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転職か独立・起業かで悩む30代が意識したい3つの判断ポイント

[最終更新日]2024/07/21

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転職か独立・起業かで悩む30代が意識したい3つの判断ポイント

社会人として30代になると、「転職」「独立」という2つの可能性に迷われる方も多くなります。
どちらの道も「現状を良い方向に変えていくための打ち手」として、非常に魅力的に感じることもあるでしょう。

しかし転職や独立といった環境変化には当然ながらリスクやデメリットもありますので、どちらが自分に合う方向かは充分に検討と吟味を重ねていくことが求められます。

目次

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1)30代で独立・起業する人の割合と課題について

起業や独立を始める人の年齢における割合は、男女ともに30代が非常に多くなっています。

たくさんの人が30歳という年齢に達したときに、自分のキャリアについて本格的に考えていることが確認できます。

フリーランスになるまでの就業年数:フリーランスになる人の約4割の人が、30代で行動を起こしている

引用元:中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編」(2016年1月、(株)日本アプライドリサーチ研究所)

20代で培ったノウハウと自信、人脈や資本が安定し始めたことが、30代の独立・起業を増やす要因となっていることが予想されます。

起業仲間に同世代が多いということは情報収集や協力のチャンスが増えることにもなるため、これから独立・起業を検討している人にとってはこれら傾向が追い風となることもあるでしょう。

30代で独立・起業する際の課題は?

30代で独立・起業する際の課題は? 課題1:仕事とプライベートの両立 課題2:資金の確保 課題3:リスクヘッジの難易度

高い比率となっている30代の独立・起業ですが、当然そこにはいくつかの課題もあります。

課題1)仕事とプライベートの両立

独立・起業を果たした多くの人たちは、最初の数年間において仕事量は会社勤めの時と比べて大幅に増加し、必然的にプライベートに割く時間が少なくなります。

すでにパートナーや家族を持つ30代の方は、その点を(ご自身だけでなく)家族の方々にも理解してもらう必要が生じることも、ひとつの課題といえるでしょう。

課題2)資金の確保

独立して利益が出始めるまで、数ヵ月、または数年単位の期間を要することもあります。
その間ご自身の人件費も含め、コストは発生し続けます。

その分の資金をどう確保し、そして早いタイミングでコストを回収しうる売り上げをどう創出していくかは30代に関わらず独立時における大きな課題となります。

起業時に銀行や公庫からの借り入れも可能ではありますが、初期数ヵ月の運転資金について、借り入れにほぼ100%依存する形でのスタートをした場合、その独立はまずうまくいきません。

起業前には事業計画をしっかり立て、その計画において利益が出はじめるタイミングと、それまでどのくらいのコストが総額で必要かをイメージしておくこと、またそのための運転資金を確保していくことが、独立時に求められます。

課題3)失敗したときのリスクヘッジの難易度

独立した事業がうまく立ち上がらず、撤退するということになった場合についても、きちんと考えておくべきでしょう。起業に失敗した方は多くの場合、再度企業勤めに変更すべく「転職」の道を歩むことになります。

独立した後に転職への難易度が高まるとは一概には言えませんが、多くの企業において「一度独立をしていた人の採用」については若干身構える傾向があります。

その理由は、例えば起業して1,2年で再度転職することになった人については、「安直に独立しようと考えたのではないか」「また独立しようと、すぐに辞めてしまうのではないか」といった企業側の意識が働きやすくなるからです。

また、一方で独立してから大分の年数が経ってから企業勤めに戻ろうとする人については、業種・職種によっては「年齢の壁」がネックとなることもあるでしょう。

再チャレンジの難しさはあらかじめ理解して、独立後も複数の仕事を持ったり、万が一戻れるように前の職場の関係を継続したりといった工夫が必要になるでしょう。

上記に紹介した「仕事とプライベートの両立」、「資金の確保」、「失敗したときのリスクヘッジの難易度」──これらリスクが気になってしまい、つい考えや行動が消極的になってしまうのも30代の独立・起業の難しさでもあります

