「訪問介護の仕事が辛い・辞めたい」と思った時の理由別対策まとめ
[最終更新日]2024/06/10
「訪問介護の仕事がつらい。もう辞めたい…」と考えていませんか。
人手が足りないことで毎日の訪問が忙しくなり、それでも給与などの待遇は良くならない。そんな現状を抱える方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「なぜ訪問介護の仕事を辞めたくなるのか」という根本的な理由を、データを元にしながら解説していきます。
目次
1) 訪問介護は深刻な人手不足。それゆえの負担は大きい
訪問介護が抱える大きな課題の1つに、「人手不足問題」が挙げられます。
一対一で介助をする訪問介護は、誰か一人が辞めるとその負担を分散させることが難しいため、特にその影響を受けやすいです。
では人手不足を始め、訪問介護を辞めたいと感じてしまう理由は他にどんなものがあるのか?ここからは訪問介護が忙しい本質的な理由を理解すべく、医労連が2019年にまとめたアンケート結果を元に深堀していきましょう。
訪問介護の人手不足により起こる影響
全体 | 正規 | パート | |
---|---|---|---|
訪問回数が多すぎる | 13.3% | 15.4% | 10.8% |
自分の時間がなくなる | 14.6% | 13.9% | 16.2% |
予定外の訪問が入る | 37.6% | 20.5% | 36.8% |
退職できない | 6.3% | 4.8% | 5.9% |
ヘルパーが高齢化している | 50.1% | 42.1% | 45.4% |
疲れがひどく残る | 20.5% | 25.3% | 21.1% |
事故・病気が増える | 5.0% | 2.9% | 4.3% |
訪問に追われ他の事務的な業務ができない | 27.1% | 57.1% | 21.6% |
引用元:医労連「介護労働実態調査 報告書─『人手不足であなたにどのような影響が出ていますか』アンケート結果」より
訪問介護の人手不足で起きる問題
- ヘルパーの高齢化
- 予定外の訪問
- 他の事務的な業務(介護計画・手順書の作成など)ができない
人手不足による影響で最も多かったのがヘルパーの高齢化です。
全体の半数以上がヘルパーの高齢化を認識しており、実際に介護の現場では50代、60代を超えるヘルパーが多数在籍しています。
ヘルパーの高齢化による影響としては、力仕事が難しかったり、若い介護士と比較すると体力が少なかったりすることが考えられます。そのため30代~40代の職員にそういったハードな仕事が回ってくる確率が増えるのです。
次に多かった意見は予定外の訪問が入ることです。
主婦や高齢のヘルパーが多い訪問介護の現場では、育児や健康管理に関する急な休みが多くなります。するとそのぶんの仕事が別の職員に回ってくる…ということが発生しやすいです。
3番目に多かった意見は訪問に追われ他の事務的な業務(介護計画・手順書の作成など)ができないというものです。
訪問介護では介護計画や、それに伴う手順書、請求書などを作成する事務作業が発生します。これらはメインの訪問介護とは別に行うのですが、訪問自体が忙しいことで時間をとりづらいのです。
そのため残業が多く発生してしまい、忙しさを覚える方は多いです。こういった問題は人手不足の解決はもちろん、業務の効率化やIT導入の促進が求められています。
2)訪問介護の仕事を辞めたい理由毎に、振り返りと対策を
訪問介護の仕事を辞めたいと感じたときこそ、その理由を客観的に振り返る必要があります。
なぜなら介護業界は慢性的な人手不足のため、もし介護業界内で転職できたとしても、前回と同じ理由で悩んでしまう可能性が高いからです。
そのためここからは「なぜ訪問介護の仕事を辞めたいのか?」という理由を整理し、理由ごとに振り返りと対策を行いましょう。
「訪問介護を辞めたい」理由で特に多い意見への考察と対策
「待遇・給与への不満」で辞めたいと思った時の対策
社会人として給料が安いというのは大きな課題です。介護業界は給料の水準が高いと感じる人は少ないのではないでしょうか?
