40代主婦が転職成功を実感したワケ。社労士事務所で見つけた第二の居場所|転職体験談
ちょっと失敗
転職前
- 職業
- 社労士法人
- 職種
- 労務
- 従業員規模
- 30人
- 年収
- 240万円
転職後
- 職業
- 社労士法人
- 職種
- 労務
- 従業員規模
- 5人
- 年収
- 300万円
目次
soranaさんの転職ストーリー
1これまでの私
慎重に仕事を進めてきた40代パート社員

2024年、私はパートタイマーとして社会保険労務士事務所で働いていました。主な担当は給与計算業務。毎月20社以上の企業の給与を計算する重責を担っていました。
私の強みは、丁寧さと正確さ。ミスのない計算を心がけ、クライアントとのコミュニケーションも良好に保つことができていました。「給与は従業員にとっても企業にとっても絶対に間違えられないもの」という信念から、少しでも疑問があれば必ず確認を取り、慎重に業務を進めていました。
ただ、業務が立て込むと焦りから作業工程を飛ばしてしまうこともあり、「プレッシャーの弱さ」が私の弱点です。給与計算の締め日と支払日に追われる日々は、常に緊張感との戦いでした。
家庭では夫と大学進学を目指す2人の子どもを持つ母として、家計を支えるために働いていました。子どもたちの成長を見守りながら家庭を支え、同時に自分自身のスキルアップを図ることが私の生きがいでした。
47歳という年齢になっても、まだまだ成長していきたいという思いを抱きながら日々を過ごしていました。
2転職のきっかけ
40代後半、心身の限界から転職を決断

社会保険労務士法人で3年間、パート社員として勤務する中で、私の業務は給与計算だけでなく、社会保険関係の手続きや給付申請など、労務全般に広がっていました。
責任ある仕事を任されることは嬉しいことでしたが、それは同時に重圧でもありました。
特に月末から月初にかけての給与計算の締め日と支払日は、緊張の連続。多少体調が悪くても「自分にしかできない」という思いから、無理をしてでも休まず出勤していました。誰かに任せるという選択肢を考えることすらできなかったのです。
そんな日々が積み重なり、次第に精神的な疲労が限界を迎えていきました。ある日、朝起きることさえままならなくなり、うつ状態に陥ったことを自覚しました。仕事への集中力も低下し、これまで自信を持っていた正確さにもミスが増え始めました。
会社は理解を示してくれ、在宅ワークへの切り替えを提案してくれましたが、それも解決策にはなりませんでした。自宅では逆に集中力が散漫になり、仕事が長引いてしまう悪循環に陥ったのです。
限界を悟った私は、休養も含めて退職という決断をしました。47歳での転職は厳しいだろうという不安はありましたが、大学進学を控えた子どもたちのためにも、しっかり休息を取って再起する必要がありました。
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3転職活動中
40代転職の高い壁と思わぬ突破口

退職後は失業保険を受給しながらハローワークに通い、次の一歩を模索しました。子どもの大学進学を控え、今度はパートではなく正社員として働きたいという思いが強くなっていました。
しかし47歳での転職活動は想像以上に厳しいものでした。適性検査のハードルは高く、面接では「残業はできますか?」という質問も。5社以上応募しましたが、すべて不採用。不安が募る日々が続きました。
転職活動期間は5ヵ月。履歴書をパソコンで作成して時間短縮できたことや、失業保険受給中の就職で再就職手当が受け取れたことは良かった点です。反省点としては、志望動機をもっと掘り下げるべきだったこと。
そんな中、思いがけない連絡が舞い込みました。以前働いていた社労士法人の同僚からの誘いです。その方はかつて私に親切にしてくれた人物で、「この人となら一緒に働ける」と感じ、その事務所への就職を決意しました。
人とのつながりが、47歳からの再スタートを可能にしてくれたのです。
4転職後
5人だけの転職先にあった「活気」成長を実感

新天地は従業員わずか5人、全員女性の小規模な社労士法人です。仕事内容は労務手続きや給付申請、労務相談など前職と同様ですが、働き方や雰囲気は大きく異なっていました。
最初に感じたのは「活気」です。少人数ながら各メンバーのエネルギーが高く、活発な意見交換が飛び交い、新人歓迎会では全員が温かく迎えてくれました。
人間関係も良好で、急な休みでも互いにフォローし合う体制が整っています。子育て中の私にとって、有給休暇が取りやすい環境は大きな魅力です。前職での「休めない重圧」から解放され、心身ともに健康に働けるようになりました。
業務面では、前職の分担制から担当制へと変化。一人で全工程を担当するため日々新しい学びがあり、大きな成長機会となっています。
冷静沈着で的確な指示を出す直属の上司は、業務知識だけでなく職場環境についても丁寧に教えてくれます。私の成長を真剣に考えてくれていることが伝わり、安心して仕事に取り組めています。
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5その後、どうなったか。
転職成功で見つけた「居場所」と「新たな景色」

転職を経て最も大きな収穫は、自分自身の成長を実感できたことです。
40代での転職に成功したことで、これまで培ってきたスキルや経験の価値を客観的に見つめ直し、同時に足りないものも明確になりました。
特に驚いたのは、これまで経験したことのない業務に携わる中で発見した、思いもよらなかった自分の適性や関心。小さな組織だからこそ幅広い業務に触れる機会が増え、その一つひとつが新たな可能性を開いてくれました。転職成功の喜びは、新しい自分との出会いでもあったのです。
様々なバックグラウンドを持つ人々との出会いは視野を広げ、自分のキャリアプランを根本から見直すきっかけになりました。「47歳だから」と諦めていたことも、「47歳だからこそ」と前向きに捉えられるようになったのです。40代の転職成功体験が私の考え方を大きく変えてくれました。
今後は専門性をさらに深めていきたいと考えています。日々の業務を通して、社労士業界の仕事の重要性を改めて認識する中、より高度な専門知識の習得を目指しています。資格取得や専門書籍の読書、セミナー参加など、積極的に学び続けることが私の新たな目標です。
さらに、これまでの経験を活かしたチームリーダーシップにも挑戦したいと思っています。チームでの目標達成の重要性を実感する中で、メンバー一人ひとりの能力を最大限に引き出し、組織全体の成長に貢献できる存在になりたい。リーダーシップ研修への参加や関連書籍の学習を通して、必要なスキルを磨いていく計画です。
振り返れば、あの職場を辞める決断は、終わりではなく新たな始まりでした。47歳というライフステージで経験した転職成功は、単なる職場の移動ではなく、自分自身の可能性を再発見する貴重な機会となりました。
年齢を重ねても、新しい環境で再スタートを切ることで見えてくる景色があること。そして何より、自分らしく働ける「居場所」は必ず見つかるということ。それが今回の転職で得られた最大の教訓です。
今、私は小さな社労士事務所の一員として、充実した毎日を送っています。年齢を重ねることで失うものばかりではなく、むしろ得られる知恵や経験、人とのつながりがあることを身をもって実感しています。