逆に言えば、「これらの不安感が強い」という方は「独立・起業はまだ時期尚早」と見たほうが良いでしょう。

2)独立・起業に向いている人/いない人のタイプ

続いては、「独立・起業に向いている人」「独立・起業に向いていない人」それぞれ、どんなタイプが挙げられるかについて見ていきましょう。

独立・起業に向いている人のタイプ

●行動力がある(「行動力」と「決定力」、「先の見通し力」が不可欠。) ●既存のやり方・考えに囚われない(柔軟なマインドを持っていたほうが向いている。) ●幅広い人脈やコネクションがある(周囲の力を上手に活用できるかが、30代の独立には大切。)

行動力・決定力・先の見通し力がある

あなたが30代で独立した際、もしかしたら一緒に手伝ってくれる人もいるかもしれません。
ですが、基本的にすべての行動と決断の責任はあなたにあります。

「責任がある」というのは、何も失敗が許されないということではなく、常にその行動と決断の先の結果や影響を見て、新たなプラン・アクションを検討していく必要があるということです。

そのため、起業・独立する人には「行動力」「決定力」、そしてそれらから派生していく「先の見通し力」が不可欠となるでしょう。

既存のやり方や考えに囚われない人

独立・起業時には、「事業計画書」の策定が欠かせません。
ですが一方で、「独立後に事業計画通りにことが進むことはまずない」とも言われています。

予想・期待していた売上が出なかったり、マーケットや環境の変化による影響で、新たな競合やコストが発生したり、会社創業後の数年間は例えるならジェットコースター(軌道が全く読めず、常に変わっていく)のような道程を歩むことになるでしょう。

そのため、独立を目指す方は「既存のやり方や考え方に囚われない」柔軟なマインドを持っていたほうが向いています。

また、既存の思考や常識に囚われずにいることは、新たなるひらめきを得るきっかけにもなるでしょう。

幅広い人脈やコネクションがある

独立をサポートしてもらえるような幅広い人脈やコネクションがあるのなら、より成功の可能性は高まります。

自分の交友関係を今一度確認して、どれくらいの人たちが独立に協力してくれるかイメージしてみることがおすすめです。

人脈が確保できている場合、仕事を優先して回してもらったり、事業のアピールを手伝ってもらったりできます。

ときには人との関係が仕事の成否を決めることもあるので、人脈は独立に向いているかどうかを確認する重要なバロメーターになるのです。

自分ひとりの力だけで独立をするのではなく、周囲の力を上手に活用していくことが、特にまだ若い30代の独立においては大切なこととなります。

遠慮なく自分の人脈やコネクションを利用できる人ほど、独立に向いているといえるでしょう。

独立・起業に向いていない人のタイプ

●独立への明確な理由を持っていない(明確な理由がないと、モチベーションが低下していく恐れがある。) ●独立=ゴールだと思っている(ヴィジョンを見出せず、業務が迷走する可能性が高い。) ●問題を先送りにしがち(先送り思考は足枷となり、スケジュールを作ることが困難。)

「なぜ独立したいのか」明確な理由を持っていない

独立・起業に対して明確な目的を思いつけない人は、その後仕事を継続していくことが難しくなります。
「なぜ独立したいのか」「どうして今の環境を変えたいのか」といったことを自問自答して、すぐ答えられるかどうか確かめてみましょう。

