宮崎県に移住するメリット・デメリットと転職活動を効果的に進めるポイント3点
[最終更新日]2024/06/08
宮崎県への転職・移住を検討している方にとって、事前に知っておきたい情報は数多くあるはずです。
給与条件がどうなるのか、生活環境はどう変わるのかなど、転職に伴うメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
目次
1)宮崎県で働く「メリット・デメリット」を知ろう
宮崎県内で就職・転職する場合、地域に特有のメリット・デメリットがあることを知っておくことが大切です。
とくに首都圏をはじめ都市部からの転職や転入を検討している人は注意しておく必要があります。
宮崎県で働くメリットとデメリットの両面を把握し、実際に働く際のイメージをつかんでおきましょう。
宮崎県で働くメリット
- 気候が温暖で物価が安く、生活固定費も低く抑えられる
- 移住やUターン・Iターン転職に積極的支援がある
- 通勤や通学など、移動時間が短い
気候が温暖で物価が安く、生活固定費も低く抑えられる
宮崎県の魅力はなんといってもその温暖な気候。
日照時間は九州で一番長く、年間平均気温も17℃と穏やかで住みやすい気候です。
「日本のひなた」というキャッチフレーズが示す通り、冬は暖かな日差しに包まれる一方夏は涼しいのが特徴。
宮崎県の住みやすい気候は大きなメリットです。
また物価が安く、生活固定費を低く抑えられます。
宮崎県における令和2年度の平均消費者物価地域差指数は95.9と、47都道府県で最も低い水準でした。
費目別に見た場合の全国順位と、全国平均(=100)との差は次の通りです。
費目 | 指数 | 指数の全国順位 | 全国平均との指数の差 |
---|---|---|---|
食料 | 96.0 | 46位 | −4.0 |
住居 | 88.1 | 30位 | −11.9 |
保健医療 | 96.1 | 47位 | −3.9 |
教養娯楽 | 92.5 | 46位 | −7.5 |
諸雑費 | 93.1 | 46位 | −6.9 |
引用元:宮崎県HP「宮崎県の小売物価統計調査(構造編)令和2年分結果(消費者物価地域差指数)」
上表の通り、住居費が全国平均と比べてとくに低いほか、食料や保健医療など生活していく上で欠かせない費用も抑えられることが分かります。
移住やUIターン転職に積極的支援がある
転職、そして地方移住の際に必ずチェックしておきたいのが県ごとの支援です。
地方都市への移住、そしてその土地での就労には一定の条件を満たせば金銭的な支援を受けられることが多く、何かと出費の重なる引っ越しなどをその支援金で賄うことができる場合もあります。
宮崎県の場合は、以下の条件で移住支援金制度を活用できます。
- ①宮崎県意外の都道府県に5年以上居住していること
- ②「ふるさと宮崎人材バンク」の移住支援金対象企業に応募し就職
- ③働き始めて3ヵ月後に支援金受給の申請が可能
引用元:宮崎県HP「宮崎県移住支援金制度をご活用ください!」
一世帯あたり100万円、単身であれば60万円の支援金を受け取れるので、移住の際には大きな助けとなりますね。
移住支援についての詳細は、「ふるさとみやざき人材バンク」でも詳しく紹介されています。併せてご覧ください。
通勤や通学など、移動時間が短い
宮崎県は全国でも有数の通勤・通学時間が短い県です。
宮崎県の平均通勤時間は41分で、最も通勤時間が長い神奈川県の89分と比べると倍以上の差があります(総務省統計局「平成28年社会生活基本調査」より)。
電車移動が中心の都市部と車社会の宮崎県では事情が異なるものの、通勤時間が短ければプライベートの時間を確保しやすくなりますよね。
とくに都内からUIターンを検討している人にとって、毎朝の通勤ラッシュから解放されるのは大きなメリットといえるでしょう。
宮崎県で働くデメリット
宮崎県で働くメリットがある反面、デメリットとなり得る面があるのも事実です。
転職・移住後の暮らしをできるだけ早く軌道に乗せるためにも、デメリットの面を把握しておく必要があります。
次に挙げる3点は、宮崎に就職・転職した場合にデメリットとなる可能性が高い要素として押さえておきましょう。
- 年収が下がる可能性がある
- 選べる業種・職種が限られる
- 公共の移動手段が少ない、自家用車は必須
年収が下がる可能性がある
宮崎県へ転職することで想定されるデメリットとして、年収が下がる可能性が高いことが挙げられます。
