50代半ばで収入なしの「無職」状態。背水の陣の転職活動と、その結果|転職体験談
転職前
- 職業
- 無職(個人アフィリエイター)
- 職種
- Webデザイナー
- 従業員規模
- 1人
- 年収
- 0~500万円
転職後
- 職業
- WEB制作会社
- 職種
- Webデザイナー
- 従業員規模
- 13名
- 年収
- 350万円
目次
啓介さんの転職ストーリー
1これまでの私
ギャンブル感覚のアフィリエイトが、いつしか「やりがい」に。
転職するまでは長く、一人でホームページを多数立ち上げては、そこから入る広告収入で暮らしていました。
家族はおらず、一人暮らしをしています。それは、転職前も今も同じ。
生きがいはとにかく大好きな京都へ行くことでしたが、現実にはネット収入は生活費に消えていくため、京都にいけるのはせいぜい数年に一度でした。
私がやりがいを見出したのは、WEB制作とアフィリエイトを組み合わせることです。
自分で苦労して立ち上げたサイトから、売り上げが出ると感覚で言うと、若い頃していたパチンコのチューリップに玉が複数入ったときに似たものがあります。
ギャンブル感覚で自作サイトに、アフィリエイトコードを組み込んでいたように思います。最初は食うための方便でしたが、いつしかやりがいになっていました。
参考:アフィリエイト運営とは
概要 |
アフィリエイトは、自分のウェブサイトやブログに広告を掲載し、訪問者がその広告を通じて商品を購入したりサービスを利用したりすると、報酬を得る仕組みです。 広告主とアフィリエイター(広告を掲載する人)の間には、アフィリエイトプログラムを提供する仲介業者が存在し、報酬の管理や支払いを行います。 |
---|---|
売上発生の仕組み |
売上発生の仕組みは、ユーザーがアフィリエイターのサイト上の広告リンクをクリックし、広告主のサイトで商品を購入する、またはサービスを利用することで成立します。 クリック数や成果に応じて報酬が発生するため、アフィリエイターは自分のサイトに多くの訪問者を集め、魅力的な広告を提供することが重要です。 |
メリット |
アフィリエイトのメリットは、初期投資が少なく、自分のペースで仕事ができることです。特定の専門知識やスキルがなくても始められ、自宅での作業が可能です。 また、成功すれば副業としても本業としても高収入を得ることができます。 |
デメリット・注意点 |
アフィリエイトのデメリットや注意点として、収益が安定しにくいことが挙げられます。始めたばかりの頃は特に成果が出にくく、時間と労力を要します。 また、検索エンジンのアルゴリズム変更や広告主の都合で報酬条件が変わることもあるため、常に最新情報をキャッチアップする必要があります。 |
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2転職のきっかけ
順調だったアフィリエイト収入が、まさかのゼロに。
これまでずっと、「転職」しようという気はまったくありませんでした。
ところが、立ち上げたサイトがあるとき、Googleからスパム認定を受けてしまい、まったくといっていいほど集客不能な状態に陥るや、アフィリエイト収入は見る見るゼロに近づきました。
- 私
-
(これは大変なことになった…)
そう思うと同時に、サイト制作をそれまでの自己流から、Googleなどのサーチエンジンに受け入れてもらえる、汎用性のある仕様にブラッシュアップする必要も強く感じました。
その為には井の中の蛙で満足していないで、同じようにWEB制作に取り組んでいる人たちと一緒に働くことで、もっと広い知見を得られるのではないかと考え、そして私は転職しようと決意したのです。
転職のために出向いたハローワークの担当者から、
- 職員
-
「WEBデザインなら無料で職業訓練を受けられますよ」
と教えてもらい、まずは職業訓練校に通うことにしました。
参考:職業訓練校とは
概要 |
ハローワークの職業訓練校は、求職者の職業能力を向上させるために提供される公的な教育プログラムです。 失業中の方や転職を考えている方が対象で、無料または低額で受講することができます。 プログラムは、特定のスキルや知識を習得するために設計されています。 |
---|---|
目的 |
職業訓練校の主な目的は、受講者が就職に必要なスキルを身につけ、再就職やキャリアアップを支援することです。 特に、産業界のニーズに応じた実践的な訓練を行い、受講者が労働市場で競争力を持てるようにすることを目指しています。 |
訓練内容 |
訓練内容は多岐にわたり、IT技術、介護、製造業、サービス業などさまざまな分野のコースが用意されています。 具体的には、プログラミング、ウェブデザイン、介護福祉士の資格取得、機械操作、ビジネスマナーなど、実務に直結するスキルを学ぶことができます。 |
受講条件 |
受講条件は、基本的には求職中であることが前提です。 また、コースによっては特定の資格や経験が必要な場合もあります。ハローワークに登録し、担当の職業相談員と相談の上、適切なコースを選ぶことが求められます。 |
メリット |
職業訓練校のメリットは、無料または低額で専門的なスキルを学べること、就職活動に有利になることです。 さらに、受講中も失業給付を受けられる場合があり、経済的な支援を受けながらスキルアップができます。また、同じ目標を持つ仲間とのネットワークを築けることも大きな利点です。 |
注意点 |
職業訓練校を受講する際の注意点として、コースの内容や期間をよく確認し、自分の目指すキャリアに合った訓練を選ぶことが重要です。 また、訓練期間中は出席率が厳しく管理されるため、欠席や遅刻が多いと修了できないこともあります。さらに、訓練終了後の就職活動においては、自ら積極的に求人情報を探す姿勢も必要です。 |
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3転職活動中
職業訓練校での「修行」と、一回り年下の社長との出会い。
まずはハロワと提携している街の職業訓練校に、時間に遅れることなく、休まず通えることができるか、そのことがそれまで長く自由に一人でホムペを作っていた自分の最大課題でした。
というのもハロワの基準はとても厳しく、遅刻をすればその日は休み扱い、許された範囲内で休むにしても、病院の診断書等がなければ正当な休みとして認めてもらえないなど、自由気まま暮らしからは考えられない、まるで公務員にでもなったかのような規律厳格な場所だったからです。
- 私
-
(こんな環境で、果たして自分はやっていけるのか?)
