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理学療法士からパン屋の販売へ。年収よりも「心の余裕」を選んだ私。|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
医療機関(リハビリセンター)
職種
理学療法士
従業員規模
500名
年収
350万円

転職後

AFTER
職業
飲食店(パン屋)
職種
販売職
従業員規模
10名
年収
150万円

目次

ラッキーさんの転職ストーリー

1これまでの私

理学療法士として、そして3人の子どもの母親として。

イメージ図:理学療法士として働く女性

転職したのは2018年。今からちょうど4年前です。

それまで私は、大分市内の救急病院のリハビリテーション室で理学療法士として働いていました。

理学療法士とは

理学療法士は、ケガや病気などの身体に障害のある人、または障害の発生が予測される人に対して、日常の動作(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および症状や障害の悪化の予防を支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

理学療法士の主な仕事内容

仕事内容 説明
患者の評価 患者の運動機能や身体の状態を評価し、リハビリテーションの必要性を判断します。身体機能の検査や問診を通じて、問題点を特定します。
リハビリテーション計画の作成 患者の個別のニーズに基づき、リハビリテーションの治療計画を立てます。短期・長期の目標を設定し、治療内容を決定します。
運動療法の実施 筋力トレーニングやストレッチ、歩行練習など、運動機能を改善するための具体的な運動療法を実施します。患者の回復状況に合わせて、プログラムを調整します。
物理療法の実施 電気療法や温熱療法、超音波療法など、物理的な手法を用いた治療を行います。これにより、痛みの緩和や血行促進を図ります。
患者・家族への指導 患者やその家族に対して、自宅で行うリハビリや日常生活での注意点を指導します。継続的な治療効果を得るためのアドバイスを提供します。

