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10年続けた保育士から非正規の一般事務に挑戦して私の世界は広がった|転職体験談

転職前

BEFORE
職業
保育施設
職種
保育士
従業員規模
15名
年収
200万円

転職後

AFTER
職業
官公庁
職種
一般事務
従業員規模
約30,000名
年収
210万円

目次

ちぃさんの転職ストーリー

1これまでの私

小学校の頃から、「小さい子供の先生になろう」と決めていた。

イメージ:保育士として働く30代女性

転職したのは、2021年の私が33歳の頃のことです。

20歳から23歳まで幼稚園教諭、24歳から33歳まで保育士をしていました。

保育士は、ずっと「なりたかった職業」だったんです。
物心ついたときから「小さい子」が大好きでした。加えて、人に何かを教えたりするのも大好きでした。

きっかけは、小学生の頃に友達から「ちいちゃんみたいな人が先生になってくれたら嬉しい」と言われたこと。
嬉しくて、母親にそのことを伝えたら「いいんじゃない!合ってると思うよ」と言ってくれて。──それでもう、「将来は保育士になる!」と一直線でした。

高校卒業後、短大で初等教育を学び、社会人になってからは念願の小さい子どもの先生──幼稚園教諭になりました。

ですが、先生になれた嬉しさはあまり感じられませんでした。
その頃には、「なりたい」気持ちよりも「なるべきだ」と強迫観念になりつつあったのです。

私には、これしかないんだという気持ち。
昔から変にまじめすぎるところがあって、融通が利かなかったんですよね。

今思えば、もっといろんな仕事に目を向けて、興味・関心を持てればよかったと思います。

2転職のきっかけ

幼稚園教諭、そして保育士を経験して、13年。

イメージ:保育士の職場風景

幼稚園教諭に就職して、まず感じたことは「先輩の先生との、信頼関係を作ることの大変さ」でした。

言い方は良くないんですが、その職場では新人がまるで召使いのような働き方だったんです。

先輩のゴミ箱のゴミ捨て、先輩の電話に出る、先輩よりも早く掃除をして先輩のお茶をつくる、など。

できなかったらとても怒られたこと、終わらない仕事、朝早くの当番、夜ごはんも家で食べた記憶がありません。

おしゃれもできず、先輩や保護者にプライベートも詮索され、街を歩きにくい。さらには給料も安い。

結局、ボロボロになって3年で辞めました。

その後、私は保育士に転職。
召使いのような状態からは逃れましたが、それでも女ばかりの職場でしたので、とても気を遣うんですよね。

預かっている子どもたちのことだけを考えたいのに、職場のスタッフの方々との人間関係が煩わしい。

また、保育士の仕事はけっこう力仕事も多く、元々身体が弱かった私はヘルニアにもなってしまいました。

それが、33歳の頃のことです。
保育士は10年続けましたが、これから先40代、50代になっても続けていけるかと考えたときに、「とても無理だろう」と。

そして私は、転職することに決めました。

3転職活動中

目指したのは、公務員の一般事務の仕事。

イメージ:ハローワークの職員に相談する30代女性

「保育士ではなく、別の仕事に就こう」

そう決断したのはいいものの、とても不安でした。

なんだかんだで保育士としての経験は積んでいましたし、転職をしてもまた保育士の世界に戻ってくる人をたくさん見てきたからです。

保育士で培った経験は、他の業界ではあまり役立たないだろうことも予想できていました。

しかし、だからといって保育士をこのまま続ける気持ちに離れず、とにかく行動あるのみと、ハローワークに通い続けました。

ハローワークの職員さんにどんなお仕事がおすすめか相談したところ、そのうちのひとつに「官公庁の一般事務(臨時職員)」がありました。

業務内容も未経験からでも目指せそうな内容ですし、何より身体の負担が少なそうと思えたこと。非正規の仕事でしたが、一回挑戦してみよう、と思いました。

結果、ハローワークの職員さん曰く他の応募者も多い中でしたが、見事合格。
選考中もハローワークの職員さんから「あきらめずに頑張りましょう」といつも背中を押してくれて、とてもありがたかったです。

おかしな話ですが、小さい頃からずっとなろうと決めていた幼稚園教諭への就職が決まったときより、嬉しかったんですよね。

とにかく、頑張ろうと思いました。

4転職後

人間関係は良好。ただし、私の主な仕事相手は「パソコン」だった。

イメージ:官公庁の一般事務のデスク

新しい職場はとてもアットホームで、先輩職員の方々は緊張している私を優しく受け入れてくれました。

まったくの未経験で保育士出身だった私でしたが、男性が多い職場だったこともあってか、とても気を遣っていただいて、文字通り手取り足取りで業務システムの使い方を教えてくれました。

ですが、それでも慣れるまでは大変でした。
まず、保育士の経験がこれでもか、というほど全く活かせなかったこと。
というのも、すべての仕事がパソコン相手なのです。

上層部からのお知らせも、パソコン。
仕事を頼まれるのもパソコン。
書類提出や報告もパソコン──。すべてパソコンが使われます。

保育士時代はパソコンに触ることがなかったので、かなり苦戦しました。

救いだったことは、人間関係が良好だったこと。
意地悪な人もいなければ、みなさん、私をフォローしてくれました。

ですので、「絶対に役に立とう!覚えよう!」という思いでいっぱいでした。

そのおかげで、2ヵ月が経った頃には大分仕事にも慣れました。

私の仕事は、主に正規の職員の方々の仕事の補助です。
上司も相談しやすい方で、残業はほとんどなく、休みの日はしっかり休める、さらには有給も好きな時に取れることに感動しました。

5その後、どうなったか。

挑戦することで得られた、世界の広がり。

イメージ:笑顔を向ける、一般事務の女性

転職して思ったことは、「人生一度きりなので、自分がしたいと思ったことは、挑戦すべきだ」ということ。

これまでの経験を捨てて新しい仕事を始めるのはとても勇気のいることでしたが、結果、違う業界の方とたくさん知り合えましたし、勉強する楽しさを大人になって知れました。

転職してなかったら、今も体の痛さと闘いながら、嫌な気持ちを我慢しながら、自分に鞭打って働いていたと思います。

また、保育士の仕事を離れてみて、改めて保育の仕事の素晴らしさに気づけたのも事実です。

もう少し事務を経験したら、保育業界でまた違った働き方が出来るかもしれない──なんて思う時もあります。


転職して2年が経ちますが、まだまだ分からないことはたくさんあります。
ときに10歳近く年下の子にフォローしてもらって、なんとか仕事を終わらせられたこともあります。

今考えているのは、この職場でお世話になった人たちに、もっともっと恩を返していきたいということ。

そして近い将来、私のように右も左もわからず入社してきた子たちに、指導できるような立場になりたいです。
2年前に私を助けてくれた課の方たちのように、優しく人に接していけるようになりたいと思っています。

また、仕事も落ちついてきたので、趣味も作っていきたいな、と思っています。

今の課の方たちはプライベートの趣味も多彩で、自分の知らない世界をたくさん知っています。
「これは面白そう!」と思ったものは、一緒に楽しみながら勉強していきたいと思います。

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