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ネットワーク埋設の仕事からタクシー運転手に。|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
ネットワーク敷設会社
職種
エンジニア
従業員規模
約300名
年収
600万円

転職後

AFTER
職業
タクシー会社
職種
タクシー運転手
従業員規模
約200名
年収
400万円

目次

ネルソンさんの転職ストーリー

1これまでの私

「有線ネットワークの埋設」の仕事

イメージ図:ネットワーク埋設の仕事道具

転職したのは2022年、当時私は37歳でした。

その頃、私はネットワーク敷設会社で、ネットワークの埋設の仕事をしていました。
企業や個人経営のお店、一般家庭に有線式のネットワークケーブルを設置するために、電柱に上り、ケーブルを設置する仕事です。

ネットワーク敷設会社とは

ネットワーク敷設会社は、通信インフラを整備するために、光ファイバーケーブルやLANケーブルの設置、通信機器の取り付けを行う専門業者です。
インターネットや電話などの通信サービスを利用するために、都市や企業、家庭にネットワーク回線を提供する役割を担っています。

ネットワーク埋設の主な仕事内容

仕事内容 説明
ケーブルの埋設作業 光ファイバーや電気通信ケーブルを地中に埋設する作業を行います。事前に地中の状況を確認し、他の配管や障害物に注意しながら、安全に作業を進めます。
配管工事 ケーブルを保護するための配管を設置し、その中に通信ケーブルを通します。
接続作業 埋設したケーブルを各家庭や企業のネットワーク機器に接続します。接続の際には、信号が正しく伝わるかを確認し、調整を行います。
現場調査・測量 ケーブルを埋設するためのルートを確認し、必要な測量を行います。地形や既存のインフラとの兼ね合いを考慮し、最適なルートを選定します。
保守・点検 敷設されたケーブルや通信設備が正常に動作しているか、定期的に保守点検を行います。異常が発生した場合には、迅速に修理対応を行います。

仕事のやりがいは、必要とされる事業者に対して、できるだけ早くネットワークを敷設し、ネットワークを開通させること。
──仕事内容そのままですが、そうすることでお客様は喜んでくれます。その笑顔と感謝の言葉が、私の仕事の原動力でした。

しかし、時代の流れとともに、無線式のWi-Fiスポット型ネットワークが普及し、有線ネットワークの需要はどんどん減少していきました。

とうぜん私の仕事も減って、この先どうしていくべきかを延々と考えて──。
2022年は、そんな年でした。

2転職のきっかけ

この会社に、これ以上しがみつくべきではない。

イメージ図:無線ネットワークが社会に広がっていく

先にお話したとおり、2022年頃から無線式のネットワークサービスが台頭し、価格競争が激化する中で、これまで加入したお客様が有線ネットワークから無線に移行する動きが加速していました。

企業では引き続き有線ネットワークが利用されていましたが、一度敷設したケーブルは損傷がない限り、メンテナンスの機会はありません。
つまり、私の仕事の収入源は「新規のお客様」だったのです。

それより以前から同業他社との競争も厳しかったこともあり、とうとう会社からも「今は仕事が減少しており、大変な状況である」との報告がありました。

以前から危機感はありましたが、さすがに会社からそんなアナウンスがあったら「これはいよいよまずいかもしれない」と、私は転職を真剣に考えるようになりました。

私には妻と当時小学6年生になる息子がいました。
妻もパートに出て家計を助けてくれていましたが、今後は息子の学費が嵩むはずでしたので、「業績悪化でいつリストラされるかもわからない会社に、これ以上しがみつくべきではない」と考えたわけです。

3転職活動中

タクシー運転手を目指して。

イメージ図:タクシー運転手

次の転職先として照準を定めたのは、「タクシー運転手」です。

タクシー運転手とは

タクシー運転手は、お客様を安全かつ迅速に目的地まで送り届ける職業です。
地理に精通し、交通ルールを遵守しながら、快適な移動サービスを提供する役割を担っています。また、観光案内や車内での接客サービスも業務の一環となります。

タクシー運転手の主な仕事内容

仕事内容 説明
お客様の送迎 乗車されたお客様を希望の目的地まで安全に送り届けます。短距離から長距離まで、さまざまなニーズに対応します。
運行前点検 車両の安全を確保するために、タイヤやエンジン、ブレーキなどの点検を行い、異常がないか確認します。安全な運行を支える重要な業務です。
接客・サービス お客様に対して、快適なサービスを提供します。挨拶や会話のほか、荷物の積み下ろしを手伝うなどの作業が求められます。
ナビゲーション 地図やカーナビを使い、最適なルートを選定して目的地まで運転します。地理や交通状況を把握し、迅速かつ効率的に運行を行います。
車内の清掃 お客様が快適に乗車できるよう、車内の清掃や整備を行います。車両を清潔に保つことは、良いサービスを提供するための基本です。