家族は夫と子どもが3人、一軒家で生活していました。
子どもは小学生の5年生と3年生、そして幼稚園の年長です。

来年の春から年長の子どもが小学生に上がり、子ども達全員が小学生になるので今以上に習い事や塾などで忙しくなりそうだと思っていました。

仕事は病院で、手術をした後の方にリハビリテーションを提供し無事に自宅に帰っていただくということをメインに行なっていました。

怪我の後、頑張って手術をして自宅に帰ることを目標にされる方の手助けができることは、とても私にとって生きがいとなっていました。

2転職のきっかけ

仕事の悩みを、いちどゼロにしたかった。

イメージ図:心の平穏

転職について具体的に考え始めたのは、2018年の1月ごろです。

一番下の年長の子供が春から1年生になり子供達全員が小学生となるために、習い事や塾で子供にかかる時間が今まで以上に増えることを気に病んでいた時期でした。

そんな折、4月から新たな業務を任されることになったのです。
その業務に就くことで、業務量も責任も増すことは目に見えていました。

実は私は、過去にうつ病を発症したことがありました。
2013年の頃で、そのときは2年間の闘病生活を送ってようやくその後ふつうに仕事ができるまで回復したのです。

新業務の話が来てまず感じたことは「うつ病が再発するのではないか」という不安でした。

うつ病になって学んだことは、「手を抜けるところは手を抜くこと」。
私は元来生真面目すぎるところがあって、なにか任されると一生懸命にやり過ぎてしまうのです。

ですが、今回の業務配置は、私にとって「手の抜きどころ」がどうしても見つからなかった。

今思えば、何かしら手段はあったのかもしれません。
上司に相談して、業務を変えずにいてもらうであったり、もしくは負担を軽減してもらうための提案をしたり──。

でも、そういうのも全部、言えなかったんですよね。

言えなかった理由は、心の奥底で「いったんリセットしたい」という気持ちがあったから。
仕事の悩みを、いちどゼロにしたかったんです。

そして私は、上司に退職の意を告げました。

3転職活動中

今の私に合った職場を探していたときに出会った、「パン屋」の求人

イメージ図:近所のパン屋さん

仕事を辞めても、専業主婦になるつもりはありませんでした。
お金は必要でしたし、家にずっといるのも気が病んでしまうからです。

現職には3月末に退職をすることを伝え、4月からは新しい職場に就こうと転職活動を始めました。

今回の転職の条件としたのが、フルタイムではなく、6時間程度の時短勤務の職場を選ぶことです。

時短勤務とは

時短勤務は、通常の労働時間より短い時間で働く勤務形態を指します。
企業はこの制度を通じて、従業員が仕事と家庭生活や健康管理を両立できるよう支援します。

時短勤務の概要

時短勤務の目的 育児や介護、健康上の理由などにより、フルタイムで働くことが難しい従業員が、仕事と家庭生活を両立しやすくするための制度です。また、ワークライフバランスの向上を図る目的もあります。
時短勤務の主なパターン
  • 勤務時間を短縮する(例:1日6時間勤務)
  • 週の勤務日数を減らす(例:週4日勤務)
  • 始業時間や終業時間を調整する(例:早出や遅出)
時短勤務の条件 企業や労働契約により条件が異なりますが、一般的には育児や介護を行う従業員、健康上の理由がある従業員、または法令で認められた場合に適用されることが多いです。
参考サイト 厚生労働省:育児・介護休業法のあらまし

理学療法士で求人を探してみましたが、なかなかパートの仕事は見つかりませんでした。
そこで「職種を変えるしかない」と決めて、自分が好きな食べ物屋さんを中心に求人探しをしました。

利用したのは、ハローワークのインターネットサービスです。
ですが、ここで求人応募をする前に知人から、近所のお友達からパン屋さんが募集をしているということを聞いて。

さっそく応募しに行ったところ、面接でオーナーの方に気に入ってもらえたようで、そこでの就職が決まりました。

4転職後

パン屋の仕事は、新しい経験が沢山あった。

イメージ図:パン屋で働く女性

フルタイマーから短時間労働に変わり、体力的にはとても楽になりました。
なにより良かったことが、子どもにかける時間を多く取れるようになったこと。
家事も十分にできるようになりました。

仕事内容は、パン屋のレジと簡単なパンの調理です。

もともと私はパンが大好きでしたから、大好きなものに囲まれてとても幸せな気持ちになりました。

パンが売れ残った場合は店長が分けてくださるので、家でも美味しいパンがたくさん食べれます。

私と同じようにパン好きのお客さんに笑顔でパンを受け渡すときに、何とも言えない嬉しい気持ちになります。

大変だったことを挙げるとしたら、「チラシ作り」。

チラシはお店のイベントの時に皆さんにお配りするものです。
チラシなどは作ったことがなかったので、今月おすすめのパンやアレンジレシピなど構成を考えるのが大変でした。

20代の若いパートの方に相談したところ、「こういう風に作るのはどうですか」とお店のパソコンのキーボードをカタカタ打ってとても可愛いチラシの原型を作ってくれて。

それを見て、(ああ、私はこういう作業をこれまで一切してこなかったんだな)と思いました。
また、その後パートの方と一緒にチラシのデザインを作っていけたのがとても印象的でした。こういう共同作業も、この職場で私ははじめて体験したように思います。

5その後、どうなったか。

転職を振り返って、今思うこと。そして、これからの私について。

イメージ図:パンのメニュー

理学療法士の仕事を辞めることはとても悩みました。
国家資格でしたし、そのための勉強もずっとしてきましたので。

ですが、今回の判断は間違っていなかったと思います。
なにかを優先するのなら、なにかを捨てなければならない。

現在の私は、家族の時間・子どもとの時間を転職前より多く持てています。

それに、純粋に今のパン屋での仕事の毎日を楽しく過ごせていること。

収入は大分減ってしまいましたが、それ以上に得られたものがたくさんあります。


今考えていることは、調理パンの種類をもっと増やせたら、ということです。

いつかは自分が考えたレシピのパンを販売できることを目標に、頑張りたいと思っています。

それから、いつかまた理学療法士の仕事にも戻りたい、という気持ちもあります。
子どもが大きくなってもう少し余裕がでてきたら、またフルタイムで働きたいと思っているからです。

パン屋の仕事と理学療法士の仕事、どちらの道を進むべきか今はまだ決められていません。
でもそれはきっと、未来の私が決めてくれるでしょう。

今は、目の前の幸せとやりがいを大事に、過ごしていきたいと思います。

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