47歳。自動車部品の製造会社から、未経験で障害福祉サービスへ転職。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 自動車部品製造業
- 職種
- 現場作業員
- 従業員規模
- 40名
- 年収
- 350万円
転職後
- 職業
- 障害福祉業
- 職種
- 職業指導員
- 従業員規模
- 25名
- 年収
- 300万円
目次
いっぽ2020さんの転職ストーリー
1これまでの私
年収は高くない。でも、充実はしている。
転職前の私は正社員として、自動車部品の製造会社に勤めていました。
会社は完全週休二日制で、残業もなく、働く環境としても仕事内容に関しても、満足感とやりがいを持って働けていました。
自動車部品の製造会社とは
自動車部品の製造会社は、自動車のエンジンやブレーキ、タイヤ、電装部品、内装パーツなどを製造する企業です。
製造会社は、各自動車メーカーの要望に応じて部品を開発し、生産ラインで大量に製造します。
自動車の技術進化に伴い、電動化や自動運転システムに関連した部品の開発も進められています。
自動車部品製造会社の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
部品の設計と開発 | 自動車の性能や安全性を向上させるために、新しい部品を設計・開発します。CADソフトを使って設計し、試作を経て製品化します。 |
製造と加工 | 材料を切断、加工して部品を製造します。大量生産を行う工場で、正確で効率的な生産ラインが運営されます。機械操作や精密な作業が求められます。 |
品質管理 | 製造された部品が規格通りに作られているかを確認し、品質を保証します。問題が発生した場合は、早急に改善を行い、製品の信頼性を高めます。 |
生産管理 | 部品の製造スケジュールや進行を管理し、納期通りに製品を納品できるよう調整します。資材の調達や生産ラインの効率化も行います。 |
技術革新の追求 | 自動車の技術進化に対応し、電動化や自動運転に関連する新技術の開発を進めます。軽量化や環境対応技術にも注力します。 |
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私の当時の収入は350万円。40代の世代の年収としてはやや低くめでしたが、妻は長くパート勤めをしてくれているので、それなりに貯蓄はできていました。
息子は2人います。一人はすでに社会人なので、今では子どもへのお金もそれほどかかりません。
自由になる時間とお金が増えたということもあり、週末は夫婦二人で出掛ける機会も多くなりました。
また長期休暇の際には、家族で一泊旅行に出かけることも何度かありました。
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2転職のきっかけ
私が仕事に一番求めていたことは、「安定して永く働けること」。
仕事の内容自体に不満はありませんでしたが、現場作業はとても体力を必要とする環境でした。
年齢のことを考えると「しんどいなあ」と感じる時もあり、将来的にも多少の不安がありました。
そんな折に、2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大。
その影響は、私の会社にも大きく出ました。
関連先の会社で休業するところも出てきて、私の会社も休業まではいかなかったものの、仕事量は確実に減りました。
正直、かなり焦りました。
当時はコロナ禍で仕事を失ったという人がよくニュースで取り上げられました。それを見るたびに、(明日は我が身かもしれない)とよく思ったものです。
50歳が目の前にきている私にとって、「安定して永く働けること」は最も重視していることでした。
いつクビになるか分からない状況で毎日を過ごすことが、とてもストレスに感じていたのです。
幸いなことに子供も成長しており、収入に対して特段こだわりはありませんでした。
そこで私は「これからの人生、もっと安定感を持てる働き方をしたい」と考え、転職を決意したのです。
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3転職活動中
選んだ仕事は、「障害福祉」。
私は元々人との交流が好きだったので、「人とのコミュニケーションが多い仕事」に焦点を絞って求人を探しました。
色々な求人を見て、最終的に私が選んだのは障害福祉に関係する仕事でした。
「人の役に立てるやりがいのある仕事」と感じましたし、何よりこれから自分が目指す働き方に合っていると思ったからです。
ですが、障害福祉の分野で働くのはこれが初めてです。当然不安もありました。
そんな時にたまたま福祉業界で働いている知人に会う機会があって。彼から仕事の内情を詳しく教えてもらいました。
教えてもらった内容は、インターネットで得られる情報よりもリアルで、かつ「本当に自分がこの仕事をできるのか」と思えるほど、大変なものでした。
- 知人
-
「想像しているよりもきっと大変な仕事だよ。本当に転職するなら覚悟をそれなりの持った方が良い」
知人はそうアドバイスしてくれました。
それでも、最終的に私は自分の考えを変えませんでした。
「人とのコミュニケーションの多い環境」であること、そして「安定感を持って働きたい」という当初の思いを大切にすることにしたのです。
