何の仕事をするかよりどんな環境で働くか。入浴ヘルパーから工場作業員に|転職体験談
転職前
- 職業
- 介護事業所
- 職種
- 入浴ヘルパー
- 従業員規模
- 約7,000名
- 年収
- 300万円
転職後
- 職業
- 化学メーカー
- 職種
- 工場作業員
- 従業員規模
- 約5,000名
- 年収
- 260万円
目次
みかんさんの転職ストーリー
1これまでの私
高校卒業後に「入浴ヘルパー」の仕事に就いて。
現在、私は25歳。実家で両親と弟と暮らしていています。
家庭の事情もあって、高校を卒業してからすぐに就職しました。
高校時代は明るく活発な方だったのですが、社会に出てからはおとなしい控えめな性格に変わってしまったと感じています。
「社会人になったら、学生の感覚ではいけない」という意識が強すぎたのかもしれません。
それと、周りから「子供っぽい」であったり「役立たず」であったりと思われるのが怖かったんだと思います。
仕事は、介護士を選びました。入浴ヘルパーの仕事です。
やりがいは、利用者の方々から感謝されること。
「ありがとう」「あなたがいると安心する」って言われると、誰だって嬉しいですよね。人の役に立てたという実感を持てます。
つまり、私は「いい人でいられる」ことに安心感があったんだと思います。
それはきっと、人ととの集団生活で大切な感情だと思います。
ですが、ときにその感情が「足かせ」になってしまうこともありました。
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2転職のきっかけ
職場の輪になかなか入れない。
高校を卒業して働き始めたとき、私は18歳でした。
職場の人たちはとうぜん皆年上で、一番年齢の近い人が22歳、私の4つ上でした。
そういうこともあって、それから何年経っても職場の輪になかなか入れなかったんですね。
あるとき上司に「別の事務所に異動して、また一から頑張りたい」と相談しました。
その要望を上司は汲み取ってくれて、若いスタッフの多い職場に配属されることになったのですが、そこは以前の倍も忙しい職場でした。
新しい職場で若いスタッフの人たちの輪には入れたのですが、今度は陰口や内輪もめのオンパレードです。
関係性が近くなったらなったで、また問題があるのことを知りました。
それで、私の方から周りと距離をとろうと思ったのですが、そのやり方があまりよくなかったかもしれません。
今度は私が陰口の標的になってしまい、とにかくストレスが溜まりました。
更には、職場は忙しくなる一方でした。
「ちょっとくらいの残業ならまあサービス残業でいいか」と思って手伝いに残ったら、なかなか業務が終わらず3時間を費やしてしまったり、かといって残業覚悟で仕事をしていたら上司から「残業が多いよ」と注意されたり。
6年間働いて、気づけば私は24歳になっていました。
そして、今の職場で20代後半の時期を費やすのがたまらなく嫌になってしまいました。
ある日、私は上司に「辞めたい」と伝えました。
次の職場は何も決まっていませんした。とにかく、この場所から逃げ出したい一心でした。
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3転職活動中
「何の仕事をするか」よりも「どんな環境で働くか」
有給がかなり残っていましたので、退職前の1ヵ月は家でゆっくり過ごせました。
ペットの猫と遊んだり、一人旅に出たり。
ですが、3週間目あたりから「そろそろ転職活動をしなければ」と焦りだして、転職エージェントに登録しました。
エージェントとの面談で希望条件を訊かれたので、「年収を上げたいです」と答えたところ、「でも、介護の仕事はもうしたくないんですよね?未経験からでは、そこまで良い年収の求人はありませんよ?」と冷たく言われてしまいました。
結局、私は前の職場が嫌で辞めたのであって、特段「これをやりたい」と思えるものもなかったのです。
エージェントに相談する気にもなれず悶々としていたところ、登録した転職エージェントサービスの方に企業からスカウトが届いたんです。
それは、化学メーカーの工場作業員の仕事でした。
工場作業員というとアルバイト・パートがやるイメージだったのですが、そこでは正社員雇用をしていて、かつ「福利厚生がしっかりしている」ことをウリにしていたんです。
