大切なのは、コンテンツへの想い。老舗アパレルブランドから、EC会社に転職して。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- アパレル
- 職種
- 販売、Webプロデューサー
- 従業員規模
- 101~200名
- 年収
- 非公開
転職後
- 職業
- アパレル
- 職種
- Webマーケター
- 従業員規模
- 2,001~5,000名
- 年収
- 非公開
目次
ペガKさんの転職ストーリー
1これまでの私
めちゃくちゃ忙しかった。でも、すごくやりがいもあった。
私が転職したのは2年前、それまでは都内のアパレル系の会社で13年間、勤務していました。
地元の親友の紹介で入ったのがきっかけですが、最初はお店での販売で4年間、その後は本社に移って9年くらい。
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社長が業界ではカリスマ的存在の人で。とても尊敬してましたね。社長が「これやろう」っていうプロジェクトがいつも、刺激的で魅力があって。それに携われるのが楽しかったです。
そういうこともあって、仕事にはとても意欲的に取り組めていました。その間、子供も二人生まれて。軸足は家族に向けつつ…でしたが、仕事もやりがいがすごくあって。
最初の4年間の販売のときは、とても忙しかったですね。平日でも200~300人くらい来店して。楽しむ余裕は殆どないくらいでした。
ですが、その間店長も経験できたりと、経験値をすごく積むことが出来ましたし、いまだに、仕事で何かあったときの「判断基準」の取り方ははこのときに形成されたくらいです。
で、その後は本社に移って、営業。そして、EC事業部を立ち上げるときにフックアップされて(それも親友が推してくれました)。
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とにかく、面白かった。
社内の誰もまだ知らない領域だったので、「とにかく試そう、やってみよう」で。大変だったけど、その沢山のチャレンジの中でいくつかがハマって。
そうしたら、売り上げもどんどん上がって、それはそれは楽しかったですね笑。
2転職のきっかけ
海外の企業に買収されて、すべてが変わってしまった。
会社が変わり始めたのは、海外の企業に買収されて、社長が変わってから──ですね。
M&Aは私から見ても、まあ、きわめて現実的、今のマーケティングに沿った考え方でした。ですが、そのタイミングで人がバッと辞めていきました。
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更に、会社の方針も一気に変わりました。セールスの戦略も結構強引な手法になって。
例えて言うなら、「お客さんを見ない売り方」というか。一気に詰まんなくなりました。
あと、この会社はモノを創れるプロだったけど、売るのは本当に素人だったんですよね。だからなおさら苦労しました。
また、新しい役員たちには「新規の取り組み」がほぼ通らなかった。珍しく通っても、1~2ヵ月経って効果が見えなければ即停止、みたいな。前は「まずチャレンジしよう」っていう風土だったのに。
──それで、「もうやめよう」と思いました。
あと、私自身も、「このままじゃマズイ!」と思っていました。新しい役員たちは、社内のスタッフにもプレゼン力を求めていて。私はというと、当時はプレゼン能力もなかったし、資料も作れなかったし、人前でも喋れなかった苦笑。
とにかく、自分自身の成長のためにも、もっとたくさん経験出来て、チャレンジできる職場に行こうと思いました。
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3転職中
アパレル専門の転職エージェントを利用。
活動期間は3ヵ月くらいですね。比較的順調にいきました。
転職エージェントは3社活用しました。最初にリクルートエージェントに登録。その後、アズール&カンパニーと、あともう一つはクリエイター専門のエージェントに。
リクルートエージェントは、すぐ辞めました。
担当の転職エージェントがとにかくせっかちで(笑)。こっちはじっくり考えたくても、せかしてくるんですよね。「こっちはこっちのペースがあるんだよ!」みたいな。それがちょっと合わなかったですね。
あと、別の友人からも「うちに来ない?」って誘われてて。
内定取れそうだったんですけど、かたや、アズール&カンパニー経由の求人も2社くらい良い感じで。
