宮城県で働く際のメリット・デメリットと転職活動を効果的に進めるポイント3点
[最終更新日]2024/07/30
東北地方で唯一の政令指定都市・仙台を中心とする宮城県。
東京へのアクセスも良く、生活に不便がない上ほんの少し足を伸ばせば自然にも触れられるとても魅力的な宮城県に、数々の企業が拠点を移しています。
給与の安定している仕事が多く環境も良い事から宮城県で転職活動をしよう!と考えている方は多いでしょう。
しかし、地方都市での転職活動は初めてで最初の一歩が踏み出せずにいる方、宮城県内の転職をスムーズに進めるにはどうしたら良いのかと迷っている方も多いのではないでしょうか。
目次
1)宮城で働く「メリット・デメリット」を知ろう
宮城で働くメリット
宮城県での転職・就職を考えている理由は何でしょうか?
実家近くでの就職を希望するUターンやIターン、それともそれとも暮らしやすい環境を求めてのことでしょうか?
理由は何であれ、宮城県での転職・就職はあなたにいくつかのメリットをもたらすでしょう。
宮城県で働くメリットは具体的に以下が挙げられます。
宮城県で働くメリット
- メリット#1 地域によっては生活費が安い
- メリット#2 東北地方の中でも求人倍率が高い
- メリット#3 UターンIターン支援に積極的
- メリット#4 通勤ラッシュから解放される
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
地域によっては生活費が安い
宮城県内での転職で得られる大きなメリットは、地域によっては東京や神奈川などと比べて生活費が安いことです。
特に毎月の固定費である家賃の安さに驚くことでしょう。消費者物価地域差指数にも、宮城県の住居費が東京・神奈川よりも低いことが表れています。
宮城県と神奈川・東京都の消費者物価地域差指数比較(全国平均=100)
都道府県 | 総合 | 住居 |
---|---|---|
宮城県 | 99.3 | 96.9 |
神奈川県 | 103.2 | 101.6 |
東京都 | 105.2 | 105.2 |
(「小売物価統計調査(構造編)2020年(令和2年)結果」より)
一人暮らしであっても、家族と一緒であっても大都市より遥かに低い家賃で広い部屋に住めるはずです。
生活費が安いと経済的に余裕が生まれて、経済的に余裕が出ると精神的にも一層落ち着いて充実した毎日が送れます。
結果、仕事にもより集中しやすい良い循環が生み出せることでしょう。
東北地方の中でも求人倍率が高い
宮城県の求人数は東北地方で最も多く、たくさんのチャンスがあることが分かります。
東日本大震災後、一度は滞ったものの現在は回復し求人倍率は右肩上がりとなっています。
2022年2月の宮城県内の有効求人倍率は1.36倍、新規求人倍率は2.25倍となっています。
※ 参照:厚生労働省 宮城労働局「2022年03月29日 宮城県の雇用情勢(令和4年2月)【報道発表】 」
大企業への転職を目指す場合であっても、東京よりは少ないものの良い求人がとても多くあるので狙い目と言って良いでしょう。
UターンIターン支援に積極的
宮城県はUターン・Iターン支援に積極的で、様々な支援サポートや仕組みがあります。
たとえば、宮城県のUターン・Iターン支援窓口である「みやぎ移住サポートセンター」では、以下のサポートを行っています(2024年7月現在)。
- 移住・就職の無料相談(現地または電話)
- 宮城県内求人企業の紹介
- 就職セミナーなど、イベント・セミナーの開催
- 移住支援金の案内
ひとつ目の「移住・就職の無料相談」については、宮城県への移住に伴っての仕事や住居だけでなく、医療・介護、子育て、教育といった事柄について相談可能です。
フリーダイヤル回線が用意されており、かつ土日も受付可能です。
みやぎ移住ガイドサポートセンター
HP:https://miyagi-ijuguide.jp/
TEL:090-1559-4714(窓口時間 火曜-日曜 10時-18時 ※月曜、祝日、夏季休暇、年末年始は休日)
また、県外からの移住に積極的な地元企業も多いです。
その理由は、「都心からの若手人材を獲得したい」というニーズがあり、更にUIJターン転職者を受け入れた際に県から助成金を得られることもあるからです。
宮城県プロフェッショナル人材UIJターン助成金事業
上記は、宮城県の企業に向けて県外からの求職者を受け入れた際に採用費の2/3(最大300万円)が給付される制度です(2024年7月現在)。
こうした制度もあって、宮城県では中間管理職や若い世代向けの求人が常に多く確認できます。
通勤ラッシュから解放される
5つめのメリットとして上げられるのが「通勤ラッシュから開放される」ことです。
毎朝ぎゅうぎゅう詰めの電車に乗る必要がなくなる、と言うのは思っている以上の開放感を得られます。
通勤時のストレスが大幅に軽減されることで仕事に対するモチベーションも自然と上がって行きますし、結果として質の良い時間を過ごすことができます。
もちろん地下鉄の路線によっては混雑する時間帯もありますが、東京の通勤ラッシュとは比べ物になりません。
宮城で働くデメリット
一見メリットばかりに見える宮城県内での転職・就職ですが、デメリットもいくつか存在します。