なんとなく独立がしたいという気持ちでは、いずれやる気の底がつき、モチベーションが低下していく恐れがあります。

独立・起業することがゴールだと思っている

独立=ゴールだという考えを持つ人は、どちらかといえば転職に向いているタイプとなります。

あくまで独立することは手段であり、そこから先にある目的に達することを意識しなければ、長く仕事を続けることはできないのです。

独立することそのものが目的になってしまうと、将来的にヴィジョンを見出せず、業務が迷走する可能性が高くなります。

そのためせっかく独立したのに、再び現状に不満を抱いたり、仕事が嫌になったりといったことになりかねないのです。

「私は何のために独立・起業するのか。〇年後にはどうなっているのか」

じっくり考えてもこの問いの答えが出てこない方や、考えるのがおっくうになるという方は、独立・起業にはあまり向いていないかもしれません。

問題を先送りにしがち

今ある問題を無意識のうちに先送りしてしまう人は、独立・起業に向いていないタイプだといえます。

独立後は上司や同僚に仕事を管理してもらうことはできないため、自分で優先順位を決定して行動をするのが基本です。

そのため「そのうちやろう」「後で考えよう」といった先送り思考は足枷となり、仕事のスケジュールを作ることが困難となるでしょう。

問題の先送りが続けば、いずれ仕事の処理ができなくなり、クライアントやパートナー会社に迷惑をかける事態にまで発展します。

問題を先送りする癖がある方は、独立・起業という選択肢に対して慎重になるべきでしょう。

3)30代だからこその「独立・起業する際の強み」も多い

30代の独立時には「その年代だからこその強み」があり、今だから体感できるメリットも多いです。

ここまでの内容を読まれて、一層「独立・起業しよう」という意識を高められた方は、30代ならではの特徴や利点を活かして仕事ができるように、以下の内容をチェックしていきましょう。

強み1:身につけたビジネススキルや知識を活かせる 強み2:社会的信頼を獲得しやすい 強み3:人的ネットワークが構築され始めている

強み1:身につけたビジネススキルや知識を活かせる

30代にはこれまでの職歴や経験があるので、その中で身につけたビジネススキルや知識を活かして仕事ができます。

20代と比較するとそのスキルの豊富さは大きなアドバンテージとなるので、独立・起業後も安定した仕事につながるでしょう。

独立後にスキルや知識を身につけようとしても、大変な労力と時間がかかってしまい、ときにはスムーズな仕事を妨げることになりかねません。

そのためあらかじめ前職でスキルを蓄えて自分の資本とすることができる30代が、多くの場合独立に向いているといえるでしょう。

この点を考慮して、独立後の仕事はなるべく自分のスキルや知識を活かせるものを選択することがポイントになります。

自分の能力をフルで発揮できる環境を見つけ出して、独立の方向を定めるのがおすすめされるでしょう。

強み2:社会的信頼を獲得しやすい

30代はこれまでの経歴を武器にして独立できるので、社会的な信頼を得やすいのがメリットです。

過去の仕事の実績や成果がそのまま自己への評価につながるため、独立・起業後も「この人になら仕事を任せられる」と感じてもらいやすいでしょう。

20代のうちに独立する場合、この仕事における信頼を獲得するまでに時間がかかることが多いです。

ときには社会的信頼が得られないせいで、満足のいく仕事を任せてもらえないこともあるでしょう。

30代はその点最初からある程度の信頼を獲得しやすいので、クライアント(顧客)との関係性は構築されやすくあります。

強み3:人的ネットワークが構築され始めている

独立・起業する人の多くは、スタート時に複数人の協力者を得て事業を進めます。

そして、その「協力者」からの働きかけで、思わぬ好転機となるケース、スタートダッシュに繋がるケースが少なくありません。

また、独立前はそれほど接点のなかった人でも、独立後に仕事上の重要なパートナーになったというケースも良く聞きます。

このような、20代から30代にかけて積み上げた人的ネットワークを活用できる点も、「30代の独立・起業」における強みと言えるでしょう。

4)独立・起業か転職か――迷った際の3つの判断軸

ここまでお読みになられて、独立・起業すべきかの判断が付きましたでしょうか。

最後に、それでも「独立か転職か迷う」という方向けに、独立か転職かを決めるための判断軸についてお伝えいたします。

独立か転職かに迷った際の3つの判断軸

今の仕事を辞めてでもやりたいことは何なのか

「今の仕事を辞めてでもやりたいことは何なのか」といった根本的な原因を改めて確認する。

独立か転職かで迷ってしまうときには、「今の仕事を辞めてでもやりたいことは何なのか」「どうして自分は今の環境を変えたいと思ったのか」といった根本的な原因を改めて確認してみましょう。