それから私は障害福祉分野で働くために、本格的に求職活動を始めました。
求職活動で利用した媒体は主に、ハローワークや求人サイト。
未経験で転職前の給料と同じ条件を希望する場合は、どうしても年齢の部分がネックになってしまうので、給与水準は下げざるを得ません。私自身は、それでも働きたいという気持ちがありました。
妻に意見をもらうために、「給料が下がってしまうかも」と打ち明けたところ、
- 妻
-
「給料面のことはあまり気にしなくても大丈夫だから、やりたいことやってみるのが良いんじゃない?」
――と、理解してくれたのです。この言葉で気持ちが楽になりました。
最終的には自宅からそれほど遠くない所で、障がい者の就労を支援する会社を見つけ、転職できました。
障がい者就労支援とは
障がい者就労支援は、障がいを持つ人々が自立し、社会で働くためにサポートするサービスです。
支援は、障がい者の特性やニーズに応じて、適切な職場の紹介、スキル習得のための訓練、職場定着を目的としたフォローアップを行います。
就労支援施設や企業との連携を通じて、障がい者が安心して働ける環境を整え、経済的な自立を支援することが目的です。
障がい者就労支援の主な取り組み
取り組み | 説明 |
---|---|
職業訓練 | 障がい者が就労に必要なスキルを身につけるための訓練を提供します。作業技術やパソコンスキルなど、個々のニーズに応じたプログラムを実施します。 |
職場紹介と就労支援 | 障がい者に適した職場を紹介し、職場見学やインターンシップを通じてマッチングを行います。働きやすい環境を提供する企業との連携が重要です。 |
職場定着支援 | 就職後のフォローアップを行い、職場での悩みや課題を解決します。職場への定着を支援し、長く働ける環境を整えるためのサポートを行います。 |
相談支援 | 就労に関する不安や悩みを持つ障がい者やその家族に対して、相談窓口を設けています。個別のケースに応じて、具体的な解決策を提案します。 |
社会参加の促進 | 障がい者が積極的に社会に参加できるようにするため、働くことで自信を持てるよう支援します。地域や企業とのつながりを強化します。 |
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4転職後
「大変だけど、この仕事を選んで良かった」と思えたこと。
実際に仕事を始めてみると、知人のアドバイス通り大変でした。
障がい者労働支援の最終的な目的は、「障害のある人を一般就労へと導くこと」です。
そのために、軽作業を通して仕事の訓練をしたり、社会人としてのマナーを身につけてもらいます。
コミュニケーションが上手く取れない方もいて、作業が思うように進まずに残業が多くなってしまうこともあります。また、急な体調の変化で早退する際には、自宅まで送り届けなければなりません。
毎日の仕事が慌ただしくて、あっという間に時間が過ぎてしまうという感覚でした。
心身ともに疲れてしまうこともありますが、障害を持った方の笑顔を見たときは、「この仕事を選んで良かったな」と心から思えます。
給料は決して優遇されたものではありませんが、今ではとてもやりがいを持って取り組めています。
5その後、どうなったか。
やりたい仕事ができている喜び。
仕事を選ぶ際に、給料などの労働条件を重視する方は多いでしょう。もちろん私もこれまでの仕事ではそうでした。家計の経済的安定を図るためにも、給料は特に大切な要素なので。
しかし、今回の転職を通して感じたことは、「やりたい仕事ができる喜び」です。
とはいえそれを実現するためには、妻や家族の協力はもちろんのこと、自分の置かれた環境が大きく関わってきます。
私の場合には、子供にお金がかからなくなってきて給料面をそこまで気にする必要がなかった、また妻が理解をしてくれたなど、ポジティブな要素があって実現できました。
新型コロナの感染拡大も、転職を考えるきっかけとなった気がします。
偶然が重なった結果でもありますが、やりたい仕事を考えられたのは、改めて良かったと感じています。
転職前に比べて給料は低くなったので、旅行や娯楽に使えるお金も節約しなければなりません。
ですが、それ以上のやりがいを感じています。
加えてこの業界は、自分が年齢を重ねていったとしても需要があるので、安定感は抜群です。
コロナ感染拡大によって、働き方改革への取り組みに拍車がかかったと感じています。
特に顕著なのは、「ビジネスのIT化」でしょう。これまで私はインターネットにはあまり馴染んできていませんでしたので、もっとネット環境に身を置かなくてはと思っています。
現在は転職して間もない状況なので本業に力を注ぎますが、副業としてネットの活用も考えています。
ネットビジネスにはWebライターなど初心者でも始められるものもあるので、将来的に今よりも広がりを見せていくと思われるネット社会への対応力を身に付けたいです。
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障害福祉の世界がこれからどうやってIT化を進めていくか、私には今のところ見当がつきません。
ですが、日々ネットに慣れ親しんでおくことで、その行く末をいつかイメージできるのではないかと、そんな期待を持っています。
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