クリニックの看護師なのに仕事は「玄関掃除と草むしり」に…その後はターミナルケアの福祉施設|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 眼科クリニック
- 職種
- 看護師
- 従業員規模
- 15人
- 年収
- 400万~600万
転職後
- 職業
- 福祉施設
- 職種
- 看護師兼カウンセラー
- 従業員規模
- 20人
- 年収
- 200万~400万
目次
ガマグチさんの転職ストーリー
1これまでの私
一人暮らしと、眼科クリニックでの勤務を始めて。
今から3年前のことです。
当時私は、一人暮らしを始めて、眼科クリニックで採血係をしていました。
生き甲斐は、当時付き合っていた男性ですね。
休みには、アパートで一緒に過ごしてました。
クリニックで辛いことが有っても、「彼がいるから頑張れる」と思っていました。
あとお菓子作りが好きで、彼にご馳走していました。
趣味はアニメ鑑賞。
彼とアニメ鑑賞をして休みを一緒に過ごしていました。
彼が通うのに1時間かかるので、(彼の近くに住んでもいいなあ)といったことを考えたりしていました。
実家には両親がいましたが、父親とはあまり仲良くなくて。母にはよく連絡してました。
仕事の悩みを家族に相談したりは、なかったです。
2転職のきっかけ
いつの間にか、玄関掃除と駐車場の草取りが主な仕事になって。
当時の職場は、眼下のクリニックです。
ふとしたときに求人広告を見て、「あ、ここいいかも」と思って応募しました。
眼科は初めてだったので緊張してましたが、面接のときに
- 医院長
-
「君を二年でゆっくり育てます」
と院長から言われて、その優しそうな雰囲気に惹かれ入社しました。
職場は、医療事務4人、検査技師4人、看護師4人(その内1人は院長夫人) 、用務員2人、統括事務1人、医者2人でクリニックを動かしてました。
ですが私が入ったと同時に、私に診察介助の手順を教えてくれていた看護師が辞めてしまったのです。
その人は他の看護師と違いとても親切な方で、「ゆっくり頑張りましょうね」と言ってくれていました。
そして、突然辞めてしまった彼女の仕事を、私がそのまま引き継ぐことになりました。
──まだ、きちんと教わっていないのにも関わらずです。
私の担当は、診察介助と採血と医療器材の滅菌でした。
2ヵ月が経ち、医療事務の1人から
- 医療事務
-
「あなた、診察介助が下手で患者の流し方が下手よね。私が診察介助します?」
と言われて、それから私は採血と検査と器材滅菌の担当になりました。
- 私
-
(医療事務が医療行為をして良かったのか?)
と疑問に思いながら業務をしてました。
更に1ヵ月経つと、別の医療事務の方から
- 医療事務
-
「採血だけしかできないの?いつもボーッとしてるよね」
と言われました。
とくに医療事務の方からのあたりはきつかったです。あからさまに無視されることもありました。
他の看護師からも、
- 看護師
-
「採血下手だね」
と言われたり、挙句の果てには、
- 看護師
-
「玄関掃除と駐車場の草取りしてきて」
と言われて、とうとう私は玄関掃除や雑用にまわされました。
私は看護師業務を減らされ仕事を覚えられず、そうすると仕事のできない私を周囲はなじってきて──、まさに、悪循環でした。
そんな日が続いて、ある日の朝、洗面台に立って私はびっくりして立ちすくんでしまいました。
右顔面が、ひどい蕁麻疹でぷっくらと腫れてしまっていたのです。
私は元々、強いストレスで蕁麻疹が出る体質でした。
出勤して、私は院長にすぐに相談しました。
- 医院長
-
「ちょっと、あれだね。見た目が患者さんに良くないかもしれないね。裏方に回るか、帰った方が良いんじゃない?」
と言われて、その時ようやく私は、「退職しよう」と思ったのです。──遅すぎたかもしれません。
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3転職中
「もう行かないでください。自分を守ってください」
その日私は早退して、蕁麻疹と気道が塞がりかけた状態で、掛かり付けのアレルギー外来へ向かいました。
彼にも相談しましたが
- 彼氏
-
「めんどくさい、自分で解決して」
と言われてしまいました。
私は頼る人もなく、私一人で病院まで車で運転して向かいました。
アレルギー外来で担当医師が私の顔を見て
- 医師
-
「何で、病院勤務なのに、このままなんだ?ひどいです。下手したら呼吸困難になっていましたよ?」
と言われました。
そして、すぐにアレルギーの点滴をされました。
担当医師が点滴中に、私の隣に座っていて
- 医師
-
「体が悲鳴をあげたんでしょうね」
と言われました。
「でも仕事を頑張らないといけないんです」と話すと、
- 医師
-
「看護師の会社は、そこだけではないですからね。つまりあなたの会社は、そこだけじゃありません。だから、もう行かないでください。自分を守ってください」
と言われて、涙が出ました。
◇ ◇ ◇
私は、その日初めて両親に、電話で今の職場のことを相談しました。
両親からも退職を勧められ、私は郵送で退職願を送りました。
4転職後
新しい職場で、ようやく見つけた私のやりがい
アレルギーの症状が落ち着き、体調もだいぶん復調してから、私は転職活動を始めました。
インターネットの転職サイトで見つけたその職場は、ターミナルケアの福祉施設でした。
面接に行って、その日に採用の連絡を受けました。
新しい会社は看護師が4人いました。私を入れて5人です。
そのうちの一人が来たり来なかったりといった人で最初は「この職場も大丈夫だろうか…」と不安になりましたが、仕事はとてもやりがいを感じられるものでした。
高齢者の方々とふれ合う時間では、皆私とのコミュニケーションを求めてくれました。
私はもともとカウンセラーの資格を持っていましたので、そのスキルを活かせられたという実感を持てたこともありがたかったです。
草取りのような雑用ではなく、その職場ではスタッフの方も利用者の方も私を医療の専門職として扱ってくれました。
施設長も若い方で意見を聞いてくれて、やりたい業務が有ると、すぐに相談に乗ってくれました。
他の介護員の方々とも年齢が近いため話が合いました。
あとは、当時付き合っていた彼とも別れて、スッキリした気持ちで仕事に専念できたのもよかったと思います。
それでもまったく問題がないわけではありません。
看護師の一人が、周囲のしわ寄せをお構いなしにしょっちゅう休みを取るような人で、「だって子供が…」と言い訳をして休み、その日楽しく遊んでいる写真がtwitterにアップされていたりして。
──まあ、あまり考えないようにしてますけれど。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。そして、これから意識していきたいこと。
職場の人間関係で一番大切なことは、やはり「お互いを尊重する」ということだと思います。
眼科クリニックで働いていた時期は、とても辛かったです。
今思い出すだけでも、胸がギューッと締め付けられるような、苦しい気持ちになります。
あきらかに嫌がらせ、イジメでした。
味方になってくれる人が誰もいない状態でした。
話を聞いて相談にのってくれる人がいて欲しかったです。
今の会社では、私がその「相談」に乗る仕事をしています。──きっと、そういう巡りあわせだったのかもしれませんね。
相談をしに来てくれる人たちが、少しでも安心できるような、そんな場を提供していければと、そして、あの時の私のような、みじめな想いをする人を出さないようにと、──そんな思いで、日々の仕事を頑張っています。
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