そもそもなぜ独立や転職を思い立ったのかがわかれば、その理由に合わせた選択をすることが可能となります。

自分の望む未来を獲得するためにも、まずは独立や転職の原点となる理由を探してみましょう。

なぜ独立か転職かで迷うのか。
それはたいてい自分自身と向き合いきれていないことが原因となります。

焦って決断しようとせずに、とにかく時間をかけて自分の心に意識を向け、最適な答えを見つけられるまで深く探求してみてください。

向こう数年間、生活を成り立たせるだけの財力はあるか

「数年間、事業がうまくいかなかった際にも生活していけるか」を検討しておく必要がある。

独立の際に「利益が出るまでは自分の給料はゼロ」にする方は多くいらっしゃいます。
非常にストイックな印象がありますが、とても適切な考え方だと思います。

当然ながら、独立・起業後も月末に自動で給料が振り込まれる──なんてことはありません。

また、売上が出ていないのに自分への給料についてはしっかり確保しようとした場合は資金繰りができなくなって倒産するリスクが高まります。

一方、どんなに優秀な方であっても事業を失敗することはあるものです。

つまり、独立・起業時においては、「仮に数年間、事業がうまくいかなかった際にも、生活していけるか」を検討しておく必要があるのです。

例えば一つの目安として、「独立・起業後の3年間、トータルの収入がこれまでの20%になっても暮らしていけるか」(その間、貯金や周囲の支援等で生活していけるか)をイメージしておくと良いでしょう。

──「それはちょっと、難しい」「絶対無理」と思った方は、独立・起業には向いていません

家族やパートナーから、(最終的に)理解と応援を得られるか

家族やパートナーの反応に対しての自分の気持ちも、独立や転職を決断する判断材料となる。

独立や転職は人生の大きなターニングポイントであるため、自分だけでなく家族やパートナーをも巻き込むことになります。

そのため関係者に自分が独立や転職することをきちんと話し、理解を得ておく必要があるでしょう。

場合によっては理解されず、反対されることもあるかもしれません。

ですが、そういった状態も含め、家族やパートナーの反応に対して自分の気持ちがどう動くのかも、独立や転職を決断する判断材料となるのです。

冷静に時間をかけて話し合った結果で、独立や転職をするべきかについて、より適切な判断に繋げることもできるでしょう。

また、あなたの独立や転職への想いが真に強ければ、家族やパートナーが最初反対していたとしても、最終的には理解してくれるはずです。

まとめ)30代の独立・転職。選択肢があることの大切さも認識しておく。

30代は今後のキャリアを考える上で、非常に大切な時期となります。

一方で、30代において独立か転職かを悩まれている方は、そもそもその2つの選択肢を持てていること自体が、ときに「30代ならでは」の貴重なものであることを、認識されておくと良いでしょう。

40代・50代になると、ビジネスパーソンとして活躍できる残り年数も短くなり、その点で独立・転職における難易度は高まります。

つまり、「30代」という時期は、一定の経験と実績を持ち、かつ今後の将来性・期待値も高く持てて、「様々なチャレンジの選択肢を持てる」タイミングでもあるのです。

もちろん、先にもお伝えした通りそこで取った決断・行動には「責任」が伴ないます。

ですが、その責任への意識を含めて、ポジティブな意識を掲げつつ独立・起業または転職への決断・行動していけるということでしたら、その一歩は30代の今このときに、踏み出していくと良いでしょう。

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