学習塾、居酒屋飲食店、そして不動産営業──。「自分に合う会社」を求めて。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 飲食業
- 職種
- 居酒屋店長
- 従業員規模
- 連結約3000人単独約1500人
- 年収
- 380万程度
転職後
- 職業
- 不動産業
- 職種
- 賃貸契約営業
- 従業員規模
- 11人
- 年収
- 300万程度
目次
清川さんの転職ストーリー
1これまでの私
とにかく、毎日が精一杯だった。
前々職、私は小学生から高校生まで対応している学習塾で主に運営関係の仕事をしていました。
その学習塾はアットホームな雰囲気で、仕事もそれほど忙しくなくて。
年に何回かの国内旅行を楽しみに働いているような、あまり仕事に生きがいを求めるタイプではない私と相性が良かったのを覚えています。
ですが、学習塾の経営難に伴う規模縮小から、やむを得ず退職をすることに。
そうして、その後に入社したのが居酒屋飲食店です。
その会社は居酒屋中心にチェーン展開をしており、私は店長候補として入社しました。
ですが、私は飲食店の経験は学生時代のファミリーレストランでのホールバイトしかありませんでした。
また、居酒屋チェーン店で働く人は私よりだいぶ若い人たちが大半だったこともあり、なんとなく居心地の悪さや働きにくさも感じていて。
仕事もとても忙しかったです。
いやあ、店長の仕事は大変でしたね。
とにかく毎日毎日、無事に過ごすことで精一杯でした。
居酒屋の店長の仕事
居酒屋の店長は、店舗運営全般を管理・監督する役割を担います。
スタッフの管理や売上の管理、顧客対応など、多岐にわたる業務を行い、店舗がスムーズに運営されるようサポートします。
居酒屋の店長の仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
スタッフ管理 | スタッフの採用、シフト作成、教育を担当します。スタッフが効率的に業務を遂行できるようにサポートします。 |
顧客対応 | 来店するお客様への対応や、クレーム処理、予約の対応などを行います。常に顧客満足を意識した接客を心がけます。 |
売上管理 | 日々の売上を管理し、収支バランスを保ちながら店舗の利益向上に努めます。また、売上データを分析し、必要な改善策を講じます。 |
仕入れ管理 | 食材や飲料の仕入れを行い、在庫管理も担当します。適切な仕入れによって、コスト削減と品質維持を両立させます。 |
店舗運営全般 | 店舗の清掃や設備のメンテナンス、衛生管理など、店舗運営に関わる全般的な業務を管理します。 |
2転職のきっかけ
パートナーから、「その会社はおかしい」と言われて。
改めて当時のことを振り返ってみると、始めから前職を続けることは無理だったように思います。
そもそも私の勤めていた会社は、一般的に入れ替わりの激しいとされている飲食業界の中でも、離職率が特に高いことで知られていました。
その原因は、店長の役職を持っていた人にかなり膨大な仕事量が強いられる環境にあったからだと思います。
例えば、仮にアルバイトさんやパートさんが突発的に休めば、休日であろうと店長は即座に現場に駆けつけなければなりません。
それ自体はふんだんに起こりうることなのですが、この休日出勤は会社からの指示にはならないのです。
店が回らなくなれば店長としての責任を問われてしまうため、そうならないように「自己判断で休日出勤しなければならない」という、自発的なものとする会社のシステムでした。
これは残業についても同様で、店長で正確な自分の労働時間を把握している人は、ほとんどいなかったでしょう。
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ある日、当時お付き合いしていたパートナーと私の仕事について話しをする機会がありました。
じっくり話をする中で、
- パートナー
-
「冷静に考えて、その職場はおかしいと思う」
と言われて。
たしかにそうだな、と思いました。
このまま、休みの日も安定して確保できずに、また恒常的な残業の日々を続けていては、明るい未来もまったくイメージできません。そのことを再認識した私は、退職を決意しました。
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3転職活動中
40代の壁、そして周囲からのプレッシャー。
転職活動をしている時に、つらかったと感じたことは二つあります。
一つ目は、40代という年齢での転職は、私が想像していた以上にハードルが高いと感じたことです。
まず、ハローワークのパソコンで検索をしていても、ヒットするのは、飲食、介護、工場、ドライバーといった身体を使う求人がほとんどでした。
今後、体力が衰えていくことが確実な状態で、これらの求人に応募をするのは、私には勇気のいることで、毎日パソコンを眺めながら踏ん切りのつかない時間を過ごしていました。
