55歳。業績不振でリストラが始まって、その後癌が見つかって。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 製造業
- 職種
- 物流管理
- 従業員規模
- 約4,000名
- 年収
- 700万円
転職後
- 職業
- 製造業
- 職種
- 製造業管理
- 従業員規模
- 約80名
- 年収
- 350万円
目次
くまさんの転職ストーリー
1これまでの私
製造業勤務。安定した会社から一転、「リストラの嵐」に。
私は長い間、製造業で物流管理の仕事をしていました。
参考:製造業の物流管理の主な仕事内容
項目 | 主な仕事内容 |
---|---|
在庫管理 | 在庫の最適化を図り、在庫データを常に監視して更新します。また、需要に応じて在庫レベルを調整します。 |
輸送手配 | 効率的な配送ルートを計画し、適切な輸送業者を選定して契約を行います。さらに、配送スケジュールを管理して遅延を防ぎます。 |
受注処理 | 受注データを正確に入力・確認し、出荷指示を発行します。納期を管理して、注文が確実に届けられるようにします。 |
倉庫管理 | 倉庫内の整理整頓を徹底し、入出庫作業を監督します。また、在庫の受け入れと発送を効率よく行います。 |
コスト管理 | 物流コストを分析し、最適化を図ります。コスト削減策を提案・実施し、予算管理を行います。 |
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「図体だけは大きい会社」──と言うと聞こえは悪いかもしれません。ですが、従業員は日々ルーチンワークで過ごし、管理職は大して部下の指導もなく、それでも「寄らば大樹の影」のような、大人数の組織でいることの安心感はある…そんな会社でした。
「こんなぬるま湯的な体質ではいけない」と、きっと誰もが思っていたことでしょう。──そして、私が55歳になったとき、それは突然のようにやってきました。
主要取引先が経営不振で倒産してしまったのです。
そして私の会社も大きく被害の影響を受けてしまい、いつのまにか社内は「リストラの嵐」に。
次にその通達がくるのは自分かと、みな恐々としていました。
私は、妻と、息子3人を抱える身で、息子は2人大学に行っており、1人は高校生という時期でした。
- 私
-
(子供たちの未来に向けて、まだまだ自分が支えにならなければならない!)
そんな思いから、私は「転職」について検討を始めるようになりました。
──いえ。正直に言うと、「沈みゆく泥船につかまるより、とっとと離脱しよう」といった気持ちのほうが、強かったかもしれません。
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2転職のきっかけ
定年まで今の会社で残り5年過ごすか、転職するか。
リストラが盛んにおこなわれていた当時、私にはこの会社に居続ける道が残されていました。
ですが、その条件としては、年収が3分の1になること。そして、定年は60歳。──残りわずか5年の猶予でした。
年収が大きく下がって、「この先ちゃんと生活できるのだろうか」と不安になりましたし、かといって「転職したとしても、雇用してくれるのか──」、とても悩みました。
結局、私は定年までの期間がより長くある企業へと、転職することに決めました。
- 私
-
(リストラを実施するようなこの会社で、長くやっても先が見えているし、子供はまだ一番下が高校生。先々の事を親の事情により断念させるわけにもいかない。ここで奮起しなければ!)
──と、私は思ったのです。
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3転職中
会社がリクルートエージェントを紹介してくれて。
私は、会社を辞めることを伝えました。
すると、会社はリクルートエージェントの転職サービスを紹介してくれました。
私はそのサービスを申し込んで、転職説明会に参加しました。
そこでは転職に際しての手続きの細かい説明や、周囲の企業よりの引き合い等の説明がありました。
またそのサービスに登録することで、ネットでの求人情報を閲覧することが出来て、更にはカウンセリングによる転職アドバイスも受けられました。
数か月後、なんとか転職が決まりました。前職と業務内容もあまり変わらないところです。
──本当に、ほっとしました。
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4転職後
癌の告知、そして、父親の他界。
さて、新天地でこれから頑張っていこう。
──そう意気込んでいた矢先に、自分の癌が発覚しました。
治療を続けるも、効果が芳しくありませんでした。
大学病院に転院することが決まった時、私は「…自分も、これで人生が終わった」と、思いました。
更には、私の治療中に、高齢でした父親が体調不良で急遽入院して、結局、そのまま帰らぬ人になりました。
私は父親の葬儀の為に、入院中の病院を2、3日抜け出し、一式終わって再度、治療へと病院に戻りました。
「これから先へと進まねばと言う時に、なんて自分は恵まれてないのか…!」何度もそう思い、自分の運命を恨みました。
──父親の葬儀のときには、高齢のなか無理して立ち会った母親と、生計を立てるためフルタイムで勤務している妻がいました。私は二人の案じ、そして、自分のふがいなさを呪いました。
葬儀を終えたのちも、私はしばらく治療を続ける必要がありました。今の会社も、これだけ長期間休んでいたら、クビになるのも時間の問題。
──もはや、お先真っ暗でした。
5その後、どうなったか。
「少しずつでも、一緒に進みましょう。」
ある日、新しい会社の管理部の人が、病棟を訪れてきました。
──私は、「ついに来るべき時がきたか」と覚悟しました。おそらく、解雇を言い渡しに来たのでしょう。
ところが、その方は、見舞いの品を渡して、その後、私の治療の状況と退院の見込みを聞いてきたのです。「なぜそんなことを訊くのだろう?」と思いました。すると、その方はこう言いました。
- 管理部の
人 -
せっかく採用も決まった矢先に、こんなことになって不運でしたね。社長も、いつ退院できるのか心配しています。
その数日後、私は一時退院する機会を得ました。
私は長期欠勤のお詫びも兼ねて、会社にあいさつに訪れました。
すると、社長が自ら私のところにやってきてくれて、こう話してくれたのです。
- 社長
-
ゆっくりでいい。急がなくていいから。そして、少しずつ復帰して、うちの会社の仕事を手伝ってほしいんだ。
──私は、これから先も治療の為、入退院を繰り返すことになることを説明しました。
すると、社長はこう言われました。
- 社長
-
それでもいい。少しずつでも、一緒に進みましょう。
──もう、感無量でした。
「こんな会社が世の中に存在するのか」と思いました。会社という組織の中で、こんな「人の温かさ」に触れたのは、これが初めてでした。
そして私は、「この会社の為に頑張っていこう」──このとき、そう強く思いました。
その後、私は職場復帰を果たしました。
完全復帰──とまではいきませんが、徐々に、働く時間を長くしていきながら、身体を慣らしているところです。
この職場において、私自身が胸を張って出来ることはそうそう多くありません。
ですが、自分が今まで経験してきたことやノウハウを、この会社の為に役立つなら役立ててもらいたいですし、これからも、会社の為に後継者に伝承をして、更に自分の能力を磨いていきたい──そう、思っています。
◇ ◇ ◇
今や、時代は激動期です。
自動車はガソリン車から電気自動車へと移行するでしょうし、私たちの業種である運送業も、AI(人工知能)をはじめとする技術革新によって大きな変革がもたらされる時期は、そう遠からず、やってくるでしょう。
そんな中、私たちの会社が時代に取り残されないように、そして私自身も時代についていけるように、努力し続けていきたいと思っています。
会社の良き情報発信源となれるよう、活躍していきたいと思っています。
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