介護業界は資格取得とあわせてのキャリアアップ・昇給などで、給与アップを比較的目指しやすいです。以下に、知っておくべき具体的な対策について解説します。
対策1:上位資格の取得で1~3 年後にどのくらい昇給できるかを考える
1つ目の対策は「介護の上位資格をとること」です。上位資格とは介護福祉士実務者研修(以後、実務者研修)、介護福祉士などが該当し、これらの資格を所持していると手当が出たり、昇級に繋がりやすかったりとメリットが多いです。
ただしこれらの上位資格は、短期で取得できるものではありません。実務者研修であれば最短でも半年程度。介護福祉士は実務経験を積みながらであれば、最短でも3年以上が必要です。
そのため、1~3年程度の長期スパンで、自分が求める給料と現実の昇給額を照らし合わせてみましょう。
現在は、資格取得を支援する事業所も多いです。新しい職場に転職する際はそういった制度があるかも確認しておくとよいでしょう。
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対策2:サービス提供責任者(サ責)をめざす
2つ目の対策は訪問介護事業所の職員をまとめる「サービス提供責任者(以後、サ責)を目指す」というものです。
訪問介護事業所では40人に対し1人サ責を配置することが義務付けられています。すると責任の比重が増すぶん、通常の介護職員より給料がアップするのです。
またこういった責任ある仕事を経験することで、介護業界内における市場価値の高まります。
待遇のよりよい事業所に転職する際も、サ責を目指すのはおすすめです。
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対策3:より条件の良い施設に転職する
3つ目の対策は「今の職場よりも待遇や給料面の条件が良い施設に転職する」というものです。
職場の給料・賞与・福利厚生(資格支援、資格手当)などは求人サイトでも必ず公開されています。
それらを今の職場と比較し、より高い水準の施設に転職すれば、当然待遇はよくなります。
ただし、転職を検討する際の注意点として、仕事の忙しさ、自分と仕事内容の相性にも注目するようにしましょう。
「通常よりも夜勤が多い」「みなし残業代が含まれている」など、給料が上がったぶん働く時間が増えてしまうケースもあります。
介護業界の転職では、条件面だけでなく「実際に働いたときのイメージ」をもって職場をチェックすることが大切です。
対策4:手当を増やす
対策3の「より条件の良い施設への転職」に付随し、夜勤手当が出る施設へ転職することで給料を上げられます。
通常夜勤手当は1回につき、給料に加えて5,000~8,000円程度が支給されます。そのため夜勤に抵抗のない方は、夜勤シフトの希望を多く出すことで着実に給料が上がるのです。
一方、夜勤は決して簡単な仕事ではありません。大人数の利用者に対し、職員は1人…ということも多いです。
そのため、生活リズムの変化や体力的な負荷を考慮したうえで、選択肢の1つにするよう心がけましょう。
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「忙しさ、責任などの精神的・身体的負担」で辞めたいと思った時の対策
訪問介護は施設介護と違い、一対一での介護が求められます。他にも訪問先への移動など、施設介護とは異なる忙しさを覚えることも多いです。
そこでここからは、仕事の忙しさや心身への負担を軽減する対策について解説していきます。
「訪問介護の仕事が忙しいのは仕方ない…」と諦めてしまうと、現状は変わりません。1つ1つ問題点と向き合い、より働きやすい環境を作っていきましょう。
「忙しさ、責任などの仕事への精神的・身体的負担」で辞めたいと思った時の対策
対策1:福祉用具の導入や介護体制の見直しなど、改善点を職場で相談する
1つ目の対策は「改善点を職場全体・上司と話し合う」というものです。
現場で働いていると、「ここはもっとこうした方がいいのに…」と仕事に対する気付きが生まれます。それらを心の中に留めるのではなく、上司や同僚などに相談してみましょう。
すると忙しさの要因を根本から解決できるだけでなく、上司から「向上心がある」と評価されます。
忙しさの改善はもちろん、給料アップなどの付加価値が期待できるため、ぜひ普段から意識してみてください。
対策2:リラックスできる時間を作る
2つ目の対策は「リラックスできる時間を作る」というものです。
特に仕事に追われて精神的な負担が大きくなっている場合、土日祝日や休憩時間をリラックスする時間に充てることで、精神的な余裕が生まれます。
すると仕事のミスが減ったり、より効率的な業務の方法を考えられたりと、結果として仕事全体に余裕が生まれるのでオススメです。
対策3:より条件の良い施設に転職する
3つ目の対策は「より条件の良い施設に転職する」というものです。
会社の経営方針に不満を持っていたり、密室で一対一の介護をする訪問介護自体が苦手だったりするのであれば、思い切って別の介護施設へ転職を検討しましょう。
そういった根本的な問題は解決するのが難しいため、改善することなくズルズルと心身への負担だけが増えてしまいます。
もし今の職場・訪問介護の仕事では解決が難しいと判断したのであれば、転職エージェントや求人サイトなどを活用し、自分に合った施設を探してみるのも良いでしょう。
対策4:移動時間を短縮する
4つ目の対策は「移動時間を短縮する」というものです。
訪問先から別の訪問先へ移動する際、自転車を使っているという方は多いのではないでしょうか?