都道府県別賃金は宮崎県が24.8万円であるのに対して、東京都は37.3万円と67%ほどの水準となっています(厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」のうち「都道府県別賃金(男女計)」より抜粋)。
賞与や退職金は基本給を元に算出されるケースが多いことから、月給が下がることで年収も下がる確率が高いのです。
また、平均標準報酬月額が下がると、将来的に公的年金の受取額も減ることになります。
直近の暮らしについて考えておくのはもちろん重要ですが、将来的な生活設計も併せてよく検討しておくことも忘れないようにしましょう。
選べる業種・職種が限られる
宮崎県で働くことの2つ目のデメリットは、選べる業種・職種が限られる可能性があることです。
下表は大手転職サービスに宮崎県の求人が比較的多く見られる業種・職種を示しています。
業種別
業種 | 求人数 |
---|---|
全業種 | 約1,200件 |
IT・通信業界 | 約250件 |
不動産・建設業界 | 約200件 |
人材業界 | 約150件 |
機械・電気業界 | 約100件 |
小売・卸売・サービス業界 | 約350件 |
職種別
職種 | 求人数 |
---|---|
全職種 | 約1,200件 |
営業・販売・カスタマーサービス | 約700件 |
SE・ITエンジニア | 約100件 |
エンジニア(設計・生産技術・品質管理) | 約200件 |
建築・土木・設備 | 約150件 |
医療・医薬・化粧品 | 約20件 |
業種・職種によっては求人が数件しか確認できないものもあります。
とくに管理・事務系職種やクリエイティブ職、医療・医薬関連職は求人がほとんど見られません。
こうした職種は本社機能が集中する首都圏をはじめ、都市部で人材の需要が高いからです。
宮崎県での転職を検討する際には、自身のキャリアや保有スキルが活かせる求人があるかどうか、事前によく調べておく必要があるでしょう。
公共の移動手段が少ない、自家用車は必須
宮崎県では自動車・軽自動車・二輪車を含めた自家用車の1世帯当たり台数が約1.8台です(一般社団法人 自動車検査登録情報協会「都道府県別の自家用乗用車の普及状況 平成28年現在」より)。
1人当たり台数としては全国7位の多さであり、日常生活において車やバイクが必須であることが分かります。
これまで都市部で暮らしてきた人の中には、実質的にペーパードライバーだったという人も少なくないでしょう。
宮崎県で暮らしていく以上、車の所有と日常的な運転は避けて通れないでしょう。
車の購入費だけでなく、維持費の面も考慮して生活設計を立てていく必要があります。
2)宮崎県で転職する際に押さえておきたいポイント
続いて、宮崎県で転職活動をする前に知っておきたいポイントを紹介します。
地方移住を伴う転職活動は不安がつきものです。
転職活動の不安を少しでも和らげ、実りあるものにするために3つのポイントを押さえましょう。
1:事前準備はしっかりしよう
人生の大きなターニングポイントとなりうる地方移住や転職に事前の準備は欠かせません。
Uターン・Iターン転職には、おおよそ6ヵ月前後の期間がかかるといいます。
どのようなプロセスがあるかについて、詳しく見てみましょう。
- ①情報収集(数日~数週間)
- ②スケジューリング(数日~数週間)
- ③求人の応募と面接(2~3ヵ月)
- ④移転先の住居探し(2~3ヵ月 ※賃貸物件の場合)
- ⑤現職での退職届、業務引き継ぎ(1~2ヵ月)
- ⑥引っ越し
※カッコ内の期間は、各プロセスにかかる期間目安です。状況によって変動しますのでご注意ください。また、①~③および④と⑤は並行して進めることが多いです。
また、宮崎県でどんな生活を送りたいのか、仕事はどんな職種を希望するのか、希望の年収などと、自分の今までの経歴やスキルなどを照らし合わせてこれからのキャリアプランを検討する時間も必要でしょう。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランを立てる際、まず「キャリアの棚卸し」を行います。
キャリアの棚卸しで出てきた経験(または知識・スキル)をもとに、あなたが新天地でチャレンジしたい働き方をイメージし、そしてそれを実現するためにどんな行動が必要かを考えていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
