52歳事務職の転職。50代の脳は新しいことをなかなか覚えてくれない|転職体験談
転職前
- 職業
- サービス業
- 職種
- 事務職
- 従業員規模
- 約1,000名
- 年収
- 200万円
転職後
- 職業
- サービス業
- 職種
- 事務職
- 従業員規模
- 約500名
- 年収
- 180万円
目次
まつかさんの転職ストーリー
1これまでの私
52歳、正社員フルタイム事務職。
転職したのは、2020年の52歳の頃です。
この歳になるまで、ずっとフルタイムで働いていました。
子どもが成人して手が離れてようやく自分の時間を持てるようにもなりましたが、平日は仕事と家事がありますので、「自由な時間」といったらせいぜい土日の休みくらいでした。
でも、その時間は私にとってまさに「人生の楽しみ」そのもので、たまに近くに住む私の両親の様子を見に行ったり、子育ての際に仲良くなった友人とランチをしたりしていました。
ときどきアーティストのライブに行くこともあり、50代にしては結構アクティブに活動している方だと思います。
仕事の方はというと、とくにやりがいはなく、常にバタバタしている感じですね。
事務職として長く働いていて仕事内容はもう完全に慣れましたが、トラブルやイレギュラーなことが起きることも多く、定時を過ぎての残業や、たまに家に仕事を持ち帰らなくてはならない日もありました。
参考:サービス業事務職の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
電話対応 | 顧客からの問い合わせや予約、苦情対応などの電話業務を行う。 |
来客対応 | 来訪する顧客や業者の対応、受付業務を行う。 |
予約管理 | サービスの予約やスケジュールの管理を行う。 |
データ入力 | 顧客情報や取引情報をデータベースに入力し、管理する。 |
書類作成 | 請求書、見積書、報告書などの各種書類を作成する。 |
経理業務 | 日常的な出納業務、経費精算、月次・年次決算の補助を行う。 |
在庫管理 | 商品や備品の在庫管理、発注業務を行う。 |
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2転職のきっかけ
突然やってきた異動の話。
もう50代でしたし、「このまま今の職場でずっと働き続けるんだろう」と思っていました。
ただ結構不満だったのが、通勤時間が長かったこと。
片道50分ほどで若い頃はそれ程気にならなかったのですが、40代後半を過ぎたあたりから苦痛に感じるようになりました。
52歳になって、上司から異動の話がありました。
(まあ長く働いていればそういうこともあるだろう)と思って具体的な話を聞いていたのですが、「勤務地も変わる」となると言われて、「え!?どこになるんですか」と訊いたら、自宅からさらに遠く、更に交通機関の乗り継ぎも悪く片道2時間はかかる場所でした。
いっときは(これも会社の命令なので仕方がない)と思っていたのですが、あるとき体調を崩して3日間寝込むことがあって。
ベッドに横になりながらこれから先の人生を考えたときに、毎日2時間かけての通勤は、今の私にはとても無理だろう、と。
体調が回復して職場復帰した際に、私は上司に退職する旨を伝えました。
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3転職活動中
希望条件は、「事務職」と「自宅から近い」の2つのみ。
仕事を辞めて専業主婦になるつもりはありませんでしたが、しばらくはゆっくり過ごしました。
3ヵ月目から失業保険の給付が始まって、そこから転職活動を始めました。
主に利用した転職サービスは、ハローワークです。
それから転職サイトと、人材派遣会社にも数社登録しました。
参考:ハローワーク、転職サイト、人材派遣会社それぞれの特徴比較
特徴 | ハローワーク | 転職サイト | 人材派遣会社 |
---|---|---|---|
概要 | 国が運営する無料の就職支援機関 | Web上で検索・応募が可能な求人メディア | 企業と求職者をマッチングし、派遣社員として雇用 |
対人サポートの有無 | あり|職業相談や面接指導などのサポート | 基本なし | あり|キャリアカウンセリングや面接対策など |
求人の主な雇用形態 | 正社員、パート、アルバイト、契約社員 | 正社員、契約社員、派遣社員、パート | 派遣社員、契約社員、一部正社員 |
メリット | 地方求人が豊富、手厚いサポートがある | 手軽に利用できる、企業からのスカウトもある | 専門的なサポート、柔軟な働き方が可能 |
デメリット | 高年収の求人は少ない | 地方によって求人が少ないケースもある | 派遣会社によってサポート品質が変わる |
私は事務職しか経験がありませんでしたので、この歳から新しい職種を目指す気にもなれず、自宅から近い職場で事務職の募集がないかを毎日チェックしました。
まあすぐに次の職場は見つかるだろうと思っていたのですが、すぐにそれは安易な考えだったと気づきました。
まず、50代女性で正社員事務職を雇ってくれるところは殆どないんですね。
それで派遣社員としてならどうかと派遣会社のコーディネータの方に支援してもらったのですが、やはり若い方優先のようで、なかなか希望に合う(私の希望といえば、「事務職」と「自宅から近い」のたった2つ程度だったのですが)仕事を紹介してもらえませんでした。
活動を始めて1ヵ月経った頃も、「ここに決まりそう」というあては一つもなく、ただインターネット上の求人を眺める日々。この時期が一番辛かったです。
それから数日経ってハローワークに行った際に(失業保険給付中は、書類の提出があって毎月ハローワークに手続きに行く必要がありました)、相談員の人から「パートだけど、フルタイムで事務職の募集が出てますよ」と教えてくれて。
見ると、なんと自宅から5分の場所!