──と悩み、実際に心が何度も折れそうになりました。
幸いだったのは、定員30名のクラスに実際は15名しかおらず、その人たちが気質的に自分と近いものを持っていたことです。
励ましあった結果、半年間無遅刻欠席を通し、無事卒業までやりきることができました。
その後、
- 私
-
(専門の職業訓練校でしっかり学んだから、転職はもう大丈夫だろう)
そんな根拠のない安心感を持っていたのですが、実際転職活動を始めてみたら、とても大変だということに気付きました。
なにしろ、応募できる会社自体がほとんどないのです。
かつ、応募しても面接まで辿りつくことはめったにありませんでした。
そんな中、たまたま講義に来たWEB制作会社の社長と親しくなるという機会がありました。
自分の中で(この好機を逃してはいけない…!)と、柄にもなく「ぜひ御社に入れてください…!」と無理なお願いをしました。
すると、その社長は、私の願いを受け入れてくれたのです。
歳が私より一回り以上も下の方ですが、今でも頭が上がりません。
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4転職後
50歳過ぎての転職を経て、新しい会社で待ち受けていたことは──。
新しい会社で、私はWEBデザイナーの仕事を任されることとなりました。
参考:WEBデザイナーの主な仕事内容
仕事内容 | 詳細 |
---|---|
ウェブサイトのデザイン | クライアントの要望やブランドイメージに基づいて、ウェブサイトのデザインを作成します。レイアウト、色彩、フォントなどを考慮し、視覚的に魅力的でユーザーフレンドリーなデザインを提供します。 |
グラフィックの作成 | サイトに使用する画像やイラスト、バナーなどのグラフィックを作成します。これには写真の編集や、オリジナルのイラスト作成などが含まれます。 |
HTML/CSSのコーディング | デザインをウェブ上で実現するために、HTMLやCSSを使ってコーディングを行います。デザインと機能のバランスを取りながら、レスポンシブデザインにも対応します。 |
ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上 | ウェブサイトの使いやすさや訪問者の体験を向上させるために、ナビゲーションの設計やインタラクティブな要素の導入を行います。ユーザビリティテストを実施し、フィードバックを基に改善を図ります。 |
ウェブサイトの更新・メンテナンス | ウェブサイトのコンテンツやデザインの更新、修正を行います。また、サイトのパフォーマンスやセキュリティのチェックを行い、必要に応じて改善を行います。 |
トレンドの調査と学習 | 最新のデザイントレンドや技術を学び続けることで、自分のスキルを向上させます。業界の動向を把握し、新しいデザインツールや技術を取り入れる努力をします。 |
思えば、元来が生意気で、会社を何度も飛び出してきた経緯がありました。
今回、50歳を過ぎて新しく入った会社では、一回り以上年下の社長で、また社員は全員さらに若くて。──そんな環境は、今までになく私を従順にしてくれました。
みんな歳は私より下でありながら、キャリアが長いので仕事は私よりはるかに出来る人たちばかりなんです。
いわば、みんなが私の先生です。
この会社に入って気づけたことは、「つまらない沽券さえ捨てれば、何でも分からないことは教えてもらえる」ということでした。
代えがたい経験ですね、本当に。
5その後、どうなったか。
今回の転職で気づいたこと。そして、これから目指していきたいこと。
今回の転職は、「目からうろこ」の一語に尽きます。
それまで自分が自己流でしていたWEB制作の技法が、如何に甘いものであったか思い知らされたことが一番でした。
一方で、「まだまだ知らない分野が沢山ある」ということが、まだまだこれからも発展していけるだろうという可能性を感じさせてくれています。
例えば、今の仕事では、Web制作業務のほかにも営業業務もあり、顧客とコミュニケーションを取ることも少なくありません。 そして、その顧客とのコミュニケーションで、新たに教えてもらうこと・気づかせてもらうこともたくさんあります。
今までの私の働き方は、いわば自分が顧客であり、営業であり、技術者でした。何からなにまで自分の判断で進められましたが、結局それは「一人よがり」になることが多かったのでしょう。
それから、仕事の課題・悩みを「共有」できる素晴らしさ──ですね。
ひとりでWebサービスをやっていたころは、結果、Googleという巨人にまったく相手にされない状態に追い込まれました。
今の会社では、歳は違えど同じような課題に悩み、取り組んでいる仲間たちがいて、その存在は自分の人生でかけがえのないことだと感じています。
◇ ◇ ◇
今ははっきり言って、私は会社のお荷物です。
仕事内容ではなかなか戦力になっていないと自覚しています。それだけにまず、恩ある社長に仕事で報いなければなりません。
給料以上の働きを示して、会社に利益をもたらす人間にならなくてはならないと、日々感じています。つまり、この業界で求められているスキルを早く身に付け、さらにブラッシュアップすることです。
そして、その結果として、再度独立する機会が来れば、その時は今度こそしっかりとした会社を作りたいと考えています。
自宅の居室を作業場とするのではなく、きちんとした事務所も構えたいと思っています。
それには裏付けとして、それだけの仕事を獲得しなければなりません。
信頼されるだけのWEBデザイナーになること。──それが、私がいちばん叶えたい目標です。
参考:50代の転職支援に積極的な転職エージェント
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