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二つ目は、周囲の目の厳しさです。
周りから見れば遊んでいるように感じるのか、こちらが懸命に転職活動をしていても
- 周りの人
-
「え、まだ転職活動中なの?早く働かないと!」
とプレッシャーを掛けられてしまうこともありました。
特に同級生との飲み会では肩身の狭さを感じることが多かったです。
そんな中、とある求人サイトで営業経験のある人材を年齢不問で募集している会社を見つけて、「ここはけっこう良さそうだ」と思い応募をしました。
すると、トントン拍子で内定が決まったのです。
(これまでなかなか転職が決まらなかったのは、いったい何だったのだろう…)と思いました。とにかく、ようやくホッとしました。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
新しい仕事は「不動産営業」でした。
人数は少ないながらも前々職の学習塾に似たような感じのアットホームな雰囲気な職場で、不動産知識が皆無の状態の私に対しても、周りの先輩スタッフさんが丁寧にフォローをしてくれました。
前職で限界を感じていた休日出勤や残業についても、現職場はほとんどありません。
もちろん、業務の性質上、お客様やオーナー様の時間に合わせなければならないため、時間は不規則な部分はありますが、許容範囲内でした。
不動産営業とは
不動産営業は、住宅や土地、商業物件などの売買や賃貸の仲介を行う仕事です。
顧客のニーズに応じて物件を紹介し、契約手続きやアフターフォローまで、幅広いサポートを提供します。
不動産営業の仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
物件紹介 | 顧客の希望条件に合った物件を探し、紹介します。内覧の調整や案内も行い、物件の魅力を伝えます。 |
契約手続き | 購入や賃貸契約を希望する顧客との契約手続きを進めます。契約書の作成や必要な書類の準備、説明などを行います。 |
マーケティング活動 | 販売物件や賃貸物件の情報を広告やインターネットを通じて発信し、新たな顧客の獲得を目指します。 |
顧客対応 | 顧客からの問い合わせ対応や、購入・賃貸に関する相談に応じます。顧客のニーズを理解し、最適な提案を行います。 |
アフターフォロー | 契約後も、顧客が物件に満足しているか確認し、問題があれば対応します。リピーターや紹介顧客の獲得に繋げるため、良好な関係を維持します。 |
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印象深かったのは、はじめて自分で契約を取ったときのことです。
お客様は、二人連れの若いご夫婦でした。
旦那様の事情で急に引っ越しをすることになり、東京のことは何も分からず、二人共不安そうな様子で。
何とか良い物件をと思い、場所選びから間取りを入念に打ち合わせ、無事に契約を交わした時に、ご夫婦から
- 周りの人
-
「本当にご丁寧にありがとうございました。──貴方が担当で、よかったです」
と、言ってもらえたのです。
嬉しかったですね。久し振りに、仕事に対しての達成感を持つことができました。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
まず、転職を決意して現在の職場に入社したことを、本当に良かったと実感しています。
もし転職をしていなければ、私は前職の環境を当たり前だと感じ、何か店舗にトラブルが起きた際には自分の責任だと思い込まされてしまっていたことでしょう。
当時は、会社を辞めていく人に対して、「逃げ」だと考えていたところがありますが、今は全く違います。
「自分が会社に合わない」──そう感じたときは、会社の人の意見だけではなく、大切な人と話したり、または自分自身で問い掛けてみる方が、正しい答えが出るものなのではないでしょうか。
唯一の後悔と言えるのは、このことにもう少し早く気が付いていれば、あのようなつらい思いを長くすることはなかったのではないかという点です。
しかし、それも今だから思えることかもしれません。
今後の目標として、仕事面では「宅建」を取得しようと考えています。
不動産業界で宅建は必要とされる資格でもありますし、年令に関係なく先々も使えるものなので、チャレンジしたいです。
プライペート面での目標は、まずは自分の時間を第一に考え、残りの人生を大切に使っていきたいです。
具体的には、行ったことがない都道府県を全て観光して、各地の美味しいものを巡る旅をしたいですね。
前職では忙しすぎて大好きな旅行にも行けず、旅行会社で貰ったパンフレットを眺めるだけでしたから、なおさら行きたい思いが強くなっています。
それに、守らなければならない家族も出来ましたので、今後は仕事もプライペートも無理せず穏やかに過ごせていけたらと思います。
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