職場の「不公平」に直面し転職!子育て主婦が気づいた環境を変える秘訣|転職体験談
ちょっと失敗
転職前
- 職業
- 車のアクセサリー業界
- 職種
- 事務
- 従業員規模
- 50名
- 年収
- 250万円
転職後
- 職業
- 製造業
- 職種
- 総務兼事務
- 従業員規模
- 300名
- 年収
- 300万円
目次
えき537さんの転職ストーリー
1これまでの私
子育て主婦の仕事と日常

私は結婚5年目、5歳の息子を育てながら、車のアクセサリー会社でフルタイムで事務職をしていました。
私は、長年の接客業経験から人当たりの良さこそ自信がありますが、自分の意見をはっきり伝えられず相手に合わせてしまうのが短所です。職場でも無理な仕事を「大丈夫です」と引き受け、後で負担になることがよくあります。
正直なところ、働くことが大好きではありませんが「働かぬもの食うべからず」の考えで、体調が優れない日も家計のために出勤しています。専業主婦よりは、外で社会と関わりながら働く方が性格に合っていると感じます。
生きがいは息子の成長と自分自身の充実した日々。夫とは「飲み歩き」という共通の趣味があり、月に一度は両親に息子を預けて二人の時間を作っています。家族との時間、自分の時間、仕事のバランスを大切にしている普通の主婦です。
2転職のきっかけ
職場の不公平を痛感した「待遇差」

転職を決意した最大の理由は、働きに対する評価の不公平さでした。パート従業員という立場ながら、9時から17時までフルタイムで勤務し、実質的には正社員と同じ、時にはそれ以上の業務量をこなしていました。
しかし給与面ではボーナスなし、各種手当なしという明確な格差があり、「同じ働きなのになぜ?」という疑問が日に日に大きくなっていきました。
この不公平感に決定打を与えたのが、ある正社員の妊娠をめぐる出来事です。私自身も出産経験があり、当時は産前6週まで休まず働いた記憶があります。しかし、その正社員はつわりを理由にさらに前から長期休暇を取得し、その後もスムーズに産休・育休へ移行。しかも給与は満額保障されていたのです。
「体調の辛さは人それぞれだから」と理解しようとしましたが、後に知ったのは彼女が「上司のお気に入り」で特別扱いを受けていたという事実。能力や勤務態度ではなく、上司との関係性で待遇が決まる不透明な職場環境に愕然としました。 「ここでは公平に評価されることはない」という気づきが、私の転職決断の背中を押したのです。
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3転職活動中
子育て中の職場探しは制約だらけ

就業活動は、30代で子育て中という条件が重なり、予想以上に時間がかかりました。
良さそうな求人を見つけても、条件面をチェックしていくうちに「保育園のお迎えに間に合わない」「子どもの体調不良があった時に休ませてくれなさそう」と諦めることも度々ありました。焦りと不安が募っていきました。
特につらかったのは、毎日遅くまで働く夫に対する申し訳なさです。夫は何も非難めいたことを言いませんでしたが、私の中にある「働かないものは食うべからず」の価値観に負い目を感じていたのです。自分がただ家でくつろいでいることにすら抵抗がありました。
ただ、日々悪いことばかりというわけではありませんでした。
「仕事が決まらなければ保育園も続けられない」というプレッシャーものしかかる中、ママ友や友人が求人情報を教えてくれたり、保育園の先生が「焦らずゆっくり探して」と声をかけてくれたことは大きな支えに。厳しい現実の中で、人とのつながりに助けられた時期でもありました。
就業活動は約2ヶ月続きました。最初はハローワークで探していましたが、条件に合う仕事が見つからず、派遣会社3社(リクルートスタッフィング、スタッフサービス、アデコ)に登録して本格的に探し始めました。
目指したのは事務職です。特別なパソコンスキルはありませんでしたが、将来的に2人目の子どもを希望していたため、座り仕事が良いと考えました。また、残業が少なく安定している点も魅力でした。
派遣会社の担当者が私の希望条件に合った就業先を紹介してくれ、気になるところの面談に行くという流れでしたが、途中で派遣会社任せになってしまったのは反省点です。もっと積極的に動くべきだったと思います。
最終的に、家から自転車で通える印刷会社の事務職として派遣就業することが決まりました。正社員ではなく派遣という働き方でしたが、子育てとの両立を第一に考えると、この時点ではベストな選択だったと思います。
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4転職後
新たな職場でまた「不公平」に直面