実は以前にタクシー運転手の経験があり、やはり勝手知ったる職種の方が確実だろうと考えてのことでした。

利用した転職サービスは、ハローワークとマイナビ転職、そして友人の紹介でした。

「この辺りがいいだろう」と考えたタクシー会社3社に応募し、そのうち2社で書類通過し、結果として友人に紹介された会社から内定の通知をいただきました。

苦労したのは、会社から「実務経験があるか」の証明を求められて、以前に働いていたタクシー会社が倒産していたため、その時の勤務実績を証明する書類をもらえるのが大変だったことです。

それから、面接で「なぜ再びタクシー業界に戻ろうと思ったのか?」と問われたときに、若干言葉に詰まってしまいました。
なぜなら、前職を辞める理由は「業績悪化の不安」の一点であり、タクシー業界を志望する理由は「前職の経験があるから」とこちらもこの一点のみだったからです。

果たしてこんな安直な理由でいいのだろうかと思いながらも、正直に理由を述べたところ、「わかりました」とだけ返答をいただき、結果その翌日に採用のメールが届きました。

ネルソンさんの転職活動概要

転職活動の期間 6ヵ月間(2022年11月~2023年5圧)
目指した業種・職種
  • タクシー運転手
最終的に決めた会社の業種・職種
  • タクシー運転手
利用した転職サービス
良かったこと 友人から紹介された求人が、自分で探してきた求人よりも条件がよかったこと
反省点
  • 以前よりも年収が下がったこと
  • 3社ほどの応募で活動を切り上げたこと(もっとたくさん比較検討すべきだった)

4転職後

新しい職場では、参加に関わらず飲み会費用が徴収された。

イメージ図:タクシー会社の飲み会風景

転職後の新しい職場は、──職場といっても業務の大半はタクシーの車内なのですが、それを差し引いても仲間意識が希薄という印象がありました。

ただ、その割に飲み会や歓迎会といったイベントがふんだんにあります。
不満に思うのは、参加不参加に関わらず給料からその費用(月で約1万円)が差し引かれることです。

飲み会を毎月やっていても、人間関係は浅いままなんですから、正直あまり意味がありません。

また、同僚のタクシードライバーの方々とも性が合いませんでした。
大半の人がギャンブル好きでして、私はというと「ギャンブル大嫌い」でしたので。

一方で、タクシーの整備士の方と仲良くなれたのは良かったです。
私のプライベートの車までメンテナンスしてもらったり、オイルやスパークプラグ部品の購入を格安でお願いできたりと、個人的なメリットもありました。

5その後、どうなったか。

変化への対応に、後れを取ってしまわないように。

イメージ図:タクシー乗り場

以前私がタクシー会社で勤務していたのは2010年頃のことです。
10年以上経ってまたこの業界に戻ってきたわけですが、同じ会社でも職場環境はこうも違うのかと驚くことが多かったです。

最もショックを受けたのが、さきにお話したとおり「参加しない人から飲み会費用を徴収されること」ですが、これ以外にも経費補助など様々な違いがありました。

友人の紹介で入社したこともあって、こうした福利厚生についてあまり細かい点まで調べられなかったのが反省点です。

一方で、今回の転職活動を通じて良かった点もありました。
それは、タクシー業界の全容を以前よりも深く知れたことです。

タクシー業界では意外と会社を跨いでの繋がりがあり、そのネットワークで各社の給与水準だったり働き方だったりの情報が入ってくるのです。

これにより、自分の経験だとどのくらいの規模のタクシー会社で通用するのかなどが分かるようになりました。


私が今働いている会社では、新しく運送サービスを始めるようです。

タクシーは「人を運ぶ」仕事ですが、最近では「高齢のお客様の買い物を代行する」など、人以外のモノをタクシーで運送する需要があると聞いて、なるほどそんな風に役割は変化していくんだなと感心しました。

近々、社員に向けて運送に関する講習が予定されています。私の仕事も、将来的には人の運送からモノの運送にシフトするかもしれません。

思えば前職では、「無線ネットワークの台頭」という環境変化で私の仕事はどんどん減っていきました。ですが、今回の「人ではなくモノを運ぶ需要の高まり」という変化は、新たな仕事に繋がるものです。

変化とは必ずしも逆風とは限らず、追い風になることもあるのでしょう。
──いや、違いますね。変化を追い風にしていけるかどうかは、自分自身なのかもしれません。

今回の変化に対しては、前回のように後れを取ってしまうことのないように、早め早めに行動していけたらと思っています。

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