未経験からデータ入力の仕事に転職するには?仕事内容と必要なスキル【体験談付】
[最終更新日]2024/07/31
「データ入力の仕事に転職してみようか…」と考えていませんか。
データ入力の仕事は、「未経験歓迎」とするケースも多く、デスクワーク業務へのチャレンジの第一歩として有効な選択肢のひとつです。
一方で、データ入力の仕事ならではの必要なスキルや注意点もありますので、目指す際はそれらを事前に把握しておくのがよいでしょう。
この記事を読んでわかること
目次
1)データ入力の仕事内容と平均給与
データ入力の仕事内容
データ入力の主な仕事は、様々な形式の情報を、PCを使いシステムに入力することです。
「様々な形式の情報」とは、主に以下があります。
- 顧客情報…顧客情報を顧客管理システムに登録する
- 注文情報…発注書などの情報をもとに、商品管理システムに商品名や数量を登録する
- 伝票情報…伝票、請求書などの情報をもとに、会計システムに取引情報、金額等を登録する
- アンケート結果…アンケート結果をExcelや専用の集計システムに登録する
- 録音情報…会議やセミナーなどの録音情報を、Wordや専用システムに入力する(文字起こし)
なお、「データ入力」の職種で募集を出している求人では、データ入力とあわせて一般事務やOA事務の業務を兼任するケースが多く見られます。
OA事務とは
OA事務は、ワード、エクセル、パワーポイント、アクセスなどのパソコンソフトを使用して、書類・資料の作成、情報の整理をおこなう仕事のことです。
一般事務と同様に使われることもあり、主にパソコンを活用して事務作業を効率的に進める役割を担います。
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データ入力の仕事をした人の体験談
続いては、実際にデータ入力の仕事をした人の体験談について見ていきましょう。
データ入力の体験談① 注文書の内容をシステムに入力する仕事
マニュアルを渡され、注文書の処理のしかたを練習しました。そして処理をした注文書の内容を専用のシステムに入力しました。
質問や報告の時だけはリーダーさんと会話をしなければいけませんでしたが、それ以外は一人でおこなう仕事でした。
7時間勤務で、そんなに長い時間人と一緒に働くのは初めてだったので研修の2日間は夕方になると疲れて少し眩暈がしました。ただ、慣れてからは体調が悪くなることはありませんでした。
「データ入力=モクモク作業」というイメージを持つ人は多いですが、「実際その通りだった」というケースもよく見られます。
上の体験談では「はじめのうちは疲れて眩暈がした」というものの、慣れてからは身体の不調を感じることなく業務ができているようです。
他人とのコミュニケーションに不慣れな人にも、データ入力はおすすめの仕事といえるでしょう。
データ入力の体験談② 録音データの文字起こしをする仕事
講演会のテープ起しをやりました。ICレコーダーで録音された言葉をそのまま打っていきます。1回に2時間分くらいを入力することが多いかと思います。
講演者は会社の代表者の方とか、色々な専門家の方なんですが、その内容をタイピングして、何度かチェックしていると、自然にその情報が頭に入るので、いろんな知識が身に付いた気がします。
講演している人になまりがあったりすると、なかなか聞き取れなくてつらかったです。 電車でぼんやりしているときとか、近くの人の会話をテキストで思い浮かべる癖がついてしまいました(笑)。
上記体験談にあるように、「データ入力をしていて、入力内容について知識がついた・新しいことを知れた」という人は多いです。
業務をとおして新たな情報・知識を身に付けたい人にも、データ入力の仕事はマッチするかもしれません。
データ入力の体験談③ 紙書類のデータ化をおこなう仕事
データ入力の仕事がとてもきついです。先月から始めましたが、もう辞めようと思うようになりました。
派遣の仕事でデータ入力の仕事を紹介されました。自治体の仕事ということでしたが入職日に初めてデータ入力と知りました。
私はキーボード入力の仕事が好きではありません。速さは普通です。目が悪いため、目を酷使する仕事は避けたかったのです。数時間に1回はミスがあり、注意されます。休憩もなく、3時間+4時間の7時間勤務です。集中力が持たないです。
明確な休憩時間は設けられていないのでトイレに行ってそこで少し休みますが、良く思われてない気がします。
同じ時期に入った人は2日で辞め、他の人は週3や午前のみの勤務です。私ともう一人だけ週5です。疲れが毎日抜けず、目もしょぼしょぼです。
「データ入力の仕事が合わなかった」という人の体験談です。
データ入力は、基本画面を見ながらの業務で、比較的長時間勤務になることが多いです。
目への負担を気にする人や同じ姿勢でずっと座り続けるのがきつい人は、いちどご自身の体質と相談しておくのがよいでしょう。
データ入力の平均時給
労働市場に関する調査分析や最新情報の発信を行うリクルートの調査研究機関「ジョブズリサーチセンター(JBRC)」によると、三大都市圏(関東・東海・関西)におけるデータ入力の平均時給(派遣社員)は以下のとおりです。
職種 | 平均時給 |
---|---|
データ入力 | 1,587円 |
一般事務 | 1,602円 |
受付 | 1,514円 |
事務系その他 | 1,538円 |
引用元:ジョブズリサーチセンター「2024年6月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】」
他の事務職種と比べて、データ入力の時給はやや高い傾向にあります。
時給が高めに設定されている理由には、「入力内容の正確性が求められる」こと、「一般事務・OA事務の業務と兼任されることが多い」ことが挙げられるでしょう。
2)未経験からデータ入力の仕事に就くことは可能?