急いで応募して、幸いなことでそこで採用をもらいました。
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4転職後
50歳の脳は、新しいことをなかなか覚えてくれない。
転職後の新しい職場は、前職同様にサービス業の事務職です。
これまでは正社員でしたが、今回からはフルタイムのパートとなりました。
劇的に変わったのは、通勤時間でした。
なにせ、自宅から5分の距離ですから笑。
お昼も自宅で休憩ができますし、退勤後も買い物をゆっくり時間かけてできます。
主な仕事内容は、電話応対や来客対応です。
職場には正社員の事務職の方もいて、私と仕事内容は大体一緒なのですが、パートの私の業務負荷の方が若干軽めです。
ですが、それにもかかわらず入社してしばらくは苦労しました。
理由は、新しいことがなかなか覚えられなかったからです。
若い頃だったらすぐに暗記して慣れていれたことが、50代になった今はなかなかできない。
ちょっとした業務も、「あれ、これはどうするんだっけ?」と立ち止まってしまうのです。
これは結構ショックでした。
結局、業務に慣れるのに半年かかりました。
私の配属された職場は、20名程の社員やパートの人がいました。
人間関係の方は比較的早く馴染めて、1ヵ月ほどで対人的な気苦労はほとんど感じなくなりました。
癖のあるような人もいなく、また前職で多かった突発的なトラブルもここではあまり見られません。
業務分担もきっちりしており、慣れてしまえば仕事のしやすい環境でした。
まあ、慣れるまでの半年間は結構大変でしたけどね。
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5その後、どうなったか。
今の職場は、きっと「またとない条件」。
年齢を重ねると、いろいろ考えないといけないことが増えてきます。
仕事もそうですし、家庭のこと、親の介護のこと、近所付き合いのことなど──。
限られた時間内でそれらに向き合っていくためにも、通勤時間は短いに越したことはないと、今回の転職を経て強く思いました。
今の職場では、お昼休憩時は自宅に帰ってそのついでに買い物や洗濯をしたりしています。
有給休暇も時間給で取ることができて、「ちょっと病院に行ってきます」ということもできます。
そして、そうやって平日にちょっとした用事を済ませられると、休日に余裕ができます!
以前よりも、充実した休日を過ごせて、自分の時間も多く持てるようになりました。
また、職場を変えたことで新しく覚えた知識・スキルもいくつかあります。
何事も新しくやることは、プラスになるんだなと思いました。
転職して3年が過ぎ、私は55歳になりました。
今回の転職が、きっと最後になるんだろうと思います。
今の職場は、65歳までは働けます。
自分の身体と相談をしながら、ここでその歳まで働けたらと思っています。
たまに新しい業務が舞い込んできて四苦八苦することもありますが、なんとかついていけています。
これからまた歳を取って私の身体にまた変化が訪れて、今の生活が苦痛と感じるようになれば、またどうするかを考えるかもしれません。
ですが、今のところは「65歳まで、この職場で働ける」という安心感があります。
新しい業務にも物おじせず、頑張って覚えていこうと思います。
今の職場は私が望む生き方を適えられる、きっと「またとない条件」なんでしょうから。
自分に余裕ができると、自然と周囲の人たちにも気持ちを向けられるようになります。
一緒に働く人達もそうですし、今は離れて暮らす子どものこと、そしてこれから介護が必要になるだろう両親。
なにかあったときも、なにもなかったときも、その都度「こうしたい」という選択ができる、今の生活を守っていきたいです。
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