がかかる面があるのは否めません。

訓練校や指導員のレベル次第でスキルに差が生まれる

職業訓練で学ぶ内容は、訓練校や指導員のレベルによって左右されます。学生時代の授業をイメージすると分かりやすいはずですが、先生との相性が良くないために授業内容そのものが頭に入ってこない、といったケースは十分にあり得ます。

当然、身につく知識やスキルにも影響を及ぼしますので、せっかく職業訓練を受講しても転職に直結しないことがないとは言い切れません。

職業訓練のコース選びも重要なポイントです。

将来的にどのような職業に就きたいのか、そのために身につけておくべき知識・スキルは何であるのかをよく考えてコースを選ぶ必要があります。「どのコースでも、受講しておけば転職に有利になるのでは?」といった安易な考えでコースを選ぶのは禁物です。

4)職業訓練受講までの流れ

職業訓練校の流れ

画像引用元:厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)について知る

  • ① ハローワークで求職申込み・職業相談
  • ② 訓練の受講申し込み
    受講と同時に給付金の審査を申請
  • ③ 面接・筆記試験棟を実施
  • ④ 合格したら受講あっせん
  • ──その後は… 毎月1回ハローワークで職業相談を受け、給付金の申請をする

職業訓練受講に関する諸手続は、全てハローワーク経由で行います。

はじめにハローワークで求職の申込みと職業相談をし、その上で訓練の受講申込みへと進みます。訓練校によっては事前に説明会が実施されることがありますので、必ず参加して実習の様子を知っておきましょう。

職業訓練校に入学するには面接・選考試験を受験し、合格する必要があります。合格するとハローワークが受講手続きを進めてくれますので、正式に受講スタートとなります。

給付金の申請も忘れずに行いましょう。基本的にはハローワークで職業訓練を申込む際に給付金についても説明がありますが、給付金を受給するには審査の申請が必須となります。

また、失業給付開始後も定期的に申請が必要になる場合がありますので、忘れずに手続きを行いましょう。

参考:全国ハローワークの所在案内(厚生労働省)

まとめ)職業訓練の機会を活かせるかどうかは自分次第

職業訓練は転職するにあたって必要とされる知識・スキルを身につける絶好のチャンスです。

離職者訓練や求職者支援訓練は無料で受講できますので、失業給付金とあわせて利用することで求職期間中の経済的な不安を解消することにもつながります。

ただし、職業訓練の機会を転職成功に結びつけられるかどうかは、最終的に受講する本人次第です。
「しっかりと知識・スキルを身につけたい」「必ず転職を成功させる」という強い気持ちを持って、意欲的に受講するようにしましょう。

職業訓練を上手に活用することによって、転職成功率を高められるはずです。

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