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介護士から経理へ。出産・転職を機に「人に感謝される仕事」への捉え方が変わった|転職体験談

転職前

BEFORE
職業
介護士
職種
福祉・介護
従業員規模
150人
年収
300万円

転職後

AFTER
職業
経理
職種
会社員
従業員規模
500人
年収
500万円

目次

ななみさんの転職ストーリー

1これまでの私

「誰かの役に立ちたい」から介護士になって。

イメージ図:「誰かの役に立ちたい」から介護士になって。

新卒採用で入った会社は、毎日のルーティンワークが肌に合わず、しばらくして辞めてしまいました。

その時、私の胸にあったのは

(もっと人の役に立つ仕事がしたい)

という気持ち。

そして退職後は福祉の専門学校に通い、その後、介護士として老人ホームに入職しました。

参考:老人ホームの介護士の主な仕事内容

仕事内容 詳細
日常生活の支援 食事や入浴、排泄など、日常生活に必要な支援を行います。
健康管理 利用者の体調を管理し、必要に応じて服薬の補助を行います。
リハビリテーション支援 利用者の身体機能を維持・向上させるために、リハビリテーションをサポートします。
レクリエーション活動 利用者が楽しめるよう、交流を促進するためのレクリエーション活動を企画・実施します。
家族との連絡 利用者の家族とコミュニケーションを図り、状況報告や相談に対応します。
介護記録の作成 利用者の状態や提供した介護内容を記録し、適切な情報共有を行います。
緊急時対応 利用者の急病や怪我など、緊急事態に迅速に対応します。

介護の仕事は、自分の行っていることが誰かの喜びに繋がっていると実感ができました。
やりがいは充分に感じられていたと思います。

私は、自分の生活よりも仕事を優先していました。
残業することもよくありましたが、利用者の方に喜んでいただけると、溜まっていた疲れも吹き飛んでしまう感覚がありました。

私は当時独身で、家に帰っても特に話し相手のいない生活。
自然と職場にいることの方が居心地もよかったのです。

2転職のきっかけ

結婚・出産を機に転職を決意。

イメージ図:結婚・出産を機に転職を決意。

私の転職のきっかけは、後に夫となる男性と出会ったことです。
相手は同じ職場の男性でした。

結婚したのは私が30代後半の時。
お互いに仕事熱心でしたので、二人の時間を持つことはあまりできませんでした。

それでも毎日は充実していましたし、夫婦すれ違いの生活も、私にとってはそこまで深い悩みではありませんでした。

38歳になって、私は妊娠しました。
仕事漬けの生活の中に、「育児」というイベントが加わる。思いがけない出来事でしたが、夫婦二人で心から喜んでいました。

出産を機に、私は育児休暇に入りました。──このときまでは、すぐに職場復帰をし、子育てと仕事を両立させる予定でした。

ですが、実際に育児と仕事の両立の生活はとても大変でした。
どちらかに意識が寄ると、どちらかがおざなりになってしまう。そんな危機感が常にあって、「完璧にこなすのは無理だろう」と、限界を感じ始めていました。

特に子どもに対しておざなりになってまっていると感じたときは本当に心が痛みました。
どうしてそれが自覚できるかの可というと、仕事が忙しくなると決まって子どもが体調を崩してしまうのです。

友人

「子どものためにもよくないよ。お母さんはそばにいてあげないと」

友人からもそんな指摘を受けました。

その時になって、「仕事も大切だけど、自分にとって一番大切なのは家族なんだ」という想いが大きくなって。

私は家族を一番に生活できる仕事へと、転職を決意しました。

3転職活動中

子育てをする女性が、受け容れられにくい社会。

イメージ図:子育てをする女性が、受け容れられにくい社会。

「仕事と育児を両立できる職場」で、私が思いついたのは「福利厚生の整った会社の一般職」でした。

私は介護士になる前は、経理の仕事をしていました。
そして、今回また経理として働こうと考えたわけです。

ですが、企業人事の方からはあまり好意的に受け取られませんでした。
仕事に行き詰まって逃げたくなったんじゃないですか」といったニュアンスの言葉を面接で投げかけられることもありました。

多くの企業では、独身の人ができるような「仕事にフルコミット」の働き方を求めていました。
そういう風潮はあるだろうと覚悟はしていたのですが、予想以上でしたので苦しい気持ちがありました。