データ入力は未経験者でも目指しやすい職種です。
大手派遣会社テンプスタッフでは、データ入力で募集している求人のうちおよそ9割を「未経験OK」としています。
デスクワーク業務へのキャリアチェンジを目指す人は、データ入力の仕事は一つの選択肢となるでしょう。
なお、データ入力で募集のある求人の雇用形態は「派遣社員」「パート」がメインです。
正社員としての働き方を目指している人は、データ入力の仕事のみで正社員の就職・転職は求人が非常に限られることを知っておきましょう。
データ入力の求人が豊富な派遣会社
サービス名 | アデコ | テンプスタッフ | スタッフサービス | パソナ | リクルートスタッフィング |
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特徴 |
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求人数 | 約1.1万件 | 約5.9万件 | 約16万件 | 約1.4万件 | 約1.2万件 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
3)データ入力の仕事で必要なスキル
続いて、未経験からデータ入力を目指す人向けに、「データ入力業務に必要なスキル」について主なものを見ていきましょう。
タイピングスキル
データ入力では、高速かつ正確なタイピングが求められます。
タイピングの速さは、「1分間に100文字以上」を目安にするとよいでしょう。
以下のサイトでは、無料でタイピングの練習と速度測定ができます。
タイピング力を鍛えたい人や現在のタイピング速度を知りたい人は、試してみてください。
寿司打 | 回転寿司のアニメーションに合わせてタイピング練習ができる無料のWebアプリです。 目安となる入力速度に合わせて「お手軽」「お勧め」「高級」の3レベルからコースを選択できます。 |
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イータイピング | タイピングスキルをスコア化してくれる無料のWebアプリです。 タイピング技能検定とも連動しており、特級から8級まで9段階の評価を得られます。 |
PCスキル
データ入力ではOA事務、一般事務の仕事を任されることもあるため、Word、ExcelなどPCの基本的な操作を理解し、使用できることも求められます。
基本的なPCスキルの目安
スキルの例 | レベルの目安 |
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メール | メール文の作成をスムーズに行える。送受信ができる。ファイルの添付やCC・BCCの使い方が理解できている。 |
インターネット(ブラウザ) | 必要な情報をGoogleなどの検索エンジンで調べられる。閲覧するサイトに対して、「信頼できる情報かどうか」の判断をある程度持てる。 |
Word | 文字サイズや段落設定などの書式設定、表や画像の挿入、印刷設定ができる。 |
Excel | セルの書式設定方法や、SUM・AVERAGEなどの基本的な関数が理解できる。 |
ファイル管理 | ファイル名の変更、ファイルの削除、ファイルの圧縮・解凍に対応できる。 |
これらPCスキルが不安な人、自信のない人は、書籍やインターネットサイトを利用して事前に学習しておくことをおすすめします。
「基本的なPCスキル」が不安な人向けのおすすめの書籍
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事務処理能力
データ入力の仕事は、入力作業だけでなく、「入力後のデータのチェック」が欠かせません。
依頼される業務は、ミス・間違いがあってはならない重要情報に関わるものが多いからです。
加えて、入力後のデータを整理・集計し、関係部署に提出するまでの工程を任されることもあるでしょう。
これら一連の作業で求められる事務処理能力も、データ入力で必要とされるスキルです。
4)データ入力の仕事の注意点と対策
最後に、データ入力の仕事の注意点について見ていきましょう。
特に気を付けておきたいのは、以下の3点です。
データ入力以外の仕事内容を求められることがある
前述のとおり、「データ入力」で募集している求人の多くはOA事務や一般事務の業務と兼任となっています。
また、事務業務は一般的に他部署の人との連携が多く発生します。
求人情報の仕事内容をしっかりチェックすることと併せて、「モクモク作業がしたい」「なるべく覚えることの少ない仕事に就きたい」と考えている人は、必ずしもその通りになるとは限らないことに注意しましょう。
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長期雇用または正社員の求人は少ない
データ入力の求人の多くは、派遣社員・パートの雇用形態です。
契約期間も数ヵ月~3年のものが大半で、それ以上の長期雇用や正社員のポジションは限られています。
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「キャリアの積み上げ」が難しい
将来データ入力以外の職種を目指している場合、データ入力の経験はキャリアアップに直接つながりにくいことも知っておきましょう。
事前にキャリアプランを立てておくと、データ入力の仕事と併せてどのようなスキル・知識の習得をすべきかの方向性を見出しやすくなります。
参考:キャリアプランとは
キャリアプランとは、あなたが将来に望む仕事や働き方を実現するためのプランニング(行動計画)のことをいいます。
具体的には、以下のようにプランを建てていきます。
キャリアプランを立てる際、まず「キャリアの棚卸し」を行います。
キャリアの棚卸しで出てきた経験(または知識・スキル)をもとに、あなたが新天地でチャレンジしたい働き方をイメージし、そしてそれを実現するためにどんな行動が必要かを考えていきます。
キャリアプランは、上記の「キャリアプランの例」にあるように時期ごとに「実現したいこと」と「そのためにやること」を表形式に落とし込むと、そのイメージを整理しやすくなります。
ポイントは、半年や1年ではなく、3年・5年といった中長期的な期間を見据えることです。
今のうちにマスターしておくべき知識・スキルや取得しておくべき資格が出てくるかもしれません。
数か月に1度のペースでキャリアプランを考えておくと、普段においてもキャリアの軸を持てるようになり、迷いのない判断をしやすくなります。
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まとめ)データ入力の仕事を目指す際は中長期のキャリアプランも考えておこう
データ入力の求人は比較的多く、また競争率もそれほど高くありません。
特に都市部においては、いくつかの求人を比較しながらより希望条件に合致する職場を選べるはずです。
一方で、データ入力の仕事自体がキャリアの積み上げになりづらいことはさきに述べたとおりです。
データ入力の仕事にチャレンジする際は、いちどご自身の中長期のキャリアプランを立てたうえで、応募するのがよいでしょう。