シンママ看護師。私が求めた働き方は娘との時間、そして「正しいこと」をすること|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 医療施設(総合病院)
- 職種
- 看護師
- 従業員規模
- 80人
- 年収
- 330万円
転職後
- 職業
- 医療施設(訪問看護ステーション)
- 職種
- 看護師
- 従業員規模
- 150人
- 年収
- 360万円
目次
ラシュシュさんの転職ストーリー
1これまでの私
眼科医院の看護師。家ではシングルマザー。
転職前まで、眼科の手術室看護師をしていました。
看護師としては10年以上の勤務経験がありましたが、眼科はその職場が初めてでした。
手術室看護師とは
手術室看護師は、手術の安全かつスムーズな進行を支援する専門的な看護師です。
手術前の準備や手術中の医師の補助、患者のケアなどを担当し、医療チームの重要な一員として働きます。
手術室看護師の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
手術前の準備 | 手術器具や医療機器の準備、手術室の整備、患者の確認を行います。また、手術内容に応じた必要物品の準備も担当します。 |
手術中の補助 | 手術中は医師の指示に従い、器具の受け渡しや患者のモニタリングを行います。緊急事態にも迅速に対応し、手術が円滑に進行するようサポートします。 |
術後のケア | 手術後の患者の状態確認や回復をサポートします。麻酔からの覚醒やバイタルサインのチェックを行い、必要に応じて適切なケアを提供します。 |
私は、県外の看護学校の寮に入っている息子と、小学校1年生の娘を育てるシングルマザーです。
娘はある持病があり、あまり残業ができないことを了承してくれた上での勤務でしたが、やはりそんな約束を守ってもらえるわけではありませんでした。
私も「仕事に穴をあけてはいけない。他の人の負担になってはいけない」と思い、残業があっても何も言わず対応しました。
手術室では、患者さんとのコミュニケーションはありません。
文字通り、手術するだけです。
そのため、患者さんから感謝の声を聞けることもなく、あまりやりがいはありませんでした。
唯一のやりがいと言えば、ボーナスが年に2回あったことです。
それだけを仕事の愉しみにしていました。
2転職のきっかけ
生活とのバランスが取れる「訪問看護」の仕事を。
看護の仕事には訪問看護というものがあります。
患者様のお宅に伺い、健康状態を見る仕事です。
今の生活のことも考えると、そうした働き方が適しているのではないかと、かねてから思っていたのです。
ある時に手術が長引き、居残り当番だった私も残ることになりました。
19時を過ぎても20時を過ぎても終わるメドがたたず、「せめて娘に電話を入れないと」と思い主任に言ったのですが認めてもらえず、22時になってようやく仕事が終わって。
家に電話をしたけど繋がらないんです。
急いで帰宅してみると、娘はリビングで眠っていました。
「夕飯はソーセージを電子レンジで温めて食べた」と聞いて、
- 私
-
(私は一体、なんのために仕事をしているんだろう…)
と思いました。
それが、私が「転職しよう」と思った一番の理由です。
たまたまの成り行きかもしれませんでしたが、そう決めてからは仕事に身が入らなくなり、ボーナスまであと2ヵ月が我慢できず退職しました。
今思うと、もったいなかったですが。
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3転職活動中
退職して3ヵ月経っても、次の職場が決まらない。
退職してから3ヵ月が経ちましたが、私はまだ次の仕事を見つけられずにいました。
ハローワークで失業保険をもらいながら、ハローワークの相談員だけでなく知人にも声をかけ、できるだけの求人を得ようと頑張りました。
地方だということもあり、転職サイトにはいくつかの求人が出ているだけだったので、非公開の求人を紹介してもらうために転職エージェントに登録もしました。
非公開求人とは
企業のWebサイトや転職サイト、ハローワークなどで、一般に公開されていない求人情報です。
社名が伏せられていたり、求人の存在そのものを知られないようにされており、一部の転職エージェントのみが情報を把握しています。
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ですが、結局たいした求人は紹介してもらえず、たまに紹介されるのはハローワークにも常時掲載されているようなところばかりでした。