結局、そのうちの1社に決まりました。アズールの良かったところは、給料交渉してくれたことですね。
後で知ったんだけど、担当の転職エージェントと求人企業の人事部長が友達だったみたいで。やっぱり転職エージェントの人脈は重要なんだと実感しました。
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4転職後
入社早々の歓迎会で「社長がパワハラ」と聞かされ。
いやまあ、大変でした。
転職先もアパレル系だったんですよね。で、前職はメンズブランドで、今回はレディスブランドになって。当然、スタッフは女性ばかり。
入って初日、歓迎ランチしてくれたんですよね。私一人と、女の子10人で。で、そんな初めてのランチのときに、みんな、私の前任者のことディスりまくりで。
更には、一人の子が、「社長とどんだけうまくやれるかが、この会社でうまくやれる一番のコツだ」と言うんです。
社長はちょっとパワハラ気質で、更に少し柄悪くて、たびたび怒鳴る感じの人でした。
で、前任者は?と思ったら、うつ病で休職中だと聴いて…「うわーこれは、人間関係大変そうだなー」って思いましたね。
かつ、私は最初チーフとして部下がすでに5~6人いました。
彼女らにきちんとしたアウトプットをしなきゃいけないし、もちろん指導しなくちゃいけないしで。知らなかったり判らなかったりすると仕事を回せない。
だから、勉強はすごくしました。とりあえず、自分で調べられることはちゃんと調べようと。
転職は今回が初めてでしたが、やっぱり転職中よりも、入ってからが大変ですね。それを実感しました。
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5転職を振り返って
アパレルの本質は、「コンテンツ(商品)への想い」。
新しい職場で気づけたことですか?──ものすごいありますね。
いままでの職場は、言ってしまえば「カンと度胸とどんぶり勘定」。この業界ではよく、頭文字を取って「KDD」って言います。たぶん、業界外の人でも、一度は聞いたことありますよね。
でも新しい職場は合理思考で、何事もロジカルに考える、それを学べました。
あとは、私はECを担当したんですが、Webの奥深さを覚えました。ターゲティング、プロモーション、コンバージョン、CPA…。
ボードメンバーと一緒に資料を作る機会も持てて。大変でしたが、自然とプレゼン能力も上がりました。
残念に思えることは、今の会社はマーケティングはとてもしっかりしているけれど、コンテンツ(商品)への想いがそれ程強くないこと。
アパレルは、なんだかんだ言ってコンテンツ(商品)が命です。
前職では、コンテンツは少なかったけど、それこそ魂の籠った、中身のある商品を創っていた。
今の会社は、1つのパターンのコンテンツを紹介しようとすると数十個バーンってWebで紹介できる。顧客へのリーチも広がるし、いろんなニーズに応えられる。まさに売り方がうまい。
──でも、中身があるかというと、正直言って、あまりない。
もちろん、中身がないものをマーケットに拡散して売ることは出来るけど、「それが本質か?」…というと、どうなんだろうって。
結局、やっぱり老舗ブランドには敵わないところがあって。老舗ブランドにはコアなファン層がいるんですよね。
twitterのフォロワーの質も、全然違う。マーケティングのうまいアパレルブランドがどんなに宣伝したとしても、老舗ブランドのコアファンが書いてくれる「魂の籠った口コミ」には、やっぱり敵わないんですよね。
今思っているのは、「ブランド系企業に戻ってもう一度チャレンジしたい」ということ。
ここで得た知識を、古巣で活かしてみたい。当時やろうとしてできなくて、悔しい思いをしたので。見返してやりたいっていう気持ちもありますね。
あとは、そうだな──。個人事業?Webコンサルとか。
最近、いろんなマーケティングのセミナー行くんですよ。アパレルやブランドビジネスも、マーケティングをしっかりやらなくてはいけない時代になってきてますからね。
でも、そういうセミナーの講師は、えてして「いいこと言うけど、ブランドはそんなものじゃない」というのが多いんです。
たしかにマーケティングの知識はある。だけど、アパレルはそんなものじゃないんだよね、って思ったり。やってないとやっぱりわからないんでしょうね。そこは逆に、経験した人はメチャクチャアドバンテージがある。
とりあえず、もうちょい頑張って、考えられたらいいな──と。
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