2人の人物から「うちの会社に来ないか」と誘われて。事務職から経営企画に転職|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 製造・販売
- 職種
- 一般事務
- 従業員規模
- 10~20名
- 年収
- 250万~300万
転職後
- 職業
- 製造・販売
- 職種
- 経営企画
- 従業員規模
- 21~50名
- 年収
- 500万~550万
目次
はなおさんの転職ストーリー
1これまでの私
尊敬する先輩に憧れて入社するも、年配社員との折が合わず。
大学卒業後、私はUターンするかたちで地元有力企業のOBが集うA社に入社しました。
A社の実質的トップのSさんからお誘いをいただいていたこと、実家のある地元での就職を考えていたこと、尊敬するSさんのもとで若いうちから多様な経験を積んでいけるだろうこと、がこの会社を選んだ理由でした。
入社前からSさんに直接的に働きかけていただいて入社した私は、他の社員さんから一目置かれ、非常に親切にしていただいておりました。
「いい人たちばかりで良かった」というのが、当時の正直な感想でした。
大学での勉強を通じて企業経営の知識もそれなりに学んでいた私は、自分を誘ってくれたSさんの期待に応えようと思っていました。
社内で一番の若輩者ながら会議においても、「会社が良くなってほしい」という想いで積極的に発言をしていました。
とはいえ会社の当時の業績は、減価償却費を考慮してようやく営業キャッシュフローが黒字転化するような状況。
まだ20代の社員が、既存事業の抜本的な見直しや新規事業の模索などについて、60歳前後の経験豊富な社員を相手に指摘と提案を繰り返していたわけですから、彼らからしたら本当に面白くないでしょう。
それでも私からすれば、おそらく「あと数年くらいここで働ければいい」と思って働いている彼らとはギャップを感じてしまうのです。
当然ながら仕事に対するスタンスは噛み合うはずもありません。
ちょうどその頃、私を誘ってくれたSさんが大きな病を患ってしまいました。
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2転職のきっかけ
いじめとも思えるパワハラが始まって。
Sさんが病で入退院を繰り返す状況下で、古参社員たちはSさんに付いていくばかりだった姿勢から一転、Sさんを追い出して自分たちが経営実権を握ろうと画策を始めたのです。
その矛先はSさんを慕う私にも当然向けられ、彼らの態度はパワハラを超えて「いじめ」の域に達していました。
仕事はすべて奪われ、私には何一つとして仕事らしい仕事は与えられず、始業時間から終業時間までただデスクに座っていることを命じられた日々。
出社時の「おはようございます」という私の挨拶も無視され、心ない方から発せられる小さな舌打ちの音。
だからと言って、すべてを投げ出すことで、まだ在籍するSさんの顔をつぶせない葛藤。
そのような日々を過ごしていたある日、復帰が見込めないためSさんは辞任と退社に追い込まれました。
程なくして私には、隣県の関連会社工場での作業員としての出向が命じられることとなり、迷うことなく転職を決意して退社しました。
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3転職中
前職で付き合いのあった会社からスカウトされて。
退職したのち、次の職への宛てもなかった私は失業給付金を受けながら、ゆっくりと転職活動へと取り掛かろうとしていました。
実家暮らしだったことも、精神的にゆとりを持てた理由だと思います。
いくつかの転職サイトへの登録をしていたものの、興味ある案件はすべて実家を離れた県外ばかり。結局は、「どこまで妥協するか」が大事なのかもしれないと、考えていました。
退職後、半年ほどそのような状況が続いたある日、A社で働いていた当時にお付き合いのあったB社の代表取締役Iさんから
- B社代表
Iさん -
それならうちに来ないか?