すると介護の仕事だけでなく、移動時間も身体への負担が増してしまいます。もし身体的な辛さを感じるようであれば、少しでも改善できるよう上司や同僚に相談するのがオススメです。
具体的には電動自転車の導入をお願いしたり、訪問先を近場で固めてもらったりすると、根本的な解決に繋がりやすいですよ。
「利用者・入居者との人間関係」で辞めたいと思った時の対策
訪問介護で利用者との人間関係に悩んでいる場合、日々の訪問が憂鬱になってしまいますよね。
そんな人間関係を改善することは難しいと思われがちですが、相手ではなく「自分を変える」という意識を持つことで、根本的な解決に繋がりやすくなります。
ここからは利用者との人間関係を改善できるよう、4つの対策に分けて詳しく解説していきます。明日からすぐできる対策も多いので、ぜひ実践する際のイメージを持ちながら読み進めてみてください。
「利用者・入居者との人間関係」で辞めたいと思った時の対策
対策1:自身の働きかけで変えられることはないか考える
1つ目の対策は「自信の考えを改める」というものです。
基本的に他者を変えることはできないため、まずは自分自身を見つめ直し、できることはないか考えましょう。
- なぜ、その人との人間関係に辛さを感じているのか?
- 自分は、その人にとってどんな存在でありたいか?
- 自分は、最終的にその人とどんな関係性になりたいか?
上記のような問いかけをすることで、自分自身の現状の立ち位置を客観視できます。
ポイントは、相手に対して「役立ちたい」という気持ちを持てるかです。
その気持ちを持てるようなら、続いては具体的かつ前向きなアクション(改善プラン)をとってみましょう。
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対策2:信頼できる上司・同僚に相談する
2つ目の対策は「信頼できる上司や同僚に相談する」ことです。
どうしても苦手な利用者がいる場合、上司や同僚に相談することでシフトを変えてもらえるなどで、解決に繋がることもあります。
他にもアドバイスがもらえたり、気がまぎれたりとメリットは多いので、1人で悩み過ぎないよう心がけましょう。
対策3:親しい友人などと過ごす時間を作る
仕事にかかわりのない友人や家族に相談することで、客観的なアドバイスをもらえる、気持ちがまぎれるなどのメリットがあります。
人間関係の悩みは介護職に限らず、どの仕事でも起こり得るものです。そのため上司や同僚には相談しづらい…などの事情がある場合、身近な信頼する人へ相談するのも選択肢の1つといえます。
ただし仕事で得た情報を外部に漏らすのは厳禁です。そのため個人名などがわからないよう、工夫しながら相談してみましょう。
対策4:より条件の良い施設に転職する
あらゆる対策を行っても好転しない場合、思い切って転職することも視野に入れておくと良いでしょう。
日々の業務でストレスを溜め続けると、心身ともに苦労して長続きしません。むしろ周りの人や職場にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため訪問介護以外の選択肢も持ちながら、より条件のよい施設に転職することを検討しましょう。
3)より良い環境の職場への転職も検討を。おすすめの介護職向け転職エージェント
「どうしても今の職場では厳しい…」と判断したのであれば、転職を検討しましょう。
介護の仕事は施設の種類や、施設介護か訪問介護か…などによって必要なスキルが異なります。そのためズルズルと嫌な気持ちのまま働くより、自分が楽しく働ける環境に移った方が良い場合も多々あるのです。
そこでここからは、介護転職を検討し始めた方にオススメの介護職向け転職エージェントを紹介していきます。
レバウェル介護
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なお、レバウェル介護では派遣社員として登録をする方向けに介護未経験・無資格の転職者のサポートも行っています。
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レバウェル介護の特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約21万件(2024年6月現在) |
レバウェル介護は正社員向け転職と派遣社員転職とで窓口が分かれています。派遣社員として働くことを予定している方はこちらよりご登録ください。
かいご畑
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「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人に、かいご畑はとくにおすすめです。
かいご畑の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 北海道、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、静岡、愛知、大阪、京都、神戸、広島、福岡 |
公開求人数 | 約9,000件(2024年6月現在) |
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人は、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」の活用がおすすめです。
マイナビ介護職
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約7.6万件(2024年6月現在) |
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まとめ)訪問介護の仕事を辞めたいと思ったときこそ冷静に対策!
「訪問介護の仕事を辞めたい」と思った時こそ、慌てず客観的に判断することが重要です。
- 待遇、給与面
- 忙しさや仕事への責任
- 主に利用者との人間関係
訪問介護の仕事を辞めたい理由として、上記3つが大枠として考えられます。自分が負担に感じ易いのはどこか理解することで、今後同じような悩みを抱えてしまうリスクを軽減できるのです。
衝動的に動くのではなく、「長く楽しく働ける為にはどうしたらよいか?」という判断軸を、心がけてみてください。