これまでのキャリアを振り返り、そして宮崎の地で実現したいキャリアプランを立てることで企業へのアピールポイントがはっきりし、面接でしっかり自己アピールをすることもできるようになります。
地方移住という大きなできごとの前に一度、職歴や自分のスキルを振り返ってみましょう。
2:宮崎県のUIターン支援制度を使おう
宮崎県への転職、移住は県が提供しているIターン・Uターン支援制度を使うのがおすすめです。
県が提供してくれるのは求人情報だけではなく、移住し就職を果たせば現金での支援が受けられます。
移住支援金を受け取るためには「ふるさと宮崎人材バンク」に掲載されている求人のうち、「移住支援金対象」と表示されている企業の求人に応募、就職することが条件に含まれています。
この「移住支援金対象」の求人数は、2024年6月現在で約1,100件にのぼります。
移住支援金対象求人の職種と求人数は下記の通りです。
職種 | 求人件数 |
---|---|
土木・建設 | 約300件 |
営業・サービス | 約250件 |
福祉 | 約200件 |
看護・医療 | 約200件 |
技術・研究 | 約150件 |
製造 | 約150件 |
事務 | 約150件 |
コンピューター関連 | 約100件 |
SE・プログラマー | 約100件 |
運送・配送 | 約70件 |
販売 | 約50件 |
飲食 | 約40件 |
農林・漁業 | 約30件 |
塾・教育 | 約20件 |
3:宮崎県での支援実績の豊富な転職サイト・エージェントを活用しよう
宮崎県やその他地方への転職の際には転職エージェントが大きな力になってくれます。
転職活動の際には、多くの人が「転職エージェント」を利用しています。
その主な理由は、国内の少なくない企業がハローワークや転職サイトではなく転職エージェントのみに「非公開求人」を出しているからです。
ですが、私たちが転職エージェントを利用する際は「求人を紹介してくれる人」としてではなく、「転職活動全般を相談できる人」として活用したほうがより効果的でしょう。
上記図で表す通り、「求人紹介」は転職エージェントが提供するサービスの一部でしかありません。
それ以外のサービス、例えばキャリアプランのアドバイス(キャリア相談)、書類添削、面接対策などの選考通過のためのサポートも受けることによって、転職成功の確度を高めていけるはずです。
ただし、転職エージェントは国内多くのサービスがあり、またどの担当者が付くかによってもサポートの提供のされ方が変わります。
あなたに合った転職エージェント(または担当アドバイザー)を見つけるためにも、はじめに2~3つのサービスに登録して、利用のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを比較しておくことをおすすめします。
転職のプロ、そしてその地方の企業と強い繋がりを持つ転職エージェントは地方都市で働き生活をする良さも、大変さも知り尽くしています。
転職エージェントは全国的に有名なものからその地方で強いパイプを持つものまで様々ですが、ひとつに絞らず複数のエージェントに登録をすることで欠けている部分を補い合うことができます。
宮崎県で転職する際のおすすめ転職サイト・エージェント
サービス名 | doda |
インタークロス |
リクルートエージェント |
キャリクル |
パソナキャリア |
ランスタッド |
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メリット |
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デメリット |
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宮崎県求人数 | 約3,500件 | 約250件 | 約1,200件 | 約70件 | 約70件 | 約60件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年6月時点のものです。
まとめ)宮崎県での就職・転職の鍵は地域に拠点のある転職エージェントの活用!
自然に囲まれ暮らしやすい宮崎県。
宮崎への転職を検討している人は、転職エージェントや県の提供する支援制度などを使いスムーズに転職活動をすすめていきましょう。
地元企業の動向や生活事情に詳しいアドバイザーにサポートしてもらうことで、自力では収集するのが難しい情報を効率よく入手できるはずです。
複数のエージェントに登録をし、宮崎で良い仕事に出会いましょう。