前職がボーナスが良くて月給の方は少なかったので、失業保険の金額は微々たるものでした。
それもあって、活動中に一番苦労したのは金銭面でした。
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そういう時に限って、いろいろと出費がかさみ、貯金が減っていくのが本当に辛かったです。
うまくいかないことにイライラしてしまうことで、ますます前向きになれなくなっていました。
その日も「どうせ代わり映えしないから。」とハローワークに行くのはよそうと思ってたんです。
ですが、なんとなく今日は行っておこうという気分になって。
そこで、新着の訪問看護の求人を見つけて、急いで応募しました。
4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
新しい職場は、新規に立ち上げてまだ数年という訪問看護ステーションでした。
その会社はグループホームやデイサービスも展開しており、地域密着型の医療・介護に真摯に取り組んでいる感を受けました。
だから、最初の頃はとてもやりがいを持って働けていました。
訪問看護ステーションとは
訪問看護ステーションは、在宅療養を必要とする患者に対して、看護師が自宅を訪問して医療ケアを提供するサービスを行う施設です。
主に高齢者や慢性疾患を持つ方、退院後の自宅療養をサポートする役割を果たし、患者が安心して生活を続けられるように支援します。
訪問看護師の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
健康管理 | 患者のバイタルサイン(体温、血圧、脈拍など)のチェックや、病状の観察を行い、体調に変化がないかを確認します。必要に応じて医師へ報告し、適切な処置を提案します。 |
医療処置 | 点滴や注射、カテーテル管理、褥瘡(床ずれ)ケアなど、医師の指示に基づいた医療処置を行います。また、患者の痛みや不快感を軽減するためのサポートも提供します。 |
リハビリテーション支援 | 患者が自宅で自立した生活を送るために、必要なリハビリテーションの支援を行います。身体機能の維持や改善を目指し、簡単な運動やストレッチなどをサポートします。 |
ですが半年が過ぎ、自分なりに勉強もして在宅医療に多少知識がついてきたころ、職場で行われていることで、「これは不正ではないか?」と思うことがありました(詳しい内容は控えさせていただきます)。
管理者や本部の上司に説明を求めましたが、結局うやむやにされてしまいました。
そのことだけを除けば、とても良い職場でした。
患者さま達との関係は良好ですし、頼りにしてくれるご家族もいる、職員たちのチームワークも良い。
だから、不正のことはできるだけ気にしないで仕事に専念しようと思っていました。
ですが、感じられていたやりがいはいつしかなくなってしまいました。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
どんな嫌なことがあろうと、その場の感情で動いてはいけない。──それが、仕事というものだと思います。
自分には子供がいて、生活を守らなけらばいけない。そういう責任があることを、常に考えなければいけないと思っています。
どの職場でも「話が違った。」ということはよく聞くことですし、多少の問題も抱えているものでしょう。
そのなかで、自分がやれることを見つけていくしかない。
──これが、今回の転職で私が学んだことです。
ただ悔やまれるのは、初めて看護師として勤務した総合病院を6年目に退職してしまったこと。
あの時もう少し頑張っていれば、ベテランになってもっと楽に、手取りも多かったし、退職金もあったのにな。と思ってしまいます。
◇ ◇ ◇
いつの日か、自分で訪問看護ステーションを立ち上げたい、という大夢があります。
看護師も不足している中、さらに訪問看護は人気のない分野なので、まだまだ道のりは長いかもしれませんが、何よりもまず先に「患者様」を思って仕事ができる環境の整った中で仕事をしたいという思いがあります。
今はまだ「…やっぱり無理そう」、「やれそうかな?」といった風に思考が行ったり来たりでまだ行動には移せていません。
ですが、いつかは人の役に立つだけでなく、本当に自分が「正しい」と思えることに向けて働ける職場を作っていきたいです。
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