メリットの面だけでなく、デメリットの面もしっかりと理解した上で転職や移住を検討することが重要です。
主なデメリットは、以下の4点です。
宮城県で働くデメリット・注意点
- デメリット#1 年収が下がる可能性もある
- デメリット#2 選べる業種・職種が限られる可能性がある
- デメリット#3 仙台を含む県内全域が車社会
- デメリット#4 地方の風習に慣れなければいけない
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
年収が下がる可能性がある
宮城県における一人あたりの県民所得は2,943千円であるのに対して、一人当たりの国民所得は3,181円(※)です。
※ 令和元年度宮城県民経済計算年次推計-みやぎの経済のすがた2019-
また、宮城県の最低賃金は下記の通り全国平均と比べて低い水準となっており、東京・大阪などと大きく差が開いています。
宮城県と他地域の最低賃金の比較
都道府県 | 最低賃金 |
---|---|
宮城県 | 853円 |
東京都 | 1,041円 |
大阪府 | 992円 |
全国平均 | 930円 |
(厚生労働所「令和3年度地域別最低賃金改定状況」より)
他地域から宮城県に転職した場合、前職よりも年収が下がるケースが少なくないと想定されます。
同じ仕事内容・ポジションであっても、他地域で就業していたときより年収が下がることを覚悟しておく必要があるでしょう。
選べる業種・職種が限られる可能性がある
宮城県は東北地方の中では求人倍率が高いとはいえ、選べる業種・職種にはやや偏りがあります。
参考:リクルートエージェントにおける、宮城県の職種毎 公開求人数(2024年7月時点)
職種 | 公開求人数 |
---|---|
営業・販売・カスタマーサービス | 約2,500件 |
エンジニア(設計・生産技術・品質管理) | 約1,700件 |
SE・ITエンジニア | 約1,200件 |
建築・土木・設備 | 約1,000件 |
管理・事務 | 約1,300件 |
講師・調理師・介護・その他 | 100件 |
コンサルタント | 約150件 |
クリエイティブ | 約120件 |
企画・マーケティング | 約70件 |
不動産専門職 | 約70件 |
物流・購買・貿易・店舗開発 | 約50件 |
医療・医薬・化粧品 | 約40件 |
金融専門職 | 約10件 |
上表の通り、とくに専門職系の求人が少ない傾向があります。
とくにアクチュアリーなどの金融専門職は東京に求人が集中しやすく、宮城県では求人そのものがほとんど見つからない可能性もあるのです。
仙台を含む県内全域が車社会
宮城県における車の保有台数は東北地方で第1位 です。仙台を含む県内全域で車は必須になると考えておいた方がよいでしょう。
これまで車のない生活をしてきた人にとって、宮城県への転職は「車を所有する生活に変わる」ことを意味しています。
車の購入費だけでなく、駐車場代やガソリン代、保険料、自動車重量税といった維持費を含めると、相当な金額にのぼるはずです。
通勤ラッシュから解放されるとはいえ、毎日が車通勤となる可能性が高いことから交通事故のリスクも高まります。
ペーパードライバーの期間が長い人や、車の運転が好きではない人にとって、車社会の地域で暮らすことは一定のハードルとなり得るのです。
地方の文化・風習に慣れなければいけない
憧れの地方都市暮らしでのんびりできる!と思っているのなら少し待ってください。
宮城に限らず地方都市は、東京に比べるとたしかにのんびりしている部分もあるでしょう。
息苦しい満員電車に乗らずにも済みますし、家族との時間も増える可能性が高いです。
しかし、地方都市で働き生活を営むためにはその土地ならではの風習に慣れる必要もあります。
地方では都市部であってもご近所付き合いを求められることもしばしばあります。
求められる、と言うよりは東京都心とは異なりお付き合いが根付いている土地なのです。
田舎に行けば行くほどコミュニティに溶け込み、土地の事をよく知る必要があるので大都市での生活より大変な面もあると覚えておきましょう。
デメリットに分類しましたが、人付き合いが好きな方にとっては大きなメリットにもなるご近所付き合いは、都市部にはない地方文化・風習のひとつです。
2)宮城県で転職する際に押さえておきたいポイント
ここまで宮城県で働くメリット、デメリットを紹介しました。
地方転職では避けて通れないデメリット部分を加味してみても、宮城県への転職は十分にメリットの方が大きいと感じるのではないでしょうか。
では、続いて実際に宮城県で転職活動をするためのポイントをいくつか見て行きましょう。
宮城県での転職・就職を成功させる為のポイントを集めましたのでぜひ参考にしてください。
宮城県での転職で、押さえておきたいポイント3つ
- ポイント1 転職・移住に向けての事前準備はしっかりしよう
- ポイント2 Uターン・Iターンの支援制度を使おう
- ポイント3 転職サイト・エージェントは「複数のサービス」で活用しよう
転職・移住に向けての事前準備はしっかりしよう
転職を伴う引越しは人生で何度も訪れるものではありません。
これから先の人生を左右しかねない重大な決断ですから、まずはまずは、以下の4点をはっきりさせておくことが大切です。
- どうして転職を希望しているのか?