とのお誘いをいただきました。
B社は地元でも無名の零細企業です。
このお話しをいただいて親に話してみたところ、「本当に大丈夫なの?」と心配されたことは現在でも強く覚えています。
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当時はB社にとって逆風が吹く最中でした。ちょうどリーマンショックのあたりだったかと思います。
ただでさえ業績が望ましくないだろうことに加え、それまで事業中枢を担っていた担当者Oさんが同業を扱う会社を興してB社を離れるなど、危うい要素満載のお誘いでした。
しかし、Iさんが私の能力を高く評価してくれていたこと、自分自身が転職について明確なビジョンを特に持っていないままだったことから、私は経営企画職としてB社へ入社する選択をとりました。
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4転職後
待ち受けていたのは、「ピンチ」の連続。
チャレンジ的な意味合いも感じながら入社したB社では、前任担当者のOさんの業務全般を引き継ぐ格好となりました。
ところが、入社間もなく目にした決算書から判明された、紛れもない債務超過状況。
一気に目の前が真っ暗になりました。
しかし、零細企業にとって債務超過からの脱却は時間との勝負に他なりません。
どうこう言っていても始まらないので、私は目の前の課題一つ一つをとにかくスピーディーに片づけていくことを心がけました。
人材が限られている以上、あれもこれも誰かが担当しなければ前には進めませんでした。
同業他社として独立した前任のOさんとバッティングする客先へのフォロー、新規顧客の開拓、ずさんな経理、人間関係もまともに構築できていない状況下での銀行担当者との追加融資に関する折衝など、入社早々に大変なことばかりでした。
どこまでも続くピンチの渦中に、私を誘ってくれたIさんはどんどんと社長業を私に丸投げし、最終的には
- B社代表
Iさん -
…なんか、疲れてるんだよね。
──であったり、
- B社代表
Iさん -
…精神的にも、少し病んできてるみたいで。
──といった理由を繰り返して、そして段々と、まともに出社さえしなくなってしまったのです。
お誘いいただいていた当時には思いもよらない状況でしたが、同時に、そんな状況下もあって他の社員が次々と私を頼ってくれ、しんどい反面、「頼られている」というやりがいさえも感じる毎日でした。
5転職を振り返って
ピンチをチャンスに変えられるかどうかは自分次第。
私の転職自体は不本意な事態から始まり、転職先でも想定外な状況へと放り込まれた感があったと思います。
しかし、今振り返れば、私が就業先に求めることは「多様な経験を積めること」に他なりませんでした。
これはつまり、自身の業務遂行能力の向上を常に意識していたともいえるかもしれません。
転職先の経営状況が危うかろうが、自分の力を常に試せる環境に居続けられたことは、現在の私にとって貴重な糧となっております。
たしかに渦中に身を置けば、将来を考える上では強いストレスを感じることは否定できません。
それでも自力で物事を好転させることさえできれば、自身の職務遂行能力はが伸びるとともに、それらの行動を通じて自然と人脈も収入も後から付いてくるものだと思います。
事実、私はB社で代表取締役のIさんが雲隠れしてしまう状況下、アベノミクスの恩恵という幸運もありましたが、会社としてのピンチを潜り抜け、取締役として社長代行を務める今日があります。
「ピンチはチャンス」という言葉を皆様も耳にされたことがあるかとは存じますが、もっと正確に表現するならば、「ピンチをチャンスに変えられるかどうかは自分次第」ということでしょうか。
私はB社での業務を通じながら、自身のスキルアップ、銀行担当者をはじめとする各方面からの信頼を得られ、安定を取り戻したB社での先々以外にも将来に対する個人的な選択の幅が拡がりました。
今後はB社の社長代行として、同社を成長路線に乗せるべく、着手中の新規事業立ち上げを楽しみたいです。
同時に、自身の将来についても色々と考えていきたいと思います。
◇ ◇ ◇
余談とはなりますが、私がB社に入社して3年ほどしたあたりで、以前に勤務していたA社は諸々の事情により清算されることとなり、もちろん従業員も全員解雇となりました。
これを耳にした当時、「やっぱり」と思ったものです。
社員が保身に入るばかりでチャレンジする姿勢を忘れているようでは仕方のないことでしょう。
私は自身の転職を経て、転職を決めるタイミングは「ここにいても仕方がない」、「ここにいる理由がない」という思いが明確になったときだと実感しました。
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