派遣先の印刷会社は、自宅から自転車でわずか10分という好立地でした。私の役割は、総務と一般事務の兼任というポジション。具体的には総務業務が約半分、発注・受注管理や伝票処理などの事務作業が残りの半分という形でした。
この会社は地域に長く根付いた老舗印刷会社で、現在の社長は創業者の子息である2代目。お客様の多くは長年取引を続けている地元企業で、安定した信頼関係を築いている様子が印象的でした。
事務所内の環境は、営業担当が2名、そして私を含めた女性事務スタッフが4名という小規模な体制。一方で印刷の現場は活気に満ちており、特徴的だったのは従業員の多くが海外からの技能実習生だったことです。実際、現場では日本人スタッフよりも海外からのスタッフの方が多く、国際色豊かな職場環境でした。
派遣就業後すぐに、勤続20年のベテラン女性社員(50代後半)から仕事を教わることになりました。彼女は社内で「お局様」的存在で、職場の力関係に大きな影響力を持っていました。
就業直後、このお局様と別の先輩社員との間に確執があり、事務所の雰囲気が険悪になることがありました。新人だった私はあまり状況をよく理解しておらず、その時点では大きなストレスにはならなかったのですが……。
就業4ヶ月頃、衝撃的な出来事が起きたのです。
そのお局様が、社長や副社長に仲の悪い先輩の悪口を吹き込み、その先輩が実際に解雇されてしまったのです!
「こんなことが簡単に起こる会社なのか」と、ただただ驚愕しました。前職で感じた不公平感とは別の形の不平等—人間関係や好き嫌いで評価が左右される不公平—が、ここにも存在することを痛感しました。
次第に私も「どちらの味方につくのか」という選択を迫られるようになり、精神的ストレスが増していきました。仕事の能力や努力ではなく、人間関係の駆け引きで評価される環境に、再び不公平感を覚えたのです。
そんな中、救いとなったのは別の先輩社員の存在。彼女は「気にしない。右から左に受け流すこと。すべて本気で捉えず、自分の心を守ること」というサバイバル術を教えてくれました。
彼女の立ち振る舞いを見ているうちに、職場の政治に振り回されずきっちり仕事をこなすこと、そして自分のペースを保つ大切さを学び、いちいち悩むことの無意味さに気づかされたのです。同時に、不公平な環境を変えるためには、まず自分自身が「なくてはならない存在」になる必要があることも理解し始めました。
5その後、どうなったか。
職場での立ち位置を変える「唯一の道」

思い起こせば就業活動中、「アットホームな会社です」というフレーズに何度も出会いました。私はこの言葉に温かく互いに助け合える職場環境というポジティブなイメージを抱き、現在の派遣先も担当者からそう紹介されて就業を決めました。
しかし実際に働いてみて気づいたのは、「アットホーム」が時に「家族経営の会社が古い体制のまま何もアップデートしていない状態」を意味するという現実です。具体的には以下のような職場環境です。
お局が強い発言力を持ち職場を支配している
パワハラまがいの指導が「家族だから」と許容されている
「昔からこうやってきた」という理由で非効率な業務が続いている
こうした職場は、思った以上に多いということです。
求人広告の表面的な言葉に惑わされず、面接時に「具体的にどのような点がアットホームなのか」を質問することの重要性を、この経験から学びました。魅力的な言葉の背後にある実態をしっかり見極めることが、就業先選びの成功のカギだと実感しています。
私は今回、職場環境こそやや誤算でした。ただ、時間をかけて自分の仕事を確実にこなし、期限を守ることで徐々に「信頼できるスタッフ」としての地位を確立できました。問題だったお局からも認められるようになり、一定の平和を得られています。
今の派遣会社での契約を続け、派遣先が変わったとしても、この経験を活かしていきたいと考えています。外部から来た者だからこそ、これまでの経験を新しい職場に持ち込める強みがあります。
仕事の改善案を提案しても聞き入れてもらえないことが多いですが、それは社内での立場がまだ弱いからなのだと理解しています。周囲から「この人がいないと困る」と思われるレベルの仕事をこなせば、少しずつ発言にも耳を傾けてもらえるようになるはず。
業務を早く正確にこなし、周囲から頼られる存在を目指すことが、職場の不公平さを変える唯一の道だと感じています。
幸い尊敬できる先輩がいるので、彼女から新しいスキルを積極的に学んでいきたいと思います。「仕事をしに会社に行く」という基本を忘れず、無駄な人間関係の争いに心を削るよりも、自分の成長と職場への貢献に集中していきます。
職場の環境を変えたいなら、まず自分が周囲から必要とされる実力を身につけることから始めるべき──、今は、そう思える自分がいます。