スカウトメールとその求人企業のHPを見ていくうちに、私はこう考えました。
- 私
-
私はきっと、「何の仕事をするか」よりも「どんな環境で働くか」を重要視していたのかもしれない
スカウトした企業のリクルートページには、「ホワイト待遇」の大きな文字が映っていました。
(自分で「ホワイト待遇」っていう会社ってどうなんだろう…)と思いながらも、結局私はその会社に応募して、その後採用が決まりました。
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4転職後
化学工場の作業員。新しい職場は確かにホワイト待遇だった。
社会人として、2社目の仕事がスタートしました。
私の役割は、化学工場の作業員です。
主な仕事内容は、原料を製造装置に投入し、加熱、冷却、撹拌する機械の操作です。また、製造した化学薬品を充填する機械の運転もおこないます。
職場環境はというと、リクルートページで謳っていた「ホワイト待遇」の言葉通り、福利厚生が整っていました。
残業代はもちろん支給されます。──というか、その残業も殆どありません。
仕事に使う細かな道具から忘年会などのイベントにかかる費用まで、すべて会社が負担してくれるんです。
そしてなにより、職場の皆さんがとてもやさしく迎え入れてくれました。
入社して1週間くらいまでは、「まあ、このウェルカムムードも、2週間くらいだろう」と思っていたのですが、3週間、4週間経っても、皆さん親身に対応してくれます。
2ヵ月経ってようやく、「この親しみやすいムードは職場のカラー(風土)なんだ」と気づいてからは、前職のあの殺伐とした雰囲気とがむしゃらに働いた時間は何だったのだろうと思うようになりました。
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5その後、どうなったか。
転職して1年が経って、今思うこと。
今回はじめて転職して、「無理して良いことなんて無いこと」、そして「踏み出す勇気」について学びました。
どんな仕事でも年数を重ねていくうちに、「自分がやらないと上司に迷惑がかかる」とか、「人がいないから自分が頑張らないといけない」という責任感が出てきます。
その責任感もきっと大切なものなのでしょうが、それゆえに「こんな状況もう、うんざり」という私の本音に、私自身がしばらくの間無自覚であったように思います。
そんな状態で無理して仕事をしても、結局空回りしちゃうんですよね。
周囲に私の想いが伝わらなかったり、私は逆に周囲の人たちのちょっとした言動に過敏になったり、邪推してしまったり。
結局、我慢をして仕事をしても、どこかでそのしわ寄せがくるのだと思います。
周りに合わせて自分の気持ちを殺すことは、短期的に功を奏することはあっても長期的にはすべきではないと気づきました。
結局、人は自分のことをまず大切にしていないと、他人を大切には出来ないんだと思います。
◇ ◇ ◇
現在の会社に入って、1年が経ちました。
思えば転職する前までの私は、なにをやっても続かない、無気力状態でした。
ですが現在は、以前のように活発だった自分に戻れた気がします。
私には、3つの目標があります。
今の元気な自分なら、チャレンジが出来る気がしています。
目標の1つ目は、副業です。
今は残業が殆どありませんので、平日の夜の時間を使ってコツコツ稼げたらいいなと、ずっと考えていました。
──実はこれはもう活動していて、クラウドワークスなどのスキルマッチサービスを使い、先月は2万円ほど稼ぎました。
額はもっと増やしていければと思いますが、この目標は一応達成したと考えていいかなと思っています。
2つ目の夢は、スキルアップ。
コンピューターグラフィックに興味があり、絵やデザインパソコンスキルの勉強をしてみたいです。 これは今、自分に合ったスクールをネットで探しているところです。
そして3つ目は、好きなことを仕事にすること。
コンピューターグラフィックか、またはずっと音楽が好きでしたので、それらの分野で仕事になればいいなと思っています。
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