「子どもを持った女性は、ここでは働くな」ということだろうかと、真剣に悩みました。

気持ちがくじけそうになった時は、保育園のママ友と愚痴を言いあったりして、気持ちを晴らすようにしていました。
子育てと仕事の板挟みに苦労していたのは私だけではありませんでした。同じ気持ちを共有できたのは心強かったです。

そして、彼女たちからは育児中の女性社員へのサポートが充実している会社をいくつか紹介してもらえました。
本当に感謝しています。

4転職後

新しい職場で、待ち受けていた状況は。

イメージ図:経理としての仕事

転職活動は大分長引きましたが、無事に終わらせることができました。

、現在は経理として勤務しています。

参考:経理の主な仕事内容

仕事内容 詳細
日次業務 経理の日次業務には、現金の出し入れを管理したり、銀行への入金や支払いを確認したりする作業があります。また、お客様からの支払いや、仕入先への支払いを管理し、それらの取引を帳簿に記録することも含まれます。
月次業務 月ごとの決算を行い、その月の収支をまとめます。また、予算と実際の支出を比較して管理し、社員の給与計算を行います。さらに、月ごとに支払う税金の計算も行います。
年次業務 年に一度の決算を行い、会社全体の収支をまとめます。この際、財務諸表という書類を作成し、法人税や消費税などの申告を行います。また、外部の監査に対応することもあります。
その他の業務 経理システムの運用や管理、会社のお金の流れを管理する資金繰りの作業、社内の経理に関する質問に答えること、そして経営戦略のサポートを行うことなども、経理の重要な業務です。

福利厚生も充実した会社でしたので、面接の際に「育児中」であることを伝えても、温かく受け入れてくれました。

実際に勤めてみると、私のように子育てと仕事を両立させている女性社員もたくさんいました。

勤務した初日に保育園から連絡が来て、「子どもが熱を出したので迎えに来てほしい」と言われた時は焦りました。
恐る恐るそのことを社員の方に伝えたところ

上司

「いやいや、早く帰ってあげた方がいいに決まってるでしょ!こっちは任せといて」

と、快く送り出してくれたのです。
以前の職場で同じようなことが起こった時は、言葉では「帰ってあげな」とは言われつつも、内心では迷惑に思われているのだろうな、と感じる空気がありました。

今の職場は、皆が心から人のことを思いやってくれている雰囲気がひしひしと伝わるのです。
本当にいい職場に転職できたな、と思います。

5その後、どうなったか。

転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。

イメージ図:仕事とプライベートの両立

介護の仕事をしていた頃は、プライベートなど無くて仕事一筋の生活でした。
しかし、その二つの時間をしっかり持つことは必要だと、今回の転職を通して学びました。

どんなに仕事にやりがいを感じていたとしても、家族との時間をないがしろにしてまでしなければいけない仕事は無いと思います。

転職のきっかけは結婚・出産でしたが、以前の働き方のままではいつか体を壊していたでしょう。

今の職場は、介護の仕事に比べると、誰かの喜びが直接的に伝わることはありません。
しかし職場の皆で協力し合い、支えあっているこの環境は、常に私に感謝の気持ちを与え続けてくれています。

前の仕事では利用者様のための仕事をしており、この「職場の同僚たちへの感謝」の気持ちを忘れてしまっていました。

ただ、介護の仕事を通して学べたこと、そして今回の転職を通して新たに学んだこと。
それらの選択を後悔したことはありません。

私という人間を成長させるためには、どちらも無くてはならない経験だったと思います。

◇ ◇ ◇

今後も、日々の仕事への情熱を忘れずに過ごしていきたいと思います。
私を取り巻く人(同僚であったり家族であったり)を幸せにできるように支えていきたいです。

私と同じような境遇の女性たちが、安心して働けるような社会になっていけたらと思います。
子どもがいるから仕事を辞める。仕事を続けられないのなら子どもは持たない。そんな選択肢が生まれてしまうような社会にはなってほしくありません。

私の会社はその点で、とても働きやすい職場だと思います。
このような企業をもっと社会全体で認め合い、増やしていけたらよいと思っています。

そして、感謝の気持ちを言葉で表すということ。
私が最も大切にしていることです。

これからも忘れずに過ごしていきたいです。

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