- 本当に宮城県で働きたいのか?
- どのような職種を希望するのか?
- 宮城県を選ぶ理由は何か?
転職を希望する理由、宮城県を選ぶ理由は実際に面接でも必ず聞かれることですので、その後の転職面接の対策にもなります。
ここで宮城県へのUターン・Iターン転職への意思を固めた後は、具体的なスケジュールを立てていきます。
Uターン・Iターン転職のスケジュールの立て方
通常、Uターン・Iターン転職には、おおよそ6ヵ月前後の期間がかかるといいます。
どのようなプロセスがあるかについて、詳しく見てみましょう。
- ①情報収集(数日~数週間)
- ②スケジューリング(数日~数週間)
- ③求人の応募と面接(2~3ヵ月)
- ④移転先の住居探し(2~3ヵ月 ※賃貸物件の場合)
- ⑤現職での退職届、業務引き継ぎ(1~2ヵ月)
- ⑥引っ越し
※カッコ内の期間は、各プロセスにかかる期間目安です。状況によって変動しますのでご注意ください。また、①~③および④と⑤は並行して進めることが多いです。
また、宮城県でどんな生活を送りたいのか、仕事はどんな職種を希望するのか、希望の年収などと、自分の今までの経歴やスキルなどを照らし合わせてこれからのキャリアプランを検討する時間も必要でしょう。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
これまでのキャリアを振り返り、そして宮城県の地で実現したいキャリアプランを立てることで企業へのアピールポイントがはっきりし、面接でしっかり自己アピールをすることもできるようになります。
地方移住という大きなできごとの前に一度、職歴や自分のスキルを振り返ってみましょう。
Uターン・Iターンの支援制度を使おう
求人を探す間に一緒にチェックするべきなのが宮城県のUターン・Iターンの支援制度です。
1章でふれた通り、宮城県は積極的に県外からの移住者を受け入れています。
たとえば現在の住まいまたは職場が東京にあるという人は、以下の支援金制度が活用できるかもしれません(2024年7月現在)。
宮城県移住支援金制度の概要
東京23区に在住または、東京圏在住で23区内に通勤(大学・専門学校などへの通学期間も含む)する方が宮城県に移住し、対象求人へ就業するなどの一定の要件を満たす場合に、世帯100万円、単身60万円の移住支援金を移住先の市町村が予算の範囲内において支給するものです。
参照元:みやぎ移住ガイド「移住支援金制度について」
上記支援金制度を設けている「みやぎ移住ガイド」では、支援金制度だけでなく、宮城県の仕事、住居、そのほか医療や介護、育児、教育などに関わる情報提供の相談も受け付けています。
Uターン・Iターン転職のスケジュールを固めた後は、窓口に計画と合わせて相談してみるとよいでしょう。
また、地方都市向けの転職支援に強い転職エージェントヒューレックスでは、仙台市と協力して「仙台市 UIJターン転職プロジェクト」を実施しています。
仙台市 UIJターン転職プロジェクト:
参照元:ヒューレックス「仙台市 UIJターン転職プロジェクト」
プロジェクトの窓口では、専門の転職コンサルタントが宮城での就職や転職をサポートしてくれます。
オフィスは東京、大阪、名古屋、福岡に設けられており、オンラインでの相談も可能です。
転職サイト・エージェントは「複数のサービス」で活用しよう
分からないことだらけの転職活動、しかも地方都市への移住も伴うとなると不安になることも多いでしょう。
ただでさえエネルギーを使う転職や就職は力強くサポートをしてくれる転職エージェントを使うのがおすすめです。
特に宮城県外から宮城に惚れ込んで移住をしたい方の場合は、宮城のこと、宮城の求人のこと、企業のことを良く知る転職サービスを利用することをおすすめします。
宮城県内には県内を拠点としてサポートをする会社がいくつもあるので、いくつか同時に登録をしてたくさんの情報を集めるようにしましょう。
以下に宮城県内でぜひ利用したい、おすすめの転職サイト・エージェントを紹介します。
宮城県で転職する際のおすすめ転職サイト・エージェント
サービス名 | ヒューレックス |
doda |
リクルートエージェント |
リクルートダイレクトスカウト |
パソナキャリア |
ワークポート |
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メリット |
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デメリット |
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宮城県求人数 | 約2,700件 | 約7,100件 | 約8,300件 | 約5,000件 | 約2,300件 | 約650件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年6月時点のものです。
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まとめ)宮城県での転職・就職を成功させよう
今回は宮城県に注目し、転職・就職の進め方やおすすめの転職サイト・エージェントなどをご紹介しました。
東北地方の中心都市、仙台のある宮城県はこれから先日本のITの拠点となりうる街です。
東京での一極集中が疑問視される昨今、一足先に宮城県での就職活動は今この時期がちょうど狙い目です。
暮らしやすく働きやすい宮城県での転職活動をぜひ進めて行きましょう。